自暴自棄になってJK令嬢を襲ったら何故か飼われる事になりました

出会い

２ 回想②

半月後に出た結果は黒。セクハラもパワハラも複数の同僚が証言したらしい。
そこで初めて気づく。自分の出世の速さや給料の良さが周りの恨み、妬みを買っていた事に。
そして後に後輩から聞いた話だが、どうやら喜多方絵美がこの上司の不倫相手に収まっていたらしい。彼女からしたら自分を軽く扱った俺が許せない存在だったのだろう。更に上司の椅子を狙える立場にいる俺は上司からしても邪魔だったのだろう。
結果と同時に依願退職を勧められ（断れば懲戒での退職）本日中に私物をもって退社となった。
外資ってコワイ。
困ったのが妻に何と伝えるかだ。自宅に帰るまでは妻は潔白を信じてくれると思っていたし、再スタートも応援してくれると思っていた。
（俺には営業としてのスキルもあるし何とかなるだろう）
そんな風に考えていた。
玄関を開け何故か誰も居なかった時は一気に不安が押し寄せ、ダイニングテーブルに置かれた半分記入済の離婚届、「話し合うつもりは、無いので弁護士に連絡してください」と書かれた手紙と弁護士の名刺、そして会社に届いた物と同じタレコミが印刷された紙が数枚を見た時は、絶望を覚えた。
そこから半月程よく覚えていない。
７月に入り弁護士と話をし離婚を進めマンションを売却した。（人気な場所なので即売れてローンも返済できた）
一度だけ妻と話をする機会が有り言われたのが
「ずっと俺の『いつか』とか『そのうち』という言葉が嫌だった」
「お金を稼ぐよりも夫婦の時間がほしかった」
「ほとんど一緒にいない人をどうやって信じろって言うの？」
そんな事を言われ続けてと思う。
結局のところ俺は誰とも信頼関係を築けて無かったって事だ。
なんだか、もうどうでも良くなり離婚はあっさり成立。財産もできる限り相手に渡す事になった。
マンションから学生街の安アパートに引っ越した時も何の感情も湧かなかった。
一度引っ越す前に仲の良い（つもりだった）後輩に連絡をしてみた結果、上司の不倫を知ることになる。詳しく聞こうと飲みに誘うも「いやーきついっス。出来れば、もう連絡しないで欲しいっスね。西野さんと仲良くしてると思われたら周りからハブられるんで」とのこと。
え、そこまで嫌う？？と呆然としたのが人との最後の交流だ。
そこから２ヵ月
毎日死にたくなるのを酒で流す日々を送っている。
結果生まれたのが、人間不信＆自暴自棄の家にカッターナイフ（実は首吊り用のロープも複数個）ため込みオジサンだ。

そこまで思い出し現実に戻る。
窓に映る自分の顔を、もう一度見て自嘲気味に笑うと残った酎ハイを飲み干す。
煙草に火をつけ、この場でもう一缶開けるか悩んでいるとコンビニに女子高生が入って行くのが視界に入った。