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<6>野営のご褒美
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「今回はまた、酷く深い傷を負いましたね」
「なんなんだよ、あの魔物。記録になかったんだ」
久々の魔物討伐から野営基地に戻ったセトは、酷く出血していた。現地でセト自身が止血処理を行っていて、大部分は止まっているようだったが、武具や薄着を剥ぎ、手際よく拭き取っていく。
「新種でしたか、よく戻られました。爪ですか?」
「爪というよりも牙だ、だから余計に深く入った」
「それは……、痛みは辛くありませんか?」
「ああ、それよりも……」
手当をするネストールには、当然、セトの下穿きが大きく膨らんでいるのが見えていた。魔物が強敵だったことで、昂っているのは明らかだ。すでに瞳をうるうるとさせ、待ち望んでいる。
上官としてその身体の反応が正しいと、セトは理解できているだろうか。戸惑っているようにも見えるが、手技自体には慣れたはずだ。
「ご褒美、欲しいですか?」
「……ああ」
ネストールは、目の前にいる対の上官に初めて誘われたことに、身体を震わせた。
たまにネストールが年上であることを意識させると、ネストールと同じくあまり甘えられる生育環境になかったセトは、分かりやすく頬を緩めて喜ぶ。
手当を終えると、セトは自ら寝台へと上がった。相変わらず下穿きを着けたままなのが、いじらしい。
「今日は特別ですよ。怪我の具合からも、頑張られたのが分かりますからね」
「っ……」
ネストールが、セトの足ではなく頭の方へと移動する。乳首に触れられると思ったのだろう、ぎゅっと目を閉じて身構えたセトを見ると、口元が緩んでしまう。そっと、耳に触れた。
余程驚いたのか、セトが息を呑んだ。セトの顔周りに触れるのは手当や湯浴み以外では初めてで、更に首元へ降りると、反射的に逃げようと頭を回す。すぐに、口からは吐息が漏れてくる。やはり、顔回りも弱いのだ。
「失礼します」
「っあ!」
ぐっとセトの顎を押さえ、耳に口付けた。
怪我の程度が酷く、痛み止めの入った軟膏を塗りつけているとはいえ、やはり痛むのだろう。セトは大きく動かず、ぶるっと震える程度だが、抵抗はない。普段通り、ネストールの好きに攻められる。
今日は、セトから求められてもいる。ネストールが滾るのも当然だが、まだ気付かれたくはなかった。
耳の形を確認するように、ゆっくりと舌を這わせた。わざとじゅっと音を立てて吸い、セトを高めていく。
「ネストール……」
「いかがされました?」
怪我が辛いのかと思い、一度距離を取り寝台の横に跪くと、武官であるセトの大きな手で頭を掴まれ引き寄せられ、唇を奪われた。
傷だらけのセトの身体に倒れ込んでしまうが、気にしていないようだった。
セトは今まで、ネストールにされるがままで、何も返してこなかった。ネストールは意識的に唇を避けていたが、セトがしたいと思ったなら応えるだけだ。
「……はあっ、少し口を開いてください、セト様」
素直に従う姿が、ネストールの局部に響く。当たらないよう腰を浮かせつつ、セトを味わった。
下唇をじゅっと吸い、形の良さと分厚さ、柔らかさを堪能した後、舌を追い回す。ずっとされるがままだったセトが、舌を動かしている。
まだ、同じ熱量を持ってはいないと思っていたが、セトの心も少しずつ、ネストールに向いているのではないか。深く傷付いたことで、より深い関係を望んでいるのか、それとも無意識に、ネストールを求めているのか。
何をしているのか気付きはっとしたようで、目を見開いているセトに、ネストールは上がる口角を隠しきれなかった。
どちらにせよ、セトの担当医官はネストールで、ネストールの意思でセトから離れることはない。今まで通り、与え続けるだけだ。
「セト様は、亀頭と乳首がお好きですよね」
「……っ、あっ」
寝台の真横に膝で立ち、セトの乳首を舐めながら、下穿きの中へ手を滑らせる。立派に勃った亀頭を指先で摘み、擦り上げる。
「あ、うあっ……」
「堪えますね。今日は野営なので、時間を掛けられません。出していいんですよ、気持ちいいでしょう?」
諦めるのも早くなってきたが、未だにセトは快楽と戦おうとする。我慢してもネストールが射精させるのは、変わらないのだが。
「いかがです?」
「ん……、あったかくて、気持ちいい」
「それはよかったです」
あんなに強情なセトが、感想を素直に言葉にしてくれるのも、魔物討伐で滾って仕方なく、理性が上手く働いていない証拠だ。
乳首をじゅっと吸った後、ゆっくりと腹筋に舌を這わせ、臍の周囲を濡らした。その間に、下穿きを剥いでしまう。
汗をかいているセトの肌は少ししょっぱいし、傷痕も多くざらついた箇所も多い。ただ、脱毛のおかげで、すべすべと若い健康的な肌も見えている。立派な局部を隠すものも何もない。そのまま顔を近付けた。
「っ、待てっ!」
「ふふ、期待しましたか。跳ねましたよ」
「っ、んん……」
ぱくっと亀頭を口に咥え、吸い付くように口内の空気を抜く。頬の内側と舌で触れるセトの亀頭は、やはり大きく熱かった。
とても陰茎全ては入らないが、ゆっくりと頭を前後させる。舌で雁首をなぞりつつ、手では裏筋や睾丸、会陰への刺激を忘れない。
ネストールがこの場所に座る間、セトが腰を浮かせないよう寝台に身体を押し付けているのも知っている。そして、武官のしっかりした足で、医官の細い身体を挟まれる。
ネストールは、そんなセトの優しさが好きだった。年下だが上官で、初めこそ強引に導いた自覚はあるが、今では完全に身を任せてくれるのだ。可愛くて仕方ない。
つい、セトを寸止めさせてしまうのだが、物欲しそうに涙を溜めた目を向けられるのが、何より嬉しかった。耐えに耐えて、耐えきれなくなってやっと、刺激を求めるセトが、少し掠れた声で言うのだ。
「ネストール……」
「射精まで、お導きいたしますね、セト様」
「なんなんだよ、あの魔物。記録になかったんだ」
久々の魔物討伐から野営基地に戻ったセトは、酷く出血していた。現地でセト自身が止血処理を行っていて、大部分は止まっているようだったが、武具や薄着を剥ぎ、手際よく拭き取っていく。
「新種でしたか、よく戻られました。爪ですか?」
「爪というよりも牙だ、だから余計に深く入った」
「それは……、痛みは辛くありませんか?」
「ああ、それよりも……」
手当をするネストールには、当然、セトの下穿きが大きく膨らんでいるのが見えていた。魔物が強敵だったことで、昂っているのは明らかだ。すでに瞳をうるうるとさせ、待ち望んでいる。
上官としてその身体の反応が正しいと、セトは理解できているだろうか。戸惑っているようにも見えるが、手技自体には慣れたはずだ。
「ご褒美、欲しいですか?」
「……ああ」
ネストールは、目の前にいる対の上官に初めて誘われたことに、身体を震わせた。
たまにネストールが年上であることを意識させると、ネストールと同じくあまり甘えられる生育環境になかったセトは、分かりやすく頬を緩めて喜ぶ。
手当を終えると、セトは自ら寝台へと上がった。相変わらず下穿きを着けたままなのが、いじらしい。
「今日は特別ですよ。怪我の具合からも、頑張られたのが分かりますからね」
「っ……」
ネストールが、セトの足ではなく頭の方へと移動する。乳首に触れられると思ったのだろう、ぎゅっと目を閉じて身構えたセトを見ると、口元が緩んでしまう。そっと、耳に触れた。
余程驚いたのか、セトが息を呑んだ。セトの顔周りに触れるのは手当や湯浴み以外では初めてで、更に首元へ降りると、反射的に逃げようと頭を回す。すぐに、口からは吐息が漏れてくる。やはり、顔回りも弱いのだ。
「失礼します」
「っあ!」
ぐっとセトの顎を押さえ、耳に口付けた。
怪我の程度が酷く、痛み止めの入った軟膏を塗りつけているとはいえ、やはり痛むのだろう。セトは大きく動かず、ぶるっと震える程度だが、抵抗はない。普段通り、ネストールの好きに攻められる。
今日は、セトから求められてもいる。ネストールが滾るのも当然だが、まだ気付かれたくはなかった。
耳の形を確認するように、ゆっくりと舌を這わせた。わざとじゅっと音を立てて吸い、セトを高めていく。
「ネストール……」
「いかがされました?」
怪我が辛いのかと思い、一度距離を取り寝台の横に跪くと、武官であるセトの大きな手で頭を掴まれ引き寄せられ、唇を奪われた。
傷だらけのセトの身体に倒れ込んでしまうが、気にしていないようだった。
セトは今まで、ネストールにされるがままで、何も返してこなかった。ネストールは意識的に唇を避けていたが、セトがしたいと思ったなら応えるだけだ。
「……はあっ、少し口を開いてください、セト様」
素直に従う姿が、ネストールの局部に響く。当たらないよう腰を浮かせつつ、セトを味わった。
下唇をじゅっと吸い、形の良さと分厚さ、柔らかさを堪能した後、舌を追い回す。ずっとされるがままだったセトが、舌を動かしている。
まだ、同じ熱量を持ってはいないと思っていたが、セトの心も少しずつ、ネストールに向いているのではないか。深く傷付いたことで、より深い関係を望んでいるのか、それとも無意識に、ネストールを求めているのか。
何をしているのか気付きはっとしたようで、目を見開いているセトに、ネストールは上がる口角を隠しきれなかった。
どちらにせよ、セトの担当医官はネストールで、ネストールの意思でセトから離れることはない。今まで通り、与え続けるだけだ。
「セト様は、亀頭と乳首がお好きですよね」
「……っ、あっ」
寝台の真横に膝で立ち、セトの乳首を舐めながら、下穿きの中へ手を滑らせる。立派に勃った亀頭を指先で摘み、擦り上げる。
「あ、うあっ……」
「堪えますね。今日は野営なので、時間を掛けられません。出していいんですよ、気持ちいいでしょう?」
諦めるのも早くなってきたが、未だにセトは快楽と戦おうとする。我慢してもネストールが射精させるのは、変わらないのだが。
「いかがです?」
「ん……、あったかくて、気持ちいい」
「それはよかったです」
あんなに強情なセトが、感想を素直に言葉にしてくれるのも、魔物討伐で滾って仕方なく、理性が上手く働いていない証拠だ。
乳首をじゅっと吸った後、ゆっくりと腹筋に舌を這わせ、臍の周囲を濡らした。その間に、下穿きを剥いでしまう。
汗をかいているセトの肌は少ししょっぱいし、傷痕も多くざらついた箇所も多い。ただ、脱毛のおかげで、すべすべと若い健康的な肌も見えている。立派な局部を隠すものも何もない。そのまま顔を近付けた。
「っ、待てっ!」
「ふふ、期待しましたか。跳ねましたよ」
「っ、んん……」
ぱくっと亀頭を口に咥え、吸い付くように口内の空気を抜く。頬の内側と舌で触れるセトの亀頭は、やはり大きく熱かった。
とても陰茎全ては入らないが、ゆっくりと頭を前後させる。舌で雁首をなぞりつつ、手では裏筋や睾丸、会陰への刺激を忘れない。
ネストールがこの場所に座る間、セトが腰を浮かせないよう寝台に身体を押し付けているのも知っている。そして、武官のしっかりした足で、医官の細い身体を挟まれる。
ネストールは、そんなセトの優しさが好きだった。年下だが上官で、初めこそ強引に導いた自覚はあるが、今では完全に身を任せてくれるのだ。可愛くて仕方ない。
つい、セトを寸止めさせてしまうのだが、物欲しそうに涙を溜めた目を向けられるのが、何より嬉しかった。耐えに耐えて、耐えきれなくなってやっと、刺激を求めるセトが、少し掠れた声で言うのだ。
「ネストール……」
「射精まで、お導きいたしますね、セト様」
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