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第3章 身代わり
第87話 呪いを祓う力
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いったい何がどうして呪いが払われたのかは分からないが今はそれよりも呪いをその身に持っていた魔物の様子だ。今は気を失って身動きしないが眼を覚ましたらどうなるか分からない。
この森ですでに10年以上過ごした僕でも見た事がない魔物で、眼を覚ましたらそのまま襲ってきたり暴れたりと言うことも考えられる。暴れられても大した脅威にはならないだろうが、呪いを長時間その身に持っていただろう身体が心配だ。
なので眼を覚ます前に拠点に帰って、ある程度看病してやらないとな。それにもしかしたらタージなら何か情報を持っているかもしれないしな。何か知らないか聞いてみよう。
…と、帰る前にだ。
「テン、この周辺に呪いの気配は感じるかい?」
「キュウ」
「そうか。」
特に感じない、か。ならばこの辺には呪いの原因となるものは無さそうか。
これまで様々な生き物をこれまでに見てきた。それは生まれたての赤子から老衰で今にも死にそうな個体までだ。それなのに呪いをその身に宿している個体を見たのは、テンの事例を除いたら今回が初だ。
それ故呪いが自然に発生するとは思えないから外的要因があると思うのだが…。とはいえ原因を探ろうにも、テンの感覚を頼りにするしか方法がないのが難しいな。
現状出来ることはない、か。なんとも後味の残る出来事だ。
☆
「お帰りなさいませウカノ様方。」
「「「ただいま!」」」
「久しぶりだなタージ。それにしても待ち構えていたのかって位の出迎えだな。」
「いやはや偶然ですよ。日数的に今日帰ってくるとは思っていましたが時間までは分かりませんからね。それと気になっていたのですがその手に抱えているモノは?」
「ああ、その点も踏まえてタージに聞きたいことがいくつかあるんだ。」
「おや、私に聞きたい事ですか?もちろん力になれるのであれば喜んで力になりますが。」
「まずは家に入ろう。」
「いろいろ聞きたいことはあるんだがまずはこの魔物についてなんだが見たことあるか?」
「いやー…私は見た事がないですねえ。魔物に関しては狩りを起こっているタスクの方が詳しいのでタスクにも聞いてみましょう。」
「この魔物ですか……?いやあ、私も見た事がないですね。」
「そうか、ならばいいんだ。本題は呪いに関してなんだ。」
「「呪い…ですか?」」
「ああ、この魔物が呪いを持っていたんだ。」
それから魔物の看病をしながら今日あった事の顛末を伝える。
「魔法に関しては種族の特性上疎いというのもありまして、残念ながら呪いもそれを打ち払ったと言うテン様の力も聞いた事がありません。ただ1つ言えるのは、呪いをその身に宿した場合の発狂した様子というのはこの生涯見た事がないですね。」
「そうか…タージでも知らないとなると現状手が無いな。」
「もし何かしらの要因が原因だとすればなんともきな臭い話ですな。ウカノ様はヒト族がこの森に何かしら仕掛けてきたとお考えで?」
「うーん、そこまでは思っていない。僕も呪いを扱う呪術師という存在がいると嘘か真か半信半疑のような状態で聞いただけで、本当に呪いを扱える存在がいるという確証はない。それに
この森に進行できるほどの力を手にしたとも考えづらい。とはいえ自然発生も考えづらいしなあ。」
「堂々巡りですな。原因解決をするべき事象に対して何も策がないとは。」
「ああ。唯一喜べる事があるとしたらテンが呪いを祓う力を持っているという事だけだな。」
「キュイ?」
この森ですでに10年以上過ごした僕でも見た事がない魔物で、眼を覚ましたらそのまま襲ってきたり暴れたりと言うことも考えられる。暴れられても大した脅威にはならないだろうが、呪いを長時間その身に持っていただろう身体が心配だ。
なので眼を覚ます前に拠点に帰って、ある程度看病してやらないとな。それにもしかしたらタージなら何か情報を持っているかもしれないしな。何か知らないか聞いてみよう。
…と、帰る前にだ。
「テン、この周辺に呪いの気配は感じるかい?」
「キュウ」
「そうか。」
特に感じない、か。ならばこの辺には呪いの原因となるものは無さそうか。
これまで様々な生き物をこれまでに見てきた。それは生まれたての赤子から老衰で今にも死にそうな個体までだ。それなのに呪いをその身に宿している個体を見たのは、テンの事例を除いたら今回が初だ。
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現状出来ることはない、か。なんとも後味の残る出来事だ。
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「お帰りなさいませウカノ様方。」
「「「ただいま!」」」
「久しぶりだなタージ。それにしても待ち構えていたのかって位の出迎えだな。」
「いやはや偶然ですよ。日数的に今日帰ってくるとは思っていましたが時間までは分かりませんからね。それと気になっていたのですがその手に抱えているモノは?」
「ああ、その点も踏まえてタージに聞きたいことがいくつかあるんだ。」
「おや、私に聞きたい事ですか?もちろん力になれるのであれば喜んで力になりますが。」
「まずは家に入ろう。」
「いろいろ聞きたいことはあるんだがまずはこの魔物についてなんだが見たことあるか?」
「いやー…私は見た事がないですねえ。魔物に関しては狩りを起こっているタスクの方が詳しいのでタスクにも聞いてみましょう。」
「この魔物ですか……?いやあ、私も見た事がないですね。」
「そうか、ならばいいんだ。本題は呪いに関してなんだ。」
「「呪い…ですか?」」
「ああ、この魔物が呪いを持っていたんだ。」
それから魔物の看病をしながら今日あった事の顛末を伝える。
「魔法に関しては種族の特性上疎いというのもありまして、残念ながら呪いもそれを打ち払ったと言うテン様の力も聞いた事がありません。ただ1つ言えるのは、呪いをその身に宿した場合の発狂した様子というのはこの生涯見た事がないですね。」
「そうか…タージでも知らないとなると現状手が無いな。」
「もし何かしらの要因が原因だとすればなんともきな臭い話ですな。ウカノ様はヒト族がこの森に何かしら仕掛けてきたとお考えで?」
「うーん、そこまでは思っていない。僕も呪いを扱う呪術師という存在がいると嘘か真か半信半疑のような状態で聞いただけで、本当に呪いを扱える存在がいるという確証はない。それに
この森に進行できるほどの力を手にしたとも考えづらい。とはいえ自然発生も考えづらいしなあ。」
「堂々巡りですな。原因解決をするべき事象に対して何も策がないとは。」
「ああ。唯一喜べる事があるとしたらテンが呪いを祓う力を持っているという事だけだな。」
「キュイ?」
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