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準一は厳しい眼の侍女を見て、はっとしました。
「あれ~ なんであの女、あんなに恨めしそうな眼になってるんだ?」
整髪はあっという間に終了。姫の髪の毛は両耳が出るほど短くなりました。ちなみに、お側ご用人の侍女の髪もショートですが、マッシュルームのようなボリュームがあり、耳はほぼ完全に隠れてます。
姫は上機嫌。
「あは、これで洗髪が楽になる」
姫は準一を見て、
「さあ、行こっか!」
準一はちょっとぼーとしてましたが、その姫の言葉に気づき、
「あ、ああ、はい・・・」
と、慌てて反応。
姫と準一が箒に跨りました。2人は侍従長を見て、
「じゃ、行ってきます」
「ああ、待ってください。準一殿!」
侍従長は近くにいた兵に眼で合図を送りました。
「おい!」
「はっ!」
その兵は侍従長にトランシーバーと背中に背負う本体を差し出しました。準一はそれを見て、質問。
「トランシーバー?・・・」
兵は応えます。
「はい。これでいち早く吉報を!」
準一はクスッと笑って、そのセットを受け取りました。
「了解!」
準一はトランシーバーの本体を背負います。
侍従長は姫を見て、
「姫、絶対、絶対生きて帰ってきてください!」
「わかってんわよ!」
2人の足が地面から離れました。次の瞬間、2人が乗った箒が物凄いスピードで飛び始めました。それを見送る侍従長はぽつり。
「姫、ご無事で・・・」
2人を乗せた箒は快調に飛んでます。姫は横目で真後ろの準一を見て、
「どう、私の髪の毛、気にならなくなったでしょ?」
「う~ん、髪の毛切る必要なかったんじゃない? 小さくまとめればよかったじゃん。シニヨンだっけ?」
「いちいち箒に乗る前に髪の毛まとめるなんて大変だよ。こーやって切っちゃった方が早いって」
準一は釈然としてません。自分のせいで姫は王室の伝統を破ってしまったからです。
と、ここで準一の脳裏に新たな疑問が発生したようです。
「ん、そう言えば?・・・」
準一はトランシーバーを取り出し、
「これ、ずーっと使ってると中のバッテリーというものが無くなって、使えなくなると思うんだけど?・・・」
姫は応えます。
「バッテリーて電池のことかな? あなたの世界から持ってきた機械でときどき充電してるわよ」
「ええ?」
準一はキャンプなどで使われる軽油で動く小型の発電機を思い浮かべました。
「発電機? 発電機なら燃料が必要なはず・・・ どうやって調達してるんだ、燃料を?」
姫は顎である方向を指差しました。
「ほら、あそこ」
準一がその先を見ると、そこは円筒形の建物。3階建てくらいの高さか? その屋上にキラっと光る物体があります。どうやら太陽光を反射させてるようです。それを見て準一はびっくり。
「ええ、太陽光パネル?・・・」
姫の説明。
「トランシーバーだっけ? あれ、この世界に最初に持ってきたとき、初めのうちはちゃんと通信できたのに、すぐに使えなくなっちゃったんだ。
あなたの世界に戻っていろいと訊いてみたら、原因は2つあるって・・・
1つは電池切れ。もう1つは距離」
「距離?」
電池切れに関しては、準一が想像していた通りでしたが、距離に関しては、想定外だったようです。
姫の説明が続きます。
「うん。トランシーバーの電波は思ったほど遠くまで届かないと教えてもらったんだ」
準一はピーンときました。
「それでオレの世界から太陽光発電機とトランシーバーの中継器を買ってきたのか?」
「う~ん、半分正解。太陽光発電機はお金を出して買ってきたけど、トランシーバーの中継器はトランシーバーを盗んだきた建物にもう1回入って、いただいてきた、ていうのが正解」
準一は呆れ顔。
「あは」
「あれ~ なんであの女、あんなに恨めしそうな眼になってるんだ?」
整髪はあっという間に終了。姫の髪の毛は両耳が出るほど短くなりました。ちなみに、お側ご用人の侍女の髪もショートですが、マッシュルームのようなボリュームがあり、耳はほぼ完全に隠れてます。
姫は上機嫌。
「あは、これで洗髪が楽になる」
姫は準一を見て、
「さあ、行こっか!」
準一はちょっとぼーとしてましたが、その姫の言葉に気づき、
「あ、ああ、はい・・・」
と、慌てて反応。
姫と準一が箒に跨りました。2人は侍従長を見て、
「じゃ、行ってきます」
「ああ、待ってください。準一殿!」
侍従長は近くにいた兵に眼で合図を送りました。
「おい!」
「はっ!」
その兵は侍従長にトランシーバーと背中に背負う本体を差し出しました。準一はそれを見て、質問。
「トランシーバー?・・・」
兵は応えます。
「はい。これでいち早く吉報を!」
準一はクスッと笑って、そのセットを受け取りました。
「了解!」
準一はトランシーバーの本体を背負います。
侍従長は姫を見て、
「姫、絶対、絶対生きて帰ってきてください!」
「わかってんわよ!」
2人の足が地面から離れました。次の瞬間、2人が乗った箒が物凄いスピードで飛び始めました。それを見送る侍従長はぽつり。
「姫、ご無事で・・・」
2人を乗せた箒は快調に飛んでます。姫は横目で真後ろの準一を見て、
「どう、私の髪の毛、気にならなくなったでしょ?」
「う~ん、髪の毛切る必要なかったんじゃない? 小さくまとめればよかったじゃん。シニヨンだっけ?」
「いちいち箒に乗る前に髪の毛まとめるなんて大変だよ。こーやって切っちゃった方が早いって」
準一は釈然としてません。自分のせいで姫は王室の伝統を破ってしまったからです。
と、ここで準一の脳裏に新たな疑問が発生したようです。
「ん、そう言えば?・・・」
準一はトランシーバーを取り出し、
「これ、ずーっと使ってると中のバッテリーというものが無くなって、使えなくなると思うんだけど?・・・」
姫は応えます。
「バッテリーて電池のことかな? あなたの世界から持ってきた機械でときどき充電してるわよ」
「ええ?」
準一はキャンプなどで使われる軽油で動く小型の発電機を思い浮かべました。
「発電機? 発電機なら燃料が必要なはず・・・ どうやって調達してるんだ、燃料を?」
姫は顎である方向を指差しました。
「ほら、あそこ」
準一がその先を見ると、そこは円筒形の建物。3階建てくらいの高さか? その屋上にキラっと光る物体があります。どうやら太陽光を反射させてるようです。それを見て準一はびっくり。
「ええ、太陽光パネル?・・・」
姫の説明。
「トランシーバーだっけ? あれ、この世界に最初に持ってきたとき、初めのうちはちゃんと通信できたのに、すぐに使えなくなっちゃったんだ。
あなたの世界に戻っていろいと訊いてみたら、原因は2つあるって・・・
1つは電池切れ。もう1つは距離」
「距離?」
電池切れに関しては、準一が想像していた通りでしたが、距離に関しては、想定外だったようです。
姫の説明が続きます。
「うん。トランシーバーの電波は思ったほど遠くまで届かないと教えてもらったんだ」
準一はピーンときました。
「それでオレの世界から太陽光発電機とトランシーバーの中継器を買ってきたのか?」
「う~ん、半分正解。太陽光発電機はお金を出して買ってきたけど、トランシーバーの中継器はトランシーバーを盗んだきた建物にもう1回入って、いただいてきた、ていうのが正解」
準一は呆れ顔。
「あは」
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