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第1章 安住の地を求めて
第6話 周辺探索
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気配を殺しつつ慎重に周辺を探索する。テンはまだまだ気配を消せていないが小さいしまあ大丈夫だろう。
拠点から10分程の場所に、牛のような動物がいた。家畜化されたものと違い、高さは2メートル、体長は3メートル程もある。そいつは1頭だけで草を食んでいた。少し離れた場所には2頭いるのを確認できた。ここら辺は牛もどきのなのかもしれない。
獲物としての第1候補だがどうやって倒すか。あの巨体は厄介だ。あの体に僕の攻撃が通用するかも分からない。倒すとするなら足を狙うべきかな。巨体ということは、それを支える足が1つ失うだけで機動力はかなり削れるだろう。
テンは僕の足元で牛もどきをじっと見ている。最初は初めて見た不思議さに興奮して鳴かないか心配だったが杞憂だったようだ。
テンは一体何を感じているのだろうか。初めて見たものへの好奇心だろうか。それとも生物としての格の違いから感じる恐怖だろうか。
さらに進むこと20分程、大きな水場に着いた。そこでは驚くべき事に数種類の動物が共に水を飲んでいた。馬のようだがやはり馬より巨体で異様に発達した足を持つ馬もどき。全体的に馬を細くしたようなフォルムで短い尻尾を持った動物。他には牛もどきもいる。
動物も魔物も凶暴なもので見たもの全部を襲うと学んだがどういったことだろうか。縄張りを侵さなければ凶暴になることもないのか。
少し観察して分かったのはここにいる全種類が草食である事だろうか。いや肉を食う可能性はあるだろうが少なくとも草を食べている。だからこそお互いで争い合うこともないのだろうか。
肉食動物はここには来ないのだろうか。分からないことばかりだが動物に対して、認識を変える事ができたのは大きいだろう。もしかしたら魔物だって凶暴なのは、一部の条件を破ったものに対してなのかもしれないしな。もう少し観察した拠点に帰って今日は休もう。
大きな葉っぱがあったのでそれを持ち帰って拠点に敷いて寝床にする。
「テン。今日は疲れたかい?これから僕ら2人で生きていく事になるけどおまえだけは守るからな。」
「キューンキューン」
魔法で水を出し体を洗ってやると喜んでくれる。今日のところは持って来た食事と魔法で出した水を飲んでしのぐ。
明日は牛もどきに挑む。簡単な戦いにはならないだろうが大丈夫。勝算はある。
洞窟の入り口を土魔法で閉じて今日は眠ろう。
「おやすみテン。母様が亡くなって、お前を生み出したけど、僕はお前と会えてよかったよ。また明日からもよろしくな。」
「キューン」
僕のお腹の上で丸まって眠る準備をするテン。テンを撫でているとやがて睡魔がやってきて、気づくと僕も眠りに落ちていた。
拠点から10分程の場所に、牛のような動物がいた。家畜化されたものと違い、高さは2メートル、体長は3メートル程もある。そいつは1頭だけで草を食んでいた。少し離れた場所には2頭いるのを確認できた。ここら辺は牛もどきのなのかもしれない。
獲物としての第1候補だがどうやって倒すか。あの巨体は厄介だ。あの体に僕の攻撃が通用するかも分からない。倒すとするなら足を狙うべきかな。巨体ということは、それを支える足が1つ失うだけで機動力はかなり削れるだろう。
テンは僕の足元で牛もどきをじっと見ている。最初は初めて見た不思議さに興奮して鳴かないか心配だったが杞憂だったようだ。
テンは一体何を感じているのだろうか。初めて見たものへの好奇心だろうか。それとも生物としての格の違いから感じる恐怖だろうか。
さらに進むこと20分程、大きな水場に着いた。そこでは驚くべき事に数種類の動物が共に水を飲んでいた。馬のようだがやはり馬より巨体で異様に発達した足を持つ馬もどき。全体的に馬を細くしたようなフォルムで短い尻尾を持った動物。他には牛もどきもいる。
動物も魔物も凶暴なもので見たもの全部を襲うと学んだがどういったことだろうか。縄張りを侵さなければ凶暴になることもないのか。
少し観察して分かったのはここにいる全種類が草食である事だろうか。いや肉を食う可能性はあるだろうが少なくとも草を食べている。だからこそお互いで争い合うこともないのだろうか。
肉食動物はここには来ないのだろうか。分からないことばかりだが動物に対して、認識を変える事ができたのは大きいだろう。もしかしたら魔物だって凶暴なのは、一部の条件を破ったものに対してなのかもしれないしな。もう少し観察した拠点に帰って今日は休もう。
大きな葉っぱがあったのでそれを持ち帰って拠点に敷いて寝床にする。
「テン。今日は疲れたかい?これから僕ら2人で生きていく事になるけどおまえだけは守るからな。」
「キューンキューン」
魔法で水を出し体を洗ってやると喜んでくれる。今日のところは持って来た食事と魔法で出した水を飲んでしのぐ。
明日は牛もどきに挑む。簡単な戦いにはならないだろうが大丈夫。勝算はある。
洞窟の入り口を土魔法で閉じて今日は眠ろう。
「おやすみテン。母様が亡くなって、お前を生み出したけど、僕はお前と会えてよかったよ。また明日からもよろしくな。」
「キューン」
僕のお腹の上で丸まって眠る準備をするテン。テンを撫でているとやがて睡魔がやってきて、気づくと僕も眠りに落ちていた。
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