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第五章 もっこもこカフェパワー全開!
ふわふわデザートと猫ジャブ
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美味しいお昼ご飯を食べ終わり、休憩出来たのもあってか、足のふらつきはなくなった。体力が善回復出来たかは分からないけど、大分身体も楽になった気がする。どうせなら体力ゲージとか見える能力も欲しいと思ってしまう。
食べ終わった食器を片付けようと、自分の座っていたテーブルの分のお皿をトレーに載せていく。
「ありがとうわん!」
「樹木、サンキューっき~」
気持ち良くお礼を言ってくれるカカオとズコットに、ちょっと照れ臭くなってしまう。
お礼を言うのは、寧ろこっちの方だ。転んで思いっきり床にダイブするところを身を挺して助けてくれた二人なのだから――――。
「いやいや、これぐらい新人なんで」
「関係ないわん」
「まだ無理するなっき~」
冗談ぽく言ったのに、二人は温かく労わってくれる。本当に良い人たちだ! 俺の家族より、絶対優しい!
胸の内で感動に震え上がっている所に、期待を裏切らない声が飛んできた――――。
「おい新人! こっちのテーブルも宜しくにゃ~」
「はい!?」
勿論声の主は、傍若無人な俺様猫様である。俺はこめかみに青筋が浮かんでそうなくらいの顔つきで、猫様の方へ振り返った。
「ちょっと、タルト! そんな言い方は良くないみゃ」
「自分たちで片付けるっぴょ」
タルト様とは違って、アンニンとマカロンは気遣ってくれている。なのにタルトは悪びれた様子もなく踏ん反り返っているし、挙句の果てには――――
「お茶飲みたいにゃ。食後のお茶とデザートを持って来るにゃ~」
――――催促までしてくる始末だ。
「タルトっ!」
「樹木は、疲れているわん!」
タルトの態度を見かねた仲間がフォローしに入ってくれたけど、俺も皆の優しさに甘えてばかりも良くないだろうし、このまま言われっぱなしも正直癪に障る。
体力も持ち直してきたから、空いた皿を運ぶくらいは今ならちゃんとこなしてみせるさ! そして食後のお茶とデザートだって、持って来てみせるからな!
「ありがとう、皆。もう大丈夫だから。今、用意して貰って来るね」
タルトのことなんか気にしていないみたいに、爽やかな笑顔を作ってみせた。俺様猫以外は、皆心配そうに俺を見詰めてくる。
「樹木、気を付けてっぴゃ」
「運ぶの手伝うっき~」
「ズコット、ありがとう。もう大丈夫だよ」
椅子から飛び降りようとしたズコットを俺は首を振って制止し、笑ってウインクをした。
自分でもちょっと気持ちが盛り上がってくる――――。
「そうにゃ~。新人にやらせればいいにゃ~」
――――時に、いちいち下げにくるタルトめぇぇぇ!
背中でタルトの嫌味を受け止めながらキッチンまで食器を持っていくと、ステラさんが慌てて駆け寄ってきた。
「樹木さん、ご無理なさらなくても!」
「あははは。すみません、ご心配おかけしました。もうだ丈夫ですから~」
俺よりも華奢な女の子にまで、こんなに心配される俺って――――ちょっとどころか、かなり情けないよな。
そんなことを思いながらカウンターにトレーを置くと、腕に負荷が無くなった途端、物凄く楽になった。
タルトに見栄を張っていたから気負っていたけど、実際はやっぱり六人分の食器はかなり重たかったのだ。これは本気で、もうちょっと鍛えなきゃないけない。
それはさて置いて、お茶とデザートだ!
タルトの我儘を頼んで良いものか戸惑ったけど、ここで持って行かなきゃまた何を言われるか分かったもんじゃない。それに多分、普段から我儘言ってそうだしな。
「ステラさん、タルトが食後のお茶とデザートって言っているんですけど」
「あら、いつもなら自分で取りにくるのに」
「え!? 自分で?」
マジっすか! あんにゃろ~。俺のこと下っ端だと思って、こき使う気だろ!
タルトの魂胆が分かって、腸を煮る鍋に火が点きそうになる。
「うふふ。タルトったら樹木さんがお兄ちゃんみたいで、甘えているのかもですね。お茶は私が持っていくので、樹木さんはデザートの準備をして貰っていいですか。今、バウムさんがパウンドケーキを切り分けているので」
今ステラさんが、さり気なく意味不明なことを言ったように思ったけど、俺の意識は直ぐにデザートの方に向いてしまった。
「バウムさん、俺何か手伝えますか?」
カーキ色のエプロンを着け直してキッチンへ入ると、バウムさんが皆の分のデザートを用意していて、その横で双子がもぐもぐと自分たちの分のケーキをつまみ食いしている。
「もう大丈夫なのか?」
強面バウムさんまで、心配そうな声で聞いてくる。
「はい、ご心配おかけしてすみませんでした。もう大丈夫です」
「樹木、復活でちゅ」
「元気、回復でちゅ」
ハッキリと答えた俺の言葉に、小リスたちも一緒にはしゃいでくれた。
本当に、(タルト以外の)皆の気持ちが有難い――――。
俺の様子にバウムさんは軽く頷くと、作業台に置いてある大きなボウルを指した。
「このケーキの横に、さっきホイップしたクリームを添えてくれ」
「俺が、トッピングするんですか?」
「練習だ。これくらい載せれば良い」
一皿、バウムさんが見本にクリームを載せた。
まさかいきなり俺にそんな重要任務を任せて貰えるなんて、ビックリしてしまう。賄いデザートでも、緊張が否応なしに襲ってくる。
「出来立てクリームでちゅ」
「ふわふわクリームでちゅ」
さっき楽しそうにクリームを泡立てた双子が、嬉しそうに飛び跳ねている。そんな二人の姿を見ていると、余計責任を感じてきてしまう。
この二人が一生懸命ホイップしたクリームを俺みたいな新参者が、触って良いものなのか――――!!
やり慣れない作業なのもあってか、更に自分で自分の首を絞めに掛かっていく。
ケーキが並んでいる前で、俺がスプーンを握ったまま仁王立ちで固まってしまった。
「樹木、簡単でちゅよ」
「掬って、載せるだけでちゅよ」
「う、うん……そうだよね」
そうなんだけど、それだけなんだけど、手が震えてしまう――――! 緊張感がMAXになって、脳みそが弾けそうになった時だった――――。
「デザートまだかにゃ~。樹木はのろまだにゃ~」
客席の方から、あの俺様猫様の嫌味な声が飛んできた。
「なっ!」
「たくにゃ~。デザートもまともに持って来れにゃいにゃんて、この先この店で働けるのかいにゃ~」
それもわざと聞こえるように言っている。それにしても、どんだけ意地が悪いんだ! 他の皆は凄く優しいのに。これで負けたら、励ましてくれた皆に申し訳がないぞ!
何より、タルトに負けてたまるかぁぁぁぁ!!
タルトへの闘争心で火が点いた俺は、スプーンを頭上高く掲げる。勢い良く腕を振り下ろし、ふわふわクリームにスプーンを差し込むと、一気に掬い上げてパウンドケーキの横に添えていく。
「樹木、上手でちゅ」
「動きが速いでちゅ」
俺が載せたクリームの上に、ビスケとサブレが順番に、細かく砕いたナッツとミントの葉をトッピングしていった。
「クリーム添えでちゅ」
「完成でちゅ」
「で、出来た……」
皆の賄いデザート――――『パウンドケーキ生クリーム添え』が完成した。
単純にクリームを載せただけなのに、凄い達成感が体中に満ち溢れ、俺を取り巻くキッチンがキラキラ眩しく光って見える――――。
やっと出来たデザートをトレーに載せて、俺様と皆の元へ運んで行く。
「お待たせしました。本日のデザート、しっとりバナナパウンドのクリーム添えです」
「遅いにゃ! お茶が冷めたにゃ!」
まるで敏腕ウェイターの如く言いながら猫様の前にデザートを置くと案の定、憎まれ口を叩く。だけど今の俺には、それも可愛く聞こえる。
「はいはい、申し訳ございませんでした」
「たく、生意気にゃ」
文句を言いながらも、タルトはいそいそとデザートに手を付けて、
「やれば出来るにゃ」
――――何やらまた呟いていた。
だけどこの時、バナナ好きのズコットがはしゃいだ声が大きくて猫様の軽いジャブに、俺は気付けないでいたのだった。
食べ終わった食器を片付けようと、自分の座っていたテーブルの分のお皿をトレーに載せていく。
「ありがとうわん!」
「樹木、サンキューっき~」
気持ち良くお礼を言ってくれるカカオとズコットに、ちょっと照れ臭くなってしまう。
お礼を言うのは、寧ろこっちの方だ。転んで思いっきり床にダイブするところを身を挺して助けてくれた二人なのだから――――。
「いやいや、これぐらい新人なんで」
「関係ないわん」
「まだ無理するなっき~」
冗談ぽく言ったのに、二人は温かく労わってくれる。本当に良い人たちだ! 俺の家族より、絶対優しい!
胸の内で感動に震え上がっている所に、期待を裏切らない声が飛んできた――――。
「おい新人! こっちのテーブルも宜しくにゃ~」
「はい!?」
勿論声の主は、傍若無人な俺様猫様である。俺はこめかみに青筋が浮かんでそうなくらいの顔つきで、猫様の方へ振り返った。
「ちょっと、タルト! そんな言い方は良くないみゃ」
「自分たちで片付けるっぴょ」
タルト様とは違って、アンニンとマカロンは気遣ってくれている。なのにタルトは悪びれた様子もなく踏ん反り返っているし、挙句の果てには――――
「お茶飲みたいにゃ。食後のお茶とデザートを持って来るにゃ~」
――――催促までしてくる始末だ。
「タルトっ!」
「樹木は、疲れているわん!」
タルトの態度を見かねた仲間がフォローしに入ってくれたけど、俺も皆の優しさに甘えてばかりも良くないだろうし、このまま言われっぱなしも正直癪に障る。
体力も持ち直してきたから、空いた皿を運ぶくらいは今ならちゃんとこなしてみせるさ! そして食後のお茶とデザートだって、持って来てみせるからな!
「ありがとう、皆。もう大丈夫だから。今、用意して貰って来るね」
タルトのことなんか気にしていないみたいに、爽やかな笑顔を作ってみせた。俺様猫以外は、皆心配そうに俺を見詰めてくる。
「樹木、気を付けてっぴゃ」
「運ぶの手伝うっき~」
「ズコット、ありがとう。もう大丈夫だよ」
椅子から飛び降りようとしたズコットを俺は首を振って制止し、笑ってウインクをした。
自分でもちょっと気持ちが盛り上がってくる――――。
「そうにゃ~。新人にやらせればいいにゃ~」
――――時に、いちいち下げにくるタルトめぇぇぇ!
背中でタルトの嫌味を受け止めながらキッチンまで食器を持っていくと、ステラさんが慌てて駆け寄ってきた。
「樹木さん、ご無理なさらなくても!」
「あははは。すみません、ご心配おかけしました。もうだ丈夫ですから~」
俺よりも華奢な女の子にまで、こんなに心配される俺って――――ちょっとどころか、かなり情けないよな。
そんなことを思いながらカウンターにトレーを置くと、腕に負荷が無くなった途端、物凄く楽になった。
タルトに見栄を張っていたから気負っていたけど、実際はやっぱり六人分の食器はかなり重たかったのだ。これは本気で、もうちょっと鍛えなきゃないけない。
それはさて置いて、お茶とデザートだ!
タルトの我儘を頼んで良いものか戸惑ったけど、ここで持って行かなきゃまた何を言われるか分かったもんじゃない。それに多分、普段から我儘言ってそうだしな。
「ステラさん、タルトが食後のお茶とデザートって言っているんですけど」
「あら、いつもなら自分で取りにくるのに」
「え!? 自分で?」
マジっすか! あんにゃろ~。俺のこと下っ端だと思って、こき使う気だろ!
タルトの魂胆が分かって、腸を煮る鍋に火が点きそうになる。
「うふふ。タルトったら樹木さんがお兄ちゃんみたいで、甘えているのかもですね。お茶は私が持っていくので、樹木さんはデザートの準備をして貰っていいですか。今、バウムさんがパウンドケーキを切り分けているので」
今ステラさんが、さり気なく意味不明なことを言ったように思ったけど、俺の意識は直ぐにデザートの方に向いてしまった。
「バウムさん、俺何か手伝えますか?」
カーキ色のエプロンを着け直してキッチンへ入ると、バウムさんが皆の分のデザートを用意していて、その横で双子がもぐもぐと自分たちの分のケーキをつまみ食いしている。
「もう大丈夫なのか?」
強面バウムさんまで、心配そうな声で聞いてくる。
「はい、ご心配おかけしてすみませんでした。もう大丈夫です」
「樹木、復活でちゅ」
「元気、回復でちゅ」
ハッキリと答えた俺の言葉に、小リスたちも一緒にはしゃいでくれた。
本当に、(タルト以外の)皆の気持ちが有難い――――。
俺の様子にバウムさんは軽く頷くと、作業台に置いてある大きなボウルを指した。
「このケーキの横に、さっきホイップしたクリームを添えてくれ」
「俺が、トッピングするんですか?」
「練習だ。これくらい載せれば良い」
一皿、バウムさんが見本にクリームを載せた。
まさかいきなり俺にそんな重要任務を任せて貰えるなんて、ビックリしてしまう。賄いデザートでも、緊張が否応なしに襲ってくる。
「出来立てクリームでちゅ」
「ふわふわクリームでちゅ」
さっき楽しそうにクリームを泡立てた双子が、嬉しそうに飛び跳ねている。そんな二人の姿を見ていると、余計責任を感じてきてしまう。
この二人が一生懸命ホイップしたクリームを俺みたいな新参者が、触って良いものなのか――――!!
やり慣れない作業なのもあってか、更に自分で自分の首を絞めに掛かっていく。
ケーキが並んでいる前で、俺がスプーンを握ったまま仁王立ちで固まってしまった。
「樹木、簡単でちゅよ」
「掬って、載せるだけでちゅよ」
「う、うん……そうだよね」
そうなんだけど、それだけなんだけど、手が震えてしまう――――! 緊張感がMAXになって、脳みそが弾けそうになった時だった――――。
「デザートまだかにゃ~。樹木はのろまだにゃ~」
客席の方から、あの俺様猫様の嫌味な声が飛んできた。
「なっ!」
「たくにゃ~。デザートもまともに持って来れにゃいにゃんて、この先この店で働けるのかいにゃ~」
それもわざと聞こえるように言っている。それにしても、どんだけ意地が悪いんだ! 他の皆は凄く優しいのに。これで負けたら、励ましてくれた皆に申し訳がないぞ!
何より、タルトに負けてたまるかぁぁぁぁ!!
タルトへの闘争心で火が点いた俺は、スプーンを頭上高く掲げる。勢い良く腕を振り下ろし、ふわふわクリームにスプーンを差し込むと、一気に掬い上げてパウンドケーキの横に添えていく。
「樹木、上手でちゅ」
「動きが速いでちゅ」
俺が載せたクリームの上に、ビスケとサブレが順番に、細かく砕いたナッツとミントの葉をトッピングしていった。
「クリーム添えでちゅ」
「完成でちゅ」
「で、出来た……」
皆の賄いデザート――――『パウンドケーキ生クリーム添え』が完成した。
単純にクリームを載せただけなのに、凄い達成感が体中に満ち溢れ、俺を取り巻くキッチンがキラキラ眩しく光って見える――――。
やっと出来たデザートをトレーに載せて、俺様と皆の元へ運んで行く。
「お待たせしました。本日のデザート、しっとりバナナパウンドのクリーム添えです」
「遅いにゃ! お茶が冷めたにゃ!」
まるで敏腕ウェイターの如く言いながら猫様の前にデザートを置くと案の定、憎まれ口を叩く。だけど今の俺には、それも可愛く聞こえる。
「はいはい、申し訳ございませんでした」
「たく、生意気にゃ」
文句を言いながらも、タルトはいそいそとデザートに手を付けて、
「やれば出来るにゃ」
――――何やらまた呟いていた。
だけどこの時、バナナ好きのズコットがはしゃいだ声が大きくて猫様の軽いジャブに、俺は気付けないでいたのだった。
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