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姫の説明が続いてます。
「ま、2台目以降はちゃんと買ったけどね」
ここで別の疑問が準一に発生しました。姫はどうやってお金を調達したんだ? もしや銀行強盗? それとも誘拐? う~ん・・・
準一はそれ以上は考えないことにしました。
姫の説明はまだ続いてます。
「ノルン王国中に太陽光発電機と中継器を設置したら、国中の情報が瞬時に宮殿に集まるようになったんだ」
どうやらこの国は、姫によって通信網が構築されていたようです。
準一は更なる疑問が浮かんだようです。ソーラーパネルを見て、
「あれ、どうやって持ってきたの? 大きいし、重たかったんじゃない?・・・」
姫は得意げな顔で応えます。
「私は魔法使いよ。私に不可能なものはないわ。地震魔法以外はね」
準一は関心する一方で、今の発言の最後の部分が引っかかりました。
「地震魔法?・・・ 姫はやっぱ地震魔法が欲しいのか?・・・
そりゃあそうだよなあ。地震魔法があればスクルド王国もウルズ王国も簡単に押し返せるし、それ以前に襲ってくることもない。姫にも地震魔法があったら・・・」
箒の下は山間部になってきました。かなり高い尾根。これは山脈と表現した方がいいようです。さらにその向こうに海が見えました。山脈はそのまま海に突き出ています。そう、岬。
岬の先には小さな島が一直線に点々と続いてます。一番奥に見える島のさらにその奥には、大型の帆船が3隻見えます。スクルド王国の軍艦です。姫は思わず大声をあげました。
「見えた!」
軍艦の側面にはたくさんの窓が横一列に並んでいて、その窓すべてから大砲が顔を出してます。準一はそれを見て、
「うわっ、凄い大砲の数! あれを1発でも喰らったら、たとえ防御魔法の光で防御してても木端微塵だよ!」
姫は考えます。
「う~ん・・・」
先頭の軍艦から見た姫と準一。それを単眼鏡(遠眼鏡)で見ているこの軍艦の船長はニヤッと笑いました。
「あれはノルン王国の女王。ふふ、女王自ら殺られに来たとは・・・
撃てーっ!」
一斉に火を放つ大砲。他の2隻の軍艦の大砲も炸裂します。しかし、2人が乗った箒に砲弾はまったく当たりません。届かないと言った方が正解か?
当たり前です。この時代、まだ航空兵器はありません。大砲をそんなに高い角度にあげる必要がないのです。2人に砲弾を当てるには、もっと角度が必要なのです。
船長は悔しがってます。
「くそーっ! あんな高い処を飛ばれては・・・」
2人が乗った箒が軍艦の真上を直交で通り過ぎます。と、準一は何か思い浮かんだようです。
「遠すぎたから当たらなかったのか?・・・」
正確には大砲の角度が足りないから当たらなかったのですが・・・
準一のつぶやきが続きます。
「じゃあ、近すぎたらどうなんだ?・・・」
姫は準一の独り言を聞いて、質問。
「何かいいアイデアが思い浮かんだの?」
「うん!
姫、艦に思いっきり近づいて、甲板と同じ高さで飛んでみて!」
「OK!」
2人が乗った箒が高度を急激に下げながら270度ターン。準一は右手で何かを握るポーズを見せ、呪文を唱えました。
「出でよ、鎌鼬の剣!」
すると右手の中に光が現れ、それが長細くなり、鎌鼬の剣となりました。
2人が乗った箒は、軍艦の甲板よりちょっと高い高度で船尾から近づいてきました。それを見て慌てる船長。
「撃て! 大砲で撃ち落とすんじゃ!」
側にいる兵がそれに否定的に応えます。
「ダメです! 近すぎます!」
「ま、2台目以降はちゃんと買ったけどね」
ここで別の疑問が準一に発生しました。姫はどうやってお金を調達したんだ? もしや銀行強盗? それとも誘拐? う~ん・・・
準一はそれ以上は考えないことにしました。
姫の説明はまだ続いてます。
「ノルン王国中に太陽光発電機と中継器を設置したら、国中の情報が瞬時に宮殿に集まるようになったんだ」
どうやらこの国は、姫によって通信網が構築されていたようです。
準一は更なる疑問が浮かんだようです。ソーラーパネルを見て、
「あれ、どうやって持ってきたの? 大きいし、重たかったんじゃない?・・・」
姫は得意げな顔で応えます。
「私は魔法使いよ。私に不可能なものはないわ。地震魔法以外はね」
準一は関心する一方で、今の発言の最後の部分が引っかかりました。
「地震魔法?・・・ 姫はやっぱ地震魔法が欲しいのか?・・・
そりゃあそうだよなあ。地震魔法があればスクルド王国もウルズ王国も簡単に押し返せるし、それ以前に襲ってくることもない。姫にも地震魔法があったら・・・」
箒の下は山間部になってきました。かなり高い尾根。これは山脈と表現した方がいいようです。さらにその向こうに海が見えました。山脈はそのまま海に突き出ています。そう、岬。
岬の先には小さな島が一直線に点々と続いてます。一番奥に見える島のさらにその奥には、大型の帆船が3隻見えます。スクルド王国の軍艦です。姫は思わず大声をあげました。
「見えた!」
軍艦の側面にはたくさんの窓が横一列に並んでいて、その窓すべてから大砲が顔を出してます。準一はそれを見て、
「うわっ、凄い大砲の数! あれを1発でも喰らったら、たとえ防御魔法の光で防御してても木端微塵だよ!」
姫は考えます。
「う~ん・・・」
先頭の軍艦から見た姫と準一。それを単眼鏡(遠眼鏡)で見ているこの軍艦の船長はニヤッと笑いました。
「あれはノルン王国の女王。ふふ、女王自ら殺られに来たとは・・・
撃てーっ!」
一斉に火を放つ大砲。他の2隻の軍艦の大砲も炸裂します。しかし、2人が乗った箒に砲弾はまったく当たりません。届かないと言った方が正解か?
当たり前です。この時代、まだ航空兵器はありません。大砲をそんなに高い角度にあげる必要がないのです。2人に砲弾を当てるには、もっと角度が必要なのです。
船長は悔しがってます。
「くそーっ! あんな高い処を飛ばれては・・・」
2人が乗った箒が軍艦の真上を直交で通り過ぎます。と、準一は何か思い浮かんだようです。
「遠すぎたから当たらなかったのか?・・・」
正確には大砲の角度が足りないから当たらなかったのですが・・・
準一のつぶやきが続きます。
「じゃあ、近すぎたらどうなんだ?・・・」
姫は準一の独り言を聞いて、質問。
「何かいいアイデアが思い浮かんだの?」
「うん!
姫、艦に思いっきり近づいて、甲板と同じ高さで飛んでみて!」
「OK!」
2人が乗った箒が高度を急激に下げながら270度ターン。準一は右手で何かを握るポーズを見せ、呪文を唱えました。
「出でよ、鎌鼬の剣!」
すると右手の中に光が現れ、それが長細くなり、鎌鼬の剣となりました。
2人が乗った箒は、軍艦の甲板よりちょっと高い高度で船尾から近づいてきました。それを見て慌てる船長。
「撃て! 大砲で撃ち落とすんじゃ!」
側にいる兵がそれに否定的に応えます。
「ダメです! 近すぎます!」
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