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しおりを挟むここに連れてこられて一体何日経ったのか、マリナにはもうわからなかった。
一晩中抱かれて昼に起きたり、日の高い時間に抱かれて真夜中に目を覚ましたり。そんな生活を続けているので、時間の感覚もなくなっていた。
ユリウスはいつまでマリナをここに閉じ込めておくつもりなのだろう。
マリナが彼の前から消えれば、正気に戻ってくれるのだろうか。
シルヴィエだけでなく身代わりのマリナまでいなくなれば、彼は更に深く傷つくことになるのだろうか。
ユリウスが幸せになれるのならそれでいいと、彼の幸せだけを望んで行動してきたのに。結果として、彼の人生をめちゃくちゃにしてしまった。
もう、無理なのだろうか。もう、ユリウスが幸せになれる未来は訪れないのだろうか。
マリナはそんなことばかり考えていた。
「やっ、あぁっ、だめぇっ」
全裸のマリナは、ベッドの上で四つん這いにされていた。
ユリウスの舌が背中を伝い、臀部へと移動していく。柔らかな双丘に歯を立てられ、脚の付け根に吸い付かれる。
両手で尻臀を鷲掴み、ユリウスの舌がアナルを掠めた瞬間、マリナは身を捩って抵抗した。
「ぃやああっ、汚い、からっ、舐めないでぇっ」
「マリナに汚いところなんてないよ」
皺の一本一本まで愛撫するように丁寧に舐められ、マリナは恥辱に震えた。
「ひっ、うぅっ……やだぁっ」
「マリナは僕のものなんだから。マリナの体は隅々まで愛してあげる。ここも、この中も、たっぷり可愛がって、僕の精液を塗り込めてあげなきゃ」
「ひゃあうんっ」
ひくひく動く後孔に、ぬるりと舌が差し込まれる。
そこは既に、数日前から張り型で拡張されていた。
それだけは嫌だと、泣いて縋ってやめてほしいと懸命に訴えたけれど、聞き入れられることはなかった。
ぬぽ、ぬぽ、と舌が出し入れされる。粘膜が擦れる感触に、ぞくぞくと背筋が震えた。
「んんっ、やあぁっ、舌、入れないでぇっ」
マリナの懇願を無視し、ユリウスは舌を使って唾液を送り込み、襞に塗り込める。
たっぷりと唾液で濡らしてから、舌の代わりに指を挿入した。張り型で拡張された後孔は、痛みもなくそれを受け入れる。
ユリウスの長い指が、くちゅくちゅと音を立てて抜き差しを繰り返した。円を描くように中を掻き回し、綻んだのを見計らって指を増やしていく。
アナルを弄られる違和感に、マリナは腰をくねらせた。
「ひぁっ、あっ、いやっ、そこ、やだぁっ」
「嫌? ここから嬉しそうに蜜を漏らしてるのに?」
「んひあぁっ」
秘所を撫でられ、びくんっと体が跳ねる。
ユリウスの指が花弁を上下に擦ると、ぬちゅぬちゅと卑猥な音が響いた。
「触ってないのに、ここをこんなにとろとろにして」
「あぁっ、あっ、やあぁんっ」
「嫌じゃなくて、気持ちいい、だろう?」
「んあっ、あっ、あっ、あっ」
後孔と秘所を同時に弄られ、滴るほどに蜜が溢れ出す。
口でどれだけ嫌がっても、体は既にアナルの刺激で快感を得るように開発されていた。
でもそれを認められなくて、マリナは必死に快感に抗おうとする。
「んゃっ、あっ、やぁっ、違うのっ」
「気持ちよくない? 弄られるの嫌?」
「んんっ、やなのっ、そこは、いやぁっ」
「そんなに嫌ならやめようか?」
ユリウスがピタリと指の動きを止める。
途端に、後孔と膣穴が物足りなさに蠢いた。下腹がきゅんきゅんと疼く。
ここで頷けば、このまま放置される。蓄積した熱を発散できないまま、疼く体を持て余すことになる。それはとても辛く、最もマリナを苦しめるお仕置きだ。
経験からそれを察して、マリナは肩越しにユリウスを振り返り考えるよりも先に口を開いていた。
「やっ、やめないで……っ」
ユリウスはうっすらと、意地悪く微笑む。
「どうして? 嫌なんじゃないの?」
「や、じゃなぃ……やじゃないからぁ……っ」
後孔に力を入れ、媚びるように指を締め付ける。
再び指が動きだし、内壁を擦った。
「んぁんっ、あっ、はぁんんっ」
「お尻弄られて気持ちいい?」
「んんっ、いいっ、きもちいいぃっ」
「僕にお尻犯されたい?」
「っ……し、て……ほし……ユリウスに、おしり、おかして、ほしい……っ」
羞恥をこらえ、ユリウスの望む言葉を口にする。
ユリウスは嬉しそうに微笑んだ。
「たくさん犯してあげるよ。前も後ろも、マリナの中、僕の精液でいっぱいにしてあげる」
「んあぁっ」
ぬぽんっと、アナルから指が抜かれた。
刺激を失い、ぱくぱくと物欲しげに開閉するそこに、固く太い肉塊が宛がわれる。
張り型で拡張して快感を得られるようになっているとはいえ、彼の欲望を受け入れるのはやはり怖い。
「ゆっくり入れるからね」
優しく囁き、ユリウスはマリナの陰核を指で擦った。
快感に、マリナの体の強張りが解ける。
「んひっ、ひっ、あっ、あっ」
花芽から快楽を与えられるのと同時に、慎重に陰茎が埋め込まれていく。
中を押し広げられる圧迫感に、マリナは必死に呼吸を繰り返した。
ゆっくりと時間をかけて、奥へ奥へと侵入してくる。
固く太い楔に粘膜をずりゅずりゅと擦られ、マリナの体は確かに快感を感じていた。苦しいのに気持ちよくて、膣穴から蜜が溢れ太股を滴り落ちていく。
「はあっ、ああっ、マリナのお尻の中、すごくきつくて、狭くて、僕のものにぴったり張り付いてるみたいで……気持ちいいよ、マリナ……っ」
「ひっ、あっ、あぁっ」
後孔での性交なんて嫌なのに、ユリウスに気持ちいいと言われると、体が喜んでしまう。きゅんと子宮が疼き、陰茎を咥え込む肉壁が締まった。
「っは、んっ……はじめてだから、マリナも気持ちよくなれるように、こっちをたくさん弄ってあげようね」
「ひあぁっ、あっ、あぁんっ」
くりゅくりゅと陰核を捏ね回され、強い快感に全身が震える。
「気持ちいい、マリナ?」
「あぁっ、いいっ、んんっ、んあぁっ」
「んっ……全部、入ったよ……」
しっかりと二人の下半身がくっついた。
お腹を圧迫されるような感覚が苦しくて、でも粘膜が擦れる感触にぞくぞくする。
「ゆっくり動くよ」
「はっ、あっ、ああぁっ」
ずる、ずる、とゆっくり陰茎が抜けていく。同時に花芽も弄られ、マリナは確かな快感を感じていた。花芽だけでなく、アナルからも確実に快感が生まれていた。
肉壁を擦りながら引き抜かれていく感触に、強烈な快楽を覚える。
「ひあっ、あっ、いっちゃ、あっ、~~~~~~っ!」
きつくアナルを締め付けながら、マリナは絶頂を迎えた。
ユリウスは息を詰め、動きを止める。絶頂の余韻に震えるマリナが落ち着くのを待ってから、動きを再開させた。
ギリギリまで抜かれた陰茎が、再び中に入ってくる。解れたアナルは先ほどよりもスムーズにそれを受け入れた。
「んあっ、あっ、あっ、あぁっ」
「っ、大丈夫? 苦しくない?」
「んっ、あっ、だい、じょぉぶ、んんっ、あんっ」
膣にするときよりもずっとゆっくりだが、後孔に剛直を抜き差しされてももう苦しさは感じなかった。寧ろもっとたくさん、奥まで擦り上げてほしいとすら思いはじめていた。
「あっ、ひんっ、んっ、ユリ、ウスぅっ」
「気持ちよさそうだね……。はあっ……でも、こっちが寂しそうかな……っ」
「ひあぁんっ」
陰核を弄っていた指がずれ、花弁を撫でる。そこは好物を与えられるのを待っているかのように、口を開けて涎を垂らしていた。
「ちょっと撫でただけで物欲しそうにぱくぱくして蜜を垂らして……。お尻だけじゃ足りないんだね」
「や、ぁんっ、んんっ」
「お尻を可愛がってる間、こっちにはこれを入れてあげるね」
ユリウスが手に取ったのは張り型だ。
蜜口に押し当てられ、マリナは反射的に制止の声を上げる。
「あっ、待っ、だめぇっ」
「嘘ばっかり。マリナのここは、嬉しそうに飲み込んでいくよ」
「んあぁっ、あぁぁあっ」
ユリウスの言う通り、刺激に飢えていた膣穴は喜んで張り型にしゃぶりつく。ユリウスのものより小ぶりのそれを、あっという間に根本まで咥え込んだ。
「はっ、はあっ……気持ちいい? お尻がすごく締まって……僕も気持ちいいよ……っ」
「あぁあっ、きもちぃっ、ユリウスぅっ」
ユリウスはぎゅっとシーツを握るマリナの手を取り、下肢へと導く。
マリナの指が、中に埋まる張り型に触れた。
「ほら、マリナ、これを自分で動かして」
「あんっ、んっ、あぁっ」
「こうやって、自分で出し入れしてごらん」
「ひぁっ、やあっ、あっ、やあぁんっ」
マリナの手に張り型を握らせ、重ねられたユリウスの手でずちゅっずちゅっと抜き差しされる。溢れる蜜が滴り、二人の手はぬるぬるに汚れた。
恥ずかしいのに気持ちよくて、ユリウスの手が離れてもマリナは張り型を握ったまま動かし続ける。
もう快楽で頭がいっぱいで、他のことなど考えられない。
「ああぁっ、きもち、いいっ、あっ、あぁんっ」
「上手だね、マリナ。こっちは自分で気持ちよくなるんだよ」
「はひっ、ひあぁっ、んっ、あぁっ、あっ」
ユリウスはマリナの細腰を掴み、本格的な律動をはじめた。めいいっぱいに広げられたアナルを、男根が激しく行き来する。
中をぐりぐりと掻き回し、絡み付く肉襞を捲り上げるようにギリギリまで引き抜いて、また奥まで突き入れる。
そうして後孔を攻められながら、マリナは震える手で張り型を出し入れした。
力が入らず上半身はぺたりと伏せられ、シーツに胸の突起が擦れて、それが新たな快感を生み出す。腰だけを高く突き上げた淫らなポーズで身をくねらせ、淫楽に耽る。
そのマリナの嬌姿にユリウスは煽られ、腰の動きはどんどん速くなっていった。
「はあっ、マリナ、マリナっ、いやらしくて、可愛い、僕だけのマリナっ」
「あぁっ、ユリウスっ、ユリウスぅっ、なか、ユリウスでいっぱいで、あっ、あっ、きもちぃいのぉっ」
「ああっ、マリナ、マリナ、僕のものだっ、誰にも渡さないっ」
「ひあっ、そんなに、しちゃ、あぁっ、いって、いってるのにぃっ、また、いっ、あっ、あっ、ああぁっ」
「マリナ……っ」
後孔の奥に、ユリウスの精液を放たれる。じわりと広がる熱に、体が歓喜するように震えた。
「マリナ、愛してるよ……」
愛を囁かれ、それが本心ではないと知っているマリナの心は深い悲しみに包まれる。
それなのに、体は彼に満たされ征服され、暗い喜びを感じていた。
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