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35 対策会議?

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――ドライオン調査隊の報告を受けて、対策会議が開かれた。



ともかくドライオン山脈の遺跡の封印を解いて、中に何があるか確かめる事になった。

魔法省や国中の学者に確認したが、門に書かれた文字を解読できるものはいなかった。



「古くからいる精霊や幻獣を召喚して解読してもらってはどうか?」

「どうぜなら、文字を解読できて結界を破れるものを召喚しよう」



会議の結論は、困ったときの召喚頼みになった。



**





毎日、夏休みを満喫しているエリカです。

朝は森に行って薬草採集しています。

森の浅いところの薬草は摘んだので、カインと相談して今日は少し奥に行くことにする。



今日は森の奥に進んだせいか、やけにモンスターと遭遇する。

色とりどりのスライムがぷるるんと揺れる。ゼリーが食べたくなる。

水色は無毒だが、黄色は酸を、緑は毒を吐く、ピンクは攻撃力が強い気がする。



カインが剣で攻撃する。

カインをよけて襲ってくるスライムに、火を使うと怒られるので雷でスタンする。

動きが止まった所を、ダークマターを出す。

スライムが解けるように消えて行く。怖っ



「大丈夫? 酸とか毒とかかかってない?」

「大丈夫だ。エリカだいぶ魔法上手くなったな」

へへへと得意げに笑うと、調子に乗るなとほっぺを引っ張られた。

「もう、頬がたるんだらどうするのよ?」

「責任はとる」

この世界は、リフトクリームも美容外科もないんだ。
どう責任を取るのか? おおう? マッサージか? コラーゲンか?



そんなバカなことを話していると、琥珀が低く唸った。

木の陰からワイルドウルフが姿を現した。

本来、深い森の奥に棲息する狼のモンスターで子牛ほどの大きさがある。



「なんで、ここにワイルドウルフが!」

雷を放つが、素早くて当たらない。

「俺が引きつけて動きを止める。そのすきに当てろ!」

ワイルドウルフにカインが切りつける。

ワイルドウルフもひらりと剣をよけて、カインに襲いかかる。

雷を放つとカインまで、感電しそうだ。



「氷で足を凍らせるとか出来ないのか?」

「できないよ!」 あれは、エンバー先輩の上級魔法だから出来る技だ。

私が出来る氷魔法は、かき氷用の氷を出すだけだ。

「とりあえず、出してみる?」

バレーボール大の氷をワイルドウルフの上に落とす。

当たった!



ワイルドウルフが怒る。ぶるっと身を震わせて氷を払うと、私をにらみつけた。私に標的を変えた。

「逃げろ!」カインが叫ぶ。



ひぇえええええ、逃げようと後ずさったら、木の根に足が引っかかった。

盛大に転んだ私に、ワイルドウルフが跳びかかる。

もうダメだ。つんだ。今世、短かった。



( もう、エリカはしょうがないなあ。 )



影から、大きな獣が飛び出した。琥珀だ。

ワイルドウルフに体当たりすると、のど笛に噛みついた。

後ろから、カインがワイルドウルフを切りつけトドメを刺した。



腰が抜けた。

かわいい子猫が大型獣になるなんて……





**





町に帰って冒険者ギルドに報告する。

おじさんにめちゃ怒られた。いや、そんな奥まで行ってないって。

森は立ち入り禁止になった。



ちなみに琥珀が大きくなるヤツは、めちゃ疲れるからやりたくないそうだ。

しかも、30分が限度だそうだ。

まるで前世のM78星雲の宇宙人のようだ……



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