とあるオッドアイ魔術師と魔の紋章を持つ少女の、定められた運命

垣崎 奏

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2.魔の紋章を持つ少女

15.最難関の特別任務 後 ※

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「んんっ…、ルークさまだめっ」
「だめなものなんて、何もないよ」

 ミアの片手がルークの頭を押してくる。開かれた足の外側からその手を取って、舌では蕾を舐め上げた。こりこりと芯を持っていて、ミアが感じてくれているのがここでも分かる。

(ああ、大丈夫だ……)

 力の入るミアの太腿に挟まれ、ミアの声も部屋に響いて、いつの間にか動悸は治まっていた。ミアの足を押さえながら、舌を上下左右と動かし、より感じる場所を探した。ミアの声がだんだんと大きく、腰の動きも激しくなっていく。たまに、ちゅっと軽く吸ってみるのも効果的らしい。

「まっ、ルークさま…、なんか、へんなのくる!」
「ん、いいよ、そのまま任せて」
「だめっ、や、ルークさ、あっ、んっ、ああっ!」

(これが……)

 ミアが背中を反った。その浮いた腰に手を回して支え、もう片方の手で、秘部を舐めていた口元を拭った。

 記録魔術の内容なんて、やはり見なくてよかった。目の前のミアを見ていれば、どうしたらいいかなんて、頭で考えなくても分かる。息を乱して目線の合わないミアを覗き込む。力の抜けたミアの手は、抵抗するのを止めたとアピールするように、枕の横に置かれていた。

「大丈夫?」
「ん……」

 息を乱し開いたままの口にキスをして、また舌を絡めた。離れて目に入るミアの表情は快感に溶けていて、ルークの熱を昂らせるには十分すぎたが、一度大きく息を吐く。今すぐにでも挿れたくなる衝動を、抑える。

「…指、入れるから、痛かったら言って」

 片手を握ったまま、ミアの足の間に座り直して、まずは一本、蜜口に這わせた。十二分に濡れた蜜壷に誘われ、吸い込まれるように入っていく。すでに達したミアの中は、柔らかくてあったかくて絡みついてきて、ルークの指を締め付けてくる。

 抽送をしてみても痛がる様子がなく、ゆっくりと馴染ませて、指を増やす。浅いところを擦って、もう少し奥まで進めてから指を曲げると、ミアの腰が大きく浮いた。

(やっぱり、見ておいてよかったかな)

「んあっ!?」
「ミア、ここ?」
「あっ、あっ、…だめ、だめっ!」

 あれほど顔を隠そうとしていた手は、必死にルークを押して離れさせようと力を掛けてくる。指を抜かず横に寝て、ミアに足を絡ませ動きを制限しながら、空いた手を汗ばんだ背中に回して引き寄せる。

 ミアにルーク自身が当たってしまうから、できればしたくなかった体勢ではある。だが、快感を逃がそうとするミアが大きく動くほど、傷つけてしまう可能性も上がる。ミアが何度も「だめ」と言う場所を擦りつつ、唇を奪った。

「んっ、…ルークさっ、あっ、だめっ」
「またいきそう?」
「んあっ、…だめ、だめ、またきちゃう!」
「うん」
「…ん、ああっ!!」

 ミアが耐えていたのは伝わっていたが、攻める手は止めなかった。キスを返しながらもルークに止まってもらおうとするミアが、ひたすらに可愛い。

 指を抜いて、起き上がって下着を脱いだ。ミアの足の間に戻り、ゆっくりと足を広げ直す。割れ目に合わせてしっかりと滑るように、愛液が絡むように擦って、はち切れそうな自身を宛がった。もうそれだけで気持ちよさを感じられるが、大事なのはこの先だ。一息吐いてから、声を掛けた。

「……挿れるよ」

 ミアが頷いてくれたのを確認してから、先端を沈めた。ミアの表情を見つつ腰を進めるものの、半分ほど入ったところで狭くなる。おそらく、ここに膜があるのだろう。

(ごめんね、ミア)

 痛みを感じてほしくはないが、あるなら短く済むほうがいい。数度手前で抽送したあと、一気に最奥まで貫いた。

「んんっ…」

 ミアの苦しそうな声にキスをしようと目を開けると、そこには知らない魔力が漂っていた。いつの間にか流れていたルークの魔力と、見たことのない魔力が混ざっていく。

(これが……っ!)

 この屋敷では、ルーク以外の魔力が見えることはなかった。今感じているのは、確実にミアの魔力だ。

 驚いている場合ではないと、はっとする。姦通の痛みに耐えるミアの下腹部に手を添えたが、おそらく何も変わらない。身体を倒し、ぎゅっと目を閉じたままのミアを抱き締めた。

 記録魔術では、身体をふたつに引き裂かれるほどの苦痛とも表現されていた。身体を守ろうとして魔力があふれ出て、ルークにも感じられるようになったのだろう。

 魔力が満たされているのもあって、甘い匂いが強くなる。たまらずミアの首筋を舐め、頬を吸い、開いたままの口を奪って舌を絡めた。

「…ミア」

 乱れた前髪をかき上げてやると、紋章が一段と薄く、ほぼ消えていると言っていいだろう。本当に、これが正解だったのだ。目を開けたミアに、微笑んだ。漆黒だった左目は、薄い色味を持っている。部屋の照明を落としているため確信はないが、おそらくピンクだ。

「……動いて、いい?」

 頷いてくれたミアにもう一度口づけてから、腰に手を添えて、ゆっくりと動いた。挿れているだけでも気持ちよくて、どうにかなってしまいそうで、持っていかれそうになるたびに、律動を緩め唇を合わせる。目をつぶったまま額を合わせて、また動き出す。苦し気なミアに何度もキスを落とし、その溶けた表情にルークの顔も緩む。

「ん、あ、それだめっ、あっ…、ん、んああっ!」
「ミアっ…」

 最奥を何度か突くと、ミアがまた震えながら達した。蜜壷がルークを搾り取ろうと、締まってくる。

(っ……)

 直前で引き抜き、後を追うようにミアの下腹部で果てた。息を整えながらミアの唇を奪い、頬に触れて目を合わせようとする。

「ミア」

 ミアは、意識を飛ばしていた。紋章はもう、ほとんど確認できない。しばらく髪を撫でてから魔術で清めると、続けてナイトドレスを着せベッドも整えた。寝返りで落ちることのないようにベッドの内側へ運び、翌朝のための水差しをサイドテーブルに用意したあと、そっと隣へ潜った。同じベッドで寝るのは、人間の姿では初めてだ。

(終わったんだ……)

 感じたことのない幸福感と安心感に、包まれている。ミアの寝顔は穏やかで、交わりが苦痛だけではなかったのだと、その肩に顔を埋めた。
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