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出会い
3 暴行③
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部屋に入ると首元のカッターナイフを離し、コンビニの袋を床に置く。
八畳一間のワンルーム。元々は学生向けだが、このアパートは古いのと審査がゆるい(保証人なしで住める)ので学生は殆ど居なく工場勤務や外仕事のオジサンや外国人の住人ばかりだ。
なのでこの時間は殆ど無人なので多少騒いでも誰も気付かない。
家具は少なく寝心地の悪そうなシングルベッドと小さな座卓しかない。
彼女を見ると物珍しそうにキョロキョロしている。
そりゃお嬢様には縁のない場所だろうな。
とりあえず彼女に座るように言うと鞄を床に置き勝手にベッドに腰かける。
さてどうしようか。
彼女が冷静なおかげで、俺も冷静さを取り戻しつつある。
感情が萎えていくのが分かる。
次の展開を考えようと彼女に視線を向けると、こちらを見ていたらしく目が合う。
先程よりもはっきりとした誘うような笑みを浮かべつつ口を開く。
「これからどうするの?」
聞かれても困る。ノープランだし、必死に考え中だ。
「うるさい!今考えている」
そのまま伝えるつもりが口調が荒くなってしまった。
その言い方が気に障ったのか嫌味な口調で返される。
「本当に何も考えてなかったの?あなたはバカなの?」
悪口だ。だが今の状況では彼女の言葉が正論だ。確かに今の俺は、かなりのバカだ。
「バカっていうより本能で行動する獣ね」
俺が何も言わないのを良い事に悪口が続く
「そうね。ブタか犬ね。痩せているし野良犬かしら?」
歌うように悪口を囀りながらも彼女の笑みは性的な色合いを濃くしていく。
「この部屋も犬小屋みたいだし。あぁそういえばこのシーツも獣臭いわね」
さすがに、そろそろ黙らせよう。
右手のカッターナイフを座卓に投げ置き彼女の顔面を平手で叩く。
「黙れ」
女性を殴ったのは初めての経験だが意外と何の抵抗もなく体が動いた。
殴られた張本人は頬を軽く赤く腫らし唇から軽く出血している。
だがそれでも笑みを浮かべたまま言葉を続ける。
「犬なら犬らしくお座りしてれば餌くらいあげるのに。躾もされてないのかしら?仕方ないから私が躾てあげましょうか?じゃあ今からあなたはポチね」
こいつは…
刃物で脅されて監禁されて暴力まで振るわれているのに何故こんな言葉が出てくるんだ?
頭がおかしいんじゃないのか?
徐々に彼女の異常な言動に恐怖を覚え始める。
恐怖を紛らわせようともう一度平手で頬を殴る。
先程より力を入れて。
パチン
結構な音が部屋に響く。
「黙らないと殴るぞ」
恐怖で声が震えないように努力しながら喋る。
「もう殴ってるじゃない。すぐ殴るところが野良犬って感じね。それじゃ立派なポチになれないわよ」
笑みを浮かべたままで彼女が囁く。
心なしか性的な笑みの中に少女特有の無邪気な笑いが混ざりだした気がしてきた。
彼女は狂っている。
恐怖が体に危険信号を伝えたのか、俺は一歩後ずさる。
襲ったはずの俺が恐怖で逃げ出したくなる欲求にかられる。
だが
次の彼女の一言が全てをかきけした。
「そんなんだから誰からも愛されないのよ」
八畳一間のワンルーム。元々は学生向けだが、このアパートは古いのと審査がゆるい(保証人なしで住める)ので学生は殆ど居なく工場勤務や外仕事のオジサンや外国人の住人ばかりだ。
なのでこの時間は殆ど無人なので多少騒いでも誰も気付かない。
家具は少なく寝心地の悪そうなシングルベッドと小さな座卓しかない。
彼女を見ると物珍しそうにキョロキョロしている。
そりゃお嬢様には縁のない場所だろうな。
とりあえず彼女に座るように言うと鞄を床に置き勝手にベッドに腰かける。
さてどうしようか。
彼女が冷静なおかげで、俺も冷静さを取り戻しつつある。
感情が萎えていくのが分かる。
次の展開を考えようと彼女に視線を向けると、こちらを見ていたらしく目が合う。
先程よりもはっきりとした誘うような笑みを浮かべつつ口を開く。
「これからどうするの?」
聞かれても困る。ノープランだし、必死に考え中だ。
「うるさい!今考えている」
そのまま伝えるつもりが口調が荒くなってしまった。
その言い方が気に障ったのか嫌味な口調で返される。
「本当に何も考えてなかったの?あなたはバカなの?」
悪口だ。だが今の状況では彼女の言葉が正論だ。確かに今の俺は、かなりのバカだ。
「バカっていうより本能で行動する獣ね」
俺が何も言わないのを良い事に悪口が続く
「そうね。ブタか犬ね。痩せているし野良犬かしら?」
歌うように悪口を囀りながらも彼女の笑みは性的な色合いを濃くしていく。
「この部屋も犬小屋みたいだし。あぁそういえばこのシーツも獣臭いわね」
さすがに、そろそろ黙らせよう。
右手のカッターナイフを座卓に投げ置き彼女の顔面を平手で叩く。
「黙れ」
女性を殴ったのは初めての経験だが意外と何の抵抗もなく体が動いた。
殴られた張本人は頬を軽く赤く腫らし唇から軽く出血している。
だがそれでも笑みを浮かべたまま言葉を続ける。
「犬なら犬らしくお座りしてれば餌くらいあげるのに。躾もされてないのかしら?仕方ないから私が躾てあげましょうか?じゃあ今からあなたはポチね」
こいつは…
刃物で脅されて監禁されて暴力まで振るわれているのに何故こんな言葉が出てくるんだ?
頭がおかしいんじゃないのか?
徐々に彼女の異常な言動に恐怖を覚え始める。
恐怖を紛らわせようともう一度平手で頬を殴る。
先程より力を入れて。
パチン
結構な音が部屋に響く。
「黙らないと殴るぞ」
恐怖で声が震えないように努力しながら喋る。
「もう殴ってるじゃない。すぐ殴るところが野良犬って感じね。それじゃ立派なポチになれないわよ」
笑みを浮かべたままで彼女が囁く。
心なしか性的な笑みの中に少女特有の無邪気な笑いが混ざりだした気がしてきた。
彼女は狂っている。
恐怖が体に危険信号を伝えたのか、俺は一歩後ずさる。
襲ったはずの俺が恐怖で逃げ出したくなる欲求にかられる。
だが
次の彼女の一言が全てをかきけした。
「そんなんだから誰からも愛されないのよ」
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