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姫は屍累々なテラスを見渡しました。
「あ~あ、大事な兵隊さんがたくさん死んじゃった。突撃銃の弾丸か大筒が残っていたら、こんなことにはならなかったのに・・・」
姫は侍従長を見て、
「じぃ、私、準一の世界に行くよ、今夜!」
それを聞いて侍従長はびっくり。
「姫、何を考えてるんですか!? あんなところに行ったら、今度は左手だけじゃ済みませんぞ!」
「平気平気。今度は準一と一緒だから」
それを聞いて準一はびっくり。
「ええ、オレも?・・・」
姫。
「私、これ以上臣民が死ぬの、嫌だ! 兵器が揃っていれば誰も死なずに済んだんだ。また兵器を調達してくるよ!」
「姫・・・」
とつぶやいたっきり、侍従長は黙り込んでしまいました。
現実的な話、今またグラニ帝国軍が攻めてきたら、ノルン王国は完全お手上げです。守る手段がありません。現にブリュンとヒルドの襲撃に何も抵抗できませんでした。
侍従長のホンネは、また姫に武器を調達してきてもらいたいのです。
もちろん侍従長からそんなことは言えません。だから姫の自発的な行動は、渡りに船なのです。
姫は準一を見て、
「今日は朝早かったから、眠くなっちゃったよ。準一、また添い寝して・・・」
と言ったところで侍従長がまたお冠。
「姫!」
姫は照れ笑い。
「あは」
姫は準一を見て、
「今夜行こうね、準一の世界へ! それまでちょっと休憩!」
姫はあたりを見渡して、
「あれ、そう言えばあの2人は?」
侍従長が応えます。
「お側ご用人のことですかな?・・・」
すると声が。
「姫ーっ!」
姫が声がした方を見ると、お側ご用人の2人が駆けてくるところでした。
2人は姫のすぐ側まで来ました。侍従はいきなり謝罪。
「すみません。恐くてずーっと隠れてました・・・」
姫が応えます。
「あなたたちは宮廷勤めだから、こういうときは隠れていた方がいいよ」
侍女。
「で、でも、姫は・・・」
「私はノルン王国の代表よ。いざっていうときは、最前線に立たないと!」
それを聞いてお側ご用人の2人は感心。この人はこんなにも幼いのに、女王様の風格はちゃんと備わってるんだ! さすがノルン王国の女王様!
姫は柔和な顔になり、
「それよりもさぁ、またあれ、見せてよ」
侍従も笑顔で応えます。
「御意!」
侍女も笑顔で、
「いくらでもお見せしますよ」
3人は準一とは真逆の方へ歩き出しました。姫は楽しそう。
これを見た準一は、疑問が一気に湧き出し、思わずつぶやきました。
「またあのセリフ・・・ あのセリフ、どういう意味があるんだろう?・・・」
しばらくして、ここは小さな丘の上。ここにも太陽光パネル(太陽光発電機)が設置されてます。
太陽光発電機の分電盤にはドラム式の延長コードのプラグが差し込まれており、そのコードの反対側には、ヒルドが乗ってた空飛ぶ鉄の馬とヒルドが使ってた光弾銃があります。
準一は今、空飛ぶ鉄の馬をのぞき込んでます、かなり渋い顔になってます。
「う~ん・・・」
そこに侍従長が現れました。
「いかがですかな、準一殿?」
「思った通り、こいつ、オレが知ってる世界とはまったく別の世界のモノのでした。コンセントが合わないんですよ」
「コンセントが合わない?・・・」
準一は空飛ぶ鉄の馬を見回して、
「はい。トランシーバーはときどき充電しますよね? こいつも充電できれば、大空を自由に翔け巡ることができるはずなんです。けど、コンセントが合わないから、充電できないんです・・・
こいつが使えたら最高の武器になるんだけどなあ・・・ オレが機械に強かったらなあ・・・」
「あ~あ、大事な兵隊さんがたくさん死んじゃった。突撃銃の弾丸か大筒が残っていたら、こんなことにはならなかったのに・・・」
姫は侍従長を見て、
「じぃ、私、準一の世界に行くよ、今夜!」
それを聞いて侍従長はびっくり。
「姫、何を考えてるんですか!? あんなところに行ったら、今度は左手だけじゃ済みませんぞ!」
「平気平気。今度は準一と一緒だから」
それを聞いて準一はびっくり。
「ええ、オレも?・・・」
姫。
「私、これ以上臣民が死ぬの、嫌だ! 兵器が揃っていれば誰も死なずに済んだんだ。また兵器を調達してくるよ!」
「姫・・・」
とつぶやいたっきり、侍従長は黙り込んでしまいました。
現実的な話、今またグラニ帝国軍が攻めてきたら、ノルン王国は完全お手上げです。守る手段がありません。現にブリュンとヒルドの襲撃に何も抵抗できませんでした。
侍従長のホンネは、また姫に武器を調達してきてもらいたいのです。
もちろん侍従長からそんなことは言えません。だから姫の自発的な行動は、渡りに船なのです。
姫は準一を見て、
「今日は朝早かったから、眠くなっちゃったよ。準一、また添い寝して・・・」
と言ったところで侍従長がまたお冠。
「姫!」
姫は照れ笑い。
「あは」
姫は準一を見て、
「今夜行こうね、準一の世界へ! それまでちょっと休憩!」
姫はあたりを見渡して、
「あれ、そう言えばあの2人は?」
侍従長が応えます。
「お側ご用人のことですかな?・・・」
すると声が。
「姫ーっ!」
姫が声がした方を見ると、お側ご用人の2人が駆けてくるところでした。
2人は姫のすぐ側まで来ました。侍従はいきなり謝罪。
「すみません。恐くてずーっと隠れてました・・・」
姫が応えます。
「あなたたちは宮廷勤めだから、こういうときは隠れていた方がいいよ」
侍女。
「で、でも、姫は・・・」
「私はノルン王国の代表よ。いざっていうときは、最前線に立たないと!」
それを聞いてお側ご用人の2人は感心。この人はこんなにも幼いのに、女王様の風格はちゃんと備わってるんだ! さすがノルン王国の女王様!
姫は柔和な顔になり、
「それよりもさぁ、またあれ、見せてよ」
侍従も笑顔で応えます。
「御意!」
侍女も笑顔で、
「いくらでもお見せしますよ」
3人は準一とは真逆の方へ歩き出しました。姫は楽しそう。
これを見た準一は、疑問が一気に湧き出し、思わずつぶやきました。
「またあのセリフ・・・ あのセリフ、どういう意味があるんだろう?・・・」
しばらくして、ここは小さな丘の上。ここにも太陽光パネル(太陽光発電機)が設置されてます。
太陽光発電機の分電盤にはドラム式の延長コードのプラグが差し込まれており、そのコードの反対側には、ヒルドが乗ってた空飛ぶ鉄の馬とヒルドが使ってた光弾銃があります。
準一は今、空飛ぶ鉄の馬をのぞき込んでます、かなり渋い顔になってます。
「う~ん・・・」
そこに侍従長が現れました。
「いかがですかな、準一殿?」
「思った通り、こいつ、オレが知ってる世界とはまったく別の世界のモノのでした。コンセントが合わないんですよ」
「コンセントが合わない?・・・」
準一は空飛ぶ鉄の馬を見回して、
「はい。トランシーバーはときどき充電しますよね? こいつも充電できれば、大空を自由に翔け巡ることができるはずなんです。けど、コンセントが合わないから、充電できないんです・・・
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