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さまざまな日々
其のニ話 :ねえ、どう呼ぶの?
しおりを挟む「呼び方?」
ある日の朝食後。
「そう、決めたいと思うの」
「名前呼びじゃ、ダメなの」
「そういうことじゃなくて……ほら、だからあるじゃない。『あなた』とか『ダーリン』とか」
「だ、ダーリン! って」
「もう赤くなるな。わたしまで恥ずかしくなっちゃうでしょ」
「う、うん。ごめん」
「もう、謝るのなし。和穂、他人行儀すぎ。私たち、もう、ほら、ふ、ふうーふになったんだから」
「ふ、ふうーふ……」
「もう、うわずらないで。私だってまだ恥ずかしいんだから! その……夫婦って、言葉にするの……」
「僕は嬉しい、かな」
「う、嬉しい……って、何が」
「リタと夫婦になれたこと」
「和穂って、マゾ……」
「まさか! ひとを変態みたいに言わないでよ。それより、今のいいな」
「今の?」
「『旦那様』って」
「まだ義母さまの丁稚奉公じゃない」
「だ、だけど。ほら、えーと……やっぱり、その、ダメかな……」
「ダメじゃないわ『旦那様』努力するなら、ね」
「う、うん。がんばるよ。がんばってリタをきっと幸せにする! 誓うよ!」
「も、もうー、和穂のバカ」
和穂の「旦那さま」呼びに決まるまでの話。
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