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第二章
5 親友
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アートワーカー連続殺人事件の捜査は困難を極めていた。
佐伯の行方は依然として知れず、聞き込みについても目立った情報は上がってこない。
自宅近所では、佐伯の存在を知っている人間がほとんどおらず、副業として行っている清掃のアルバイトでも付き合いはなく、彼が作家であることすら誰一人として知らなかった。
ちなみに、氷室とカーチェイスとなった日も、深夜の清掃でお台場の施設に入っていた事が明らかになっている。
そんな中、氷室と翔平は、佐伯が作家・徳井として付き合いのあった出版社を回っていたが、やはり特筆すべきような発見が全くない。
何しろ佐伯は覆面作家である。
その上、昨今は感染症対策もあり、どの出版社でも、打ち合わせはメールやチャット、ライン、そしてZOOMによるミーティングで事足りるのだと言う。
しかしそんな中、とある出版社で、佐伯と懇意にしている編集者がいると言う情報を得て、氷室たちは、紹介された『K書店出版』へと向かった。
『K書店出版』へ向かう道すがら、情報を提供してくれた編集者の言葉が頭を過る。
──森崎健吾は、ヘッドハンティングでウチから大手の『K書店出版』へ移ったんですよ。
──あいつだけじゃないかなぁ。徳井さんと面識があるの。相当懇意にしていたみたいですよ? 親友だって話です。
──元々徳井さんをWEB小説サイトで発掘して、最初にウチで書籍化させたのも森崎ですしね。そうそう、その作品です。よくご存じですね。
──どんな奴かって……まあ、行ったら直ぐに分かると思いますよ。僕らみたいなのとは人種が違うと言うか。あ、刑事さんみたいなシュッとしたイケメンですわ。
K書店出版は、業界きっての大手出版社だ。
都内にある立派なビル1つが丸々K書店出版の所有で、小説は勿論、漫画、雑誌、ビジネス書、その他映像関係に至るまで、様々な部門がここに集約されている。
そんな社屋のロビーで、翔平は口をあんぐりと開け、吹き抜けを見上げていた。
「なんすか、これ……。ドバイのホテルみたい」
「行った事あるのか」
「ないっす! でもこういう時は、なんか『ドバイ』とか言えばハマるって聞いたんで」
「へぇ……」
どうやら彼らの中で万能な表現らしい。
しかし、翔平のような世代が好む、こう言った『効率重視』の価値観や表現は、本をよく読む氷室にどこか寂しさを感じさせた。
「昨日の休みに、ドバイに行ったのかと思ったよ」
「んな訳ないでしょ。あっ、あそこで聞きましょ!」
そう言うと、翔平はインフォメーションの札の置かれたカウンターを指差す。
そして子犬のように、一目散に走って行った。
* * *
総合受付で森崎健吾と面会したい旨を伝えると、直接編集部のあるフロアへ行って欲しいと言われ、氷室と翔平は鏡張りのエレベーターで6階へと向かう。
文芸編集部と書かれた大きな部屋に入ると直ぐ、ひとりの男が目に入った。
なるほど、その男は確かに他の大勢の男性編集者とは違った。目を引くのである。
長身だからと言うだけではない。スマートで、顔だちも整っており、同性の氷室から見ても色気を感じる程だ。
そして、身に着けているのは──。
間違いない。あれはブリオーニのスーツだ。
氷室は引き寄せられるように彼へと歩み寄った。
「森崎さんですね?」
呼びかけると、森崎は氷室の頭からつま先まで視線を動かした。
高速でスキャニングするAIのような素早さである。
一瞬の事ではあるが、その値踏みするかのような視線に、氷室は不快感を覚えた。
「そうです。失礼ですが──?」
森崎はにっこりと笑顔を浮かべている。
氷室も負けじと笑顔で名乗った。
「警視庁の氷室と言います。佐伯郁門についてお話をお伺いしたいのですが、お時間を頂けますか?」
佐伯の名を聞くと、森崎は表情を曇らせ、声を落とした。
「ニュースは知っています。しかし、佐伯が徳井だと言う事は、編集部でも私以外誰も知りません」
ほう、と氷室は声を上げた。
意外だった。敏腕編集者なら、これを戦略にしようと考えるだろうと思ったからだ。
「佐伯は今最も話題になっている事件の容疑者です。このことを公表すれば、本の売り上げが伸びるとは考えないのですか?」
「佐伯は友人ですよ」
森崎はそう言って眉を顰める。
氷室は更に追い打ちをかけた。
「殺人犯でも?」
その一言を皮切りに、氷室と森崎の間に壁が出来た。
余所行きの顔だった森崎に、剣のある表情が浮かぶ。
「……場所を移しましょう。今、部屋を用意させます」
* * *
「やっぱ大きい会社は違いますねー!」
翔平は用意されたミーティングルームのソファーに腰掛けると、女性が持ってきたアイスコーヒーを一気に飲み干し、子供のようにキョロキョロと部屋を見渡した。
「少し大人しくしろ」
そう言いつつも、氷室も室内を観察する。
ガラス張りの明るい部屋に、ヘリンボーン張りの床。
グレーの2人掛けソファーとオレンジの1掛けソファーがテーブルを囲むように配され、部屋の所々に観葉植物が置かれている。とても居心地の良いミーティングルームだ。
こういった部屋が各フロアに何室もあると言うから驚かされる。流石大手出版社という所だ。
「すみません、お待たせして。1本電話を受けていたので」
「佐伯ですか?」
氷室がジャブを打ち込む。
森崎はため息をつくと、違いますよと言ってソファーに腰を下ろした。
動きのひとつひとつが、癇に障るほど洗練されていてスマートだ。
「で、私は何をお話したら宜しいんでしょうか」
言葉は丁寧だが、森崎の整った顔には隠し切れない苛立ちが浮かんでいた。早く切り上げたくてうずうずしているのが嫌でも分かる。
その様子に賊心が沸き起こった氷室は、わざとゆっくりとした口調で聞き取りを始めた。
「そうですねぇ……。先ずは、佐伯の交友関係についてお聞きしても宜しいですか?」
「さあ」
「さあ?」
氷室が繰り返す。
森崎はじろりと氷室を見た。そして再びため息をつくと、ソファーの背に体を預けて言い直した。
「佐伯から友人等の話は聞いた事がありません」
「カノジョの存在とか!」
氷室と森崎の顔をキョロキョロと見ていた翔平が、雰囲気を変えようとわざと明るい声で聞く。
しかし、それは見事に失敗した。
森崎にじろりと睨まれ、亀のように首を引っ込める。
だが、隣の氷室にも睨まれ、翔平は取り繕うように、もう一度質問を投げた。
「ご存知ないようなのでぇ……。そうだ! えっと……家族の話なんか……」
「そこは警察で調べられる事でしょう? 私は佐伯から家族の話は聞いた事はありません。恋人についても同様です!」
それを受け、氷室が「へぇ」と言いながら眉を上げた。
「親友とお聞きしておりますが。そんなあなたが、彼について何も知らなかったと」
「そういう事になりますね」
「彼がサイコパスだと言う事も?」
瞬間、その場が凍った。
森崎の視線が、ゆっくりと氷室を捉える。その表情は硬く、視線は鋭い。
しかし──。森崎は、僅かに小首を傾げると言った。
「……そうなんですか?」
「さあ」
氷室はそう言うと肩を竦める。
途端、森崎が立ち上がった。
「馬鹿馬鹿しい。お引き取り下さい。お話出来ることは何もありません」
* * *
「森崎さん、なんか主任に似てましたね」
K書店出版の地下駐車場で、翔平は運転席に乗り込むや否や、シートベルトを引きながら言った。
「そうか?」
答える氷室は不満そうだ。
その様子を見るや、翔平は慌てて手を振った。
「顔じゃないですよ? 雰囲気というか……。イケメンVSイケメンって感じでしたね~。
あ! そう言えば、捜査会議で貰ったプロファイルに当てはまる気がする!」
「お前ね……」
氷室の口から長いため息が漏れた。
「それじゃあ、似てる俺もサイコパスって事になるぞ?」
「あははは。ホントだ」
「何が、あははだ」
氷室は横目で翔平を睨みながら、ポケットからスマホを出す。
森永からの着信に嫌な予感がした。
「はい、氷室──」
「森永です。3人目の遺体が発見されました──」
佐伯の行方は依然として知れず、聞き込みについても目立った情報は上がってこない。
自宅近所では、佐伯の存在を知っている人間がほとんどおらず、副業として行っている清掃のアルバイトでも付き合いはなく、彼が作家であることすら誰一人として知らなかった。
ちなみに、氷室とカーチェイスとなった日も、深夜の清掃でお台場の施設に入っていた事が明らかになっている。
そんな中、氷室と翔平は、佐伯が作家・徳井として付き合いのあった出版社を回っていたが、やはり特筆すべきような発見が全くない。
何しろ佐伯は覆面作家である。
その上、昨今は感染症対策もあり、どの出版社でも、打ち合わせはメールやチャット、ライン、そしてZOOMによるミーティングで事足りるのだと言う。
しかしそんな中、とある出版社で、佐伯と懇意にしている編集者がいると言う情報を得て、氷室たちは、紹介された『K書店出版』へと向かった。
『K書店出版』へ向かう道すがら、情報を提供してくれた編集者の言葉が頭を過る。
──森崎健吾は、ヘッドハンティングでウチから大手の『K書店出版』へ移ったんですよ。
──あいつだけじゃないかなぁ。徳井さんと面識があるの。相当懇意にしていたみたいですよ? 親友だって話です。
──元々徳井さんをWEB小説サイトで発掘して、最初にウチで書籍化させたのも森崎ですしね。そうそう、その作品です。よくご存じですね。
──どんな奴かって……まあ、行ったら直ぐに分かると思いますよ。僕らみたいなのとは人種が違うと言うか。あ、刑事さんみたいなシュッとしたイケメンですわ。
K書店出版は、業界きっての大手出版社だ。
都内にある立派なビル1つが丸々K書店出版の所有で、小説は勿論、漫画、雑誌、ビジネス書、その他映像関係に至るまで、様々な部門がここに集約されている。
そんな社屋のロビーで、翔平は口をあんぐりと開け、吹き抜けを見上げていた。
「なんすか、これ……。ドバイのホテルみたい」
「行った事あるのか」
「ないっす! でもこういう時は、なんか『ドバイ』とか言えばハマるって聞いたんで」
「へぇ……」
どうやら彼らの中で万能な表現らしい。
しかし、翔平のような世代が好む、こう言った『効率重視』の価値観や表現は、本をよく読む氷室にどこか寂しさを感じさせた。
「昨日の休みに、ドバイに行ったのかと思ったよ」
「んな訳ないでしょ。あっ、あそこで聞きましょ!」
そう言うと、翔平はインフォメーションの札の置かれたカウンターを指差す。
そして子犬のように、一目散に走って行った。
* * *
総合受付で森崎健吾と面会したい旨を伝えると、直接編集部のあるフロアへ行って欲しいと言われ、氷室と翔平は鏡張りのエレベーターで6階へと向かう。
文芸編集部と書かれた大きな部屋に入ると直ぐ、ひとりの男が目に入った。
なるほど、その男は確かに他の大勢の男性編集者とは違った。目を引くのである。
長身だからと言うだけではない。スマートで、顔だちも整っており、同性の氷室から見ても色気を感じる程だ。
そして、身に着けているのは──。
間違いない。あれはブリオーニのスーツだ。
氷室は引き寄せられるように彼へと歩み寄った。
「森崎さんですね?」
呼びかけると、森崎は氷室の頭からつま先まで視線を動かした。
高速でスキャニングするAIのような素早さである。
一瞬の事ではあるが、その値踏みするかのような視線に、氷室は不快感を覚えた。
「そうです。失礼ですが──?」
森崎はにっこりと笑顔を浮かべている。
氷室も負けじと笑顔で名乗った。
「警視庁の氷室と言います。佐伯郁門についてお話をお伺いしたいのですが、お時間を頂けますか?」
佐伯の名を聞くと、森崎は表情を曇らせ、声を落とした。
「ニュースは知っています。しかし、佐伯が徳井だと言う事は、編集部でも私以外誰も知りません」
ほう、と氷室は声を上げた。
意外だった。敏腕編集者なら、これを戦略にしようと考えるだろうと思ったからだ。
「佐伯は今最も話題になっている事件の容疑者です。このことを公表すれば、本の売り上げが伸びるとは考えないのですか?」
「佐伯は友人ですよ」
森崎はそう言って眉を顰める。
氷室は更に追い打ちをかけた。
「殺人犯でも?」
その一言を皮切りに、氷室と森崎の間に壁が出来た。
余所行きの顔だった森崎に、剣のある表情が浮かぶ。
「……場所を移しましょう。今、部屋を用意させます」
* * *
「やっぱ大きい会社は違いますねー!」
翔平は用意されたミーティングルームのソファーに腰掛けると、女性が持ってきたアイスコーヒーを一気に飲み干し、子供のようにキョロキョロと部屋を見渡した。
「少し大人しくしろ」
そう言いつつも、氷室も室内を観察する。
ガラス張りの明るい部屋に、ヘリンボーン張りの床。
グレーの2人掛けソファーとオレンジの1掛けソファーがテーブルを囲むように配され、部屋の所々に観葉植物が置かれている。とても居心地の良いミーティングルームだ。
こういった部屋が各フロアに何室もあると言うから驚かされる。流石大手出版社という所だ。
「すみません、お待たせして。1本電話を受けていたので」
「佐伯ですか?」
氷室がジャブを打ち込む。
森崎はため息をつくと、違いますよと言ってソファーに腰を下ろした。
動きのひとつひとつが、癇に障るほど洗練されていてスマートだ。
「で、私は何をお話したら宜しいんでしょうか」
言葉は丁寧だが、森崎の整った顔には隠し切れない苛立ちが浮かんでいた。早く切り上げたくてうずうずしているのが嫌でも分かる。
その様子に賊心が沸き起こった氷室は、わざとゆっくりとした口調で聞き取りを始めた。
「そうですねぇ……。先ずは、佐伯の交友関係についてお聞きしても宜しいですか?」
「さあ」
「さあ?」
氷室が繰り返す。
森崎はじろりと氷室を見た。そして再びため息をつくと、ソファーの背に体を預けて言い直した。
「佐伯から友人等の話は聞いた事がありません」
「カノジョの存在とか!」
氷室と森崎の顔をキョロキョロと見ていた翔平が、雰囲気を変えようとわざと明るい声で聞く。
しかし、それは見事に失敗した。
森崎にじろりと睨まれ、亀のように首を引っ込める。
だが、隣の氷室にも睨まれ、翔平は取り繕うように、もう一度質問を投げた。
「ご存知ないようなのでぇ……。そうだ! えっと……家族の話なんか……」
「そこは警察で調べられる事でしょう? 私は佐伯から家族の話は聞いた事はありません。恋人についても同様です!」
それを受け、氷室が「へぇ」と言いながら眉を上げた。
「親友とお聞きしておりますが。そんなあなたが、彼について何も知らなかったと」
「そういう事になりますね」
「彼がサイコパスだと言う事も?」
瞬間、その場が凍った。
森崎の視線が、ゆっくりと氷室を捉える。その表情は硬く、視線は鋭い。
しかし──。森崎は、僅かに小首を傾げると言った。
「……そうなんですか?」
「さあ」
氷室はそう言うと肩を竦める。
途端、森崎が立ち上がった。
「馬鹿馬鹿しい。お引き取り下さい。お話出来ることは何もありません」
* * *
「森崎さん、なんか主任に似てましたね」
K書店出版の地下駐車場で、翔平は運転席に乗り込むや否や、シートベルトを引きながら言った。
「そうか?」
答える氷室は不満そうだ。
その様子を見るや、翔平は慌てて手を振った。
「顔じゃないですよ? 雰囲気というか……。イケメンVSイケメンって感じでしたね~。
あ! そう言えば、捜査会議で貰ったプロファイルに当てはまる気がする!」
「お前ね……」
氷室の口から長いため息が漏れた。
「それじゃあ、似てる俺もサイコパスって事になるぞ?」
「あははは。ホントだ」
「何が、あははだ」
氷室は横目で翔平を睨みながら、ポケットからスマホを出す。
森永からの着信に嫌な予感がした。
「はい、氷室──」
「森永です。3人目の遺体が発見されました──」
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