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00 ヒロインはピンクブロンドを反芻する。(義姉視点)
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今日はなんて素晴らしい日であったことでしょう。
ベッドの中で思い出してしまって、なかなか眠れませんのよ。
もう二度と会えないと覚悟していたフランボワーズが、この屋敷へ来てくれたのですもの。
しかも、このわたくしの犯罪的な心得違いを叱るためだけに!
自分を陥れようと画策し罠をはりめぐらしていた相手の屋敷に乗り込んでくるなんて。
なんて情が篤くてやさしい子なんでしょう!
もう二度と、会えないようになりたくなんてありませんでしたわ。
わたくし、あんなに必死になったのは初めてでしたわ。
あの子を少しでも引き留めたくて、言葉をもっと交わしてい一心で。
あの子をいかに素敵で素晴らしいと思っているかを誠心誠意力説し。
危険はないと判ってもらうために、自分の全てをさらけだす覚悟を決め。
入浴係の奉公人以外の人前で、はじめて生まれたままの姿をさらしたましたわ。
恥ずかしさに頭がどうかなってしまいそうでしたが、わたくしが恥ずかしがっては、やさしいあの子は一緒にお風呂に入るのを止めてしまうかもしれませんから、必死に隠していましたのよ。
大変喜ばしいことに、わたくしの誠意が通じたのでしょう。
あの子も、わたくしの前で、愛らしく恥じらいながらも生まれたままの姿を見せてくれましたわ。
ああ、なんて綺麗だったんでしょう!
あんなに綺麗な子を、わたくし今まで見たことがありませんでしたわ。
濡れていても判る程、キラキラしててフワフワしてるピンクブロンドの髪。
遺志が強そうな大きい瞳、引き結ばれていても可憐な唇。華奢なほそい首。
それなのに、乳房は既にわたくしより大きくて、でもほとんど垂れていなくてツンと上向き。
きゅっと引き締まった腰。
やはり美しいピンクブロンドに覆われた脚の付け根。
やわらかいのに張りのある太もも……
細部まで繊細でかわいらしい造り。
愛すべき人柄は判っておりましたが、その上であんなにかわいらしいなんて!
なんて尊いんでしょう!
思わず体の隅々まで愛おしんでしまいましたわ。
わたくしのあふれ出す愛が通じたのか、あの子も身を任せてくれましたわ。
信頼している相手にしか触れさせてはいけない場所まで無防備にさらけ出し、ゆだねてまでくれましたのよ!
そのときの、瞳をうるませて愛らしい声をあげる姿が! また、また! もうもうもうですわ!
いじらしくて、情が篤くて、賢くて、綺麗だなんて、反則ですわ!
素晴らしい反則ですわ!
まさに、わたくしが遙か昔に夢見た通りの理想の妹でしたわ。
あんな素敵さの塊の女の子を見て恍惚としない人がいるでしょうか。いるはずがありませんわ。
モンブラン侯爵家のためとかそういうのは、どうでもいいですわ。
愛しい妹として、ただそれだけで、常に側にいてもらいたい。
一緒に食事をして、一緒に勉強して、一緒にお風呂に入って、一緒に眠りの国へ行きたいですわ!
あの3年間の間に、わたくしが一度でもあの子を知ろうとすれば、それが叶ったかもしれないというのに……。
ああ、なんて愚かなわたくし!
グリーグ学園にも、うちから通ってもらえてたかもしれないというのに……。
残酷な夕方がやってきて、フランボワーズが帰ってしまいましたわ。
でも、それを引き留めることはわたくしには出来ませんの。
だって、それはわたくしの罪。
3年間も時間があったのに、わたくしはあの子を一度たりとも見ませんでした。
あの子を『呪われたピンクブロンド』としてしか見ていなかった3年間!
なんという無駄な時間であったことでしょう……。
ベッドの中で思い出してしまって、なかなか眠れませんのよ。
もう二度と会えないと覚悟していたフランボワーズが、この屋敷へ来てくれたのですもの。
しかも、このわたくしの犯罪的な心得違いを叱るためだけに!
自分を陥れようと画策し罠をはりめぐらしていた相手の屋敷に乗り込んでくるなんて。
なんて情が篤くてやさしい子なんでしょう!
もう二度と、会えないようになりたくなんてありませんでしたわ。
わたくし、あんなに必死になったのは初めてでしたわ。
あの子を少しでも引き留めたくて、言葉をもっと交わしてい一心で。
あの子をいかに素敵で素晴らしいと思っているかを誠心誠意力説し。
危険はないと判ってもらうために、自分の全てをさらけだす覚悟を決め。
入浴係の奉公人以外の人前で、はじめて生まれたままの姿をさらしたましたわ。
恥ずかしさに頭がどうかなってしまいそうでしたが、わたくしが恥ずかしがっては、やさしいあの子は一緒にお風呂に入るのを止めてしまうかもしれませんから、必死に隠していましたのよ。
大変喜ばしいことに、わたくしの誠意が通じたのでしょう。
あの子も、わたくしの前で、愛らしく恥じらいながらも生まれたままの姿を見せてくれましたわ。
ああ、なんて綺麗だったんでしょう!
あんなに綺麗な子を、わたくし今まで見たことがありませんでしたわ。
濡れていても判る程、キラキラしててフワフワしてるピンクブロンドの髪。
遺志が強そうな大きい瞳、引き結ばれていても可憐な唇。華奢なほそい首。
それなのに、乳房は既にわたくしより大きくて、でもほとんど垂れていなくてツンと上向き。
きゅっと引き締まった腰。
やはり美しいピンクブロンドに覆われた脚の付け根。
やわらかいのに張りのある太もも……
細部まで繊細でかわいらしい造り。
愛すべき人柄は判っておりましたが、その上であんなにかわいらしいなんて!
なんて尊いんでしょう!
思わず体の隅々まで愛おしんでしまいましたわ。
わたくしのあふれ出す愛が通じたのか、あの子も身を任せてくれましたわ。
信頼している相手にしか触れさせてはいけない場所まで無防備にさらけ出し、ゆだねてまでくれましたのよ!
そのときの、瞳をうるませて愛らしい声をあげる姿が! また、また! もうもうもうですわ!
いじらしくて、情が篤くて、賢くて、綺麗だなんて、反則ですわ!
素晴らしい反則ですわ!
まさに、わたくしが遙か昔に夢見た通りの理想の妹でしたわ。
あんな素敵さの塊の女の子を見て恍惚としない人がいるでしょうか。いるはずがありませんわ。
モンブラン侯爵家のためとかそういうのは、どうでもいいですわ。
愛しい妹として、ただそれだけで、常に側にいてもらいたい。
一緒に食事をして、一緒に勉強して、一緒にお風呂に入って、一緒に眠りの国へ行きたいですわ!
あの3年間の間に、わたくしが一度でもあの子を知ろうとすれば、それが叶ったかもしれないというのに……。
ああ、なんて愚かなわたくし!
グリーグ学園にも、うちから通ってもらえてたかもしれないというのに……。
残酷な夕方がやってきて、フランボワーズが帰ってしまいましたわ。
でも、それを引き留めることはわたくしには出来ませんの。
だって、それはわたくしの罪。
3年間も時間があったのに、わたくしはあの子を一度たりとも見ませんでした。
あの子を『呪われたピンクブロンド』としてしか見ていなかった3年間!
なんという無駄な時間であったことでしょう……。
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