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第2章 拠点開発
第50話 作戦
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「とはいえまずは敵の情報を教えてくれ。相手の情報を何も知らずに仕掛ける事ほど愚かな事もないのでね。」
「そうですね、教えたいのはやまやまなのですが戦士たち以外は逃げ出す事に必死でそれこそ岩でできた牛型の魔物という事しか分からないのです。」
「そうか……」
「あいつの情報であれば私が多少力になれるかと思います。」
ん?あの者はたしか、僕たちが手当した者の中の1人だな。
「もう大丈夫なのか?」
「ええ、戦闘はまだキツイですが動くだけなら支障はありませぬ。私はタスクといいます。私たちを助けてくださりありがとうございます。」
「その者はこの集落の中で1番の実力者でございます。そして貴方たちを助けてくださった御仁はウカノ様方です。」
なるほど。確かにこの集落でも1番ガタイがいい。この集落1番の戦士ゆえに戦闘でも1番果敢に戦ったのだろう、受けた傷も1番多かった。だがさすがはこの集落1番の戦士といったところか、なかなかにタフな根性を持っているらしい。
「感謝はとりあえず受け取らせてもらう。それで相手の情報で知ってる事を教えてくれ。」
「はい、相手は岩で全身が覆われている牛型の魔物ですが、その機動力はかなりのものでした。恐らく身体強化か何かを使っていると思われます。そして全身がかなり硬く我らの一撃を持ってしても精々カケラを砕くので精一杯でした。しかも多少砕かれてもすぐに再生しており全くと言っていいほどこちらの攻撃が効きませんでした。」
「なるほどな。僕たちもソイツとは別に全身が岩で出来た魔物を知っているがソイツは機動力は皆無だった。まず間違いなく身体強化を使っているのだろう。それも相当な重量があるはずの全身を持っているのに高い機動力を誇るのなら、かなり高度なレベルだな。さらには再生力か。いや、もしくは岩を生成する魔法かもしれないな。もしそうだとしたら岩を飛ばして来たり何らかの遠隔攻撃も持っているかもしれない。」
「こんな少ない情報でもそこまで考察が広がるとは……お見それ致しました。」
「いやなに、それが合ってるかどうかはともかく相手を過大評価するくらいがちょうど良い。思いもよらぬ一撃がそのまま死に直結する事もあり得るからな。」
なるほど。とタージは思う。こんなに小さき者たちがこの地に住んでいると聞いた時は驚いたものだが、このウカノという人物の思慮深さが1つの強力な武器なのだろう。
「それではそろそろ討伐に行くとしよう。今回は僕とテンだけで行ってくる。ゾンとルアたちは雪フクロウたちとここでお留守番してくれるか?」
「僕も行きたいけど今回はお留守番する!もしここが襲われても僕が守るよ!」
「ウカノがそういうならここで待ってる。」
「ああ良い子だ。大蛇もここを任せたよ。」
「シュー」
「それでは行ってくる。」
「キュイ!」
「どうかお気をつけて。」
種族は違うが絆は結ばれている。今のやり取りを見てそう感じる。恐らくエルフ族である2人の確かな年齢は見分けづらいが、それでもウカノ様との年は親子というほど離れてはいないだろう。いったいどういう経緯で今の関係性を築いたのだろうか。かつて私たちの先祖は他種族と関わりを持たず、関係を持つことを否定してこの地に移住して来た。だからといって我々も他種族と関係を持つことを否定する訳では無い。ただ今まで他種族と出会う事なんて勿論なくそんな可能性があるなど微塵も思わなかった。ただウカノ様方を見ていると、他種族との関係を持つ事もそんなに悪く無いのではと思える。
「そうですね、教えたいのはやまやまなのですが戦士たち以外は逃げ出す事に必死でそれこそ岩でできた牛型の魔物という事しか分からないのです。」
「そうか……」
「あいつの情報であれば私が多少力になれるかと思います。」
ん?あの者はたしか、僕たちが手当した者の中の1人だな。
「もう大丈夫なのか?」
「ええ、戦闘はまだキツイですが動くだけなら支障はありませぬ。私はタスクといいます。私たちを助けてくださりありがとうございます。」
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なるほど。確かにこの集落でも1番ガタイがいい。この集落1番の戦士ゆえに戦闘でも1番果敢に戦ったのだろう、受けた傷も1番多かった。だがさすがはこの集落1番の戦士といったところか、なかなかにタフな根性を持っているらしい。
「感謝はとりあえず受け取らせてもらう。それで相手の情報で知ってる事を教えてくれ。」
「はい、相手は岩で全身が覆われている牛型の魔物ですが、その機動力はかなりのものでした。恐らく身体強化か何かを使っていると思われます。そして全身がかなり硬く我らの一撃を持ってしても精々カケラを砕くので精一杯でした。しかも多少砕かれてもすぐに再生しており全くと言っていいほどこちらの攻撃が効きませんでした。」
「なるほどな。僕たちもソイツとは別に全身が岩で出来た魔物を知っているがソイツは機動力は皆無だった。まず間違いなく身体強化を使っているのだろう。それも相当な重量があるはずの全身を持っているのに高い機動力を誇るのなら、かなり高度なレベルだな。さらには再生力か。いや、もしくは岩を生成する魔法かもしれないな。もしそうだとしたら岩を飛ばして来たり何らかの遠隔攻撃も持っているかもしれない。」
「こんな少ない情報でもそこまで考察が広がるとは……お見それ致しました。」
「いやなに、それが合ってるかどうかはともかく相手を過大評価するくらいがちょうど良い。思いもよらぬ一撃がそのまま死に直結する事もあり得るからな。」
なるほど。とタージは思う。こんなに小さき者たちがこの地に住んでいると聞いた時は驚いたものだが、このウカノという人物の思慮深さが1つの強力な武器なのだろう。
「それではそろそろ討伐に行くとしよう。今回は僕とテンだけで行ってくる。ゾンとルアたちは雪フクロウたちとここでお留守番してくれるか?」
「僕も行きたいけど今回はお留守番する!もしここが襲われても僕が守るよ!」
「ウカノがそういうならここで待ってる。」
「ああ良い子だ。大蛇もここを任せたよ。」
「シュー」
「それでは行ってくる。」
「キュイ!」
「どうかお気をつけて。」
種族は違うが絆は結ばれている。今のやり取りを見てそう感じる。恐らくエルフ族である2人の確かな年齢は見分けづらいが、それでもウカノ様との年は親子というほど離れてはいないだろう。いったいどういう経緯で今の関係性を築いたのだろうか。かつて私たちの先祖は他種族と関わりを持たず、関係を持つことを否定してこの地に移住して来た。だからといって我々も他種族と関係を持つことを否定する訳では無い。ただ今まで他種族と出会う事なんて勿論なくそんな可能性があるなど微塵も思わなかった。ただウカノ様方を見ていると、他種族との関係を持つ事もそんなに悪く無いのではと思える。
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