50 / 50
終章:彼の夢
第50話 角折れた竜王と最弱種族の男
しおりを挟む
「大丈夫ですよ」
「……けどよ」
「誰も見てませんから」
「…………」
「さあ」
——
——
「墓か」
「ええ。レイジ陛下の提案で。『皆』のお墓を、この峰の麓に建てようと。……慰霊碑というものです」
生き残った全員で、手を合わせた。戦いで死んだ者へ。敵も味方も関係無く。人族も亜人も関係無く。
全ての命へ、【祈る】。これからの時代への礎となった、全ての命へ。
「…………」
静かに。皆が死者を想っていた。親を。兄弟を。友を。恋人を。
「失った命を嘆くのは、その日の晩だけ、でしたっけ」
「いや」
レナリアが、少しだけ悪戯っぽく訊ねた。ラスはすぐに否定した。
「もう、そんなに急ぐ必要もねえ。これからは好きなときに、祈れば良いと思うよ」
「……そうですね」
——
——
少し遡る。
それは、彩京の街を行くウェルフェアの耳に入ってきた。
「——あのラスという人族と女王様は、関係を持っているのか?」
「馬鹿な。女王だぞ? ていうか、人族だぞ? ……って、もうこの言い方は駄目か」
「!」
ウェルフェアは立ち止まり、振り返る。だがもう、誰が言ったのかは分からない。人混みに吸い込まれていってしまった。
「……そうだよね。結局……」
レナリアは女王だ。街の女のように、軽々しく男を作る訳にはいかない。【ましてや人族など】。
結局、一時の旅の、儚い【勘違い】である。ヒューリとシエラのようにはいかない。それは、誰からも望まれていない。
ウェルフェアは、ひと言呟いた。それでも、応援したかった。確実に、自分の求める『幸せ』へ向かう形のひとつだと思ったからだ。
「……レナ様は、やっぱり王宮かな」
聳える宮殿へ、自然と向かう。真意を確かめねば、この国を出られないと考えたのだ。
「おじさま、ちょっといいかな」
「……あー? ったく。好きにしろよ」
「ありがとう」
許可を得ると、風に乗ってあっという間に駆け出した。
残されたヴェルウェステリアは欠伸をひとつ。
「……はぁ。難しく考えすぎなんだよ。欲しいなら力付くで手に入れろよ。『竜王』の癖によ。男なんざ何人侍らそうが構わねえじゃねえか」
その豪快な呟きに、返ってくる声は無かった。
——
——
全てを終えて。
「——じゃあ、これで俺の仕事は終わりだな」
「ああ。済まないなラス。ありがとう」
「ええ。お疲れ様でした。後は私達に任せて、ゆっくり休んでくださいね」
——
ラスはひとり、『雲海の岬』で佇んでいた。
終わった。
これで、念願の『人族の国』は出来る。それ自体の軌道には乗った。後は細かいところを詰めていくだけだ。
「——……ふぅ」
深く息をついた。崖に沿って、何とはなしに歩く。
「……ファン」
呟いた名前の人物は、この世にはいない。そう言えばアスラハも最後に、誰かの名を呟いていた。
「——こんな所に居たのですか」
「ん」
透き通る声。自分を探して、追いかけてきた声。
「……綺麗でしょう?」
「…………あんたが?」
「ち。……違いますよ。もう」
手を広げて合図する。ラスは気付かなかった。いつの間にか、足元には沢山の花が咲いていた。
「冬でも関係無く、凛と咲くレナリアの花畑。眼下には——ほら。今日は霧が薄いから、よく見えます」
そう言われ、崖の下を覗く。すると『世界最大の文明都市』を、贅沢にも一望できる。
「私の大好きな『秘密の場所』です」
「……そうか」
嬉しそうに語るレナリアを見て、ラスも綻ぶ。眼下——『和の国ができる方角』を向いて、どさりと腰を下ろした。
「……疲れた」
「ふふ」
手を突いて空を仰ぐ。確かに今日は霧が薄い。青い空がどこまでも澄み渡っている。
レナリアも彼の隣に座った。
「……ここまで、全力疾走だったな」
「ええ」
「確かに、ああ。ちょっと疲れた。後はレイジに任せて、休ませて貰おうと思うよ」
「ええ。では」
「『では』?」
ラスはそこで、初めて彼女へ振り向いた。
彼女はもう、『準備』をしていた。埃を払い、ぽんぽんと叩く。
『自らの膝を』。
「どうぞ。……休んでくださいな」
「え」
「大丈夫ですよ」
「……けどよ」
「誰も見てませんから」
「…………」
「さあ」
ラスは。
抗えない。知ってしまっている。固い鱗に覆われた竜人族の、柔らかい『それ』を。
——
「……多分さ」
「はい」
空が見える。その手前には彼女の、太股より柔らかい、小振りの胸も。ラスはぼうっと、ほぼ何も考えずに見る。
「俺、あんたの事好きだぜ」
「!」
唐突に告白されて。
「……ぷっ」
「ん」
レナリアは可笑しくなってしまった。
「『多分』とは何ですか」
「……んー。あんまりさ、自覚は無いんだ。どこかおかしいかも知れないけど。でもあんたの為なら、命だって懸けられる」
「それは……」
人族の大願の為、そうだっただけだろう。レナリアはそう思う。
「今でもだ」
「!」
「俺の。あんたの。人族の目的が果たされた今でも。俺はそう思う。怪我して戦えないから守りたいし、あんたの敵は俺の敵だ。……そう強く思うよ」
「…………」
今まで、彼から気持ちを伝えられたことは無かった。別に好かれていなくても、彼女は良かった。ただ彼の為に、何かしてあげたかった。
だが。
「……嬉しいです。ありがとう」
「なんかこんな格好で申し訳ねえけど」
「いいんですよ。ラスは私の膝が好きですからね」
「……あんたが膝に乗せるの好きなんじゃねえのか?」
「まあそれも」
彼はこの18年間、ずっと『人族』の為に修行をして、自分を削ってきた。結婚適齢期を過ぎようという今でも、女性との交際経験は無い。全てを犠牲に、ただただ『気』を磨いてきた。
取り換え子同士であるファンという存在も大きかっただろう。彼女が居れば、彼に恋愛は必要なかった。
それは勿論、レナリアも承知である。だから『良い』のだ。もう。想いの伝え方や雰囲気、形式など。
『何でも良い』程、彼を好いてしまっている。
——
——
「あっ。居た。レ——」
「おっと待った」
「んが」
宮殿をさ迷い、ようやく見付けたウェルフェア。だが声を掛けようとした時、不意に口を塞がれた。
「むがむが。……レイジ?」
「今は取り込み中だ。用事なら後にしてくれよ」
「どしたのさ。……あ」
彼女も気付いた。
花畑に座るレナリアの膝に、彼が居ることに。
「何を隠そう、『一番頑張った』ふたりだからな。少しの間の休憩くらい良いだろう」
「……そうだね」
ウェルフェアは思い出していた。『花の国』で初めて会った時も、確かラスはレナリアの膝で寝ていた。
結局。
ふたりは好き合っているのだ。
「ウェルちゃん?」
「リルっ」
ラスに付いて遊びに来ていたリルリィもふたりを見付ける。ウェルフェアの隣に立ち、それを見る。
「…………?」
注意深く、見る。
「今はそっとしとこうって」
「え?」
それを、見て。
「………………?」
どこか胸の奥が『ちくり』としたことの意味に。
リルリィが自覚し気付くのには、もう少し時間が掛かるようだ。
——
だが今は。
「……ラス?」
「…………」
「……寝てしまいましたか。やはり私の膝の具合は抜群ですね」
今だけは。
「……ラス。貴方は何故、人族として生まれてきたのでしょう。私は何故、竜人族の王として生まれてきてしまったのでしょう」
決して、結ばれはしない。そんなことはお互いに分かりきっている。
「……このまま、ずっと眠っていても良いんですよ」
だが、この束の間だけは。
「…………ねえラス」
レナリア・イェリスハートは、この青年の恋人で居たいと願った。
——
——
我々の知らない世界の話。
空を飛ぶ種族と、視点を変える魔法により、彼らは早い段階で『地上は丸い』と知った。『星』という概念ができ、彼らは大地が有限だと理解した。
古来より生物は、同じ種族同士で集まって暮らした。
規模の単位は通称、集落、村、町、都市、国。
ここに、世界最大の人口を持つ国がある。名は『虹の国』。由来は、「色々な種族を受け入れる」という意味が込められている。
世界は、この虹の国を中心に回っていた。歴史もまた同じ。
【虹の暦201年】
この年の初めに。歴史的にも世界的に名を馳せることになる、新たな国が誕生した。その国はとある種族を中心に建てられた国だ。
その種族は。角も無く、翼も無く、魔法も扱えない、奴隷と蔑まれた——最弱種族。何故、そんな種族が国を建てられたのか。
社会を変革させた建国の立役者として後世に名を残すのが。
角の折れた竜王と、ひとりの最弱種族の男である。
「……けどよ」
「誰も見てませんから」
「…………」
「さあ」
——
——
「墓か」
「ええ。レイジ陛下の提案で。『皆』のお墓を、この峰の麓に建てようと。……慰霊碑というものです」
生き残った全員で、手を合わせた。戦いで死んだ者へ。敵も味方も関係無く。人族も亜人も関係無く。
全ての命へ、【祈る】。これからの時代への礎となった、全ての命へ。
「…………」
静かに。皆が死者を想っていた。親を。兄弟を。友を。恋人を。
「失った命を嘆くのは、その日の晩だけ、でしたっけ」
「いや」
レナリアが、少しだけ悪戯っぽく訊ねた。ラスはすぐに否定した。
「もう、そんなに急ぐ必要もねえ。これからは好きなときに、祈れば良いと思うよ」
「……そうですね」
——
——
少し遡る。
それは、彩京の街を行くウェルフェアの耳に入ってきた。
「——あのラスという人族と女王様は、関係を持っているのか?」
「馬鹿な。女王だぞ? ていうか、人族だぞ? ……って、もうこの言い方は駄目か」
「!」
ウェルフェアは立ち止まり、振り返る。だがもう、誰が言ったのかは分からない。人混みに吸い込まれていってしまった。
「……そうだよね。結局……」
レナリアは女王だ。街の女のように、軽々しく男を作る訳にはいかない。【ましてや人族など】。
結局、一時の旅の、儚い【勘違い】である。ヒューリとシエラのようにはいかない。それは、誰からも望まれていない。
ウェルフェアは、ひと言呟いた。それでも、応援したかった。確実に、自分の求める『幸せ』へ向かう形のひとつだと思ったからだ。
「……レナ様は、やっぱり王宮かな」
聳える宮殿へ、自然と向かう。真意を確かめねば、この国を出られないと考えたのだ。
「おじさま、ちょっといいかな」
「……あー? ったく。好きにしろよ」
「ありがとう」
許可を得ると、風に乗ってあっという間に駆け出した。
残されたヴェルウェステリアは欠伸をひとつ。
「……はぁ。難しく考えすぎなんだよ。欲しいなら力付くで手に入れろよ。『竜王』の癖によ。男なんざ何人侍らそうが構わねえじゃねえか」
その豪快な呟きに、返ってくる声は無かった。
——
——
全てを終えて。
「——じゃあ、これで俺の仕事は終わりだな」
「ああ。済まないなラス。ありがとう」
「ええ。お疲れ様でした。後は私達に任せて、ゆっくり休んでくださいね」
——
ラスはひとり、『雲海の岬』で佇んでいた。
終わった。
これで、念願の『人族の国』は出来る。それ自体の軌道には乗った。後は細かいところを詰めていくだけだ。
「——……ふぅ」
深く息をついた。崖に沿って、何とはなしに歩く。
「……ファン」
呟いた名前の人物は、この世にはいない。そう言えばアスラハも最後に、誰かの名を呟いていた。
「——こんな所に居たのですか」
「ん」
透き通る声。自分を探して、追いかけてきた声。
「……綺麗でしょう?」
「…………あんたが?」
「ち。……違いますよ。もう」
手を広げて合図する。ラスは気付かなかった。いつの間にか、足元には沢山の花が咲いていた。
「冬でも関係無く、凛と咲くレナリアの花畑。眼下には——ほら。今日は霧が薄いから、よく見えます」
そう言われ、崖の下を覗く。すると『世界最大の文明都市』を、贅沢にも一望できる。
「私の大好きな『秘密の場所』です」
「……そうか」
嬉しそうに語るレナリアを見て、ラスも綻ぶ。眼下——『和の国ができる方角』を向いて、どさりと腰を下ろした。
「……疲れた」
「ふふ」
手を突いて空を仰ぐ。確かに今日は霧が薄い。青い空がどこまでも澄み渡っている。
レナリアも彼の隣に座った。
「……ここまで、全力疾走だったな」
「ええ」
「確かに、ああ。ちょっと疲れた。後はレイジに任せて、休ませて貰おうと思うよ」
「ええ。では」
「『では』?」
ラスはそこで、初めて彼女へ振り向いた。
彼女はもう、『準備』をしていた。埃を払い、ぽんぽんと叩く。
『自らの膝を』。
「どうぞ。……休んでくださいな」
「え」
「大丈夫ですよ」
「……けどよ」
「誰も見てませんから」
「…………」
「さあ」
ラスは。
抗えない。知ってしまっている。固い鱗に覆われた竜人族の、柔らかい『それ』を。
——
「……多分さ」
「はい」
空が見える。その手前には彼女の、太股より柔らかい、小振りの胸も。ラスはぼうっと、ほぼ何も考えずに見る。
「俺、あんたの事好きだぜ」
「!」
唐突に告白されて。
「……ぷっ」
「ん」
レナリアは可笑しくなってしまった。
「『多分』とは何ですか」
「……んー。あんまりさ、自覚は無いんだ。どこかおかしいかも知れないけど。でもあんたの為なら、命だって懸けられる」
「それは……」
人族の大願の為、そうだっただけだろう。レナリアはそう思う。
「今でもだ」
「!」
「俺の。あんたの。人族の目的が果たされた今でも。俺はそう思う。怪我して戦えないから守りたいし、あんたの敵は俺の敵だ。……そう強く思うよ」
「…………」
今まで、彼から気持ちを伝えられたことは無かった。別に好かれていなくても、彼女は良かった。ただ彼の為に、何かしてあげたかった。
だが。
「……嬉しいです。ありがとう」
「なんかこんな格好で申し訳ねえけど」
「いいんですよ。ラスは私の膝が好きですからね」
「……あんたが膝に乗せるの好きなんじゃねえのか?」
「まあそれも」
彼はこの18年間、ずっと『人族』の為に修行をして、自分を削ってきた。結婚適齢期を過ぎようという今でも、女性との交際経験は無い。全てを犠牲に、ただただ『気』を磨いてきた。
取り換え子同士であるファンという存在も大きかっただろう。彼女が居れば、彼に恋愛は必要なかった。
それは勿論、レナリアも承知である。だから『良い』のだ。もう。想いの伝え方や雰囲気、形式など。
『何でも良い』程、彼を好いてしまっている。
——
——
「あっ。居た。レ——」
「おっと待った」
「んが」
宮殿をさ迷い、ようやく見付けたウェルフェア。だが声を掛けようとした時、不意に口を塞がれた。
「むがむが。……レイジ?」
「今は取り込み中だ。用事なら後にしてくれよ」
「どしたのさ。……あ」
彼女も気付いた。
花畑に座るレナリアの膝に、彼が居ることに。
「何を隠そう、『一番頑張った』ふたりだからな。少しの間の休憩くらい良いだろう」
「……そうだね」
ウェルフェアは思い出していた。『花の国』で初めて会った時も、確かラスはレナリアの膝で寝ていた。
結局。
ふたりは好き合っているのだ。
「ウェルちゃん?」
「リルっ」
ラスに付いて遊びに来ていたリルリィもふたりを見付ける。ウェルフェアの隣に立ち、それを見る。
「…………?」
注意深く、見る。
「今はそっとしとこうって」
「え?」
それを、見て。
「………………?」
どこか胸の奥が『ちくり』としたことの意味に。
リルリィが自覚し気付くのには、もう少し時間が掛かるようだ。
——
だが今は。
「……ラス?」
「…………」
「……寝てしまいましたか。やはり私の膝の具合は抜群ですね」
今だけは。
「……ラス。貴方は何故、人族として生まれてきたのでしょう。私は何故、竜人族の王として生まれてきてしまったのでしょう」
決して、結ばれはしない。そんなことはお互いに分かりきっている。
「……このまま、ずっと眠っていても良いんですよ」
だが、この束の間だけは。
「…………ねえラス」
レナリア・イェリスハートは、この青年の恋人で居たいと願った。
——
——
我々の知らない世界の話。
空を飛ぶ種族と、視点を変える魔法により、彼らは早い段階で『地上は丸い』と知った。『星』という概念ができ、彼らは大地が有限だと理解した。
古来より生物は、同じ種族同士で集まって暮らした。
規模の単位は通称、集落、村、町、都市、国。
ここに、世界最大の人口を持つ国がある。名は『虹の国』。由来は、「色々な種族を受け入れる」という意味が込められている。
世界は、この虹の国を中心に回っていた。歴史もまた同じ。
【虹の暦201年】
この年の初めに。歴史的にも世界的に名を馳せることになる、新たな国が誕生した。その国はとある種族を中心に建てられた国だ。
その種族は。角も無く、翼も無く、魔法も扱えない、奴隷と蔑まれた——最弱種族。何故、そんな種族が国を建てられたのか。
社会を変革させた建国の立役者として後世に名を残すのが。
角の折れた竜王と、ひとりの最弱種族の男である。
0
お気に入りに追加
22
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

【完結】徒花の王妃
つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。
何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。
「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

たとえ番でないとしても
豆狸
恋愛
「ディアナ王女、私が君を愛することはない。私の番は彼女、サギニなのだから」
「違います!」
私は叫ばずにはいられませんでした。
「その方ではありません! 竜王ニコラオス陛下の番は私です!」
──番だと叫ぶ言葉を聞いてもらえなかった花嫁の話です。
※1/4、短編→長編に変更しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる