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第一章:異世界漂流
プロローグ1:和穂
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たしか、僕は……
僕、三坂和穂(みさかかずほ)は八ノ岩盛高校に通う高校2年の男子で16才。
成績は上、と言いたいところだけれど、その間に「中の」と入る。
スポーツは得意、ってほどでもないけど、するのも観るのも好きだよ。
身体、動かすのって気持ちいいよね。
顔はキリッとしたイケメン、ではなく、中性とかカワイイとか、なんか少し傷つく表現。僕だって、うーん、これがいけないのかなぁ。僕、ぼく、ボク……
でも昔から一人称はこれだし、いまから「俺」って変えるのも、カワイイとかを認めるようで悔しいかなって。
身長も少し低めの165㎝。
それで僕はなぜ、こんなところにいるんだろう?
今日は何月何日だったっけ?
覚えているのは学校での友人との会話、そういえば期末テストの最終日だった。
だとすれば、今は夏なんだろうか。
テストは午前中で終わる。
僕らは午後に遊ぶ約束と予定を立てて、その場を別れた。
帰り道、いつものコンビニで昼ご飯用に買ったサンドイッチ、おにぎり、お茶の入ったレジ袋を下げて、立ち寄った公園のブランコの向かいのベンチに座った。
ブランコが「きぃ」と鳴って揺れた。
そして、フワリと頬を撫でるように風が吹き、後ろの道路と公園を隔てるように植えられた常緑樹の枝が一斉にサーッと鳴り始めた。
その風の心地良さと連日のテストの疲れもあって、僕はベンチの背もたれに身体を預ける。
やたらに眠かった。
リーン、リーン、リーン……
どこかで教会の鐘のような音が聞こえる。
ん……でも、この辺りに教会なんて無いはず。あ、お寺ならある……
そこまでが僕の最後の記憶。
どうやら、眠ってしまったらしい、かな。
そして目が覚めたら、いきなり平手打ちを貰った。長い耳の、人形のようにかわいい女の子に。
僕、三坂和穂(みさかかずほ)は八ノ岩盛高校に通う高校2年の男子で16才。
成績は上、と言いたいところだけれど、その間に「中の」と入る。
スポーツは得意、ってほどでもないけど、するのも観るのも好きだよ。
身体、動かすのって気持ちいいよね。
顔はキリッとしたイケメン、ではなく、中性とかカワイイとか、なんか少し傷つく表現。僕だって、うーん、これがいけないのかなぁ。僕、ぼく、ボク……
でも昔から一人称はこれだし、いまから「俺」って変えるのも、カワイイとかを認めるようで悔しいかなって。
身長も少し低めの165㎝。
それで僕はなぜ、こんなところにいるんだろう?
今日は何月何日だったっけ?
覚えているのは学校での友人との会話、そういえば期末テストの最終日だった。
だとすれば、今は夏なんだろうか。
テストは午前中で終わる。
僕らは午後に遊ぶ約束と予定を立てて、その場を別れた。
帰り道、いつものコンビニで昼ご飯用に買ったサンドイッチ、おにぎり、お茶の入ったレジ袋を下げて、立ち寄った公園のブランコの向かいのベンチに座った。
ブランコが「きぃ」と鳴って揺れた。
そして、フワリと頬を撫でるように風が吹き、後ろの道路と公園を隔てるように植えられた常緑樹の枝が一斉にサーッと鳴り始めた。
その風の心地良さと連日のテストの疲れもあって、僕はベンチの背もたれに身体を預ける。
やたらに眠かった。
リーン、リーン、リーン……
どこかで教会の鐘のような音が聞こえる。
ん……でも、この辺りに教会なんて無いはず。あ、お寺ならある……
そこまでが僕の最後の記憶。
どうやら、眠ってしまったらしい、かな。
そして目が覚めたら、いきなり平手打ちを貰った。長い耳の、人形のようにかわいい女の子に。
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