21 / 132
第1章 安住の地を求めて
第21話 拠点整備と大蜘蛛の力
しおりを挟む
今日は洞窟の拡張をする事にする。前回の拠点はそこまで長居する気は無かったから整備は何もせずそのまま利用した。今回はしばらくこの場所に腰を落ち着けようと思っているためしっかり整備する。
土魔法で中をくり抜いていく。前の拠点の時は食料はこまめに採りに行っており、保管は少ししかしていなかった。今回は冬を越す事も考えて保管場所も広く作っておく。更にテンが中で動き回れるように高さも幅も十分な広さにしておく。
「テンこんなものでいいかい?何か要望ぎあれば言っていいよ?」
「キュイイイ!」
テンが拠点を駆け回る。どうやらお気に召したようだ。
とりあえずはこんなものか。と気分転換に外に出る。そこで魔法が発動される時のような魔力の動きを感じるがどこか魔法と違う違和感を感じる。
周囲を探ると樹の上を大蜘蛛が渡りながら何かをしている。魔力の正体もそこからなようだ。
「シャア?」
「いやなに、一体何をしているかと思ってな。」
「シャ」
そう大蜘蛛が1言鳴くと樹の上、枝が伸び始める所から地面と水平に蜘蛛の糸が姿を現した。
「おお!それがお前の魔法なのか。」
大蜘蛛が糸を見えるようにするまで全くそこに糸がある事に気づかなかった。おそらく糸に魔力を付随させて更なる効果をもたらせているのだろうが、周囲の魔力に完全に溶け込んでおり魔力の感知ですら気づけない。
凄いなと驚くと同時に、そういえばこいつも魔物だったなと思い当たる。今まで蜘蛛を出さなかったのは、もしかしたらお腹に子供がいたため糸の生成が出来なかったのかもしれない。出会った時は弱っていたし、正に出産は命懸けなのだな。
大蜘蛛は張り切っており魔物を3頭狩ってきてくれた。2頭は拠点内に保管して1頭を解体し食事の準備にかかる。
「シャシャ」
今日もみんなで食事を取った後、大蜘蛛からまとまった糸をプレゼントされた。広げてみると直径10センチメートルの糸が布のようにくっ付いている。
「ああ寝床ようにか。まさか僕の寝床を考えてくれてるとは。ありがとうな」
「シャア!」
それにしても粘性は無く、しなやかで手で押すと糸が沈む。手触りがよくなんとも上品だ。まさか森に来てから実家の布団よりも質の良いもので寝れるとは。
「テンも糸の上で寝たらどうだ?」
「キュキュ!」
テンはこんな質のいい糸の上より僕のお腹の上がお好みのようだ。なんだか嬉しくなって口元が緩みながらテンを撫でる。そうして襲ってくる睡魔に抗うことなくやがて眠りへと落ちる。
土魔法で中をくり抜いていく。前の拠点の時は食料はこまめに採りに行っており、保管は少ししかしていなかった。今回は冬を越す事も考えて保管場所も広く作っておく。更にテンが中で動き回れるように高さも幅も十分な広さにしておく。
「テンこんなものでいいかい?何か要望ぎあれば言っていいよ?」
「キュイイイ!」
テンが拠点を駆け回る。どうやらお気に召したようだ。
とりあえずはこんなものか。と気分転換に外に出る。そこで魔法が発動される時のような魔力の動きを感じるがどこか魔法と違う違和感を感じる。
周囲を探ると樹の上を大蜘蛛が渡りながら何かをしている。魔力の正体もそこからなようだ。
「シャア?」
「いやなに、一体何をしているかと思ってな。」
「シャ」
そう大蜘蛛が1言鳴くと樹の上、枝が伸び始める所から地面と水平に蜘蛛の糸が姿を現した。
「おお!それがお前の魔法なのか。」
大蜘蛛が糸を見えるようにするまで全くそこに糸がある事に気づかなかった。おそらく糸に魔力を付随させて更なる効果をもたらせているのだろうが、周囲の魔力に完全に溶け込んでおり魔力の感知ですら気づけない。
凄いなと驚くと同時に、そういえばこいつも魔物だったなと思い当たる。今まで蜘蛛を出さなかったのは、もしかしたらお腹に子供がいたため糸の生成が出来なかったのかもしれない。出会った時は弱っていたし、正に出産は命懸けなのだな。
大蜘蛛は張り切っており魔物を3頭狩ってきてくれた。2頭は拠点内に保管して1頭を解体し食事の準備にかかる。
「シャシャ」
今日もみんなで食事を取った後、大蜘蛛からまとまった糸をプレゼントされた。広げてみると直径10センチメートルの糸が布のようにくっ付いている。
「ああ寝床ようにか。まさか僕の寝床を考えてくれてるとは。ありがとうな」
「シャア!」
それにしても粘性は無く、しなやかで手で押すと糸が沈む。手触りがよくなんとも上品だ。まさか森に来てから実家の布団よりも質の良いもので寝れるとは。
「テンも糸の上で寝たらどうだ?」
「キュキュ!」
テンはこんな質のいい糸の上より僕のお腹の上がお好みのようだ。なんだか嬉しくなって口元が緩みながらテンを撫でる。そうして襲ってくる睡魔に抗うことなくやがて眠りへと落ちる。
11
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説
魔力があるならゴーレムに注げばいいじゃないか。
エノキスルメ
ファンタジー
魔力だけは大量にある。それなのに魔法を使うことが一切できない。
そんな歪な能力を授けられて異世界へと転移したリオは、魔力を注ぐことで起動する鉄の人形「ゴーレム」に自身の力を活かす道を見出す。
行き着いたのはとある王国の端の貧乏貴族領。
臨むのは辺境の開拓。
リオはゴーレムの軍団を従えて、異世界の片隅を少しずつ変えていく。
※6話目くらいから大きくお話が動きます
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています
【HOTランキングで19位を記録しました!】
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
じいちゃんから譲られた土地に店を開いた。そしたら限界集落だった店の周りが都会になっていた。
ゆうらしあ
ファンタジー
死ぬ間際、俺はじいちゃんからある土地を譲られた。
木に囲まれてるから陽当たりは悪いし、土地を管理するのにも金は掛かるし…此処だと売ったとしても買う者が居ない。
何より、世話になったじいちゃんから譲られたものだ。
そうだ。この雰囲気を利用してカフェを作ってみよう。
なんか、まぁ、ダラダラと。
で、お客さんは井戸端会議するお婆ちゃんばっかなんだけど……?
「おぉ〜っ!!? 腰が!! 腰が痛くないよ!?」
「あ、足が軽いよぉ〜っ!!」
「あの時みたいに頭が冴えるわ…!!」
あ、あのー…?
その場所には何故か特別な事が起こり続けて…?
これは後々、地球上で異世界の扉が開かれる前からのお話。
※HOT男性向けランキング1位達成
※ファンタジーランキング 24h 3位達成
※ゆる〜く、思うがままに書いている作品です。読者様もゆる〜く呼んで頂ければ幸いです。カクヨムでも投稿中。
いや、俺は無理ですって
水ノ瀬 あおい
ファンタジー
いつも小説を読んで空想するだけの俺。
ある時気づいたら……そこは異世界!?で、しかも、俺が勇者だなんて言われた。
剣士のガイの方がイケメンで頭もよくて、人望も厚くて強くて…こいつの方が勇者じゃね?
俺は絶対モブだから!!
無理なんだって!!
クラスの隅でとりあえず存在していただけの俺が勇者!?
無理に決まってる!!
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】平凡な容姿の召喚聖女はそろそろ貴方達を捨てさせてもらいます
ユユ
ファンタジー
“美少女だね”
“可愛いね”
“天使みたい”
知ってる。そう言われ続けてきたから。
だけど…
“なんだコレは。
こんなモノを私は妻にしなければならないのか”
召喚(誘拐)された世界では平凡だった。
私は言われた言葉を忘れたりはしない。
* さらっとファンタジー系程度
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる