異世界でエルフの少女と夫婦になりました。

ナツノチヘイセン

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第二章:〈モルスラ〉でリタの師匠に会う

其の三十八話:〈モルスラ〉にて その23 箱庭の攻防7 あきれた結末

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 結界石〝箱庭エリア〟内・和穂

 斬撃が止んだ。
 サイドミラーには流れていく霞がかった灰色の構造体の街並みだけが写っていた。
 リュークの姿は無い。
 やっと諦めたかと、ホッと安堵する和穂をフェリアが叱咤する。
『そんな訳、ないのですよ』
「だよね……」
『それよりマスター、そろそろ見えてくるのですよ』
 和穂の肩に立ち上がり、フェリアが前方を見据える。
 これだけ走ってまだ着かないか……
 ここはどれだけ広いんだよ。
「魔力、戻ったの」
 さっきまでグッタリしていたのに。
「この辺り、魔力が濃いのですよ。なので吸い上げさせて貰いました」
 満足そうに答えるフェリアに和穂が訊いた。
「魔力って、美味しいの」
「それはもう。特にリタ殿のなどは絶品で……」
 極上の料理に舌鼓を打つようなフェリアのうっとりとした声が和穂の胃をキュッとしめつけた。
『ーーな訳ないのですよ、マスター』
「嘘なの」
『魔力吸収といっても一概ではないのですよ。ただリタ殿の魔力が極上というのは嘘ではないのですよ』
「お腹空いたな」
『相変わらず緊張感ないマスターなのですよ』
「仕方がないだろ、空いたのは空いたんだから。健康な証拠だよ」
『仕方の無いマスター、なのですよ』
 和穂は胃の辺りを手で押さえた。
 今は何時頃だろう。あれからどれだけの時間がたったかな。
 リタ、心配してるかな。
 今はここから出ることの方が先決なのに、なに考えてるんだろ、僕。
『マスター、見えたのですよ』
 フェリアの声にハッと和穂が顔を上げた。
 近付いたせいか、魔石の光が大きくなったように見えた。それでも夜空の星のように小さい。
 その小さな光を指差すのように、塔の先端が伸びていた。
 和穂はさっきの自分の言葉を後悔する。弱気の言葉が口に出た。
「あれを登るの……か」
 基部は小さなビルほどの大きさで片側がひしゃげ潰れていた。
 高さはかなり傾げているようにみえて、それでも高圧線を渡す鉄塔ぐらいはあるように思えた。
 最初の難関は十メートルほど垂直に伸びる基部部分だ。
 本当にバイクで登れるのか不安になる。
『言い出したのはマスターなのですよ。大丈夫、お手伝いするですよ。ですが、その前に』
「ん、なに」と和穂がフェリアに訊くと同時に、左のサイドミラーがいきなり吹き飛んだ。
 驚く和穂を頭上からも、さっきまで嫌というほど聞かされた風切り音と共に、雨のような斬撃が襲いかかって来る。
「避けきれない」
 フェリアの障壁魔法シールドがそれを受け止めた。
『斬撃は私がなんとかするのですよ。マスターはバイクの運転に集中するです』
「う、うん、わかった」
 和穂のバイクが加速する。
 その先、塔の前に立つ人影が見えた。
 この結界の中、和穂以外の人間は一人しかいない。
 先回りされた、どうして。
 更にジグザグに車線を変えて走るその後ろで、斬撃が地面をえぐる様子が右のサイドミラー越しに見えた。
『当たり前なのですよ、向こうはマスターのようにちまちま走ってないのですよ』
 そうは言っても長年に渡って染み付いた習慣はそう簡単には抜けてはくれない。
 気がつくと左端を走り、点けなくてもいいウインカーを点滅させる。
 そもそもブレーキランプだって不要だろ。
「だって、建物を突き抜けて走ったら、せっかく出した車体に傷がついちゃうよ」
『傷って……』
 フェリアが呆れてうなだれた。
 マスターはアホですか……
『そんなものはマスターが念じれば元に戻るのでは。だいたい戦えば防具も武器も傷が付きますし、擦り減り壊れたりするものなのですよ』
「確かにその通りだけど、素直に貧乏性だと言ってくれた方が嬉しいよ。でもなんでここって分かったんだろう」
『マスターの狙いが魔石だと気付いたのでは』
「なるほど」
『感心している場合ではないのですよ』
 斬撃が無駄だと思うや、リュークは剣を構え走り出した。
 距離が一気に縮まった。
「わわ、なんで」
 どうして走っているバイクに突っ込んでくる! これが怖くないの? このままだと轢いちゃうよ。
 そう思うより早く和穂の手足が反応し、フル制動ブレーキングを掛ける。
 相殺できない慣性がフロントのサスペンションを限界まで押し込んでいく。それでもまだ相殺しきれず後輪が上がり、バイクが直立する。
 倒れる、と思った瞬間、
『マスター、そのままなのですよ』
 フェリアの声と同時にバイクの下に魔法陣が展開する。その向きが百八十度転換、後輪が飛び込んできたリュークの顔面に襲いかかった。
『お返し、なのですよ』
「くっ」
 リュークの食いしばった歯の間から短い苦悶が漏れた。
 すんでのところで後輪を剣で受け止め、横に払い退けようとする。しかし、落下の勢いと重量に負け、剣で受け止めたまま押し込められていく。片膝が崩れ、地面に付いた。
『マスター、走るです』
 フェリアの叫びに和穂がアクセルを全開にする。
 高速で回転を始める後輪に剣が弾かれ、リュークの両手が持ち上がる。身体がのけぞり尻もちを付いた。無防備になった革鎧の上に後輪が落ち、バウンドして離れた。
 表面に和穂のバイクの後輪の跡が焦げるような嫌な臭いと共に黒く残滓した。
 百メートル程離れたところでUターンし止まった和穂の魔巧機械バイクをリュークが睨み付けた。反撃された怒りに噛み締めた奥歯がぎりっと鳴った。
『マスター』
「いくよ」
 フェリアの呼びかけに和穂が頷いた。
「来やがれ」
 和穂に向け、リュークが剣を中段に構える。
 同時に和穂がバイクを急発進させた。
 目標は頭上の魔石。
 向かってくるリュークの直前でフル制動、再びフロントサスペンションを限界まで押し込む。
「同じ手が通用するか」
 しかし今度は倒立しない。
 サスペンションの戻る勢いを利用して更に前輪を持ち上げ、ウィリーの状態に持っていく。
「初めて上手くいった」
『感動は後でするですよ』
 思わず感激の声を上げる和穂をフェリアが一喝する。
「させるか」
 大きさは中型のウルフ程度、何の問題もない。
 ウルフは〈黒の森〉ではごく普通に見かける動物だ。群れで行動し狩りをする。稀に単独のものもいるが、その手の類いはウルフの名を持つ魔獣であることが多い。
 新兵が魔獣戦を行う前、実戦に慣れるための「咬ませ役」として飼い慣らされたものが使われている。また嗅覚、聴覚に優れているため、獣人以外の冒険者が飼い慣らし使うことも多い。
 リュークはすでに魔獣との実戦も何度か経験していた。
 狼も少数の群れであれば単独でも討伐できる自信があった。
 立ち上がったバイクにリュークが剣を撃ちつけた。
 金属と金属がぶつかり合う甲高い音が短く響いた。
 距離を取り、剣を振りかぶった。
 斬撃の体制を察知したフェリアの指が空中に弧を描いた。
 小さな光の円がフェリアの眼前に浮き上がる。
『この単細胞! そんな単調ワンパターンな攻撃がいつまでも通用すると思わないことです。それと斬撃はもう撃たせないのですよ』
 その円に向かって強く息を吹いた。
 透明なシャボン玉のような大小無数の気泡が勢いよく噴出し、リュークを取り囲むように浮遊した。
「こんなもの!」
 リュークが視界を覆うシャボン玉の壁を剣で薙ぎ払う。
 しかしそれで割れる泡など微々たるもので、切り裂かれた泡の壁は容易に修復してしまう。
 割れた泡が剣を身体を濡らして、リュークの不快感が増していく。
 その間に和穂のバイクの前輪が塔の壁面に接地する。同時に唸るような音をたて全体が軋んだ。
 大丈夫なのかーー
 迷うように和穂の動きが止まった。
『マスター、サポートするです』
 フェリアの声と共に両輪に魔法陣が展開する。
 でもーー
 リタの顔が浮かんだ瞬間、後輪が激しく空転し、一気に垂直の壁面を登り始めた。
「行かせるか! くそ、鬱陶しい」
 魔石が狙いか。
 リュークが闘気を爆発させ、纏わりつく泡を吹き飛ばし四散する。
 和穂のバイクの音を追い、塔を見上げた。
 バイクは塔を登り切ろうとしていた。魔石までもうすぐ手が届く。
「負けた……」
 そう思った途端、力が抜けた。
 くそ! 
 八つ当たりで塔の壁面を剣で斬りつけた。
 あっさり地面まで切り裂いた。
 和穂を追うように無数の亀裂が塔の壁面を這い上がっていく。
 その様子を追って見上げるリュークの前で、
 パン! 
 まるで風船が割れるように一瞬で塔が崩壊しバラバラになった。
 あと少し、バイクから立ち上がり魔石に手を伸ばす和穂の身体がいきなり落下した。
 え? 塔が消えた!
 あと少しで届きそうだった魔石が、今度はどんどん遠くなっていく。
 何が起こったかわからないが、このままでは魔石が壊せないことだけはわかった。
「フェリア、頼んだよ」
 崩壊した塔の無数の破片が黒い霧のような魔力に変化する中、和穂から離れたフェリアが小さく霞んでいく。
『マスター』
 落下する和穂に向け、フェリアが高速でシャボン玉を撃った。追いついていれば、それは和穂の周りで大きく膨らみ、落下の衝撃を緩和する筈だった。
『まずはこれを破壊するですよ』
 魔石に向き直り、手を伸ばそうとしたフェリアの動きが途中で止まった。
 魔石が仄暗く赤い光を放ち点滅を始めた。
 規則正しく刻むようなその光をみて、フェリアがため息をついた。
『遅かったのですよ』
 この魔石はもうすぐ自壊する。
 この箱庭エリアの結界魔法は設定時間があり、切れると同時に空間移行は解かれ、元の空間に戻るようになっている。あの光はそれを知らせる合図のようなものだろう。
 やれやれ、この大騒ぎはなんだったのですかねえ。とりあえず、これは頂いておくのですよ。
 フェリアの手が魔石に触れ、解体する。黒い霧のような魔力に変換し、それを指に絡め口に運ぶ。
 恍惚とした笑顔が満足そうに唇を舐めた。更に周囲の魔力も同じように吸収する。
『これでしばらくは魔力補充の必要は無しと。さてと、マスターはどうなったですかねえ』
 あのシャボン玉がうまく追いついていればいいのですが……
『とりあえず向かうとするのですよ』
 他人事のように呟いた直後に消えたその姿は、地面に大の字で横たわる和穂の元にあった。
『マスター、生きてますかーなのです』
 聴こえているのかいないのか、フェリアの声に瞬きすらせず、天井の方を凝視している。
 その胸の上に降りると、ノックするように叩いた。
『聞こえてるですか、マスター』
「なんとかね」
 今度はすぐに返事が聞こえた。
 視線がフェリアに移動する。
『バイクはどうしたのですか』
 どこにも見当たらない。
「途中で消えたよ」
 落下途中、このまま落ちたらバイクが壊れる。せっかく、がんばって出したのに……
 そう思った瞬間、握っていたハンドルの感覚が無くなり、和穂と落下していたバイクもいつの間にか消失していた。
 バイクに乗っていたこと自体が夢の出来事のように、あっさりと。
 そして地面に叩き付けられる寸前、フェリアの飛ばしたシャボン玉が間に合い、身体を覆い、軟着陸した。
「とにかく助かったよ、ありがとう」
 和穂がゆっくりと身体を起こした。
『危ないのですよ』
 落ちたらどうするですか、と言いながらも、その姿は張り付いたように動かない。
「フェリア、飛べるよね」
『心遣いを要求するのですよ』
 ふん。不機嫌に頰を膨らませたフェリアが肩に移動した。
 箱庭エリアの中に構築された街並みはあらかた消えて、白い果てのない空間が広がっていく。
 その中、革鎧姿の男が和穂に近付いてきた。胸当てのタイヤの跡が黒く目立つ。
「よう、生きてたか」
 何事も無かったように声を掛けてきたリュークに和穂は無性に腹が立った。
「お前はなにがやりたかったんだ」
「お前じゃない、リュークだ」
「名前なんか聞きたくもないよ」
「言うに事欠いて、ひとの名前を何だと思ってやがる」
「ふん、知らないよ、そんなの」
 和穂が憮然とした顔で両耳を手で塞ぎ、そっぽを向いた。
 そんな和穂の頭をリュークの手が小突いた。
「何すんだ、いきなり」
 頭を押さえ和穂が怒鳴った。
 リュークは軽く当てたぐらいに思っているだろうが、籠手の部分は薄いが硬く結構痛かった。
「なんだ、大袈裟に。お前が俺のしたかったことって訊いてきたからやったまでだ」
 最初はあの不快感の原因と思われた和穂こいつに一撃いれられればよかっただけなのに、どうしてこんな事になった。
 自分のプライドだけの理由で武器も持たない者に攻撃を加えただけでも問題なのに、それがリタ姉の身内だった、それだけでも身の毛がよだつ。
 アン・モルガン・ルフェの事もそうだが、これが国元で「戦妃」と呼ばれる母親の耳に入ったらどうなるか、そのことの方がリュークには大問題だった。
 両方ともただじゃ済まないな。
 身を竦ませるリュークの頭を和穂が唐突に平手で叩く。パン! といい音がした。
「痛ってーな」
「お返しだよ」 
 本当ならグーで殴りたいところだ。
 頭を押さえ睨みつけてくるリュークの視線を和穂は正面から受け止めた。
 普段は温和な和穂だが今回は腹に据えかねていた。
「なにがお返しだ」
 言い捨てるなり放った右ストレートを和穂にあっさりいなされて、リュークがたたらを踏む。
 こいつ~~
 格下と思っていた和穂にかわされ、リュークの頭に血が上った。
 振り向きざま、尻に蹴りを入れる。
「防具ありの蹴りなんて卑怯だろ」
 ことのほか効いた。
「うるさいんだよ」
 和穂も蹴りを返す。防具の外れていた脛にあたり、リュークが目を剝く。
「てめ、防具のないところを」
「お前こそうるさいよ」
 売り言葉に買い言葉、その後、壮絶な突きあいになった。
『よくやるですねー』
 ボロボロになっていく二人に、少し離れた場所に浮かんだフェリアがあきれ顔で知らせた。
箱庭エリアが解除するですよ、マスター』
 って、聞いてませんね。



「レネ、これを」 
 イルテアから差し出された完全回復薬フルポーションの瓶を受け取り、レネがゆっくりと飲み干した。
 明日の朝から出かける依頼用の備品だったが仕方がない。あとで補充しておけばいいだけの話だ。
 いざとなればイルテア自身が調合出来るため心配はなかったが、回復薬ポーションなどの調合には魔力消費が伴うため、なるべくなら依頼前は避けたい作業だった。
「ありがとうございます、先生。でもこれって、依頼用の備品だったんじゃ」
「いいんですよ」
 あなたが無事であれば、レネ。
 その様子を暖かな眼差しでアネッサが見つめていた。
「アネッサ、あれ」
 リタが広場の方を指さした。
「お、解放されたか」
 箱庭が解ける。
 魔法陣が展開し回転する中、箱庭エリアの魔石がほどけるように魔力に昇華していく。
「和穂、無事ーー」
 駆け寄ろうするリタの前で繰り広げられる和穂とリュークのボロボロのど突き合いに、その場にいた全員が一様に呆れ果てた。
 子供の喧嘩か……
 同時に怒りがこみ上げてきた。
 代表するようにリタとレネが前に出て、近付いていく。その手にはすでに魔法陣が浮かんでいる。
「殺すなよー」
 ついでのようにアネッサが声を掛けた。
 果たしてその声が二人に届いたかどうか……
「なにやってんのよ、このバカリューク」
「和穂、いい加減にしなさい」
 合気風炎焼却魔法!ツインデミフレア
「「どれだけ心配したと思ってるのよ」」
 レネの炎、リタの風魔法が二人をこんがりと焼き上げた。
 煤にまみれ、真っ黒になった和穂とリュークの手が止まり、お互いの姿をまじまじと見つめ、更に周囲を見回した。
「「さっさと謝りなさい!!」」
 二人の妻(一人は未来の)に頭を押され、和穂とリュークが腫れ上がった顔を広場の化粧石に擦り付けた。














 
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