杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜

メロのん

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第3章 身代わり

第119話 解き放たれたモノ

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 「「「うっ…」」」

 転移を使い急いで拠点へと帰ってきたが悪寒がかなり強いくなった。豊かな自然に囲まれ、きれいな空気が今では汚染されたかのように不快感を与えてくる。

「「「「「クァー! クァー!」」」」」

「ウカノ様!」

「タージか!これはいったい何が起こった?」

 (ヨタドリたちも落ち着きを失っている。僕たち人間だけではなく、魔物にも影響を及ぼすこの悪寒。きっとこの森に住む生き物全てが感じているのだろう。)

「わ、私にも分かりませぬ。しかし数刻前に強烈なこの不快感がやってきまして……」

 (僕たちがこの不快感を感じたのはついさっきだがタイムラグが生じていたか…)
 
「そうか…この森にいったい何が……。みな無事か?」

「はい、みな無事なのですが……」

「どうした?」

「それが…この強烈な不快感が襲って来た時、大蜘蛛様が殺気だった様子で何処かへと向かってしまいました。それから大蜘蛛様はまだ戻ってきておりませぬ。」

 (本当にいったい何が起こっているというんだ……)

「「ホーホー!」」

「メエー!」

「雪フクロウに羊さんー!」

「大丈夫?どこも悪いところはない?」

 どこか取り乱した様子だった雪フクロウに羊。しかしウカノとゾンとルアの姿を確認する事で安堵の様子を浮かべ、ゾンとルアの側へと陣取る。

「不安にさせちゃったね。」

「よしよしー!」
 
 ☆

 ソレに初めて気づいたのは今や大蜘蛛と親しまれている彼女だった。ソレに初めて気づいたのは数100年前。何か異変があった訳ではない。ただソレを初めて認識した時から危険な物だと直感で判断した。

 彼女がとった行動といえば、ソレがどこかへ被害を出さぬようにその場に留まらせることだった。

 何度も、何度も、決してソレが外に出ぬように、何度も、何重に、決して壊れぬように何度も……

 だがそんな彼女が厳重に作った結界が、今壊された。

 ソレは世界を憎むモノ。

 ソレは全てを憎むモノ。

 ソレは世界を滅ぼすモノ。

 ソレは全てを滅ぼすモノ。

 今まで大蜘蛛によって封じられていた化物が今、世界へと解き放たれた。
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