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準一の全身も光に包まれました。光に消える準一の容姿。次の瞬間、光は突然消滅。そこに2人の姿はありません。ワンテンポ遅れて魔法円も消滅しました。
次の瞬間、準一はさらに巨大な魔法円の中に姫とともに立ってました。魔法円は大広間の床に描かれてます。そう、ここは今朝未明姫が帰ってきた宮殿の中の大広間です。
「こ、ここは?」
魔法円の外側に何人か人影が見えます。侍従長、巨漢なコマンダー、その他数人の兵。準一は特にヒャッハーなコマンダーを見てびっくり。
「ええ~?・・・」
侍従長は温和に話しかけてますが、コマンダーは怖い顔でまくし立ててます。けど、その言語は準一には知らない言語。準一は戸惑うばかり。
「な、なんだよ、この言葉? 初めて聞くぞ・・・」
それを聞いて姫ははっとしました。
「あ、いけない!」
姫は飴玉のようなものを取り出し、それを準一に差し出しました。
「これを口に入れて、かみ砕いて。早く!」
「ええ? わ、わかったよ!」
準一はその飴玉のようなものを口に入れてガリっと噛み砕きました。途端に顔が渋くなりました。
「うげ~ な、なんだよ、これ? にが~・・・」
「姫、本当にこの男がこの国を救ってくれる男なんですか?」
それは侍従長の発言。さっきまで知らない言語でしゃべってた初老の男が突然日本語でしゃべり出したのです。準一は混乱します。
「な、なんだよ、これ?」
巨漢のコマンダーはいぶかしそうに準一をにらみ、
「こんな弱っちい男がこの国を救うんですか、ほんとに?」
この人物の言葉も日本語でした。どうやら先ほどの飴玉のようなもので準一は、この世界の言語を瞬時に獲得したようです。
姫がコマンダーに応えます。
「ふふ、この人が私にマナの力を与えてくれた。もしあのときこの人が私にマナの力を与えてくれなかったら、私、あっけなく死んでたわ。そう、この人は私の命の恩人!」
コマンダーは自分の顔を準一の顔にぎゅっと接近させました。
「この男が? 本当ですかあ?・・・」
コマンダーの怖い顔に準一はビビリました。
「あは、あははは・・・」
姫は侍従長に質問。
「じぃ。例のもの、見つかった?」
「はい」
侍従長は横目で後ろにいた兵に命令しました。
「おい!」
当該兵は敬礼して、
「はい!」
兵は布に包まれた細長い物体を持って前へ。姫の前で恭しく身を屈め、その物体を姫に差し出しました。
「中身は抜き身です。鞘は見つかりませんでした。扱いには十分注意してください!」
「ありがと!」
姫はその物体を受け取ると、布を解きました。すると中から短剣が出てきました。刃渡り50cmくらい。姫はその短剣の柄の部分を持ち、刃の部分を凝視し、
「これが曾祖母が使ってた鎌鼬の剣?」
姫はその剣を準一に差し出しました。
「はい、これ!」
準一はいきなり刃を向けられたものでびっくり。
「ええ~!」
「え~と、準一だっけ? 今日からこれを使って!」
「オ、オレが使うのか、これを?」
準一はその剣を受け取り、姫同様刃をまじまじと見ました。侍従長はそんな準一に、
「それは2代前の王が使ってた魔法の剣ですぞ」
準一はその言葉に疑問を持ちました。
「2代前の王? 魔法の剣?」
姫が応えます。
「私の曾祖母はそれを使って旋風や鎌鼬を自由に発生させていたそうよ。それがあれば、あなたは無敵よ!」
準一はそのセリフのある個所が気になり、その部分を疑問形で復唱しました。
「私の曾祖母?・・・」
次の瞬間、準一はさらに巨大な魔法円の中に姫とともに立ってました。魔法円は大広間の床に描かれてます。そう、ここは今朝未明姫が帰ってきた宮殿の中の大広間です。
「こ、ここは?」
魔法円の外側に何人か人影が見えます。侍従長、巨漢なコマンダー、その他数人の兵。準一は特にヒャッハーなコマンダーを見てびっくり。
「ええ~?・・・」
侍従長は温和に話しかけてますが、コマンダーは怖い顔でまくし立ててます。けど、その言語は準一には知らない言語。準一は戸惑うばかり。
「な、なんだよ、この言葉? 初めて聞くぞ・・・」
それを聞いて姫ははっとしました。
「あ、いけない!」
姫は飴玉のようなものを取り出し、それを準一に差し出しました。
「これを口に入れて、かみ砕いて。早く!」
「ええ? わ、わかったよ!」
準一はその飴玉のようなものを口に入れてガリっと噛み砕きました。途端に顔が渋くなりました。
「うげ~ な、なんだよ、これ? にが~・・・」
「姫、本当にこの男がこの国を救ってくれる男なんですか?」
それは侍従長の発言。さっきまで知らない言語でしゃべってた初老の男が突然日本語でしゃべり出したのです。準一は混乱します。
「な、なんだよ、これ?」
巨漢のコマンダーはいぶかしそうに準一をにらみ、
「こんな弱っちい男がこの国を救うんですか、ほんとに?」
この人物の言葉も日本語でした。どうやら先ほどの飴玉のようなもので準一は、この世界の言語を瞬時に獲得したようです。
姫がコマンダーに応えます。
「ふふ、この人が私にマナの力を与えてくれた。もしあのときこの人が私にマナの力を与えてくれなかったら、私、あっけなく死んでたわ。そう、この人は私の命の恩人!」
コマンダーは自分の顔を準一の顔にぎゅっと接近させました。
「この男が? 本当ですかあ?・・・」
コマンダーの怖い顔に準一はビビリました。
「あは、あははは・・・」
姫は侍従長に質問。
「じぃ。例のもの、見つかった?」
「はい」
侍従長は横目で後ろにいた兵に命令しました。
「おい!」
当該兵は敬礼して、
「はい!」
兵は布に包まれた細長い物体を持って前へ。姫の前で恭しく身を屈め、その物体を姫に差し出しました。
「中身は抜き身です。鞘は見つかりませんでした。扱いには十分注意してください!」
「ありがと!」
姫はその物体を受け取ると、布を解きました。すると中から短剣が出てきました。刃渡り50cmくらい。姫はその短剣の柄の部分を持ち、刃の部分を凝視し、
「これが曾祖母が使ってた鎌鼬の剣?」
姫はその剣を準一に差し出しました。
「はい、これ!」
準一はいきなり刃を向けられたものでびっくり。
「ええ~!」
「え~と、準一だっけ? 今日からこれを使って!」
「オ、オレが使うのか、これを?」
準一はその剣を受け取り、姫同様刃をまじまじと見ました。侍従長はそんな準一に、
「それは2代前の王が使ってた魔法の剣ですぞ」
準一はその言葉に疑問を持ちました。
「2代前の王? 魔法の剣?」
姫が応えます。
「私の曾祖母はそれを使って旋風や鎌鼬を自由に発生させていたそうよ。それがあれば、あなたは無敵よ!」
準一はそのセリフのある個所が気になり、その部分を疑問形で復唱しました。
「私の曾祖母?・・・」
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