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第三章 もっこもこカフェメンバー!
お疲れ様ディナー
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「ありがとうございましにゃ~!」
「またのお越しをお待ちしておりますわん!」
「楽しかったぴょん!」
「気を付けて帰るのみゃ~!」
「バナナ食べるっき~!」
最後の予約客が帰るのを全員で見送る。そんなもこもこカフェのメンバーにお客さんは満面の笑顔で手を振り返していた。
そんな皆の姿を微笑ましく感じながら眺めている――――俺は、閉店まで結局残ってしまっているのだった。
看板を『close』 にしてドアを閉める。――――キィィィ、パッタン。
「はぁぁぁ――――! 今日も忙しかったみゃ~!」
「仕事の後の一杯が飲みたいにゃ~!」
ドアが閉まった途端、床に崩れ落ちるもこもこが数人。さっきまでのパーフェクト接客の姿なんて微塵もなくなっている。
まるで本能のままに寝っ転がっている動物そのものだ。美男美女モードで見たら、だらしないだろうけど、本来の姿で見れたら物凄く和む光景なんだろうな~。
「おい、みっともないわん。衣裳が汚れるわんよ」
「お茶淹れて貰ってくるっぴゃ」
「バナナジュースも欲しいっき~」
「はいはいぴょ~ん」
一応、『人間』らしさを保って居るもこもこもいるようだ。それにしてもタルトも言った『一杯』が普通にお茶でちょっとホッとした。これが『駆け付け一杯のビール』とかだったら、ただの化け猫だ!
「お待たせ~。夕飯も食べちゃいましょ~」
お茶を用意してくれたマカロンちゃんと一緒に、ステラさんが食事も運んできてくれた。近付いて来るに連れて、めちゃめちゃ良い香りが漂ってくる。
匂いだけで口の中に唾液が湧き上がってくるが、俺はもう帰らないとだ――――。
「ステラさん、俺そろそろ……」
「勿論食べていきますよね? 今日の感想も聞かせて頂かないと」
ステラさんはニッコリと天使の微笑みを浮かべるが、言っていることはスパルタコーチ系なのは気のせいでしょうか??
確かにお昼過ぎからずっといるし、途中でキッチンで余ったお菓子とか摘まませて貰っていたけど、お腹は凄く空いている。正直、物凄く食べたい。
美味しそうな料理をトレーに載せて、微笑むステラさんが燦然と輝いて見える――――けど眩しさよりも、不安が勝る。
「いやでも……皆さんお仕事後で、ゆっくりされたいだろうから……」
『また後日』で逃げ切ろうとした時、
「いいから早く座れ!」
野太い声が頭上から叩きつけられた。
「ひぃっ!」
更に――――
「座るでちゅ!」
「アツアツが美味しいでちゅ!」
下からもダブル攻撃が襲ってくる。
「腹減ったにゃ~! 先に食っちゃうにゃ~」
「うふふ、タルトだって待っていますよ」
上のバウムに、下の双子――全面の天使に、後輩にはにゃんこたち。
多分きっと、逃げられない――――。
「では……お言葉に甘えて……頂きます」
「はい、召し上がれ」
俺が観念して椅子に腰を下ろすと、もこもこメンバーが優しく微笑んでくれた。
「たく、優柔不にゃんで面倒な奴にゃん!」
――――約一匹を除いてな!
「では、今日もいっぱい幸せのもこもこをお疲れ様でした~」
「お疲れ様でしたみゃ~」
「頂きますぴょん」
「今日もお疲れ様わん」
「バナナジュースっきぃ~」
「今日もう頑張ったな」
「頑張ったっちゅ!」
「でも楽しいでっちゅ!」
二手に分かれたテーブルから、和気藹々とした声が湧き上がる。さっき床に倒れ込んでいたのが嘘みたいに元気になっていた。
「やっぱりバウムさんの料理は旨いにゃ~」
なんだかんだ悪態ついても接客では一番忙しかったタルトも、一気にご満悦の様子でほくほくの笑顔だ。
もこもこたちの笑顔を見ていたら、少しずつ気が緩んできて――――ぎゅるるるぅ~!
俺の胃袋も、気が緩んだ。
「あっ!」
「凄い音だにゃ」
「ふふふ、長時間お待たせしちゃいましたものね。お代わりありますので、いっぱい食べてくださいね」
「あははは……ありがとうございます」
俺は恥ずかしさに顔を真っ赤になるのを感じながら、用意された夕飯を口に運んだ。
――――瞬間、口の中が一瞬にして夢心地になる。さっきのクリームシチューの時と同じ感覚だ。
あぁ、バウムさんの料理は、本当に――――
「美味しいぃぃぃ!」
体中に広がっていく感動のまま、喉の奥から叫んでいた。
今まで生きてきて、こんな衝動きっと初めてだ――――。
「またのお越しをお待ちしておりますわん!」
「楽しかったぴょん!」
「気を付けて帰るのみゃ~!」
「バナナ食べるっき~!」
最後の予約客が帰るのを全員で見送る。そんなもこもこカフェのメンバーにお客さんは満面の笑顔で手を振り返していた。
そんな皆の姿を微笑ましく感じながら眺めている――――俺は、閉店まで結局残ってしまっているのだった。
看板を『close』 にしてドアを閉める。――――キィィィ、パッタン。
「はぁぁぁ――――! 今日も忙しかったみゃ~!」
「仕事の後の一杯が飲みたいにゃ~!」
ドアが閉まった途端、床に崩れ落ちるもこもこが数人。さっきまでのパーフェクト接客の姿なんて微塵もなくなっている。
まるで本能のままに寝っ転がっている動物そのものだ。美男美女モードで見たら、だらしないだろうけど、本来の姿で見れたら物凄く和む光景なんだろうな~。
「おい、みっともないわん。衣裳が汚れるわんよ」
「お茶淹れて貰ってくるっぴゃ」
「バナナジュースも欲しいっき~」
「はいはいぴょ~ん」
一応、『人間』らしさを保って居るもこもこもいるようだ。それにしてもタルトも言った『一杯』が普通にお茶でちょっとホッとした。これが『駆け付け一杯のビール』とかだったら、ただの化け猫だ!
「お待たせ~。夕飯も食べちゃいましょ~」
お茶を用意してくれたマカロンちゃんと一緒に、ステラさんが食事も運んできてくれた。近付いて来るに連れて、めちゃめちゃ良い香りが漂ってくる。
匂いだけで口の中に唾液が湧き上がってくるが、俺はもう帰らないとだ――――。
「ステラさん、俺そろそろ……」
「勿論食べていきますよね? 今日の感想も聞かせて頂かないと」
ステラさんはニッコリと天使の微笑みを浮かべるが、言っていることはスパルタコーチ系なのは気のせいでしょうか??
確かにお昼過ぎからずっといるし、途中でキッチンで余ったお菓子とか摘まませて貰っていたけど、お腹は凄く空いている。正直、物凄く食べたい。
美味しそうな料理をトレーに載せて、微笑むステラさんが燦然と輝いて見える――――けど眩しさよりも、不安が勝る。
「いやでも……皆さんお仕事後で、ゆっくりされたいだろうから……」
『また後日』で逃げ切ろうとした時、
「いいから早く座れ!」
野太い声が頭上から叩きつけられた。
「ひぃっ!」
更に――――
「座るでちゅ!」
「アツアツが美味しいでちゅ!」
下からもダブル攻撃が襲ってくる。
「腹減ったにゃ~! 先に食っちゃうにゃ~」
「うふふ、タルトだって待っていますよ」
上のバウムに、下の双子――全面の天使に、後輩にはにゃんこたち。
多分きっと、逃げられない――――。
「では……お言葉に甘えて……頂きます」
「はい、召し上がれ」
俺が観念して椅子に腰を下ろすと、もこもこメンバーが優しく微笑んでくれた。
「たく、優柔不にゃんで面倒な奴にゃん!」
――――約一匹を除いてな!
「では、今日もいっぱい幸せのもこもこをお疲れ様でした~」
「お疲れ様でしたみゃ~」
「頂きますぴょん」
「今日もお疲れ様わん」
「バナナジュースっきぃ~」
「今日もう頑張ったな」
「頑張ったっちゅ!」
「でも楽しいでっちゅ!」
二手に分かれたテーブルから、和気藹々とした声が湧き上がる。さっき床に倒れ込んでいたのが嘘みたいに元気になっていた。
「やっぱりバウムさんの料理は旨いにゃ~」
なんだかんだ悪態ついても接客では一番忙しかったタルトも、一気にご満悦の様子でほくほくの笑顔だ。
もこもこたちの笑顔を見ていたら、少しずつ気が緩んできて――――ぎゅるるるぅ~!
俺の胃袋も、気が緩んだ。
「あっ!」
「凄い音だにゃ」
「ふふふ、長時間お待たせしちゃいましたものね。お代わりありますので、いっぱい食べてくださいね」
「あははは……ありがとうございます」
俺は恥ずかしさに顔を真っ赤になるのを感じながら、用意された夕飯を口に運んだ。
――――瞬間、口の中が一瞬にして夢心地になる。さっきのクリームシチューの時と同じ感覚だ。
あぁ、バウムさんの料理は、本当に――――
「美味しいぃぃぃ!」
体中に広がっていく感動のまま、喉の奥から叫んでいた。
今まで生きてきて、こんな衝動きっと初めてだ――――。
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