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第一章:異世界漂流
其の三話:最悪と安息 その3 不安と希望
しおりを挟む「これからどうしょう」
ため息のような言葉が出る。いや、そんな言葉しか出てこない。思い浮かばない。
公園で居眠りして、気が付いたら知らない場所でしたなんて笑い話にもならない。
恨むにしても誰を恨めばいいのかすら分からない。
「大丈夫よ、和穂」
森の風で冷えた和穂の手にリタの手が添えられる。ほのかな温もりが伝わってきた。
「大丈夫」
無責任にも聞こえるリタの言葉が、今の和穂には唯一の心の支えだった。
「うん」
和穂はひとつ頷いて森の向こうをまた見つめた。
頷くことしかできない。
泣きたい気分だった。
このまま泣ければ楽だったかもしれない。
独りがこんなに不安で寂しいとは思わなかった。
ふと、友人達の顔が浮かんだ。もし、一緒だったら乗り越えられただろうか?
取り留めないことが頭を過っていく。
いま、何時頃だろう。
約束の時間はとうに過ぎている。心配してるだろうか、怒ってるだろうか。それとも、こっちの世界に来た時点で存在しなかったことになっているんだろうか。
だんだんネガディブになっていく。
たった今あったリタとの昼食のことも出てこない。
スマホがあるからと、普段からあまり腕時計はしていない。そして、その肝心のスマホは何度試しても起動すらせず、黒い画面を和穂に向けたまま沈黙している。
何でもいい、向こうと繋がっていることが確認できる現実が欲しかった。
叩き付けたい気持ちを抑えて、和穂は上着のポケットにスマホを収めた。
無意識に見上げた頭上の先に濃い緑色の葉を付けた木の枝が見えた。
枝は長く絡み合って屋根のように伸び、空を遮っている。それでも風が吹くと木漏れ日の光が地面に落ちた。
「〈マザーツリー〉よ」
「〈マザーツリー〉?」
和穂の視線の先をリタも見上げる。懐かしいものをみるように少し目を細めた。
〈マザーツリー〉この木の名前だろうか? リタの言葉をおうむ返ししながら和穂は思う。続くリタの言葉がそれを否定した。
「私が勝手にそう呼んでいるだけ。本当の名前も種類もわからないから。あの家を建てる前からここにあったって聞いたわ」
「聞いた? 誰に」
「私の死んだお母さん」
「ごめん、悪いこと聞いた」
「いいのよ、もう昔の話。それより冷えてきたわ、あとは家の中で話さない? それと今日は私の家に泊まればいいわ。これからのことはそれから考えましょう」
空のバスケットを持ち、リタが立ち上がる。そして少しだけ〈マザーツリー〉の方を見つめると家の方に歩き出した。
「待って、リタ」
後を追って和穂がベンチを立つ。ふとリタがバスケットを置いた辺りの座面に、何かを彫ったような小さな跡を見つけた。それが何なのか、和穂に知る術も余裕も無く、再度リタが彼の名を呼ぶ声を聞いた時、その小さな「何か」は和穂の記憶の底に沈んでいった。
◯
〈マザーツリー〉は結構な巨木だった。
今、和穂が立っているリタの家が小さく見える。
ここからさっきまで座っていたベンチまで約20メートル位、でも〈マザーツリー〉の灰色の幹はまだその先にも見えた。そして、目を転じてリタの家の先に視線を伸ばせば、塀のようにまだ長く続いていた。
(どれだけ大きいんだろう)
木の姿の全体像が思い浮かばない。
時々、鳥のようなさえずりと教会の鐘に似た「リーンリーン」というどこかで聞き覚えのある音がするだけだった。
「あれ、〈マザーツリー〉の葉と葉が擦れ合う音よ」
「きれいな音だね」
「うん、私も好きな音色なの」
リタが笑う。その手がドアノブに触れドアが開く。「どうぞ」と言いながら中に入るリタの後に「お邪魔します」と和穂が続いた。
◯
木と漆喰の三角屋根の家は、外見同様に中もこじんまりとしていた。
それでもリタ一人が生活するには充分な広さに思える。
中は仕切りも無く、ドアを入って左手側に台所兼居間といった感じに木製のテーブルと椅子が置かれ、大きな窓の前に長方形の調理台のような物が置かれてあった。右手側はリタの私室的スペースのようでベットと衣装箪笥、本棚のような物が置かれている。
「そっちはなるべく見ないでね」とリタに釘を刺され、和穂はあたふたと視線を他に向ける。
リタはテーブルの方へ歩いていく。
テーブルの上にはパンの入ったカゴと調理用と思われる小型のナイフがまな板のような表面がスベスベした四角い石の上に置いてあった。
その反対側に白い鞘に収まった長剣が置いてあり、リタはそれを手に取ると、腰のベルトに装着した。
その慣れた動作に和穂はどきりとした。リタの別の側面がそこにあった。
「それ、リタの剣」
「そうよ、もし、これがさっき手元にあったら、どこかの変態さんは今頃」
「魔物の餌……」
「あー、知らない分からない夢の中とかなんて言っておきながら、やっぱり覚えてるじゃない。やっぱり、今からでも考え直すべきかしら」
「蒸し返さないでよ。散々、謝ったじゃないか」
リタの手が剣の柄にふれようとする。それを見て和穂が壁にへばり付く。その姿にリタがククッと悪戯っぽく笑った。
「ごめんなさい、冗談よ」
「冗談でもやめてよ」
リタの剣の腕がどれ程のものかは分からなかったが、冒険者であることやこの深い森に一人暮らしという事からも、それなりの技量であることは想像できた。毎日とはいわないが、それでも殺し殺される命のやり取りが日常であろうと想像できるこの世界に和穂は背筋が寒くなった。
今更だが、とんでもない世界に来てしまったと思った。
「今、お茶を淹れるわ」
ぐったりと椅子に腰掛ける和穂を尻目に、リタは鼻歌まじりにお茶の用意を始めた。
◯
森の夕暮れはあっという間で、緑色の地平に陽が落ちると、窓から見える景色は程なく夜に染められた。
リタが窓の外のブラインドを下ろし、更に中にもブラインドを下ろす。ドアに鍵を掛けながら、何かを呟くように唇が動く。
「それも魔法なの」
「そうよ、知覚干渉と魔物避けのね。今、夕食の用意をするわ、座って待ってて。あ、内容はあまり期待しないでね」
「食べられるだけ、ありがたいです。それと僕も手伝うよ」
リタの横に並んだ和穂が腕まくりをする。
「ちょっと」
突然、肩が触れ合うほどに並ばれてリタの身体が飛び上がる。
「どうしたの」
「こういう事に慣れてないのよ」とは素直に言えなくて、リタは赤くなった顔を和穂から背けた。
リタの家に入ってからほぼ座りっぱなしでいい加減、身体が痛くなっていた。無骨な木の椅子は見た目に反して座り心地は良かったが、さすがにずっと同じような姿勢でいるのは無理があった。
首を回し腕を伸ばす。軽く身体を捻る度にそこかしこからゴキゴキと音がする。
そして和穂が動く度に身体が擦れ合うリタは触れる度にドキドキして料理どころではなかった。だからといって離れて欲しくないと思う自分もいる。
出会ってまだ数時間しか経っていないのに、リタの中では和穂に対する警戒がかなり低くなっていた。
なんだかんだで、この状況を一番楽しんでいるのはリタかもしれなかった。
それでもこれが〝恋〟と呼べるかどうかは、まだまだ混沌としていた。
「じゃあ、これの皮を剥いてくれる」
ようやく、それだけが言えた。
そう言われて和穂がリタからゴロゴロと渡されたのはジャガイモに似た野菜だった。
「ジャガイモ?」
茶色のゴツゴツした外見のそれを手の中で転がして見る。
「和穂のところではそう呼ぶのね、不思議な呼び方」
「これ、何て野菜なの」
「ロックタロ」
「ロックタロ? どうやって食べるの」
「そうね、主にスープかしら。煮てから潰してサラダとか固めて焼くとか」
やっぱりジャガイモだ、と和穂は思う。
「油で揚げるとかはしないの」
「無いわね、おいしいの?」
「もちろん」
「じゃあ、今度、作って。約束よ」
「うん、いいよ」
「ナイフはこれを使って」
リタから渡された包丁より小さめのナイフで和穂は器用に皮を剥きはじめた。
「上手いわね」
「ありがとう」
「よく料理はするの」
「うちは両親共稼ぎで、夜も遅いんだ。そんな時は僕が代わりに台所に立つんだよ」
遠い目になって和穂が呟く。
今頃、向こうはどうなってるのか、ふと不安がよぎった時、指先に痛みを感じナイフを落とす。
「痛!」
「どうしたの」
「切っちゃったみたいだ」
「見せて」
和穂の手をリタが取る。出血は指先の上で丸い玉になっている。それは見ている間にも大きくなって流れ落ちる。その寸前にリタは和穂の指を口に含んでいた。
「リタ、何を」
和穂の焦ったような声にリタが我に返る。
(えっ、私、一体なにを)
咄嗟に取った自分の行動に思考が追いつかなくて混乱するリタ。
そのリタよりも更に和穂は混乱していた。人形のような美少女にいきなり指先を口に含まれたのだから。
女の子に免疫が無い訳ではない、親しい女友達もいるが話しをする程度でスキンシップはない。
クラスでは、背が低い事と中性的な顔立ちから「かわいい」とか「女の子みたい」と言われたりもするが、和穂自体は健康な一般男子高校生だった。だから異性とのスキンシップにも少なからず、いや、大いに興味は持っている。
でもこの状況、どこに落とし所を持って行けばいいんだ。
刹那で止まった時間を動かしたのはリタだった。
(傷を治さなきゃ)
「動かないで。今、治すわ」
「治す?」
口から和穂の指を離し「癒して」と言葉を継ぐむ。同時にいままで指先に感じていたズキズキとした痛みの感覚が、指先の中に、傷の中に引き込まれるようなイメージの中に消えていった。それと共に切り傷も消えた。その部分だけが時間を巻き戻されたようだ。
自分の身体に起こった奇跡のような行為に和穂は声も出ない。
そんな和穂に対してリタはあっさりしたものだった。
「はい、お終い」
絆創膏を貼り終えたような言い方に、和穂が我に返る。
「えっと、今のも魔法」
「癒しの魔法よ。痛みは無い?」
「な、無いよ。ありがとう」
「じゃ、じゃあ料理再開よ。この鍋に水を……」
鍋を渡そうとするリタと受け取ろうとした和穂の手が触れ合い……再び、フリーズ。
そんなことをなん度から繰り返しながら、夕食ができたのはそれからしばらく経ってからのことだった。
◯
夕食も早々に和穂は眠ってしまった。
温かいスープとパン、野草のサラダと質素だったが和穂には嬉しかった。
腹が満たされると急に眠気が襲ってきた。
「そこ、使っていいわよ」と指さされたのはリタのベットだった。
「リタはどうするの」
「私はこっちを使うから大丈夫」
そう言って欠伸をしながら和穂の前を通り、その奥にあるドアの前に立った。
「和穂」
背中を向けたままでリタが声を掛けてきた。
「なに?」
「何が起きても、ここは開けないでね」
「何が起きても? でもリタに用事のある時は」
「魔物とかは結界があるから大丈夫。トイレはそっちのドア、水はテーブルのポットにあるわ。お腹が空いたならテーブルのパンを食べてもいいわ。他に何か必要なものあるかしら」
「ありません」
「じゃあ、おやすみなさい」
リタはドアの奥に消えた。
同時に家の中が急に暗くなる。手元がようやく見える程度まで明度が落ちる。和穂が見上げるその先に星のような小さな光点があった。あれに光の魔法が付与されていて、その効力の範囲内を照らしてくれるのだそうだ。
「光は闇を退けて夜を照らしてくれる便利なものだけど」
同時に危険なものも引き寄せてくるとリタは言った。深い森の中の一軒家ともなれば尚更だ。けれど不安そうな和穂をみて最小限の明るさを残してくれた。
リタはあれを「魔石」と呼んでいた。
「魔石」はこの世界に無くてはならない生活の基礎のようで、それに込められている魔力によってさまざまな種類の石があるらしい。
ただ「魔石」は基本それに込められた魔法を発動させる触媒に過ぎず、それに対応した魔力、もしくは魔法の習得が必要らしかった。
「そんな一足飛びに何でも出来る訳ないでしょう」とはリタの弁。
「魔法って難しいんだね」
「和穂、魔法を使いたいの」
「使えれば便利かなって思ったぐらいかな」
「なにそれ、不純な感じね。でも、和穂に使えるかどうかは分からないけど。魔力を感じないのよね、あなたから」
「どういうこと」
「魔法を使うには〝魔力〟が必要なのよ」
「魔力? 魔力って」
ゲームやアニメ、漫画などから聞かない時がないほど和穂も聞き慣れた言葉だが、リタの口から聞くそれは天地ほどの重みの差を感じた。
「魔法を使うための力、源っていうか、とりあえず、これが無いと魔法は使えないわ」
「僕にもあるのかな」
「知りたい?」
「わかるの」
「魔力の有無、魔力量とかそれくらいならね。正確に知りたいなら〈モルスラ〉の「ギルド協会」に行くか私の師匠に見てもらうしかないわ」
「〈モルスラ〉? 「ギルド協会」?」
「〈モルスラ〉はこの〈黒の森〉を三日程歩いたところにある街よ」
「ここ〈黒の森〉っていうんだ」
「言ってなかった?」
「聞いてないよ」
「そうだったかしら」
リタがとぼけた。
「で、魔力の方だけど、どうすればいいの」
「そのままでいいわ」
椅子から立ち上がり、テーブルを回って和穂の前にリタが立つ。
額の辺りに手を翳すと短く詠唱した。
「無い……わね」
「無いって」
「魔力〝ゼロ〟」
「ゼロ……じゃあ、魔法は使えないってこと」
「そうなるわね」
「もう一度、お願いします」
「何度やっても同じよ」
「そんなぁ、僕の魔法生活が」
意気消沈の和穂がリタに訊く。
「この世界に魔力の無い人っていないの」
「普通にいるわよ。別に和穂が異常な訳じゃないわ」
リタがケロッと答え、和穂がその言葉にホッとする。
「良かった。じゃあ、その人たちはどうやって生活してるの」
「街中や普通の住宅の設備や器具は魔力の有る無しに関わらず、基本全ての種族が使用可能よ。ここは私しか住んでないから基本的に私に合わせた仕様になってるの。だから和穂には使いづらいかもしれないわね」
「全ての種族……って」
「エルフ、人間、ドワーフ、獣人とかが主かな。人間族が殆どなんだけどね。〈モルスラ〉って、冒険者が作った街とも言われてるから、そうなのかも」
「冒険者が作った街」
「まぁ、行けばわかるわ。私の師匠も住んでるし」
「リタの師匠って、どんな人?」
人?」
「凄いひとよ。私の尊敬する人。今は〈モルスラ〉の街に住んでるわ。いつか私も師匠のような魔法使いになりたいの」
「会ってみたいな」
「そうね、そうだわ。師匠なら和穂を元の世界に戻せるかも」
「本当!」
「聞いてみないと分からないけどね、でも、その価値はあると思うの」
「うん、そうだね。ありがとう、リタ。こんな知らない、頼るものもないところで、どうしたらいいかって思ってた」
「頼るものもないって、いるでしょう、ここに私が」
「ありがとう、リタ」
「さっきから〝ありがとう〟ばっかりね」
「だって、他に言葉が見つからない」
「明日、準備して、明後日に〈モルスラ〉の街に向かいましょう」
「森の中を三日だっけ、大丈夫かな、僕」
「和穂じゃ、七日でも難しいかも。というより、1日目で迷って魔物の餌食ね」
「リタ、ひどい」
「この森をまったく知らない和穂を一人で行かせる訳ないでしょう。ちゃんと同行するわよ」
「お願いします」
「殊勝な返事ね」
「安心したら眠くなってきた」
「私も。今日はいろいろあったし、明日は〈モルスラ〉に行く準備をしなきゃ」
「いろいろ、ごめんね」
「この世界の初心者が変に気を使わないで。もう、寝ましょう」
こうして〈モルスラ〉行きが決定した。
だが、二人の今日はまだ終わっていない。
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