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準一に応える姫。
「私、あいつに左手を撃ち落とされたんだよ! くそーっ、あいつを撃ち落とす魔法があったら仕返ししてやるのに・・・」
準一は再びヘリコプターを見ました。どう見ても報道のヘリコプターです。
「あれ、報道用のヘリコプターだよ。武器なんか積んでないよ」
「ええ、ほんと?」
「ほんとだよ。あれは君の身体に傷をつけたヘリコプターじゃないよ」
「あは」
姫は安心した顔を見せました。
一方ここはヘリコプターの機内。操縦席の後ろの席、リポーターと思われる女性がマイク片手にしゃべってます。
「信じられません。東京の上空に魔女が、魔女が現れました! 昨日何人もの人が箒に乗って空を飛ぶ少女を見たと証言してましたが、今その少女が私の眼の前に出現しました!」
女性リポーターのすぐ後ろにテレビカメラを構えたカメラマンがいます。そのカメラが姫と準一を捉えてます。この映像に被る女性リポーターの声。
「魔女の後ろには男性が乗ってます。指名手配になってる明石準一容疑者のようです。明石容疑者は魔女に連れられ、どこかに行く気なのでしょうか?」
ヘリコプターを見ている準一。
「でも、このままほっとくと警察のヘリコプターが来るかも? 警察のヘリコプターは銃器を積んでるかもしんないよ・・・ なんとかしないと!」
「そっか・・・」
姫は銃器て言葉に反応しました。その銃器によって姫は左手を失くしてます。
姫はニヤッと笑い、
「じゃ、行くよ!」
姫は箒の柄を掴む右手に力を入れると、急降下開始。びっくりする準一。
「うわーっ!」
2人を乗せた箒は、柄の先端を下に街道に向かって落ちて行きます。焦る準一。
「な、何するんだよーっ!?」
姫は応えます。
「ふふ、昨日やったこと! 昨日はこれで逃げ切ることができたんだ。もう1回やってみんね!」
これを見てる報道ヘリコプターのリポーターも慌ててます。
「ああ、魔女と明石容疑者を乗せた箒が落下し始めました! このままだと幹線道路に墜落します!」
すぐ眼の前に街道が迫ってきました。クルマがたくさん行き交ってます。それを見て焦る準一。
「だ、だめだって、これーっ! うわーっ!」
アスファルトに激突する寸前、箒がほぼ90度ターン。準一は引きつった笑顔を見せました。
「あははは・・・」
箒は今度は道路の上を飛び始めました。2人のつま先はアスファルトより10cmくらいの高さにあります。
姫の長髪が走行風圧になびき、準一の顔を包みました。これは苦しそう。
「うわっ・・・」
と、準一はすぐ横を走る自動車に気づきました。そのクルマが後方に下がって行きます。びっくりする準一。
「ええ?・・・」
実は2人を乗せた箒は時速100km/h以上のスピードで飛んでました。街道を走るクルマは、箒に乗った2人にどんどん追い抜かれていきます。
準一は姫の髪の毛を払いながら、
「ちょっ、ちょっと~! 速過ぎるよ!・・・」
と訴えます。けど、風切り音のせいか、その声は姫の耳に届かないようです。
「え、何?」
準一は大声で、
「速過ぎるって!」
今度は姫の耳に準一の声が届きました。
「あは、大丈夫大丈夫! そのうち馴れてくるから!」
これを上空のヘリコプターから見てる女性リポーター。
「信じられません。箒に乗った2人は、クルマより速いスピードでアスファルトギリギリを飛んでます!」
このヘリコプターを見上げる姫。
「この程度のスピードじゃ、あいつは撒けないか?・・・ じゃ!」
姫が駆る箒はひらりひらりとクルマを交わしていきます。と、姫の眼の前にトレーラートラックが現れました。このトラックは2車線あるうちの走行車線を走ってます。
「私、あいつに左手を撃ち落とされたんだよ! くそーっ、あいつを撃ち落とす魔法があったら仕返ししてやるのに・・・」
準一は再びヘリコプターを見ました。どう見ても報道のヘリコプターです。
「あれ、報道用のヘリコプターだよ。武器なんか積んでないよ」
「ええ、ほんと?」
「ほんとだよ。あれは君の身体に傷をつけたヘリコプターじゃないよ」
「あは」
姫は安心した顔を見せました。
一方ここはヘリコプターの機内。操縦席の後ろの席、リポーターと思われる女性がマイク片手にしゃべってます。
「信じられません。東京の上空に魔女が、魔女が現れました! 昨日何人もの人が箒に乗って空を飛ぶ少女を見たと証言してましたが、今その少女が私の眼の前に出現しました!」
女性リポーターのすぐ後ろにテレビカメラを構えたカメラマンがいます。そのカメラが姫と準一を捉えてます。この映像に被る女性リポーターの声。
「魔女の後ろには男性が乗ってます。指名手配になってる明石準一容疑者のようです。明石容疑者は魔女に連れられ、どこかに行く気なのでしょうか?」
ヘリコプターを見ている準一。
「でも、このままほっとくと警察のヘリコプターが来るかも? 警察のヘリコプターは銃器を積んでるかもしんないよ・・・ なんとかしないと!」
「そっか・・・」
姫は銃器て言葉に反応しました。その銃器によって姫は左手を失くしてます。
姫はニヤッと笑い、
「じゃ、行くよ!」
姫は箒の柄を掴む右手に力を入れると、急降下開始。びっくりする準一。
「うわーっ!」
2人を乗せた箒は、柄の先端を下に街道に向かって落ちて行きます。焦る準一。
「な、何するんだよーっ!?」
姫は応えます。
「ふふ、昨日やったこと! 昨日はこれで逃げ切ることができたんだ。もう1回やってみんね!」
これを見てる報道ヘリコプターのリポーターも慌ててます。
「ああ、魔女と明石容疑者を乗せた箒が落下し始めました! このままだと幹線道路に墜落します!」
すぐ眼の前に街道が迫ってきました。クルマがたくさん行き交ってます。それを見て焦る準一。
「だ、だめだって、これーっ! うわーっ!」
アスファルトに激突する寸前、箒がほぼ90度ターン。準一は引きつった笑顔を見せました。
「あははは・・・」
箒は今度は道路の上を飛び始めました。2人のつま先はアスファルトより10cmくらいの高さにあります。
姫の長髪が走行風圧になびき、準一の顔を包みました。これは苦しそう。
「うわっ・・・」
と、準一はすぐ横を走る自動車に気づきました。そのクルマが後方に下がって行きます。びっくりする準一。
「ええ?・・・」
実は2人を乗せた箒は時速100km/h以上のスピードで飛んでました。街道を走るクルマは、箒に乗った2人にどんどん追い抜かれていきます。
準一は姫の髪の毛を払いながら、
「ちょっ、ちょっと~! 速過ぎるよ!・・・」
と訴えます。けど、風切り音のせいか、その声は姫の耳に届かないようです。
「え、何?」
準一は大声で、
「速過ぎるって!」
今度は姫の耳に準一の声が届きました。
「あは、大丈夫大丈夫! そのうち馴れてくるから!」
これを上空のヘリコプターから見てる女性リポーター。
「信じられません。箒に乗った2人は、クルマより速いスピードでアスファルトギリギリを飛んでます!」
このヘリコプターを見上げる姫。
「この程度のスピードじゃ、あいつは撒けないか?・・・ じゃ!」
姫が駆る箒はひらりひらりとクルマを交わしていきます。と、姫の眼の前にトレーラートラックが現れました。このトラックは2車線あるうちの走行車線を走ってます。
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