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プロローグ
00-3 響いたのは絶望の音
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ピチャピチャと頬に当たる生暖かい感触に、ありさは意識を取り戻した。ペロペロと繰り返し己の顔に触れる何かがくすぐったくて、ありさは眉間に皺を寄せて、よく分からない感触から逃れようと首を振る。
「んっ……」
瞼を開けると生暖かい感触は離れていき、ぼんやりとした視界が徐々にしっかりとした像を作る。そこでありさはようやく、目の前にいる存在をハッキリと視界に捉えて、思わず体を強ばらせた。
「ひぃっ!」
恐ろしさに思わず声が溢れる。
ありさの頬を舐めていたのは、白銀の毛並みを持つ狼だった。
犬の祖先と呼ばれる狼は、昔日本にいたものは絶滅したと聞く、しかし目の前にいるのは野犬とは思えぬ獰猛な風格を持ち、犬に近いとは言え、とても犬には見えなかった。
外来種が野生化したのだろうか。そんな話聞いたこともなかったが、何よりも今は自分の身だ。野生の動物相手に、ありさが戦って勝てる可能性は皆無だ。
いつの間にか自分が木の上から降りていることにも気付かず、ありさは混乱した頭で周りをぐるりと見渡す。
己を扇状に囲む狼の数は、全部で七匹。ありさの後ろには彼女の背を隠すほどの太い幹の大木がある。何とも逃げにくい状況だった。
「あっ……」
おまけに言えば、驚きのあまりありさは腰が抜けて動けない。
一匹の狼がありさの元にゆっくりと歩み寄り、ありさはこれ以上行き場がないのを知りながらも、体を後ろへ下げて、木の幹に背中を張り付けた。
ゆったりとした足並みでありさの前に歩み寄った一匹の狼は、彼女の顔に鼻を近づけて二、三度クンクンと嗅ぐと、そのままありさの腰辺りに顔を近付けて、鼻をグリグリ押し付ける。
恐怖に震えながらもありさが僅かに身を捩れば、まだ縄に縛られたままの腕が狼の目に映り、その狼はありさの腕に向かって牙を立てた。
「ひいい!」
恐怖にありさが声を上げるが、何故か狼が噛み付いている腕からはちっとも痛みを感じず、フーフーと狼の息を吐く音が聞こえたかと思うと、程なくして腕の拘束が解かれた。
「あっ、嘘……縄が……」
まるで縄を狙って噛みちぎったかのように、狼はありさの縄が解けると、直ぐに身を引きありさからフイッと顔を背けた。そのまま去っていく狼の背を、ありさは唖然と見つめる。
一匹の狼が離れていくにしたがって、彼女を見つめていた残りの狼たちも途端にありさへ背を向けて、ゆっくりと歩みを進めて彼女から離れていった。
「えっ?」
森の奥へと戻っていく狼たちを見て、ありさはあれと首を傾げる。
てっきり食べられるかと思ったが、何故か助けてもらった。気紛れなのか、ありさがあまり美味しそうに感じなかったのか、理由は何であれ助かったことには変わりない。
「……良かった。助かった」
力の抜けてしまった下半身は、動くのにはまだ時間がかかりそうだったので、ありさは一先ずぼんやりと周囲を見渡した。
「どこ、ここ?」
ありさの周りには何もない。いや、草木以外は、何もないと言うのが正しいだろう。
緑と茶色の二色の世界は、上から差し込む日のおかげで明るさはあったが、どこまでも淡々とした同じ景色が続いているように見えた。
誘拐犯がありさを売り飛ばす気でいたならば、樹海ではないだろうが、サバイバル経験なんてまるでないありさが、この森から無事に出られるかどうかは全く分からなかった。
「っ、行かなきゃ……」
ありさは気だるい体に鞭打って、立ち上がった。
とにかく、進まなければ何の解決にもならない。助けがくるかどうかも分からないなら、自分自身で動くしかないのだ。
深く息を吐き出して落ち着きを取り戻し、ありさはゆっくりと一歩歩みを進めた。
*****
どれほど歩いただろうか。
歩いた時間も距離も分からないまま進み、気付けば辺りは光が薄らぎ、夜へと変わろうとしていた。
足はダルい。お腹も空いた。喉も渇いていたが、周りは先程からずっと緑しか目に入らない。
それでもありさは歩き続けた。
一度立ち止まれば、そこから立ち上がれなくなりそうで、せめて何か場所を特定出来るものが見つかるまでは、とひたすら歩いた。
何もない森の中は、風の音や動物たちの音がよく聞こえる。
狼に逢って以来、他の野生動物には遭遇いないのが、せめてもの救いだ。熊にでも逢ってしまった日には、今のありさには逃げる気力が一切ないし、運は先程狼達が見逃してくれた分で使い果たしてしまった気がする。
だからこそ、助かるには自分でどうにかしなければいけなかった。
「あっ、お、と。みず?」
静寂な森の中、ありさはようやく今まで聞こえなかった微かな音を耳にして、辺りを見渡す。
実に数時間ぶりに声を出したが、自分でも驚くほどに声が掠れていた。
風の音が止み、辺りが静かになったと同時に立ち止まり、耳を澄ます。
遠くの方から川のような水の流れる音が聞こえ、ありさは音を頼りに再び歩き始めた。
日が暮れて、視界が一気に悪くなったが構わなかった。川があれば、その流れに沿って歩けば、人のいるところに出られる。川や水があるところに人がいるのは、昔何かの授業で習ったのだ。
走る体力はなかったが、ありさは川を目指してなるべく急ぎ足で歩いた。それでもなかなか川にはたどり着かず、不安を覚えたが、ありさは真っ直ぐ歩き続けた。他に頼るものなんてないのだから。
「あっ、た。良かった……」
ようやく音の根元までたどり着くと、ありさは緑以外のものを久々に目にしてホッとした。
川はそれなりに大きく、反対側に横断するのは難しそうだったが、ありさの目的は川に沿って歩くことなので、特に問題ない。
流れる水の下流へ向かって、ありさは心弾ませながら歩みを進めた。
もしかしたら、徹夜で歩けば夜明けには人のいるところにたどり着けるかもしれない。
そんな希望を川はありさに抱かせた。
しばらく歩いていると、完全に日が暮れて夜になり、緑色の森は黒一色に染まった。
「っ、痛い」
数年ぶりに長時間歩いた足は、ふくらはぎがパンパンで、靴を履いているのすら辛い。
薄暗い森の中、ありさは周囲の見えにくい視野で、どうにか川の脇を歩いてはいたが、まだ明けることのない夜は、彼女の不安を煽り、希望を削っていく。そんな時だ。
ありさが歩いていた川の脇が僅かに広まっており、ありさはそれに気付かずに、足を踏み出してしまった。
「きゃあっ!」
――――ドボンッ。
ズルリと足を踏み出してしまったありさは、そのまま川の中へと落ちていく。
「ぐあっ!」
川は流れこそそれほどでもないが、疲労しきったありさは上手く泳ぐことが出来ず、流されるままになってしまう。
何度か水の中に沈み込み、その度に溺れたくないと、ありさは水の中から浮上する。
それでも、流れに、流され、ありさはしばらくしてからようやく手の届く範囲にあった岩にしがみつき、体をそこに止まらせることが出来た。
「はぁっ、はあっ、はっ、かはっ、はあっ……」
残された力を振り絞って、ありさは川から這い上がると、そこで力を使い果たして地面に仰向けに転がった。
「はあはあっ……」
乱れる呼吸を、森から少しだけ見える星空を見つめながら整える。
「うっ、つ……くっ、ふぅ、っ……」
ジワリと瞳に涙が浮かび、ありさは思わず泣いた。
溺れたぐらいで泣くなんて、情けない話かもしれないが、それでも弾けた感情は止まることなく溢れ出し、ありさは静かに声をあげて泣いた。
自分が何故こんな目に遭わなければいけないのか、誰にもぶつけることが出来ない心の苛立ちを、ありさは泣くことで解消するしかなく、泣いて、泣いて、涙が止まる頃には、ありさは気を失うように意識を飛ばして眠りについた。
「んっ……」
瞼を開けると生暖かい感触は離れていき、ぼんやりとした視界が徐々にしっかりとした像を作る。そこでありさはようやく、目の前にいる存在をハッキリと視界に捉えて、思わず体を強ばらせた。
「ひぃっ!」
恐ろしさに思わず声が溢れる。
ありさの頬を舐めていたのは、白銀の毛並みを持つ狼だった。
犬の祖先と呼ばれる狼は、昔日本にいたものは絶滅したと聞く、しかし目の前にいるのは野犬とは思えぬ獰猛な風格を持ち、犬に近いとは言え、とても犬には見えなかった。
外来種が野生化したのだろうか。そんな話聞いたこともなかったが、何よりも今は自分の身だ。野生の動物相手に、ありさが戦って勝てる可能性は皆無だ。
いつの間にか自分が木の上から降りていることにも気付かず、ありさは混乱した頭で周りをぐるりと見渡す。
己を扇状に囲む狼の数は、全部で七匹。ありさの後ろには彼女の背を隠すほどの太い幹の大木がある。何とも逃げにくい状況だった。
「あっ……」
おまけに言えば、驚きのあまりありさは腰が抜けて動けない。
一匹の狼がありさの元にゆっくりと歩み寄り、ありさはこれ以上行き場がないのを知りながらも、体を後ろへ下げて、木の幹に背中を張り付けた。
ゆったりとした足並みでありさの前に歩み寄った一匹の狼は、彼女の顔に鼻を近づけて二、三度クンクンと嗅ぐと、そのままありさの腰辺りに顔を近付けて、鼻をグリグリ押し付ける。
恐怖に震えながらもありさが僅かに身を捩れば、まだ縄に縛られたままの腕が狼の目に映り、その狼はありさの腕に向かって牙を立てた。
「ひいい!」
恐怖にありさが声を上げるが、何故か狼が噛み付いている腕からはちっとも痛みを感じず、フーフーと狼の息を吐く音が聞こえたかと思うと、程なくして腕の拘束が解かれた。
「あっ、嘘……縄が……」
まるで縄を狙って噛みちぎったかのように、狼はありさの縄が解けると、直ぐに身を引きありさからフイッと顔を背けた。そのまま去っていく狼の背を、ありさは唖然と見つめる。
一匹の狼が離れていくにしたがって、彼女を見つめていた残りの狼たちも途端にありさへ背を向けて、ゆっくりと歩みを進めて彼女から離れていった。
「えっ?」
森の奥へと戻っていく狼たちを見て、ありさはあれと首を傾げる。
てっきり食べられるかと思ったが、何故か助けてもらった。気紛れなのか、ありさがあまり美味しそうに感じなかったのか、理由は何であれ助かったことには変わりない。
「……良かった。助かった」
力の抜けてしまった下半身は、動くのにはまだ時間がかかりそうだったので、ありさは一先ずぼんやりと周囲を見渡した。
「どこ、ここ?」
ありさの周りには何もない。いや、草木以外は、何もないと言うのが正しいだろう。
緑と茶色の二色の世界は、上から差し込む日のおかげで明るさはあったが、どこまでも淡々とした同じ景色が続いているように見えた。
誘拐犯がありさを売り飛ばす気でいたならば、樹海ではないだろうが、サバイバル経験なんてまるでないありさが、この森から無事に出られるかどうかは全く分からなかった。
「っ、行かなきゃ……」
ありさは気だるい体に鞭打って、立ち上がった。
とにかく、進まなければ何の解決にもならない。助けがくるかどうかも分からないなら、自分自身で動くしかないのだ。
深く息を吐き出して落ち着きを取り戻し、ありさはゆっくりと一歩歩みを進めた。
*****
どれほど歩いただろうか。
歩いた時間も距離も分からないまま進み、気付けば辺りは光が薄らぎ、夜へと変わろうとしていた。
足はダルい。お腹も空いた。喉も渇いていたが、周りは先程からずっと緑しか目に入らない。
それでもありさは歩き続けた。
一度立ち止まれば、そこから立ち上がれなくなりそうで、せめて何か場所を特定出来るものが見つかるまでは、とひたすら歩いた。
何もない森の中は、風の音や動物たちの音がよく聞こえる。
狼に逢って以来、他の野生動物には遭遇いないのが、せめてもの救いだ。熊にでも逢ってしまった日には、今のありさには逃げる気力が一切ないし、運は先程狼達が見逃してくれた分で使い果たしてしまった気がする。
だからこそ、助かるには自分でどうにかしなければいけなかった。
「あっ、お、と。みず?」
静寂な森の中、ありさはようやく今まで聞こえなかった微かな音を耳にして、辺りを見渡す。
実に数時間ぶりに声を出したが、自分でも驚くほどに声が掠れていた。
風の音が止み、辺りが静かになったと同時に立ち止まり、耳を澄ます。
遠くの方から川のような水の流れる音が聞こえ、ありさは音を頼りに再び歩き始めた。
日が暮れて、視界が一気に悪くなったが構わなかった。川があれば、その流れに沿って歩けば、人のいるところに出られる。川や水があるところに人がいるのは、昔何かの授業で習ったのだ。
走る体力はなかったが、ありさは川を目指してなるべく急ぎ足で歩いた。それでもなかなか川にはたどり着かず、不安を覚えたが、ありさは真っ直ぐ歩き続けた。他に頼るものなんてないのだから。
「あっ、た。良かった……」
ようやく音の根元までたどり着くと、ありさは緑以外のものを久々に目にしてホッとした。
川はそれなりに大きく、反対側に横断するのは難しそうだったが、ありさの目的は川に沿って歩くことなので、特に問題ない。
流れる水の下流へ向かって、ありさは心弾ませながら歩みを進めた。
もしかしたら、徹夜で歩けば夜明けには人のいるところにたどり着けるかもしれない。
そんな希望を川はありさに抱かせた。
しばらく歩いていると、完全に日が暮れて夜になり、緑色の森は黒一色に染まった。
「っ、痛い」
数年ぶりに長時間歩いた足は、ふくらはぎがパンパンで、靴を履いているのすら辛い。
薄暗い森の中、ありさは周囲の見えにくい視野で、どうにか川の脇を歩いてはいたが、まだ明けることのない夜は、彼女の不安を煽り、希望を削っていく。そんな時だ。
ありさが歩いていた川の脇が僅かに広まっており、ありさはそれに気付かずに、足を踏み出してしまった。
「きゃあっ!」
――――ドボンッ。
ズルリと足を踏み出してしまったありさは、そのまま川の中へと落ちていく。
「ぐあっ!」
川は流れこそそれほどでもないが、疲労しきったありさは上手く泳ぐことが出来ず、流されるままになってしまう。
何度か水の中に沈み込み、その度に溺れたくないと、ありさは水の中から浮上する。
それでも、流れに、流され、ありさはしばらくしてからようやく手の届く範囲にあった岩にしがみつき、体をそこに止まらせることが出来た。
「はぁっ、はあっ、はっ、かはっ、はあっ……」
残された力を振り絞って、ありさは川から這い上がると、そこで力を使い果たして地面に仰向けに転がった。
「はあはあっ……」
乱れる呼吸を、森から少しだけ見える星空を見つめながら整える。
「うっ、つ……くっ、ふぅ、っ……」
ジワリと瞳に涙が浮かび、ありさは思わず泣いた。
溺れたぐらいで泣くなんて、情けない話かもしれないが、それでも弾けた感情は止まることなく溢れ出し、ありさは静かに声をあげて泣いた。
自分が何故こんな目に遭わなければいけないのか、誰にもぶつけることが出来ない心の苛立ちを、ありさは泣くことで解消するしかなく、泣いて、泣いて、涙が止まる頃には、ありさは気を失うように意識を飛ばして眠りについた。
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