死者と異形の国ナラク ~お転婆姫のタルト~

領主の家の書斎、そこに一人の女がいた。
彼女は悪魔の子と呼ばれ、その部屋に幼い頃から監禁されていた。
今日もやることがなく、彼女が思考を閉ざし、人形のようになったその時、
町が戦火に呑まれ、彼女は領主の家に踏み込んできた男達の手によって命を落とす。
いや、自ら望んで命を落とした。
死後の世界でなら、受け入れて貰えそうな気がする、そんな淡い希望を抱いて。
しかし、暗闇の中で目を覚まし、そこで出会った老婆に突きつけられた現実は、
辛いもので、永久の眠りにつくことを彼女は望む。
だが老婆はそれを良しとせず、魔女であった老婆は、彼女に魔法を掛け、生まれ変わらせた。
生き返らせたのではない。悪魔の子と呼ばれていた彼女の見た目を変え、送り届けたのだ。
死後の世界へ――いや、『死者と異形の国ナラク』へ。
彼女はそこで様々な異形と出会い、自らに課せられた運命に導かれていく。
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