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第二章:〈モルスラ〉でリタの師匠に会う
其の十五話:カラー
しおりを挟む『移動手段』
元々の〝瞬間移動〟は戦略魔法に属する。
それを限定簡素化したものが王都を始め、各地方市町村に設置されている〝移動魔法〟である。
しかし〝移動魔法〟は一回の使用にかかる魔石量が多くまた高価であったため、便利な反面、使用頻度がかなり低かった。
そのため、今は同じ移動魔法でも移動距離は短いが安価な魔法、距離を圧縮し短時間の〝抜け道〟を作る〝縮地〟の方が一般的になっている。
これによって各地方の移動循環が一気に短縮活性化され、王国ラジゴルプシュ繁栄の一因とされている。
この方法は各地の他国家もこぞって模倣し始め、国家同士が繋がり始める様子さえ見え始めている。
◯
その日、〈モルスラ〉に二人は旅立つことができなかった。
ほぼ丸一日眠り続け、目が覚めたのは夕暮れも間近な頃だった。
先を急ぎたい和穂だったが「夜の移動はあぶない」とのリタやローザの助言もあり、昨日はそのまま屋敷に厄介になることとなった。
そしていま、〈黒の森〉のリタの自宅に戻ってきたところだった。
リタは、和穂が師匠アン・モルガン・ルフェの屋敷に移動させられた〝縮地〟が常用設置された小部屋から出るなり目が点になった。
「なに、これェー! どういうことよ」
まるで嵐が通り過ぎたような惨状に思わず叫んだ。
ひっくり返った家具、ベット、テーブル、壁に掛けられていたものは傾き、床に落ちていた。結界のおかげか、家自体に目立った被害はなかった。
振り返り、後ろの和穂を睨んだ。柳眉がこれでもかというくらいに吊り上がっていた。
「あの、僕も被害者なんだけど」
「わかってるわよ!」
行き場のない怒りを和穂にぶつけてくるリタの視線に一瞬たじろぐ。
はぁ、大きくため息を吐く和穂の頭をフェリアが撫でた。「ありがとう」と視線を送る和穂にフェリアが親指を立てる。
(これを見たら当たり前か)
和穂が窓からの陽光に照らされた家の中を見回しながら思った。その後頭部をなにか柔らかいものが押してきた。
それがなにかを和穂が気付く前に「失礼します」と頭の上から声がして、会釈したローザがするりと脇を擦り抜けていった。衣服すらも和穂にふれず衣擦れの音さえ残さない動きに、改めて和穂の背筋が寒くなった。
まるで実体のない風のようだ。
「相変わらずの、隙のない動きですね」
ローザと反対側に浮かぶフェリアが和穂につぶやく。
(フェリアがいなかったら、僕、いまここにいなかったね)
前に立つメイド服の鬼女に槍を持った死神の姿が重なった。
「これはまた」
和穂の前からローザの呆れた様子の声が聞こえた。
「もおー、ひどいでしょ、ローザ」
リタがその場で地団駄を踏む。
「片付け甲斐があるというものですよ」
ローザがリタに微笑み、「失礼します、リタ様」と一礼し片付けを始めた。
「じゃあ、私は外の壁と周囲の様子を見てくるわね」
リタはローザに「お願いね」と声を掛けると外に出ていった。
残された和穂は、戸惑いながらも、忙しく動くローザに声をかけた。
「僕も手伝うよ」
「それには及びません」
手を休めることなくローザが答えた。
「それにあなたはこれからリタ様とモルガン様に会いに〈モルスラ〉へ行かなければならないのでしょう」
床に散らばった小物を衣類を拾い、汚れ物、壊れた物を仕分け、籠に収める。いっぱいになった籠はローザが手を翳すとどこかに消えた。
「それはそうだけど」
「邪魔なので外に出ていってください。それに」とローザが続ける。「ここはリタ様の、女性が一人で住んでいる場所なのですよ。男性がむやみに触れていい場所ではございません」
忘れていた。そうなんだ、ここはリタの私室のような家だってことを。
「そ、そうだよね、ローザさんの言う通りだね。ごめん、僕、配慮が」
和穂が足早にドアの方に向かった。
「私に敬称は必要ございません。それと和穂様」
名前を呼ばれドアに手を掛けた状態で止まった。
「な、なに」
「御主人様から良い回答が聞けることをお祈りしております」
振り返った和穂に、穏やかな笑顔のローザが軽く頭を下げる。
「ありがとう、ローザ」
硬かった和穂の表情が少し和らいだ。
「本当、甘いですね、マスターは」
ドアを閉める和穂にフェリアの不機嫌な声がした。
「別にいいじゃないか。心配してくれてるんだから」
「そうやって背後から刺されても知りませんよ」
「ローザはそんな卑怯なことはしないよ」
「その根拠はどこから来てるのですかね」
「根拠なんかないよ。っていうか、少しは人の誠意を信じたら」
「たくし上げたスカートの下に短剣を隠してそうな方を早々には。マスターこそ、そういう甘々を改めるべきです。長生き出来ませんですよ」
〈芭蕉扇〉で吹き飛ばされたことがよほど悔しかったのか、ローザのことを話すときのフェリアの言葉は辛辣だった。そのことを知らない和穂は少しローザに同情しつつ、一昨日のベンチの方へと歩いていった。
「リタ、どこかな」
「リタ様なら、ほら」
フェリアが遠くを指差した。
ベンチから更に向こう、壁のような〈マザーツリー〉の幹がようやく途切れた辺りに立っているのが小さく見えた。
そして、和穂も気が付いた。足許の草地が一筋、黒く変色していた。焼け焦げたような跡がリタの方に続いている。
「何の跡だろう」
「さあ、なにかが落ちてきた跡のようにも見えますが。火災などにならなくて幸いでしたね」
こうでしょうか、フェリアが落ちてきたと思われる方向を指差し、リタのいる方に線を引くように動かした。
「リター!」
和穂が名前を呼びながら手を振った。
「和穂」
顔がこっちを振り向き、名前を呼ばれたような気がしたが、それきり動かない。様子がおかしい。
「なにかあったのかな?」
「マスター、行ってみた方がよいのでは」
「そうだね」
和穂はリタの方へと走った。
リタに近付くにつれ、地面の焼け焦げは激しく、掘り起こされたように大きく抉れていた。
(〈マザーツリー〉大丈夫かな。まさか、傷でもついたのかな)
「リタ」
間近まで寄って声を掛けた
「和穂」
顔が少し青ざめている。それでもリタが和穂の名前を呼んだ時、その強張りが少し緩んだような、安心が見えたことに和穂は嬉しさを感じた。
「和穂、ねぇ見て。あれ、なんだと思う」
和穂がリタの指差す方を見た。
〈マザーツリー〉の根本のすぐ脇にすり鉢のような黒い穴が空いていた。直径二十メートルはあるだろうか、とにかく、その大きさに和穂も言葉を失う。深さも結構ある。
「で、でっかいね」
「そうね」
声がうわずる。いったいなにが起こったらこうなるんだろう。
「〈マザーツリー〉は大丈夫だった」
「うん。根本が少し抉れちゃったけど、あれぐらいならなんともないわ。幹は無事のようだし。それより、あれよ、見える?」
リタが穴の中心辺りを指差す。そこに白い〝なにか〟が動いていた。
動くというよりもがいている? それもかなり弱々しく。
そして消えそうな声で鳴いた、クトーゥと。
「あの声」
「え、なにが」
リタが和穂を見た。
「いま聞こえなかった、〝クトーゥ〟って。あれだよ、僕が一昨日の夜に聞いた声」
クトーゥ、更に弱々しく鳴いた。
あれが作った穴なのかな。一昨日の夜の激震はあの白いなにかが起こしたものだったのかな。
「知らない鳴き声だわ。〝クトーゥ〟なんて鳴き声、私、聞いたことないわ」
「新種かな?」
「さぁ、ね。でもこの森ってまだほとんどの探索が進んでないの。だから、有りうるかも」
「どっちにしても、このままじゃ。フェリア、力を貸して」
「はいです」
「和穂、どうするつもり」
フェリアが光の球体に変化し和穂を包んだ。そしてーー
「ちょっと待って、和穂!」
リタが制止する暇もあらばこそ、和穂は穴の中に飛び降りた。
身体強化、憑依を使い、足許を気流操作で持ち上げ、まるでスキーかスケートのように滑り降りる。
背中からリタの声が聞こえる。戻ったら大目玉だろうなと和穂は思う。
穴の中心、少し手前で停止した。
「鳥みたいね。これを作った奴に巻き込まれただけかしら」
いきなり横から声がして、和穂の身体が大きく跳ねた。一気に四、五メートルの間合いを取る。
「へえ、凄い。素人とは思えない動きね」
その声と姿に和穂は大きくため息を吐く。
「リタ、どうして」
「どうして? 和穂が私の声を聞かないからよ」
「危ないよ」
「和穂が私にそれを言うの?」
そのリタにフェリアが口をはさむ。
「マスターには私が付いていますから大丈夫なのですよ、リタ様」
「その油断が怖いのよ。とにかく、一人で飛び出そうとしないで」
「ごめん、悪かったよ」
「そう思うなら約束して」
更にに念を押される。
「わかった、約束するよ」
「約束よ。本当よ」
二人は一緒に下に降りると、和穂が両手で水をすくうようにその白いものを持ち上げた。
「もう、言ったそばから」
「だって、かなり弱ってみえたから。鳥に見えるね」
「どう見たって鳥でしょ、白い鳥。だからって」
翼を開いたままの和穂の開いた両手より一回り小さな白い身体、長い尾羽の先端が光の加減か時々虹色に光って見えた。
「治癒魔法で治るかな」
「もぉ、全然ひとの話、聞いてない。大丈夫、治ると思うわ」
「お願い、リタ」
「こんな時ばかりね」
「今だけ、目をつぶって」
はいはい、呆れたような声でリタが応え、和穂の手の中の白い鳥に手をかざした。
魔法陣が浮かび上がり回転する。そしてリタの手の平に吸い込まれるように消えた。
「終わったわよ」
和穂の手の中で骸のように動かなかった鳥が、首をもたげて周囲を見回した。クトー……と鳴きかけて、止まった。なにかを警戒するように、クックックと低く鳴いた。
小さな細い嘴の先に、和穂の肩に人型に戻ったフェリアが立っていた。こっちも怪訝な顔で和穂の手の中を見つめている。
「どうしたの、フェリア」
「なんでもないのです」
素っ気なく答えて顔を逸らした。しかし、目は鳥から離れない。
その時、頭上の枝葉の隙間から鳥の鳴き声がした。この辺りの森では一般的な種類、リタには耳慣れした声の鳥だった。
それに合わせるように手の中の鳥が同じように鳴き、白い身体を起こすと羽を広げ飛んだ。
大きく旋回を繰り返しながら上昇し、ゆっくりリタの側に降りてきた。その回りを〝ピピピ〟と鳴きながら飛び回る。
〝キヤッ〟〝もう〟小さな身体が近づき、遠去かる。そのたびにリタが楽しげな声を上げる。
その様子に和穂は目を細める。
「リタ、楽しそうだね」
「そうですね」
「フェリア、なにが引っかかっているの」
「なにが? なに、なんでしょうね」
膝を抱え、リタと戯れる白い鳥を目で追う。
和穂が肩をすくめる。
「大丈夫、ただの鳥だよ。フェリアって意外と心配性なんだね」
「それでマスターを守れるなら、いくらでもするのですよ」
「ありがとう」
ひとしきりリタの周りを飛びまわった白い鳥が和穂の、フェリアの反対側の肩に止まった。
それにフェリアが激しく反応した。
「あー、そこは! そこは私のものなのですよ!」
「まぁ、いいじゃない。それに僕の肩は僕のものなんだけど」
「よくはないのですよ、マスター。マスターの両肩、この位置は私の定位置なのですよ。だから退くのですよ」
フェリアが〝ここ〟を強調するように片足で和穂の肩をだんだんと踏みつける。
その声を拒否するかのように白い鳥はそっぽを向く。そして、低く牽制するように〝ピー〟と鳴いた。それが更にフェリアを激昂させた。
「かー、こ、このォですぅ!」
和穂の両肩、〝縄張り〟を賭けた空中戦が始まろうとした時、穴の外縁からローザが顔をだした。
「リタ様、そろそろ出発しませんと御主人様との約束の時間に間に合いませんよ」
「そうね、いま行くわ」
「あの、リタ」
「どうしたの」
「これからこの森を行くんだよね」
「行かないわよ」
「行かないって」
「だって危険だもの。ローザから聞いてなかった」
「じゃあ、〈モルスラ〉までどうやって」
「〝移動魔法〟で行くのよ」
「〝移動魔法〟って、あの小部屋にあった魔法陣」
「あれは屋敷移動専用なの。あんな面倒臭い魔法陣、毎回毎回詠唱してられるかっての。和穂も身を持って体験したからわかると思うけど、あそこって、かなり複雑な結界が敷かれてあるから簡単に行かれないようになってるの。それと地点移動は〝縮地〟を使うのが一般的なの。でもここから〝縮地〟でいくには〈モルスラ〉は遠過ぎて、使う魔石量を考慮すると移動魔法の方が安上がりなの。本当は〝瞬間移動〟のほうが早いんだけど。あれは戦略魔法に属するから、緊急時以外では許可が必要なの。それより和穂、ずいぶんと仲良しさんね」
リタが肩に止まる白い鳥をみる。
さっきまで死にかけていたことが嘘のように飛び回り、疲れると和穂の肩に止まるを繰り返している。
「肩に止まるなんて、ずいぶん和穂になついてるわね」
「そうかな」
「治したのは私なのに、少し悔しいわね」
「リタには感謝してると思うよ」
「冗談よ」
そう言って指先を鳥に近付けるとその指を軽く嘴が突いた。そして指にちょこんと乗ってくる。
「うんうん、いい子ねぇ、誰かさんとは大違い」
「もぉ、リタってば」
そのままくるりと一回転するリタを見ながら、和穂がため息をついた。
「ねえ、名前をつけてあげたら」
鳥の止まった指先を和穂に差し出してリタが言った。
その笑顔を見て和穂は思う。やっぱり反則だよ、その笑顔は。可愛すぎるよ。
「名前?」
和穂を映した黒い双眸が小首を傾げる。よく見ると虎目石のように虹彩が入っている。なんか吸い込まれそうだ。
「名前かぁ」少し悩んで「〝カラー〟はどう?」とリタに訊いた。
「〝カラー〟ね、意味はなに」
「なんか白くて彩り鮮やかなので」
「そうかしら。でも、たしかに暗い森の中とかなら白も目立つわね」
「じゃあ、君は今日から〝カラー〟でいい?」
リタの指先で白い鳥〝カラー〟が甲高く〝ピー〟と鳴いた。
「おー、気に入ったか。愛い奴愛い奴」
リタの顔がほころぶ。それとは対称的な膨れっ面のフェリアが「フン」とそっぽを向いた。和穂はその間で困ったように笑いながら頭をかいた。
「リタ様ー」
ローザのリタを呼ぶ声がまた聞こえた。
「戻りましょう」
「そうだね」
指先から肩にカラーを乗せて、リタが和穂の手を取った。
その握ったお互いの左手の薬指でなにかが光っていたことに、この時の二人はまだ気付いていなかった。
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