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第二章
05 お茶会の提案
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「あら、アルヴィン様。どうされましたか?」
予想していなかったアルヴィンの登場に少し驚きつつ、レイチェルは尋ねた。
「ああ、珍しい場所で姿が見えたからな……」
そう言いながらアルヴィンは周囲に視線を彷徨わせた。
「チェリーさんならもう帰りましたわよ」
レイチェルがそう伝えると、アルヴィンあからさまに気落ちした表情をした。
礼儀作法の特訓を始めてから、チェリーは放課後すぐにレイチェルと一緒に帰宅していたため、アルヴィンと過ごす時間が少なくなったのだ。
今日はソフィアの案内があるためチェリーだけ先に帰ってもらっていた。初めてヘーゼルダイン家へ足を踏み入れたときのチェリーは、緊張からか小動物のようにビクビクしていたが、数日過ごす内に使用人たちにも慣れ、普通に会話できるようになっていた。
「そうか……チェリーも居るのかと少し期待しただけだ」
表情から少しではないことを察する。
婚約者についての噂が広まり、休み時間も未来の王妃と繋ぎを取ろうとチェリーは大勢の生徒に囲まれていたため、学園でも二人は合う時間はほとんどないはずである。
チェリーもアルヴィンと会えず、寂しいはずだ。昨夜ポツリと「最近、あいさつも出来てないんです」と呟いていた。
「そろそろ特訓も終わりですし、そうしたらまた一緒に過ごせますわよ」
「終わりということは、特訓は順調なのか?」
「ええ、そろそろ母の合格点も貰えそうですわ」
アルヴィンの婚約者時代に礼儀作法はほぼ完璧に習得していたレイチェルだったが、それを人に伝授するのは難しく、母であるエマの協力も得ていた。
「ただ、以前より緊張しなくなったとはいえ、王妃さまの前ではどうか……」
チェリーは頭も良く、運動神経も悪くない。今回の特訓でも教えたことはすぐに習得できた。結果、一番の問題は、“人見知り”なことだろうと結論がでたのだった。初めて会った頃の彼女に比べれば、格段に人見知りは改善されているのだが、王妃さま相手に緊張しないわけはない。
「そうですわ、今週末にでもチェリーさんの特訓の成果を見るためにお茶会を開こうと思うのですが、アルヴィン様も参加できますか?」
レイチェルとエマだけではいつもも特訓と変わらない。父のリアムが参加出来れば緊張感があって良いのではと思ったが、週末は仕事で難しいだろうと声をかけられずにいたのだ。アルヴィンが参加出来れば、普段の雰囲気と違って良いかもしれないと思い、レイチェルはアルヴィンに尋ねた。
「週末か。今のところ大事な予定は入っていなかったはずだ……参加する」
神妙な声音で言うが、表情は笑顔である。チェリーと会える嬉しさが隠しきれておらず、レイチェルは苦笑する。
「アルヴィン様も感情のコントロールというか……表情筋を鍛えたほうが良いのでは……」
「は?」
思わず小声でレイチェルが呟くと、アルヴィンが不思議そうに首を傾げる。
「いえ、何でもありませんわ」
(というか、無表情過ぎて『鉄面皮』と言われていた私に、表情筋について言われたくないですわよね。
「レイチェル様、どうかされましたか?──アルヴィン様?」
後ろから控え目な声で声をかけられる。
なかなか席に戻って来ないレイチェルの様子を見にソフィアがやってきたのだ。アルヴィンの存在に気が付くと、驚いたように息を呑んでいる。
「すみません、少し話をしていました。アルヴィン様、こちらはソフィア・ベルナールさんですわ」
「ああ、ベルナール公爵の……病気療養のため休学していたんだったな。レイチェルのクラスに復学したんだったな……体調はもう大丈夫なのか?」
アルヴィンは納得したように頷き、ソフィアに問う。
「ええ、復学できるくらいには丈夫になりましたわ。またよろしくお願い致します」
ソフィアが嬉しそうにふわりと笑いながら言った。
「そうですわ、お二人とも週末はご予定がありますでしょうか?宜しければお茶会に招待したいのですが……」
ソフィアが思い出したように、レイチェルとアルヴィンに尋ねる。
「あぁ……週末は……すまない、予定が入っているんだ」
つい先程、チェリーの成果をみるためのお茶会をする話をしたばかりである。アルヴィンが申し訳なさそうに返事をした。
「そうでしたか……」
目に見えて気落ちするソフィアの様子に、レイチェルは考える。
(社交界に出ていないから、学園内でも知り合いがほとんど居ない状態ですし……少しでも交流を深めたいという気持ちは分かりますわ──あ、そうですわ)
「あの、アルヴィンさま……先程話していたお茶会にソフィアさんを招待するというのは如何でしょうか?」
そうすれば、ソフィアとの交流も図れる。それに、面識のないソフィアが参加することで、人見知りのチェリーに対して刺激になるのでは?とレイチェルは思ったため、アルヴィンに提案した。
「レイチェルの屋敷で開かれるお茶会だからな、お前がそれで構わないなら、俺は良い」
レイチェルの提案にアルヴィンが頷く。
「私も参加してもよろしいのですか?」
ソフィアが表情を輝かせる。
「私のお茶会というより、チェリーさんのお茶会と言った方が正確なのですが……」
「まあ、アルヴィン様の婚約者の方ですね。是非参加させていただきたいですわ」
こうして週末のお茶会にソフィアも参加することとなったのだった。
*****
「アルヴィン様とベルナール公爵令嬢を招いてお茶会ですか!?」
帰宅したレイチェルはチェリーにお茶会の開催について話をした。
「ええ、礼儀作法はもう及第点といって良いと母も言っていましたし、あとは人前で緊張する癖をどうにかするだけですわ」
「で、でも……初対面の方、しかも公爵令嬢を招いてお茶会だなんて……ううっ」
想像しただけで緊張したのか、チェリーの顔色が見る見る悪くなっていく。
「私も公爵令嬢なのだけど?」
「レイチェル様は、その……大丈夫なんです!」
チェリーにやけにきっぱりと言い切られてしまった。
確かにチェリーとレイチェルの関係は一言では言い表せないだろう。
同じ転生者としての共感が始まりだったが、今ではチェリーとして生きる彼女の事を、友人として応援したいと思っている。そして、チェリーもそんなレイチェルのことを慕ってくれている。
「以前よりも人前で緊張しなくなってきましたし、後は慣れるしかありませんわ。アルヴィン様の婚約者であると大々的に公表されれば、お茶会のお誘いも沢山あるでしょう……今回は、アルヴィン様もいらっしゃるし、大丈夫ですよ」
「アルヴィン様にお茶を振舞うのも、緊張します……会えるのは、とても嬉しいのですけれど」
テーブルに突っ伏す勢いでチェリーは項垂れている。
「では、延期にしますか?」
少し意地悪な質問をしてみれば、チェリーが涙目になる。
「うう……やります。よろしくお願いします」
「ええ、頑張りましょうね」
このお茶会だけではなく、これからはレイチェルが参加するお茶会にも少しずつ一緒に参加してもらうことにしようと算段しているが、今告げると本当に泣いてしまいそうなので黙っておくことにした。
「エマ様とレイチェル様の特訓は厳しかったですが……一緒に過ごせて楽しかったです。でも、そろそろ戻らないといけないですね……」
チェリーが暗い表情で呟いているのを聞いて、レイチェルは先日アルヴィンが「寮に近付くと表情が固くなる」と言っていたことを思い出した。
(寮に帰りたくない何かがあったのかもしれないですわ……学園でもあれだけ注目されていますもの、きっと寮でも注目されているに違いないですし……でも、それだけにしては表情が暗い気がしますね)
寮では自室に入ってしまえば周囲の視線も気にならないはずである。
「チェリーさん……寮で、何かありましたか?」
「え、えっと……」
レイチェルが尋ねるとチェリーは、口を閉ざしてしまった。
「もし何かあったのなら……」
「本当になんでもないんです。レイチェル様と一緒に過ごせたのが楽し過ぎて……寮に戻るのが、寂しくなってしまっただけなんです」
先程までの暗い表情は消え、チェリーは笑顔でそう言った。
予想していなかったアルヴィンの登場に少し驚きつつ、レイチェルは尋ねた。
「ああ、珍しい場所で姿が見えたからな……」
そう言いながらアルヴィンは周囲に視線を彷徨わせた。
「チェリーさんならもう帰りましたわよ」
レイチェルがそう伝えると、アルヴィンあからさまに気落ちした表情をした。
礼儀作法の特訓を始めてから、チェリーは放課後すぐにレイチェルと一緒に帰宅していたため、アルヴィンと過ごす時間が少なくなったのだ。
今日はソフィアの案内があるためチェリーだけ先に帰ってもらっていた。初めてヘーゼルダイン家へ足を踏み入れたときのチェリーは、緊張からか小動物のようにビクビクしていたが、数日過ごす内に使用人たちにも慣れ、普通に会話できるようになっていた。
「そうか……チェリーも居るのかと少し期待しただけだ」
表情から少しではないことを察する。
婚約者についての噂が広まり、休み時間も未来の王妃と繋ぎを取ろうとチェリーは大勢の生徒に囲まれていたため、学園でも二人は合う時間はほとんどないはずである。
チェリーもアルヴィンと会えず、寂しいはずだ。昨夜ポツリと「最近、あいさつも出来てないんです」と呟いていた。
「そろそろ特訓も終わりですし、そうしたらまた一緒に過ごせますわよ」
「終わりということは、特訓は順調なのか?」
「ええ、そろそろ母の合格点も貰えそうですわ」
アルヴィンの婚約者時代に礼儀作法はほぼ完璧に習得していたレイチェルだったが、それを人に伝授するのは難しく、母であるエマの協力も得ていた。
「ただ、以前より緊張しなくなったとはいえ、王妃さまの前ではどうか……」
チェリーは頭も良く、運動神経も悪くない。今回の特訓でも教えたことはすぐに習得できた。結果、一番の問題は、“人見知り”なことだろうと結論がでたのだった。初めて会った頃の彼女に比べれば、格段に人見知りは改善されているのだが、王妃さま相手に緊張しないわけはない。
「そうですわ、今週末にでもチェリーさんの特訓の成果を見るためにお茶会を開こうと思うのですが、アルヴィン様も参加できますか?」
レイチェルとエマだけではいつもも特訓と変わらない。父のリアムが参加出来れば緊張感があって良いのではと思ったが、週末は仕事で難しいだろうと声をかけられずにいたのだ。アルヴィンが参加出来れば、普段の雰囲気と違って良いかもしれないと思い、レイチェルはアルヴィンに尋ねた。
「週末か。今のところ大事な予定は入っていなかったはずだ……参加する」
神妙な声音で言うが、表情は笑顔である。チェリーと会える嬉しさが隠しきれておらず、レイチェルは苦笑する。
「アルヴィン様も感情のコントロールというか……表情筋を鍛えたほうが良いのでは……」
「は?」
思わず小声でレイチェルが呟くと、アルヴィンが不思議そうに首を傾げる。
「いえ、何でもありませんわ」
(というか、無表情過ぎて『鉄面皮』と言われていた私に、表情筋について言われたくないですわよね。
「レイチェル様、どうかされましたか?──アルヴィン様?」
後ろから控え目な声で声をかけられる。
なかなか席に戻って来ないレイチェルの様子を見にソフィアがやってきたのだ。アルヴィンの存在に気が付くと、驚いたように息を呑んでいる。
「すみません、少し話をしていました。アルヴィン様、こちらはソフィア・ベルナールさんですわ」
「ああ、ベルナール公爵の……病気療養のため休学していたんだったな。レイチェルのクラスに復学したんだったな……体調はもう大丈夫なのか?」
アルヴィンは納得したように頷き、ソフィアに問う。
「ええ、復学できるくらいには丈夫になりましたわ。またよろしくお願い致します」
ソフィアが嬉しそうにふわりと笑いながら言った。
「そうですわ、お二人とも週末はご予定がありますでしょうか?宜しければお茶会に招待したいのですが……」
ソフィアが思い出したように、レイチェルとアルヴィンに尋ねる。
「あぁ……週末は……すまない、予定が入っているんだ」
つい先程、チェリーの成果をみるためのお茶会をする話をしたばかりである。アルヴィンが申し訳なさそうに返事をした。
「そうでしたか……」
目に見えて気落ちするソフィアの様子に、レイチェルは考える。
(社交界に出ていないから、学園内でも知り合いがほとんど居ない状態ですし……少しでも交流を深めたいという気持ちは分かりますわ──あ、そうですわ)
「あの、アルヴィンさま……先程話していたお茶会にソフィアさんを招待するというのは如何でしょうか?」
そうすれば、ソフィアとの交流も図れる。それに、面識のないソフィアが参加することで、人見知りのチェリーに対して刺激になるのでは?とレイチェルは思ったため、アルヴィンに提案した。
「レイチェルの屋敷で開かれるお茶会だからな、お前がそれで構わないなら、俺は良い」
レイチェルの提案にアルヴィンが頷く。
「私も参加してもよろしいのですか?」
ソフィアが表情を輝かせる。
「私のお茶会というより、チェリーさんのお茶会と言った方が正確なのですが……」
「まあ、アルヴィン様の婚約者の方ですね。是非参加させていただきたいですわ」
こうして週末のお茶会にソフィアも参加することとなったのだった。
*****
「アルヴィン様とベルナール公爵令嬢を招いてお茶会ですか!?」
帰宅したレイチェルはチェリーにお茶会の開催について話をした。
「ええ、礼儀作法はもう及第点といって良いと母も言っていましたし、あとは人前で緊張する癖をどうにかするだけですわ」
「で、でも……初対面の方、しかも公爵令嬢を招いてお茶会だなんて……ううっ」
想像しただけで緊張したのか、チェリーの顔色が見る見る悪くなっていく。
「私も公爵令嬢なのだけど?」
「レイチェル様は、その……大丈夫なんです!」
チェリーにやけにきっぱりと言い切られてしまった。
確かにチェリーとレイチェルの関係は一言では言い表せないだろう。
同じ転生者としての共感が始まりだったが、今ではチェリーとして生きる彼女の事を、友人として応援したいと思っている。そして、チェリーもそんなレイチェルのことを慕ってくれている。
「以前よりも人前で緊張しなくなってきましたし、後は慣れるしかありませんわ。アルヴィン様の婚約者であると大々的に公表されれば、お茶会のお誘いも沢山あるでしょう……今回は、アルヴィン様もいらっしゃるし、大丈夫ですよ」
「アルヴィン様にお茶を振舞うのも、緊張します……会えるのは、とても嬉しいのですけれど」
テーブルに突っ伏す勢いでチェリーは項垂れている。
「では、延期にしますか?」
少し意地悪な質問をしてみれば、チェリーが涙目になる。
「うう……やります。よろしくお願いします」
「ええ、頑張りましょうね」
このお茶会だけではなく、これからはレイチェルが参加するお茶会にも少しずつ一緒に参加してもらうことにしようと算段しているが、今告げると本当に泣いてしまいそうなので黙っておくことにした。
「エマ様とレイチェル様の特訓は厳しかったですが……一緒に過ごせて楽しかったです。でも、そろそろ戻らないといけないですね……」
チェリーが暗い表情で呟いているのを聞いて、レイチェルは先日アルヴィンが「寮に近付くと表情が固くなる」と言っていたことを思い出した。
(寮に帰りたくない何かがあったのかもしれないですわ……学園でもあれだけ注目されていますもの、きっと寮でも注目されているに違いないですし……でも、それだけにしては表情が暗い気がしますね)
寮では自室に入ってしまえば周囲の視線も気にならないはずである。
「チェリーさん……寮で、何かありましたか?」
「え、えっと……」
レイチェルが尋ねるとチェリーは、口を閉ざしてしまった。
「もし何かあったのなら……」
「本当になんでもないんです。レイチェル様と一緒に過ごせたのが楽し過ぎて……寮に戻るのが、寂しくなってしまっただけなんです」
先程までの暗い表情は消え、チェリーは笑顔でそう言った。
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