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25話 修羅場...なのか?
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「このようなことがありまして、新たに水の精霊女王セレシアが俺たちの仲間になりました」
クロウが海から戻って最初にしたことは、ギルドに依頼の報告ではなく、アウロラと、シルフィにセレシアが仲間に加わった理由を話した。
なぜそれが最初になったかというと、ギルドに依頼の報告に行こうとギルドの扉を開けるのと同時にギルドの中からアウロラが来たのだ。
クロウを見るとすぐに「大丈夫でしたか?」と心配はしてくれたものの、セレシアのことを見つけた途端、アウロラは血相を変えて、クロウに「なぜこんなところに水の精霊女王がいるんですか?!」と勢いよく聞いてきたのだ。
そして近くの酒場で話すということになり、今に至る。
「そいういうことでしたか。でも、なんでご主人様はそんな簡単に了承してしまうんですか!」
「い、いやそれは...」
アウロラが身を乗り出して勢いよく言う。
クロウは、正直に、セレシアに言い迫られたから仕方なく了承しただなんて言ったら、アウロラとシルフィに何をされるかわかったもんじゃない...
クロウがどうこたえようか戸惑っていると、
「それは私が無理言って、仲間に入れてもらったのです」
「そ、そうだとしても...!」
「そうだとしても、私を入れるのはダメ、と言いたいんですか?なんでそこまで私を入れたくないんですか?」
そうセレシアに言われ、アウロラはどう言い返せばいいのか迷っている様子だ。
この後一時間近くもセレシアを仲間に入れるか入れないかの話し合い(?)が続けられた。
クロウには最初の五分近くしか内容が分からず、途中喧嘩になりそうな雰囲気の時もあり、止めに入ると、アウロラからは「ご主人様は、静かに座っていてください!」と言われ、セレシアからは「クロウさん、すみませんがもう少しだけ時間をください」と言われ、クロウが話し合い(?)を止めることはできず、そのあと、周りにいた人たちが「もてる男はつらいなぁー!」とか言いながら酒を飲んで大笑いしていた。
シルフィならこの話し合い(?)を止めてくれるかも、と思ったが、その希望は一瞬にして砕けた。
シルフィも話し合い(?)に加わり、アウロラの仲間になっていたのだ!
あぁ、もうこれはだれにも止められないな、とクロウは思い、そっとしておくことにし、クロウは一時間近く一人でぼーっとのろけながら過ごしていた。
「クロウさん、話し合い終わりましたよ」
そうセレシアから言われたので、セレシアたちのほうを見ると、一時間前四人で囲んでいた机は完全に崩壊しており、セレシアたち三人は体中傷だらけになっていた。
「話し合いしてたんじゃないの?!」
「えぇ、ちゃんと話し合いましたよ、拳で...」
最後に拳でって言ったよね?!ごまかそうと小さい声で拳でって言ったよね?!もうそれ話し合いじゃないじゃん...
「くっ、仲間には入れたくないですが、先ほど言った約束は必ず守ってもらいます。シルフィにも同じ約束をしています。もし約束を破ったら仲間から外れてもらいます。」
アウロラはセレシアのことを睨みながらそう言った。
約束?そんなことシルフィにもしてたのか?気になるけど...なんか、アウロラからこのことについては何も聞かないでくださいと言っているかのような視線を向けられたので、クロウは聞かないでおくことにした。
「そんな約束守りたくはないですが、そうなるとクロウさんと旅できなくなるので仕方なく守ってあげることにします。」
その言葉を聞いてアウロラはほっとしたのか、セレシアを睨むのをやめて、クロウに笑顔で近づき、
「ご主人様!宿に帰りましょっ!」
まぁ、少しくらいけがをしてもすぐに俺の力で治せるからいいか。
そう思っていると、酒場の店主らしき、がたいの大きい男性が近づいてきて、
「小僧、この酒場を荒らした分はしっかり払ってもらうぞ?」
男性はそう言って何かが書かれている紙を渡してきた。
「この金額はしっかり払ってもらうぜ?」
そういわれたので紙を見てみると、
『期限以内に<金貨五枚>をこの紙とともに提出すること』
そう書かれた、紙だった。
この時クロウは、もうあの二人に話し合いをさせることはやめた方がいいな、と思ったのだった。
クロウが海から戻って最初にしたことは、ギルドに依頼の報告ではなく、アウロラと、シルフィにセレシアが仲間に加わった理由を話した。
なぜそれが最初になったかというと、ギルドに依頼の報告に行こうとギルドの扉を開けるのと同時にギルドの中からアウロラが来たのだ。
クロウを見るとすぐに「大丈夫でしたか?」と心配はしてくれたものの、セレシアのことを見つけた途端、アウロラは血相を変えて、クロウに「なぜこんなところに水の精霊女王がいるんですか?!」と勢いよく聞いてきたのだ。
そして近くの酒場で話すということになり、今に至る。
「そいういうことでしたか。でも、なんでご主人様はそんな簡単に了承してしまうんですか!」
「い、いやそれは...」
アウロラが身を乗り出して勢いよく言う。
クロウは、正直に、セレシアに言い迫られたから仕方なく了承しただなんて言ったら、アウロラとシルフィに何をされるかわかったもんじゃない...
クロウがどうこたえようか戸惑っていると、
「それは私が無理言って、仲間に入れてもらったのです」
「そ、そうだとしても...!」
「そうだとしても、私を入れるのはダメ、と言いたいんですか?なんでそこまで私を入れたくないんですか?」
そうセレシアに言われ、アウロラはどう言い返せばいいのか迷っている様子だ。
この後一時間近くもセレシアを仲間に入れるか入れないかの話し合い(?)が続けられた。
クロウには最初の五分近くしか内容が分からず、途中喧嘩になりそうな雰囲気の時もあり、止めに入ると、アウロラからは「ご主人様は、静かに座っていてください!」と言われ、セレシアからは「クロウさん、すみませんがもう少しだけ時間をください」と言われ、クロウが話し合い(?)を止めることはできず、そのあと、周りにいた人たちが「もてる男はつらいなぁー!」とか言いながら酒を飲んで大笑いしていた。
シルフィならこの話し合い(?)を止めてくれるかも、と思ったが、その希望は一瞬にして砕けた。
シルフィも話し合い(?)に加わり、アウロラの仲間になっていたのだ!
あぁ、もうこれはだれにも止められないな、とクロウは思い、そっとしておくことにし、クロウは一時間近く一人でぼーっとのろけながら過ごしていた。
「クロウさん、話し合い終わりましたよ」
そうセレシアから言われたので、セレシアたちのほうを見ると、一時間前四人で囲んでいた机は完全に崩壊しており、セレシアたち三人は体中傷だらけになっていた。
「話し合いしてたんじゃないの?!」
「えぇ、ちゃんと話し合いましたよ、拳で...」
最後に拳でって言ったよね?!ごまかそうと小さい声で拳でって言ったよね?!もうそれ話し合いじゃないじゃん...
「くっ、仲間には入れたくないですが、先ほど言った約束は必ず守ってもらいます。シルフィにも同じ約束をしています。もし約束を破ったら仲間から外れてもらいます。」
アウロラはセレシアのことを睨みながらそう言った。
約束?そんなことシルフィにもしてたのか?気になるけど...なんか、アウロラからこのことについては何も聞かないでくださいと言っているかのような視線を向けられたので、クロウは聞かないでおくことにした。
「そんな約束守りたくはないですが、そうなるとクロウさんと旅できなくなるので仕方なく守ってあげることにします。」
その言葉を聞いてアウロラはほっとしたのか、セレシアを睨むのをやめて、クロウに笑顔で近づき、
「ご主人様!宿に帰りましょっ!」
まぁ、少しくらいけがをしてもすぐに俺の力で治せるからいいか。
そう思っていると、酒場の店主らしき、がたいの大きい男性が近づいてきて、
「小僧、この酒場を荒らした分はしっかり払ってもらうぞ?」
男性はそう言って何かが書かれている紙を渡してきた。
「この金額はしっかり払ってもらうぜ?」
そういわれたので紙を見てみると、
『期限以内に<金貨五枚>をこの紙とともに提出すること』
そう書かれた、紙だった。
この時クロウは、もうあの二人に話し合いをさせることはやめた方がいいな、と思ったのだった。
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