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6.未来に向けて
11.夕食会 2
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チャールズとエリザベスが揃った夕食会に、招待された。セントレ王国に戻ってからは初で、ひさびさだと思うのも当然だ。公式ではない、ルークとミアが帰ってきたことを祝う会、つまり、身分を忘れた寛いだ会で、使用人には忘却魔術を使うものだ。
言葉を選ばなくても、ある程度言いたいことが言える。ただ、チャールズとエリザベスに会えるのは間違いなく、国王に伝えたいことも、前もってルークが取りまとめていた。
「チャールズ、褒賞の件ですが」
「お、何か欲しいものが見つかったか?」
「休暇が欲しいです。ふたりで過ごす、時間が欲しい」
今も次の任務が言い渡されるまでの準備期間で、ほぼ休暇みたいなものだが、きちんと許可された休暇で羽を伸ばしたい。ミアのそばに、ただ理由もなく寄り添える時間が欲しい。それをミアに言ったときの、嬉しそうな表情を見たら、もっと早くから貰っておけばよかったと思った。
「そんなものでいいのか?」
チャールズにはそう返されるだろうことも、予想していた。ついこの間、ミアの涙を見るまでのルークなら、同じ返事をしていただろう。チャールズが、続ける。
「期間は? まとまった休暇がいいのか?」
「そこまでは今日までに決め切れませんでした。例えば買い物にふたりで行くとか、一日街をぶらぶらするとか、学校を覗いてみるとか、オッドアイを気にしてできなかったことをやってみたいんです」
「それはほとんどミアの希望ね? 他には?」
エリザベスが、ミアに話すきっかけをくれた。ミアには褒賞として欲しいものが具体的に思い当たらず、ルークも「こういうのは褒賞って言わないと思うけど」と言いながら、ミアに休暇の提案をした。休暇があるのなら、やってみたいことがいくつも思いついたようで、小説を読んでいるときのように目を輝かせていた。
「ドレスで写真を撮りたいのと、旅行に行きたいです。もちろん有事には帰ってきます」
「しばらく有事はないよ。見えていないだけという場合もあるが、五年がかりの予知が落ち着いたところだ。楽しむといい。英雄が任務から帰ったんだ、凱旋パレードでも組むか?」
ルークはミアと顔を見合わせた。凱旋パレードなんて、想定には全くなかったからだ。
「…いいえ、ふたりで写真を撮る程度で…、ちゃんとしたドレスを着たいだけです」
「僕もちゃんとした指輪をあげたいですね。魔術で変形させているので」
王家御用達の宝飾具も、今なら使ってみたいと思える。指輪の件は、ミアに伝えていなかったから、驚いているのが見えて、笑いかける。
ミアならきっと、今着けている指輪も着け続けてくれるだろうが、ルークに気持ちの余裕がないときに買ったもので、魔術がなければ貧相に見えてしまうだろう。ミアには、もっと相応しいものを身に着けてほしい。
「あら、そういうことね。ドレスと指輪の手配は任せて。ミア、採寸をやり直しましょうね。ルークも、騎士服ではなく、タキシードを着るといいわ。今度、仕立て屋と技工士を呼ぶわね」
「指輪も変えるなら、写真だけでなく式ごとやり直してもいいぞ? こちらも手配しよう。立ち会っても?」
ミアを見て、答えるよう促した。ミア自身はちゃんと着飾って写真を撮ることが希望だが、それが結婚式のやり直しに発展している。ミアが、どうしたいかで返事をすればいい。
「はい、構いません。あの、調整がつけば、エリザベスにも…」
「いいの? 絶対出席するわ」
「ありがとうございます」
会話の合間に食事を進める。使用人が動き回ってくれているため、料理が冷めることも途切れることもない。全員がこの雰囲気には慣れていて、特にチャールズが、会話と食事のバランスにも気を配っている。
「ミアの言う旅行は、新婚旅行のことだな? 確かにそんな休暇はなかったな、すまない」
「いえ…!」
「日程は、できる限り対応しよう。行先もゆっくり決めるといい」
「ありがとうございます」
小説のなかに出てくるような場所に行ってみたいと思っていても、具体案はまったく出せていなかった。ルークも任務としてしか地域を巡ったことがない。これから、ゆっくり探してみるつもりだ。
☆
「ところで、ルーク」
「はい」
「休暇を取っていいと言いながらも、ルークにはオルディス関連の処理も任せたい。これからも多少王宮に顔を出してくれると助かる」
「旅行以外は、丸一日の休みがあればできることです。何せ、この一年休暇もなく、ふたりで過ごすことも満足にできなかったので、しっかり休暇をもらおうと。王宮には来ますよ、それが仕事なので」
エリザベスが少し咎めるような目でルークを見たのを、ミアは見逃さなかった。
ルークは王家所属騎士であり、オッドアイ魔術師でもある。旧エスト王国から帰ってきて、騎士としての訓練を徐々に再開していることも知っている。ルークはチャールズの右腕であることを辞められないし、ミアはそれを辞めてほしいとも思っていない。
エリザベスとしては、ミアのことを大切に思うなら、身を引くように言いたいのだろう。ミアとしては、ルークとふたりで過ごせる時間が増えればいいだけだ。
「ふたりで魔術道具を作るだけでも、落ち着けると思います」
「そうか、ふたりが良ければそれでいい」
ルークへのエリザベスの目が少し柔らかくなって、ミアはほっと紅茶を啜った。王宮で飲むこの紅茶は、やっぱり特別だ。王家御用達をたまに貰って帰って、ルークと住む屋敷でも同じものを飲むけど、王宮で飲むと味が変わる。
「この五年、特に最近の一年は本当に無理をさせた。もう一生ゆっくり過ごしてもいいくらいの働きはしただろう」
「本当にそのつもりで?」
ルークが揶揄うように、幼馴染に聞いた。絶対に、そんなつもりはない。ミアが国王だったとしても、ルークを使えるだけ使うほうが国益になるのは、理解している。
困ったチャールズが、エリザベスをちらっと見る。この夕食会までに、エリザベスに何か言われたのは明らかで、分かりやすく顔色を伺っている。さっきから、ルークの発言を聞いては目を細めたり、ミアに笑いかけたり。結局のところ、チャールズの国政にルークは必要不可欠で、ルークがいないと困るのはルークもエリザベスも、そしてミアも分かっている。
「…そんなわけないだろう。東方関連でやってほしいことはまだ残っている」
「でしょうね」
「ただ、今までよりは休暇を多く取ってもらって構わない。王家所属騎士の地位は変わらないし、加えてオッドアイ魔術師と公表された今、ルークはいわば何でもありだ。何をしてても王家からの任務だと言い張れる」
ミアは驚いて、エリザベスを見た。チャールズからこんな言葉が聞こえてくると思っていなかった。エリザベスは、楽しそうな微笑みを返してくれた。
「…それをチャールズが言うんですか」
「ルークはそんなふうには絶対言わないからな。休暇の日に屋敷にいることも辞めてもらおうか」
「え」
「私も同意する」
不意にジョンの声がして、視線を向ける。
「ルーク、家で記録をつけているだろう。あれも厳密には仕事だ。切り替えは意識的につける必要がある。休暇と言われた日に、魔術道具に触れないことも付け加えておこう。私の書斎の近くに空き部屋ができた。そこを魔術道具作りの拠点とするのもいい。どちらにせよ、オッドアイ魔術師の執務室が王宮の近くに必要だからな」
「…分かりました、仕事用の拠点ができるのはありがたいです。今までは王宮周辺に、自分の拠点を持てていなかったので」
休暇は、ふたりで過ごすために用意されるものと言っていい。旧エスト王国に行く前から、王宮に行っていない日は休暇みたいなものだったけど、ルークは基本書斎にいて記録をつけたり、食堂にミアを呼んで魔術道具に魔力を込めたり、屋敷でも仕事をしていることは多かった。ジョンには、見透かされていた。
家の中で仕事をするのは、仕方のない部分もあるし、ミアも魔術道具を作ることに関われるのは嬉しかった。これからは、魔術道具を作る拠点が変わるのだろう。
それはそれで、屋敷が完全な私的空間に変えられるから、いいのかもしれない。ルークとの休暇の日には、ふたりでどこかへ出掛ける予定を入れて、屋敷から離れる時間にしようと、心が躍った。
言葉を選ばなくても、ある程度言いたいことが言える。ただ、チャールズとエリザベスに会えるのは間違いなく、国王に伝えたいことも、前もってルークが取りまとめていた。
「チャールズ、褒賞の件ですが」
「お、何か欲しいものが見つかったか?」
「休暇が欲しいです。ふたりで過ごす、時間が欲しい」
今も次の任務が言い渡されるまでの準備期間で、ほぼ休暇みたいなものだが、きちんと許可された休暇で羽を伸ばしたい。ミアのそばに、ただ理由もなく寄り添える時間が欲しい。それをミアに言ったときの、嬉しそうな表情を見たら、もっと早くから貰っておけばよかったと思った。
「そんなものでいいのか?」
チャールズにはそう返されるだろうことも、予想していた。ついこの間、ミアの涙を見るまでのルークなら、同じ返事をしていただろう。チャールズが、続ける。
「期間は? まとまった休暇がいいのか?」
「そこまでは今日までに決め切れませんでした。例えば買い物にふたりで行くとか、一日街をぶらぶらするとか、学校を覗いてみるとか、オッドアイを気にしてできなかったことをやってみたいんです」
「それはほとんどミアの希望ね? 他には?」
エリザベスが、ミアに話すきっかけをくれた。ミアには褒賞として欲しいものが具体的に思い当たらず、ルークも「こういうのは褒賞って言わないと思うけど」と言いながら、ミアに休暇の提案をした。休暇があるのなら、やってみたいことがいくつも思いついたようで、小説を読んでいるときのように目を輝かせていた。
「ドレスで写真を撮りたいのと、旅行に行きたいです。もちろん有事には帰ってきます」
「しばらく有事はないよ。見えていないだけという場合もあるが、五年がかりの予知が落ち着いたところだ。楽しむといい。英雄が任務から帰ったんだ、凱旋パレードでも組むか?」
ルークはミアと顔を見合わせた。凱旋パレードなんて、想定には全くなかったからだ。
「…いいえ、ふたりで写真を撮る程度で…、ちゃんとしたドレスを着たいだけです」
「僕もちゃんとした指輪をあげたいですね。魔術で変形させているので」
王家御用達の宝飾具も、今なら使ってみたいと思える。指輪の件は、ミアに伝えていなかったから、驚いているのが見えて、笑いかける。
ミアならきっと、今着けている指輪も着け続けてくれるだろうが、ルークに気持ちの余裕がないときに買ったもので、魔術がなければ貧相に見えてしまうだろう。ミアには、もっと相応しいものを身に着けてほしい。
「あら、そういうことね。ドレスと指輪の手配は任せて。ミア、採寸をやり直しましょうね。ルークも、騎士服ではなく、タキシードを着るといいわ。今度、仕立て屋と技工士を呼ぶわね」
「指輪も変えるなら、写真だけでなく式ごとやり直してもいいぞ? こちらも手配しよう。立ち会っても?」
ミアを見て、答えるよう促した。ミア自身はちゃんと着飾って写真を撮ることが希望だが、それが結婚式のやり直しに発展している。ミアが、どうしたいかで返事をすればいい。
「はい、構いません。あの、調整がつけば、エリザベスにも…」
「いいの? 絶対出席するわ」
「ありがとうございます」
会話の合間に食事を進める。使用人が動き回ってくれているため、料理が冷めることも途切れることもない。全員がこの雰囲気には慣れていて、特にチャールズが、会話と食事のバランスにも気を配っている。
「ミアの言う旅行は、新婚旅行のことだな? 確かにそんな休暇はなかったな、すまない」
「いえ…!」
「日程は、できる限り対応しよう。行先もゆっくり決めるといい」
「ありがとうございます」
小説のなかに出てくるような場所に行ってみたいと思っていても、具体案はまったく出せていなかった。ルークも任務としてしか地域を巡ったことがない。これから、ゆっくり探してみるつもりだ。
☆
「ところで、ルーク」
「はい」
「休暇を取っていいと言いながらも、ルークにはオルディス関連の処理も任せたい。これからも多少王宮に顔を出してくれると助かる」
「旅行以外は、丸一日の休みがあればできることです。何せ、この一年休暇もなく、ふたりで過ごすことも満足にできなかったので、しっかり休暇をもらおうと。王宮には来ますよ、それが仕事なので」
エリザベスが少し咎めるような目でルークを見たのを、ミアは見逃さなかった。
ルークは王家所属騎士であり、オッドアイ魔術師でもある。旧エスト王国から帰ってきて、騎士としての訓練を徐々に再開していることも知っている。ルークはチャールズの右腕であることを辞められないし、ミアはそれを辞めてほしいとも思っていない。
エリザベスとしては、ミアのことを大切に思うなら、身を引くように言いたいのだろう。ミアとしては、ルークとふたりで過ごせる時間が増えればいいだけだ。
「ふたりで魔術道具を作るだけでも、落ち着けると思います」
「そうか、ふたりが良ければそれでいい」
ルークへのエリザベスの目が少し柔らかくなって、ミアはほっと紅茶を啜った。王宮で飲むこの紅茶は、やっぱり特別だ。王家御用達をたまに貰って帰って、ルークと住む屋敷でも同じものを飲むけど、王宮で飲むと味が変わる。
「この五年、特に最近の一年は本当に無理をさせた。もう一生ゆっくり過ごしてもいいくらいの働きはしただろう」
「本当にそのつもりで?」
ルークが揶揄うように、幼馴染に聞いた。絶対に、そんなつもりはない。ミアが国王だったとしても、ルークを使えるだけ使うほうが国益になるのは、理解している。
困ったチャールズが、エリザベスをちらっと見る。この夕食会までに、エリザベスに何か言われたのは明らかで、分かりやすく顔色を伺っている。さっきから、ルークの発言を聞いては目を細めたり、ミアに笑いかけたり。結局のところ、チャールズの国政にルークは必要不可欠で、ルークがいないと困るのはルークもエリザベスも、そしてミアも分かっている。
「…そんなわけないだろう。東方関連でやってほしいことはまだ残っている」
「でしょうね」
「ただ、今までよりは休暇を多く取ってもらって構わない。王家所属騎士の地位は変わらないし、加えてオッドアイ魔術師と公表された今、ルークはいわば何でもありだ。何をしてても王家からの任務だと言い張れる」
ミアは驚いて、エリザベスを見た。チャールズからこんな言葉が聞こえてくると思っていなかった。エリザベスは、楽しそうな微笑みを返してくれた。
「…それをチャールズが言うんですか」
「ルークはそんなふうには絶対言わないからな。休暇の日に屋敷にいることも辞めてもらおうか」
「え」
「私も同意する」
不意にジョンの声がして、視線を向ける。
「ルーク、家で記録をつけているだろう。あれも厳密には仕事だ。切り替えは意識的につける必要がある。休暇と言われた日に、魔術道具に触れないことも付け加えておこう。私の書斎の近くに空き部屋ができた。そこを魔術道具作りの拠点とするのもいい。どちらにせよ、オッドアイ魔術師の執務室が王宮の近くに必要だからな」
「…分かりました、仕事用の拠点ができるのはありがたいです。今までは王宮周辺に、自分の拠点を持てていなかったので」
休暇は、ふたりで過ごすために用意されるものと言っていい。旧エスト王国に行く前から、王宮に行っていない日は休暇みたいなものだったけど、ルークは基本書斎にいて記録をつけたり、食堂にミアを呼んで魔術道具に魔力を込めたり、屋敷でも仕事をしていることは多かった。ジョンには、見透かされていた。
家の中で仕事をするのは、仕方のない部分もあるし、ミアも魔術道具を作ることに関われるのは嬉しかった。これからは、魔術道具を作る拠点が変わるのだろう。
それはそれで、屋敷が完全な私的空間に変えられるから、いいのかもしれない。ルークとの休暇の日には、ふたりでどこかへ出掛ける予定を入れて、屋敷から離れる時間にしようと、心が躍った。
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