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第1章 安住の地を求めて
第25話 魔法の創造
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物を消失•出現させる魔法の開発は困難を極めた。最初は自分の住処に採った物を転送したり、そこから呼び出しているのかと思っていた。
そのため拠点内に自分の魔力を留まらせ、そこから自分の魔力で包んだ物を包んだ魔力ごと転送させるイメージで試行錯誤すればいけるのではと考えていた。
そもそも魔力を長時間体の外で留まらせる事自体がとても難しかった。なんとか出来るようになるのに1ヶ月とかかってしまった。
あとは最初に考えたように行うのだが全く出来る気がしない。
それでもこの拠点の近くには物を消失させる魔法を使うあの魔物が棲んでいるので、なんとかヒントを得ようと観察し続ける。
今は雪が積もっているため周辺の探索には行けない。時間なら腐るほどある。
そうして何日も観察し続けて分かったことがある。それは、そいつの住処には採った果実などは保管されていないのに何度も果実を消失させたり出現させたりしていることだ。
こうなると今まで僕がやろうとしていた方法は根本から違っていたのだろう。
ではどこに?となるがそもそもおかしいのだ。僕が最初に住処に転送していると考えたのはそこが1番安全だから。適当な場所に保管していたら他の生物に食べられるかもしれないから。
そこで考えたのは魔法で作った空間に保管しているのでは、ということだ。
そこからは魔法で空間を作る作業を試す。ここで魔力を長時間留まらせた経験が活きた。
後はその魔力で空間を、箱型をイメージしながら捏ねる。なかなか形を維持できずそのまま魔力が霧散してしまうが確かな手応えを感じていた。
そしてなんとか箱型に魔力を捏ねる事に成功する。そこからは空間となるようにする。箱の中の空気、時間、さらには魔力。まるで箱の中に世界を創造するかの様に魔力を捏ねていく。
後少しで出来そうで、されど出来ない。そんな日々が続いた。
そして今、魔法を創り出すことに成功した。そこには確かな空間、この世界のとは違う、異空間とでも言うべき空間が存在している。後は物が入るかどうか試すだけ…
緊張する。もしかしたらこれで成功するかも、といった期待感。これで失敗したら、という不安感。2つの相反する感情が心の中でひしめき合ってとても冷静でいられない。
頼む!そんな思いを胸に、こちらの世界と異空間とを繋ぐ扉を開け物を入れる…
入った!後は無事に取り出せるかだが…取り出せる!取り出せたぞ!
最後にあの魔物が僕の目の前から逃げたように、自身をワープ出来るか。
異空間を経由して視線上にある樹の上へと扉を経由して移動する。
視線が一瞬にして移動し、確かに樹の上へと移動している。次に自分の視線には無い、拠点内のテンの横へと試す。
また視線が切り替わりすぐ横には自身の尻尾を枕にして丸まって寝ている可愛らしいテンがいる。
まさか、、、まさか僕が魔法の創造に成功するとはな…!異空間を創り出し、空間に干渉する魔法。空間魔法とでもいうものか。
空間魔法を扱う魔物を見てから半年ほどだろうか。確かに魔法を創り出すことを目標に試行錯誤してきた。それでも自分が魔法を創造した姿など考えた事もない。
いざ魔法を創造出来た今、口には出来ない高揚感が体を支配する。
「テン、目を覚ましたら良い報告があるよ。出来ることが増えたのはテンだけじゃないんだよって。」
そう隣にいるテンへと報告する。テンが進化の準備に入ってから1人の生活が落ち着かなくて毎日何かを話かけていた。テンが返事をしてくれる訳ではないが、それでもテンが聞いてくれている様な気がして。
今まではあまり良い報告が出来なかったのだが、今日やっと良い報告が出来た。
早くテンが目覚めないかな。よりその時が楽しみになってきた。
そのため拠点内に自分の魔力を留まらせ、そこから自分の魔力で包んだ物を包んだ魔力ごと転送させるイメージで試行錯誤すればいけるのではと考えていた。
そもそも魔力を長時間体の外で留まらせる事自体がとても難しかった。なんとか出来るようになるのに1ヶ月とかかってしまった。
あとは最初に考えたように行うのだが全く出来る気がしない。
それでもこの拠点の近くには物を消失させる魔法を使うあの魔物が棲んでいるので、なんとかヒントを得ようと観察し続ける。
今は雪が積もっているため周辺の探索には行けない。時間なら腐るほどある。
そうして何日も観察し続けて分かったことがある。それは、そいつの住処には採った果実などは保管されていないのに何度も果実を消失させたり出現させたりしていることだ。
こうなると今まで僕がやろうとしていた方法は根本から違っていたのだろう。
ではどこに?となるがそもそもおかしいのだ。僕が最初に住処に転送していると考えたのはそこが1番安全だから。適当な場所に保管していたら他の生物に食べられるかもしれないから。
そこで考えたのは魔法で作った空間に保管しているのでは、ということだ。
そこからは魔法で空間を作る作業を試す。ここで魔力を長時間留まらせた経験が活きた。
後はその魔力で空間を、箱型をイメージしながら捏ねる。なかなか形を維持できずそのまま魔力が霧散してしまうが確かな手応えを感じていた。
そしてなんとか箱型に魔力を捏ねる事に成功する。そこからは空間となるようにする。箱の中の空気、時間、さらには魔力。まるで箱の中に世界を創造するかの様に魔力を捏ねていく。
後少しで出来そうで、されど出来ない。そんな日々が続いた。
そして今、魔法を創り出すことに成功した。そこには確かな空間、この世界のとは違う、異空間とでも言うべき空間が存在している。後は物が入るかどうか試すだけ…
緊張する。もしかしたらこれで成功するかも、といった期待感。これで失敗したら、という不安感。2つの相反する感情が心の中でひしめき合ってとても冷静でいられない。
頼む!そんな思いを胸に、こちらの世界と異空間とを繋ぐ扉を開け物を入れる…
入った!後は無事に取り出せるかだが…取り出せる!取り出せたぞ!
最後にあの魔物が僕の目の前から逃げたように、自身をワープ出来るか。
異空間を経由して視線上にある樹の上へと扉を経由して移動する。
視線が一瞬にして移動し、確かに樹の上へと移動している。次に自分の視線には無い、拠点内のテンの横へと試す。
また視線が切り替わりすぐ横には自身の尻尾を枕にして丸まって寝ている可愛らしいテンがいる。
まさか、、、まさか僕が魔法の創造に成功するとはな…!異空間を創り出し、空間に干渉する魔法。空間魔法とでもいうものか。
空間魔法を扱う魔物を見てから半年ほどだろうか。確かに魔法を創り出すことを目標に試行錯誤してきた。それでも自分が魔法を創造した姿など考えた事もない。
いざ魔法を創造出来た今、口には出来ない高揚感が体を支配する。
「テン、目を覚ましたら良い報告があるよ。出来ることが増えたのはテンだけじゃないんだよって。」
そう隣にいるテンへと報告する。テンが進化の準備に入ってから1人の生活が落ち着かなくて毎日何かを話かけていた。テンが返事をしてくれる訳ではないが、それでもテンが聞いてくれている様な気がして。
今まではあまり良い報告が出来なかったのだが、今日やっと良い報告が出来た。
早くテンが目覚めないかな。よりその時が楽しみになってきた。
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