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しおりを挟むユリウスが取り出したのは卑猥な形の張り型だった。
目の前に差し出され、マリナは硬直する。
「なっ、ぁ……」
「これで栓をしておけば、精液を零さずに散歩できるよ」
「そんな、む、無理です……っ」
必死に首を振るけれど、マリナの抵抗など意に介さず、ユリウスは張り型を蜜口に押し当てる。
「ひあぁっ」
先ほどの情交で綻んだそこは、容易く張り型を咥え込んでしまった。
ユリウスのものよりも小さなそれの先端が、ちょうどマリナの中の敏感な箇所に当たる。身を捩ればこりこりと擦られ、マリナは快感に喘いだ。
「ああぁっ、だめ、だめぇっ」
一人で快楽に悶えるマリナを、ユリウスの双眸が見下ろしていた。
熱を孕んだ彼の視線にまた煽られ、マリナの中は精液と自身の漏らした蜜ですぐにぐちゅぐちゅになる。
「んんっ、はあっ、あんんっ」
「玩具でも気持ちよくなっちゃうなんて、マリナは本当に感じやすいね」
「あっ、んっ、やぁっ」
「可愛いけど、感じすぎて心配になるよ。もうこんな体じゃ人前には出れないね」
「ふぅっ、んんっ、んっ、あっ」
「大丈夫だよ、僕がずっと傍にいるからね。マリナの面倒は僕が見てあげる。マリナのいやらしい体も、一生可愛がってあげるからね」
「んああぁっ」
ユリウスの掌が下腹部を摩る。中に埋め込まれた張り型を押され、マリナの体がびくびくっと跳ねた。
ユリウスはうっそりと微笑む。
「またイッちゃったの? これからお外に出るのに、そんなに感じちゃって大丈夫?」
「やあぁっ、むり、むりなのっ、こんなの、入れて、あるけないぃっ」
いやいやとかぶりを振って拒否するマリナをユリウスは優しく宥めてはくれるが、やめてはくれなかった。
マリナにワンピースを着せ、靴を履かせ、ベッドから立たせる。ふらつくマリナを支え、部屋を出た。
マリナは抵抗することもできず無理やり歩かされた。
張り型を挿入されたままなのもそうだが、下着も身につけることを許されず、素肌にワンピース一枚だけを纏った状態で外に出るのも辛かった。
マリナとユリウス以外誰もいないことが唯一の救いだった。
使用人はいるようなのだが、マリナは一度も姿を見たことがない。ユリウスがマリナの姿を誰にも見せないようにしているからだ。食事など、必要なものを部屋に運んでくるのはユリウスだけで、別荘に来てからマリナはユリウス以外誰とも顔を合わせていなかった。
今日も、前もって人払いしていたようで、別荘の中にも庭にも、誰もいなかった。
久しぶりに外に出たが、景色を楽しむ余裕などない。
歩くたびに張り型が擦れ、蜜が溢れ、張り型が滑り落ちてしまいそうで怖くて、膣内を強く締め付ければ更に中を擦られる刺激は強くなり、マリナはまともに歩くこともできなかった。
ユリウスに体を支えられていなければ、立っていることも難しい状態だ。
マリナはユリウスのシャツをきつく掴む。
天気は快晴で、外は爽やかな風が吹いていた。
それなのにマリナは体を火照らせ、太股は張り型の隙間から滲み出た体液でぬるぬるに汚れている。
清々しい外の空気に似つかわしくない自分が堪らなく恥ずかしい。
もう、早く部屋に戻りたかった。こんな状態で歩き回るくらいなら、部屋に閉じ込められていた方がいい。
「あっ、んっ、ユリウス……っ」
「マリナ、向こうの花壇を見に行こう。綺麗な花が咲いてるんだよ」
ユリウスが足を踏み出せば、腕にしがみつくマリナもついていくしかない。
「んあっ、あっ、あっ、あぁっ」
ぐりゅぐりゅと、硬い張り型が容赦なく肉襞を抉る。張り型では届かない、最奥が疼いた。ユリウスに慣らされた体は、こんな刺激では足りないと訴えている。彼の熱で中をいっぱいにして、擦り上げて、奥をたくさん突いてほしい。子宮がきゅんきゅんして、マリナは耐えるように内腿を擦り合わせる。
そのとき、ガクッと膝の力が抜けた。ユリウスの腕がマリナの腰を掴む。転倒は免れたが、ずるりと張り型が抜けた。
「あぁっ、あっ、あー……っ」
マリナとユリウスの体液にまみれた張り型が地面に落ちた。
「ああ、落としちゃったから、それはもう入れられないね」
片腕でマリナを支えながら、ユリウスは張り型を拾う。
「うっ……ふ……っ、ごめん、なさい……っ」
マリナはぽろぽろと涙を零して謝った。
ぎゅっと脚を閉じるけれど、膣穴から体液が滴り落ち、太股を伝い流れていく。
お仕置きされてしまうのだろうか。
「せっかくマリナの中に出した僕の精液、このままじゃ全部垂れてきちゃうね」
二人分の体液で汚れるマリナの太股を見て、ユリウスは微笑む。
「張り型は使えないから、他のもので栓をしなくちゃね」
「え……?」
ユリウスの言葉に、まさか、と嫌な考えが頭を過る。
怯えた瞳で見上げれば、ユリウスは見惚れるほど綺麗な笑みを浮かべた。
その笑顔に、マリナは自分の考えが当たっているのだと気づく。気づいたところでどうすることもできず、狼狽している間に片脚を抱えられた。
「あっ、待って、ユリウス……っ」
「ダメだよ。早く塞いでおかないと」
「んっ、ひああぁっ」
立ったままの不安定な状態で胎内を貫かれる。後ろに倒れてしまいそうで怖くて、正面のユリウスに強くしがみつく。
ぐぷぐぷ……っと、奥深くまで男根が埋め込まれた。張り型では届かなかった子宮口をごりっと擦られ、マリナの顔は快感に蕩ける。
「あっ、あぁっ、おっきぃの、奥まで……んあぁっ」
「っはあ……これで、零さずに済むね」
「んんっ、あっ、あっ、あぁあっ」
「すっかり気持ちよくなっちゃって……。これじゃあもう、散歩どころじゃないね」
「んっ、ふぅっ、んんっ、ぁんっ」
ぱくりと唇を食べられ、すぐに舌を絡ませる濃厚なキスを施される。
動き回る舌に口腔内を蹂躙され、マリナの思考は溶けていく。気づけば外だということも忘れ、夢中になって彼の唇を味わっていた。
「んふぁっ、あっ、ユリウスぅ……」
「可愛いよ、マリナ。部屋に戻ろうか。またたくさん可愛がってあげる」
そう言って、ユリウスはマリナのもう片方の脚も抱え上げた。
「あああぁっ」
完全に体を持ち上げられ、マリナは目を見開いて甲高い悲鳴を上げた。
剛直に串刺しにされているような状態にマリナは怯える。胎内を圧迫され、亀頭で子宮口をごりごり擦られ、恐怖と快楽に涙が止まらない。
ぶるぶる震えるマリナの体をしっかりと抱え、ユリウスはそのまま歩き出した。
「んひぁっ、あっ、あぁっ、あっ、ひっ」
ユリウスは一歩一歩足を踏み出す。ゆっくりとではあるが、彼が歩くたびに中に刺激が伝わる。ずんっと響いて、陰茎で奥を抉られ、全身に痺れるような快感が走り抜けた。
「ひうっ、ぅあっ、あっ、まっ、あっ、ユリウスぅっ」
「はあっ、すごいね、イきっぱなしになってる……」
「んゃああっ、あぁっ、あーっ」
「あっ、マリナの中っ……とろとろの襞が絡み付いてきて、すごくきつくて、歩いてるだけなのに、イッちゃいそうだよ……っ」
ユリウスの息も乱れ、頬は紅潮し、額には汗が滲んでいた。
彼の欲情した表情にぞくぞくして、更に強く内部を締め付けてしまう。
その刺激に、ユリウスは顔を歪めて呻いた。
「くっ、はっ……そんなに気持ちいい? マリナが喜んでくれるなら、もっと頻繁にお散歩しようか」
「やあぁっ、あぁっ」
それほど遠くまで出ていなかったので、すぐに別荘の中に戻ってきた。しんと静まり返った空間に、マリナの嬌声と淫らな水音が響く。
「やっ、もぉ、あぁっ、お願いっ、抜いてぇっ」
「っ……でも、抜いたら、僕の注いだ精液零しちゃうでしょ……? ぽたぽた垂らして、汚れた廊下を使用人に掃除させるの?」
ユリウスにそう言われ、マリナは強く首を横に振った。そんなこと、想像しただけで恥ずかしくて消えたくなる。本当に、もう二度と誰とも顔を合わせられなくなる。
「やあっ、そんなの、ぃやぁっ」
「僕も嫌だよ。マリナの漏らした蜜を誰かに見られるなんて許せない。見るのも、触れるのも、味わうのも、僕だけだよ。そうでしょう?」
違う、と言いたい。ユリウスにだって見られたくないし、触られたくない。ましてや味わわれるなんて、恥ずかしいから嫌だ。
でも、ここで否定すればお仕置きされる。ユリウスの暗い闇を孕んだ視線が、否定することを許さない。
マリナは小さく頷いた。
途端に、ユリウスは蕩けるような甘い微笑を浮かべる。
「じゃあ、このまま部屋まで行こうね」
「んひぃんっ」
ユリウスがマリナを抱え直す。
体を揺さぶられ、中を強く擦られ、マリナはまた絶頂を迎えた。
部屋に辿り着く頃には、マリナはもう心身共にくたくただった。
それなのに、そんなマリナをベッドに下ろし、ユリウスは穏やかな笑顔で言う。
「可愛がってあげる前に、お仕置きしないとね」
「おし、おき……?」
マリナは言われたことの意味がわからなくて、呆然と彼を見上げる。
「そうだよ。散歩の途中で張り型を落としちゃったから、そのお仕置き」
「えっ……?」
体を繋げたままここまで運ばれたことで充分お仕置きになっていたと思うのだが、ユリウスにとっては違うらしい。
「どんなお仕置きをしてあげようか」
ユリウスは楽しそうに目を細める。
恐怖に震える心とは裏腹に、マリナの膣穴は期待するように蜜を漏らす。
何度も何度も彼に抱かれ、もう取り返しがつかないほどに自分の体を作り替えられてしまった気がした。
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