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第1章 安住の地を求めて
第29話 破滅をもたらす者
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【視点 ???】
「この子達は私が責任を持って育てます!だから、だからどうかこの子達と離さないで…」
「私とお前との間に出来た最初の子がまさか双子だったとは。心苦しいが私たちにはどうすることも出来ないのだ…それはお前も分かっているだろう。」
「はい…でも、でも。」
「最早私たちだけの問題ではないのだ。この子達のために一族の未来を危険に晒すわけにはいかないのだ。すまない…親として不甲斐ない私たちを恨んでくれ…」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「この子たちを死の森へと…」
☆
エルフ族にとって子どもとは尊ぶべき命だ。寿命が他の種族より長いエルフ族にとって子どもはなかなかできづらい体質である。一生に1度しか子どもができない夫婦もいる。
そんな中で双子とは破滅をもたらす者として受け継がれて来た。もしこれが迷信ならどれだけ良かったか。そう思わずにはいられない。
理由は分からないが、双子として産まれてきた子ども達は生まれつき保有する魔力が多かった。そして成長するにつれて保有する魔力は急激に増えていく。
その子ども達は保有する魔力量の多さゆえに自分で魔法を制御することができない。更には体中が苦痛に苛まれまともな生を送ることは出来ない。最期を迎えるまでの期間はおよそ3年、長くても5年。そして最後には耐えきれなくなった魔力が一気に体外に放出され、周囲を破滅へと導く。
かつて栄えていた国も双子が原因で消滅した。何年もどうすれば救えるのか方法は探してきた。それでも現在に至るまでその解決方法は見つかっていない。
その結果現在は、産まれた双子を死の森へと捨てる事が風習となった。自分達の手で子を殺める事は苦しい。だから森に生きる一族としてその最期は森に還るように。そんな苦しい言い訳を作る事で何とか理性を保ってきた。
死の森とはそこに棲む生き物の凶暴性からそう言われている。動物が森の生態系の一部のように、エルフ族もそうだと自負している。そんなエルフ族を拒む森ゆえに死の森。
☆
そんな死の森を戦士達5人は双子を連れて歩く。まだ森の浅層、ここまでならそこまで危険は伴わないり…はずだった。
バサバサ! バサバサ、
「「ホー! ホー!」」
なっ!?森の賢者様がどうしてこんな浅層に?
「総員撤退だ!攻撃はするな、逃げる事に注力しろ!」
「「ホー! ホー!」」
何とか逃げ切る事は出来た。こんな浅層に森の賢者様が現れるとは死の森は一体どうなっているのだ。こちらを威嚇するだけで襲われる事はなかったが、もはや我々エルフ族は森の浅層に入る事さえ拒まれるようになってしまったのだろうか。
「この子達は私が責任を持って育てます!だから、だからどうかこの子達と離さないで…」
「私とお前との間に出来た最初の子がまさか双子だったとは。心苦しいが私たちにはどうすることも出来ないのだ…それはお前も分かっているだろう。」
「はい…でも、でも。」
「最早私たちだけの問題ではないのだ。この子達のために一族の未来を危険に晒すわけにはいかないのだ。すまない…親として不甲斐ない私たちを恨んでくれ…」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「この子たちを死の森へと…」
☆
エルフ族にとって子どもとは尊ぶべき命だ。寿命が他の種族より長いエルフ族にとって子どもはなかなかできづらい体質である。一生に1度しか子どもができない夫婦もいる。
そんな中で双子とは破滅をもたらす者として受け継がれて来た。もしこれが迷信ならどれだけ良かったか。そう思わずにはいられない。
理由は分からないが、双子として産まれてきた子ども達は生まれつき保有する魔力が多かった。そして成長するにつれて保有する魔力は急激に増えていく。
その子ども達は保有する魔力量の多さゆえに自分で魔法を制御することができない。更には体中が苦痛に苛まれまともな生を送ることは出来ない。最期を迎えるまでの期間はおよそ3年、長くても5年。そして最後には耐えきれなくなった魔力が一気に体外に放出され、周囲を破滅へと導く。
かつて栄えていた国も双子が原因で消滅した。何年もどうすれば救えるのか方法は探してきた。それでも現在に至るまでその解決方法は見つかっていない。
その結果現在は、産まれた双子を死の森へと捨てる事が風習となった。自分達の手で子を殺める事は苦しい。だから森に生きる一族としてその最期は森に還るように。そんな苦しい言い訳を作る事で何とか理性を保ってきた。
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☆
そんな死の森を戦士達5人は双子を連れて歩く。まだ森の浅層、ここまでならそこまで危険は伴わないり…はずだった。
バサバサ! バサバサ、
「「ホー! ホー!」」
なっ!?森の賢者様がどうしてこんな浅層に?
「総員撤退だ!攻撃はするな、逃げる事に注力しろ!」
「「ホー! ホー!」」
何とか逃げ切る事は出来た。こんな浅層に森の賢者様が現れるとは死の森は一体どうなっているのだ。こちらを威嚇するだけで襲われる事はなかったが、もはや我々エルフ族は森の浅層に入る事さえ拒まれるようになってしまったのだろうか。
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