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姫は箒から地面に降り立ち、侍従長に質問しました。
「何があったの?」
「ウルズ王国とスクルド王国が攻めて来ます! 同時に!」
姫と準一はびっくり。
「ええ~!?」
「間者からの報告によると、今朝未明ヴェルザンディ公国の港から3隻の軍艦が出港したようです。この3隻、途中ウルズ王国の港に寄って、たくさんの兵隊を乗せたようです!」
姫はちょっとムッとして、
「なんですぐに連絡してこなかったの、間者は?」
「それが・・・ ヴェルザンディ公国とウルズ王国とは距離があり過ぎて、トランシーバーの電波はとうてい届きません。代わりに伝書鳩を使って連絡してきたので、どうしてもこの時間になってしまったのです」
準一はその言葉に疑問を持ち、質問しました。
「伝書鳩て夜は飛ばないんじゃないですか?」
「左様。それも連絡が遅れた原因の1つになります。
この一報を聞いて我が軍はただちにウルズ王国に向け軍艦を出港させたのですが、たった今2羽目の伝書鳩が到着しまして・・・」
準一の質問。
「もしや、スクルド王国も?」
「左様・・・
ヴェルザンディ公国第2の港から3隻の軍艦が出港したと書かれてました。やはり途中スクルド王国の港に寄って、たくさんの軍人を乗せたようです」
準一。
「ヴェルザンディ公国がウルズ王国とスクルド王国のために外国から大量の軍艦を仕入れたという噂は事実だったんだ・・・」
準一は姫を見て質問。
「どうする?」
姫は少し考え、
「う~ん・・・」
そして応えました。
「ウルズ王国の方は我が軍の精鋭に任せましょう。スクルド王国の軍艦は私が潰します!」
「ええ~ 君1人で?」
「準一も手伝ってよ、当然!」
「ええーっ?・・・」
侍従長。
「本来我々は、姫の戦場行きは止めないといけない立場。しかし、今は姫に頼るしかありません。
幸い姫にはすべての攻撃をブロックする碧いブローチがあります。準一殿には鎌鼬の剣もあります。姫と準一殿の力が合わされば、百人力・・・ いや、千人力。敵の軍艦を葬れるはず!」
それを聞いて準一は心の中で苦笑い。
「あれ~ この人、侍従長なのに大事な姫・・・ 女王様をたった2人で戦場に向かわせる気なのかよ?・・・」
姫はお側ご用人の侍女を見て、
「ねぇ、ハサミ持ってる?」
「あ、はい」
侍女はハサミを取り出し、それを姫に渡しました。
「どうぞ」
「ありがと」
と言い終わるや否や、姫は自分の髪の毛の中にハサミを突っ込み、そのままチョキンと髪の毛を切り落としてしまいました。驚くお側ご用人の2人と兵たち。
「ええ~・・・」
侍従長は慌てます。
「ひ、姫、何を!?」
「髪の毛が邪魔だから、切ってんの」
チョキン! 姫はさらに自分の髪の毛にハサミを入れました。
侍従長はお冠。
「ノルン王国の王族の女は、生きてる間は髪の毛を伸ばし続けないといけないというルールがあるのですぞ! お忘れですか!?」
姫は自分の髪の毛をどんどん切り落としていきます。
「そんなルール、私の代で終わりにすればいいじゃん!」
石畳に落ちる姫の髪。それを見た侍女は口をあんぐり。
「ええ~・・・」
なお、姫は左手がなく、右手だけで髪の毛を切ってるせいか、頭髪は左右かなりアンバランスになってます。
地団駄を踏む侍従長。
「あ~ もう!・・・」
そしてお側ご用人の2人を見て、
「すぐに理髪師か理容師を呼んでくるんだ!」
「はい!」
早速理髪師と理容師が駆け付け、散切りになった姫の髪に手を入れました。
準一は唖然となってそれを見てましたが、あるところではっとしました。姫の整髪を見てる侍女の眼がかなりきつくなってるのです。
「何があったの?」
「ウルズ王国とスクルド王国が攻めて来ます! 同時に!」
姫と準一はびっくり。
「ええ~!?」
「間者からの報告によると、今朝未明ヴェルザンディ公国の港から3隻の軍艦が出港したようです。この3隻、途中ウルズ王国の港に寄って、たくさんの兵隊を乗せたようです!」
姫はちょっとムッとして、
「なんですぐに連絡してこなかったの、間者は?」
「それが・・・ ヴェルザンディ公国とウルズ王国とは距離があり過ぎて、トランシーバーの電波はとうてい届きません。代わりに伝書鳩を使って連絡してきたので、どうしてもこの時間になってしまったのです」
準一はその言葉に疑問を持ち、質問しました。
「伝書鳩て夜は飛ばないんじゃないですか?」
「左様。それも連絡が遅れた原因の1つになります。
この一報を聞いて我が軍はただちにウルズ王国に向け軍艦を出港させたのですが、たった今2羽目の伝書鳩が到着しまして・・・」
準一の質問。
「もしや、スクルド王国も?」
「左様・・・
ヴェルザンディ公国第2の港から3隻の軍艦が出港したと書かれてました。やはり途中スクルド王国の港に寄って、たくさんの軍人を乗せたようです」
準一。
「ヴェルザンディ公国がウルズ王国とスクルド王国のために外国から大量の軍艦を仕入れたという噂は事実だったんだ・・・」
準一は姫を見て質問。
「どうする?」
姫は少し考え、
「う~ん・・・」
そして応えました。
「ウルズ王国の方は我が軍の精鋭に任せましょう。スクルド王国の軍艦は私が潰します!」
「ええ~ 君1人で?」
「準一も手伝ってよ、当然!」
「ええーっ?・・・」
侍従長。
「本来我々は、姫の戦場行きは止めないといけない立場。しかし、今は姫に頼るしかありません。
幸い姫にはすべての攻撃をブロックする碧いブローチがあります。準一殿には鎌鼬の剣もあります。姫と準一殿の力が合わされば、百人力・・・ いや、千人力。敵の軍艦を葬れるはず!」
それを聞いて準一は心の中で苦笑い。
「あれ~ この人、侍従長なのに大事な姫・・・ 女王様をたった2人で戦場に向かわせる気なのかよ?・・・」
姫はお側ご用人の侍女を見て、
「ねぇ、ハサミ持ってる?」
「あ、はい」
侍女はハサミを取り出し、それを姫に渡しました。
「どうぞ」
「ありがと」
と言い終わるや否や、姫は自分の髪の毛の中にハサミを突っ込み、そのままチョキンと髪の毛を切り落としてしまいました。驚くお側ご用人の2人と兵たち。
「ええ~・・・」
侍従長は慌てます。
「ひ、姫、何を!?」
「髪の毛が邪魔だから、切ってんの」
チョキン! 姫はさらに自分の髪の毛にハサミを入れました。
侍従長はお冠。
「ノルン王国の王族の女は、生きてる間は髪の毛を伸ばし続けないといけないというルールがあるのですぞ! お忘れですか!?」
姫は自分の髪の毛をどんどん切り落としていきます。
「そんなルール、私の代で終わりにすればいいじゃん!」
石畳に落ちる姫の髪。それを見た侍女は口をあんぐり。
「ええ~・・・」
なお、姫は左手がなく、右手だけで髪の毛を切ってるせいか、頭髪は左右かなりアンバランスになってます。
地団駄を踏む侍従長。
「あ~ もう!・・・」
そしてお側ご用人の2人を見て、
「すぐに理髪師か理容師を呼んでくるんだ!」
「はい!」
早速理髪師と理容師が駆け付け、散切りになった姫の髪に手を入れました。
準一は唖然となってそれを見てましたが、あるところではっとしました。姫の整髪を見てる侍女の眼がかなりきつくなってるのです。
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