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魔法少女になったら結果的に街に平和が訪れた 1
しおりを挟む男子高校生の悠太が妹の代わりに魔法少女になって魔物を倒しに行ったら魔王に捕まって見初められてエロいことをされる話。
細かい設定は一切考えていないアホエロです。
現代 女装 触手 淫語
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「お願い、お兄ちゃん!!」
部屋に駆け込んできた妹が、悠太の前でぱんっと手を合わせる。
「これからデートなのに、魔物が出たって連絡が来ちゃったの! お願いだから、あたしの代わりに行ってきて!」
「で、デートって……佳奈子お前、まだ中学生だろ! デートなんて早すぎないか?」
「なに言ってんの、お兄ちゃん。今時幼稚園児だってデートくらいするんだよ? そういう発言、やめた方がいいよ。恥ずかしいから」
「んな……!」
「そんなことどうでもいいから、あたしの代わりに魔法少女に変身して魔物を倒してきてよ」
絶句する悠太を無視して、佳奈子は魔法のステッキを差し出してくる。ハートの飾りにリボンが結ばれた、ピンク色のステッキだ。
「代わりにって……。俺、魔物と戦ったことなんてないのに、どうやって……」
「あたしだって最初はそうだったけど、どうにかやってこれたんだから大丈夫でしょ」
「でも俺、男子高校生だぞ? 魔法少女になんてなれないだろ」
「大丈夫。この魔法のステッキを使えば誰でも変身できるから。変身すればステッキで魔法も使えるから」
「でも魔法って、あの恥ずかしい呪文を言わないと発動しないんだろ?」
「あたしだってね、恥ずかしいの。でも街の平和のために、恥ずかしいの我慢して頑張ってんの。お兄ちゃんもたまにはあたしの苦労を思い知れよ」
真顔の佳奈子にグイグイとステッキを押し付けられ、悠太は顔をひきつらせた。
「お前、目的変わってないか?」
「変わってねーよ。いいからとっとと変身しろよ。デートに間に合わなくなるだろ」
妹に凄まれ、悠太は渋々ステッキを手に取った。
「ほらほら、早く変身して」
「佳奈子、これからデートなんだろ。魔物は俺が倒しとくから、お前はもう行っていいぞ」
「まだ時間あるから大丈夫。お兄ちゃんがちゃんと変身できるかあたしがしっかり見てるからうだうだ言ってないでいいからさっさと今すぐあたしの目の前で変身しろ」
「う……」
できれば一人で部屋に閉じ籠ってこっそり変身したいのだが、妹に向けられるプレッシャーが怖くて逆らえなかった。
悠太はステッキを頭上に掲げる。そしてくるくると回した。
「ま、魔法少女になーれ」
心の中で羞恥に悶えながら、悠太はその恥ずかしいセリフを口にした。
ステッキからキラキラと光の鱗粉が舞い落ちる。キラキラ、キラキラと輝く小さな光の粒が悠太の全身に降りかかった。するとあら不思議、悠太の着ていた学ランが魔法少女のコスチュームへと変化した。
ピンク色のフリフリの可愛らしい衣装だ。胸元に大きなリボン。肘まで隠れる長手袋。パンチラ目的としか思えない短いスカート。ニーハイソックス。ブーツ。全てピンク色で統一されている。
自分の服装をじっと見下ろして、それから佳奈子へと顔を向けた。
彼女はおぞましいものを目にしているかのような顔でこちらを見ていた。
「似合わねー」
「当たり前だろ! こんなもん似合ってたまるか!」
「こんなもんってなに? あたしは魔物が出現するたび、毎回毎回そのこっぱずかしい格好で街の平和のために頑張ってんだよ」
「…………お前、相当たまってんだな」
「ああ?」
「いや、その、佳奈子なら似合うだろうけど、俺にはかなり無理があるというか……」
佳奈子は誰もが認める美少女だが、兄である悠太の容姿は平凡だ。いや、平凡より少し下だ。血の繋がりを疑われるほど似ていない。だが血はちゃんと繋がっている。正真正銘の兄妹だ。
せめて美少年ならまだよかったのだが、決してその部類には入れない自分がこんなコスチュームを身に付けているのかと思うとゾッとする。
短い髪も、無理やり二つに結ばれていた。ピンク色のリボンで。
佳奈子の言う通り、彼女はいつもこの格好で敵と戦っている。だから佳奈子のこの姿は見慣れていたのだが、自分で着るとなるとその衝撃は大きい。
スカートなんてはじめて穿くので、下半身もスースーして落ち着かない。
「…………ん?」
下半身に意識を向けて、漸く違和感に気づいた。
佳奈子に背を向け、スカートを捲って中を確認する。
「な、なんでパンツまで変わってるんだ!?」
悠太が身に付けていたのは、ピンク色のレースの紐パンだった。もちろん悠太が穿いていたものではない。魔法少女に変身したときにパンツも変化したのだ。
悠太は振り返った。
「どういうことだ!?」
「どうもこうも、それも魔法少女のコスチュームだから」
「パンツ込みで!? しかもこんな破廉恥なやつが!?」
「文句なら博士に言ってよ。魔法のステッキ作ったのって博士だし、博士の趣味なんじゃないの?」
博士とは、佳奈子を魔法少女にスカウトした人物でもある。
「え、博士ってそんなヤバい奴なのか? 佳奈子、お前大丈夫なのか? セクハラされてないだろうな? エロい目で見られてるんじゃ……」
「んー。今のとこそういうのはないかな」
「なにかあってからじゃ遅いだろ。もう魔法少女なんて辞めた方がよくないか? なんかお前性格荒んでるし」
「うーん。でもなー、時給いいんだよねー」
妹の本音に悠太は遠くを見つめる。
それってつまり街の平和のためじゃなく、金のために魔法少女やってるってことなんじゃ……。そうは思ったが黙っていた。
佳奈子は時計を見てあっと声を上げる。
「もうこんな時間だ。そろそろ準備しないと。じゃあお兄ちゃん、よろしくね」
「ま、待ってくれ! 俺、本当にこの格好で外に出るのか? 魔物倒す前に、俺が警察に捕まったりしないか!?」
「スカートの中見せて歩き回るわけじゃないんだから大丈夫でしょ。ほら、これ」
佳奈子が手渡してきたのはサングラスだった。レンズはピンク色だ。これをかければ顔を隠せるだろう。この姿を知り合いに見られでもしたら、もう死ぬか引きこもるかのどちらかしかない。
悠太はサングラスをかけて顔を隠した。心許ないけれど、マスクまでしたら変質者っぽさが増幅されるだけだ。
「なあ、パンツ取り替えてもいいか? これ、物凄く落ち着かないんだけど」
「取り替えたら防御力落ちるけど、それでもいいなら取り替えたら?」
「え、マジで!? このパンツの防御力ってどれくらい?」
「パンツ穿いてたら擦り傷で済む怪我が、パンツ穿いてなかったら大怪我になる感じ?」
「ええ、そんな変わるのか!?」
「判断は自己責任でお願いします」
「そんなん言われたら取り替えられねーだろ!!」
「別にいいじゃん。誰に見られるわけでもないんだし」
「うう……」
穿き心地が悪いからって穿き変えて、それで大怪我する羽目になったら後悔するだろう。少しの辛抱だ。悠太は我慢することにした。ブラジャーがないだけましだと思おう。
魔物の居場所を知らせてくれる端末を佳奈子に渡され、それとステッキを持って悠太は家を出た。
端末に表示された地図を確認しながら、人目を避けつつ急いで魔物の出現場所へ向かった。
着いた先は埠頭の倉庫だった。今は使われていない、寂れた倉庫だ。そんな場所なので、人も全くいない。
襲う人間もいない、こんな辺鄙な場所に現れて、一体なにがしたいのだろう。目的はわからないが、被害が及ぶ前に魔物を倒さなくては。
悠太は倉庫の中へ足を踏み入れた。中では十数体の魔物がうようよと蠢いていた。大きな球体のものや、蛇のようなもの、鳥のようなもの。姿形のバラバラの魔物がそこにいた。
悠太はステッキを構える。
戦い方は知っていた。佳奈子の戦闘シーンを何度も見ていたから。悠太にとっては可愛い妹だ。彼女が危険な目に遭っていないか、できる限り遠くから見守っているのだ。
魔物にステッキを向ける。呪文を唱えれば、それだけで魔法は発動する。難しいことはなにもない。呪文も佳奈子が唱えているのを聞いているので覚えている。
悠太は覚悟を決める。ここに誰もいないことが救いだった。
「ラブリーフラワーシャワー!」
ピロリロリリンと軽快なメロディと共に、ステッキの先から魔法が発動する。ピンク色の靄のようなものが、魔物に向かって飛んでいく。魔物にぶつかると、ピンク色のたくさんのハートが弾けた。
呻き声を上げながら魔物が消えていく。まずは一体、倒すことができた。
すかさず、次の敵にステッキを向ける。
「プリティーハートアタック!」
呪文を唱え、魔法が発動し、更にもう一体の魔物も倒した。
魔物は魔法攻撃でしか倒せないが、魔法攻撃にはめちゃくちゃ弱い。一発魔法を当てればすぐに消える。
魔法を使うと生命力が奪われるだとか、体力を削られるだとか、そういったデメリットは一切ない。魔法少女に変身し、ステッキさえあれば、誰にでも、無限に魔法を使うことができる。
ただし、このくそ恥ずかしい呪文が発動条件なのだ。
魔物は凶悪な外見の割に大した攻撃はしてこない。動きも遅い。だから数が多くてもステッキさえあれば苦戦することはない。
悠太も順調に魔物を倒していく。
けれど呪文を唱えるたびにかなりの精神的ダメージが悠太に襲いかかった。
「キューティースターボム!」
なんなんだろう、この呪文。恥ずかしすぎる。佳奈子はいつもこんな羞恥に耐えながら戦っていたのか。何度も何度も、こんな恥ずかしい格好で、恥ずかしい呪文を唱えながら、街の平和を守っていたのだ。金のためとはいえ、心から尊敬する。あいつは勇者だ。というか、この呪文考えたのも博士なのか? やっぱあいつヤバい奴なんじゃないか? 手遅れになる前に、魔法少女は辞めさせた方がいいかもしれない。佳奈子が危険すぎる。
そんなことを考えている間に、魔物は全て倒すことができた。
全然疲れていないはずなのに、精神的ダメージが大きすぎてくらくらした。早く帰って休みたい。その前に、さっさとこの衣装を脱ぎたい。
変身を解こうとして、悠太はステッキを頭上に掲げた。
そのとき、ステッキを持った手をなにかに弾かれた。手から離れたステッキが、床に落ちる。
「あっ……!」
慌ててステッキを拾おうとするが、その前に後ろから伸びてきたなにかが体に巻きついてきた。動きを封じるように、腕や足に絡みつくそれは、触手だった。
「くっくっくっ……いい様だな、魔法少女よ」
背後から声が聞こえた。
触手によって、体の向きを反転させられる。声の主を視界に映し、悠太は目を見開いた。
「お前……魔王サタン!」
そこにいたのは悪の親玉、魔物を統べる王、サタンだった。
魔王は雑魚の魔物と違い、人形だ。その上美形だ。艶やかな長い黒髪。見る者を魅了するアメジストのように美しい瞳。陶器のように滑らかな肌。しかも長身。文句のつけどころのない完璧な外見だ。魔族でなければ、人間界でモテモテウハウハな人生を送っていただろう。
全身黒ずくめで、黒いマントを羽織り、いかにも悪役といった風体だ。
悠太を縛り付けるこの触手は、魔王の体から伸びている。魔王は身体中、至るところから何本でも触手を出すことが可能らしい。
悠太は歯噛みした。
触手に囚われ身動きがとれない。ステッキは床に落ちている。魔法を使えなくては悠太にできることなどない。
絶体絶命のピンチだった。
悠太は魔王を睨み付ける。
「俺をどうするつもりだ……!」
「くっくっくっ……どうするだと? そんなの………………ん?」
魔王はまじまじと悠太を凝視する。
「貴様、何者だ? いつもの奴と違うな。偽者か?」
「別に、偽者ってわけじゃ……」
確かにいつもの魔法少女とは違う人物だが、変身しているのだから、今は悠太だって正真正銘魔法少女だ。
どうやら魔王は佳奈子を捕らえたかったようだ。本来なら、佳奈子がここへ来ていた。そう考えると、ここに来たのが自分でよかったと悠太は思った。妹には危険な目には遭ってほしくない。
魔王はギロリと悠太をねめつける。
「貴様、私を謀るつもりだな!」
怒鳴り、魔王は悠太がかけていたサングラスをむしり取った。サングラスはそのまま放り投げられる。
「くっ……」
恐怖を押し殺し、悠太は魔王を見上げた。怯えを態度に出せば、侮られる。負けるものかと、果敢にも魔王を睨み返した。
悠太と魔王の視線がかち合う。
魔王は目を見開いて悠太を見つめる。
「な、き、貴様……っ」
なにやら動揺しているようだ。
そりゃそうだと悠太は思った。自分のような平凡以下の男がこんなフリフリのコスチュームで、魔法少女なんてやっているのだ。驚きもするだろう。
「な、な、なな、な、な」
魔王は驚きすぎて「な」しか言えていない。
さすがに大袈裟ではないだろうか。似合ってないのは自分でもよくわかっている。しかしここまで驚かれると腹も立つ。あまりにも失礼ではないか。
唇を尖らせ、プイッと顔を背ける。すると頬を両手で挟まれ、無理やり魔王の方へ向けられた。
爛々と輝く魔王の目が悠太を見下ろしていた。
「なんて愛らしいんだ……!」
「…………はあ?」
悠太は耳を疑った。とんでもないことを言われた気がする。
「つぶらな瞳、柔らかな頬、小さな鼻、艶かしい唇……」
魔王の指に顔を撫でられ、悠太は声を上げる。
「ちょ、やめっ……離せよ!」
「離せるわけがないだろう!」
逆ギレされて、悠太は口を噤む。
「私はこんな愛らしい生き物を見たことがない! なんて罪深い生き物なんだ! この私を誘惑するなど……!」
冗談としか思えないのに、魔王の表情が本気だと語っている。
ギラギラと獲物を狙う肉食獣のような双眸。頬は紅潮していて、相手の興奮が伝わってくる。
悠太は焦った。別の意味で危機感を覚えた。
「あの、ちょっと、落ち着いて……」
「貴様、名前はなんというのだ?」
「え、いや、その、それは、個人情報だし、言えないっていうか……」
「言え、名前を教えろ」
「ひぃっ」
ずるりと触手が動きだした。服の中に入り込んでくる。じりじりと、首元から肌を撫でるように奥へと進んでいく。足に絡んだ触手も、脚の付け根へとずるずる上っていく。
「や、やだやだやめろっ」
「名前を言ってみろ。その愛らしい唇で、貴様の名を言うのだ」
触手が這い回る感触に、悠太はあっさりと根を上げる。
「ゆ、悠太! 俺の名前は悠太だ!」
「ユータ……ユータか」
触手の動きがピタリと止まり、魔王は満足そうに悠太の名前を繰り返す。
魔王の浮かべる極上の笑顔は、こんな状況でなければ見惚れるほどに美しかった。
「も、もういいだろ……離してくれよ」
「離せるわけがない、そう言っただろう」
「うぅ……俺をどうするつもりなんだよ……」
「くくっ……その泣きそうな表情、堪らないな」
魔王のうっとりとした顔が近づいてくる。
触手に動きを阻まれ、逃げられない。
「や、顔、近づけんな……っ」
「その愛らしい声を囀ずる唇……まるで食べてくれと言わんばかりではないか」
「なに言ってんだよ、よく見ろよ、俺のどこが愛らしいんだよ!」
「どこもかしこも全て愛らしいではないか!!」
魔王はカッと目を見開き断言する。
魔族は美的センスがおかしいのかもしれない。魔族が、ではなく、魔王が、だろうか。
とにかくこのままでは自分の身が危ない。命ではなく身の危険を感じる。
魔王の息がどんどん荒くなっていく。はあはあしながら悠太の頬を撫で回している。
悠太は変質者に狙われる気分を味わっていた。怖くて、体が竦む。それでも強がって、懸命に虚勢を張る。
「は、離せって! こ、こんなことして、絶対にお前のこと許さないからな!」
けれど魔王には通じない。悠太の声は聞こえているが聞いていない。
「はあ……震える声も愛らしい……。もう我慢できない……そのうまそうな唇を目の前にして、我慢などできるはずがない……!」
「うわっ、ちょっ、ん、んん──!?」
熱く滾る衝動のまま、魔王が唇を重ねてきた。
悠太は歯を食い縛り、硬く口を閉ざす。引き結ばれた悠太の唇を、魔王の唇がはむはむと食べるように味わっている。
「はっ……なんて甘くて、柔らかい唇……。さあユータ、中も私に味わわせろ」
「ん──っ」
開いてなるものかと、悠太は唇を噛み締める。
すると、服の中に入り込んできた二本の触手が蠢いた。さわさわと胸元を這い、二つの突起にきゅっと絡みつく。
「ふわぁっ……!?」
思わず声を上げてしまい、開いた唇からすかさず舌を差し込まれた。
ぬるりと侵入してきた舌が、口腔内を動き回る。
「んぅっ……んんっ!?」
人間とは違う舌の形と長さに悠太は狼狽した。驚きのせいで、噛みついてやろうという考えも浮かばなかった。
戸惑う悠太の口内を、長く分厚い舌が思う様蹂躙する。
「んっ……うぅ……んぁっ……」
声も出せず苦しくて、じわりと涙が浮かぶ。送り込まれる唾液を飲み込むことなどできず、ぼたぼたと口から零れて顎がべたべたに汚れた。
長い舌が悠太の小さな舌に絡みつき、余すところなく擦るように舐め回す。上顎を舌で撫でられ、ぞくぞくと体が震えた。
苦しい。でも、それだけじゃない。下半身に熱が集まっていく。
キスとは思えない激しい行為に、悠太は翻弄された。
今まで女の子と付き合ったこともないのだ。告白されたこともないし、告白してもフラれて終わった。だからもちろん、キスだってしたことがなかったのだ。
それなのに、これがファーストキスだなんて信じたくない。こんな、口全部を食べられているかのようなキス、初心者の悠太にはハードルが高すぎる。
「ぷはっ……はっ……はあ……」
唇を解放されると、酸素を求めて懸命に息を吸った。
荒い息を吐く悠太の唇を、魔王の舌がしつこく舐めている。蛇のように長い舌。けれど蛇のそれよりも太い。
「やはり口の中も甘くてうまい……。くく……顔を真っ赤にして……そんな蕩けた瞳で見つめるとは……どこまで私を煽るんだ?」
悠太の目尻に浮かぶ涙を舐め取りながら、魔王の手が胸元のリボンをほどく。服を下に引き下げられ、触手が絡みついたままの乳首が露になった。
「あ、や、やだ……っ」
「思った通り、ここも愛らしい。なんてうまそうなピンク色なんだ……はあ……私を誘惑する、いやらしい体だ」
魔王は舌舐りする。
男なのだから裸を見られたところでなんとも思わないはずなのに、こうもあからさまに情欲を孕んだ視線を向けられると、見られていることが恥ずかしくて堪らない。蠢く触手が余計に羞恥を煽る。
「もうやだ、やめろってば……っ」
「ここまで私を誘惑しておいて、やめろなどと戯れ言を言うのか?」
「してない、誘惑なんて、してないからっ」
「くく……恥じらう姿も愛らしい。やめろだなどと、言えなくしてやろう」
乳首から触手が離れた。そこは触手の刺激で硬くなっていて、気づいた悠太は顔を真っ赤に染めた。
「ああ……私を惑わす、淫らな果実のようだな」
「ひあんっ」
魔王に乳首を舐め上げられ、悠太の口から甘い声が漏れた。
口を塞ぎたくても、触手に腕を掴まれているのでできない。懸命に唇を噛み締めるけれど、淫猥な動きで乳首を嬲られ、声を我慢することができない。
「ふぁっ、あ、やだ、舐めるなぁ……っ」
抵抗は封じられ、悠太はされるがままだ。
ぬらぬらと光る長い舌が、くりくりと器用に乳首を転がす。もう片方は、指でくにくにと押し潰される。
悠太は喘ぎ声が止められなかった。そんな箇所を魔王に愛撫されて感じてしまっているだけで恥ずかしいのに、自分の口から信じられないくらい甘えた声が零れ、余計に羞恥が増す。
「ひあぁっ」
じゅるっと音を立てて吸われ、ガクガクと腰が揺れた。
与えられるのは確かに快感で、そうなると股間が反応してしまうのを抑えられない。レースの紐パンの中で、ペニスが頭を擡げる。
こんなことで感じたくなどないのに、自分でも驚くほど体は快楽に弱かった。頭がぼうっとしてきて、体が求めるままに快楽に溺れてしまいそうで怖かった。
「あんっ、あ、やぁっ」
「そんなに気持ちいいのか? 貴様の可愛い鳴き声は、私の耳を楽しませる。もっと鳴いてみせろ。もっと私に聞かせるんだ」
「ひゃあぁんっ」
更に強い刺激を与えられ、魔王の望むままに甘い嬌声を上げる。
乳首は両方とも唾液でぬるぬるにされ、執拗に吸われたり噛まれたりしたせいで赤く染まり、ぷっくりと膨らんでしまった。
自分のものとは思えない卑猥な変化に、羞恥が募る。
恥ずかしいのに、もうやめてほしいのに、体の熱は一向に引かない。寧ろどんどん高まり、下半身が痛いくらいに張り詰めているのを感じた。
無意識に太股をすり合わせ、腰をもじもじ揺らした。
気づいた魔王が、意地の悪い笑みを浮かべる。
「どうした? そんなにいやらしく腰をくねらせて」
「ち、違っ……してない、そんな……」
「くく、どうだろうな。もう大変なことになっているのではないか? 下着を汚していないか、私が確認してやろう」
「やだ、だめ、やめろ!」
悠太はめちゃくちゃに暴れるが、絡みついた触手がそれを許さない。抵抗できず、スカートの中を暴かれる恥辱に悠太は震えた。
触手が、ゆっくりとスカートを捲り上げていく。
「やだ、見るなぁ……っ」
制止の声は、意味を持たないくらい弱々しいものだった。
短いスカートは、あっさりと全てを曝け出してしまう。
ピンク色のレースの紐パン。その小さな布切れからはみ出すペニスは、完全に勃起している。先端から滲み出た体液が、下着を汚していた。
魔王が食い入るように股間を凝視している。
「見るなってば……!」
「ユータ……貴様、男だったのか……?」
「はああ!?」
今更なに言ってんだ。
まさかとは思ったが、冗談ではなく本気のようだ。
もっと早く気づけよ。なんで気づかないんだよ。
おかしいのは美的センスだけではないらしい。
色々と言いたいことはあったが、なんだかもう疲れてしまって言葉にならなかった。
魔王は、とても信じられないが悠太を女と勘違いしていた。そう、女だと思っていたからキスやらあれこれ仕掛けてきたのだ。顔が好みだとはいえ男だとわかった以上、もう手を出してくることはないだろう。
悠太はそう思った。そして心から安堵したのだが。
「男だというのに、こんな扇情的な下着を身につけ……本当に、どこまでも私を煽るのだな」
「いや、寧ろ萎えるだろ」
「こんなもの穿かなくても、ユータの存在が私を誘惑するのだ。だが、ユータがこうまでして私を誘惑したいのなら、貴様の望み通り誘惑されてやろう」
「え、ちょ、待っ、なに言って……っ」
なんか勝手に変な解釈されている。
誘惑するためにこんな格好していると思われている。つまり色仕掛けと思われているのだろうか。
なんでそんな考えに至るのだろう。断じて、好きでこんな格好をしているわけではない。似合うとも思ってない。
どうにか誤解を解きたいが、全く話が通じる気がしない。
どうするべきか考えあぐねていると、魔王の手にするりと太股を撫でられた。
「うわあっ、ま、待って待って待った!」
「どうした? 焦らしているのか?」
「違う! お、俺のこと、女だと思ってたんだろ? だからき、キスとか色々したんだろ? でも、見てわかる通り俺は男だ! だから」
「別に、女だと判断したから手を出したわけではない」
「え?」
「スカートを穿いていたから女だと思っていただけだ。魔族は性別など気にしない。女だろうと男だろうと関係ない。ユータだから、触れたいと思うのだ」
「うぐっ……」
告白めいた発言に、不覚にもときめきそうになった。仕方ない。悠太は今まで告白されたことなどなく、恋愛経験ほぼゼロなのだから。
これが、気持ちの籠っていない上滑りな言葉だったらなら、悠太だって心を動かされたりはしない。けれど、真っ直ぐに向けられる熱を孕んだ視線が、本心であると物語っているのだ。
こいつは魔王。こいつは魔王。悠太は必死に自分に言い聞かせる。魔王で、しかも性別は雄だ。そんな相手にときめいてどうするのだ。
懸命に理性を保とうとする悠太の顔を見て、魔王が喉の奥で笑う。
「どうした? そんなに顔を真っ赤に染めて。まるで熟れたリンゴのようだ。私に食べてほしいのか? 早く食べてくれと、私に催促しているのか?」
「ちっが……」
「焦らずとも、残さず食べてやろう。じっくりと味わってな」
「ひっ」
魔王の指が、ペニスに触れる。つうっと裏筋を撫でられ、それだけで新たな体液がとろとろと溢れた。指が動くたびに、にちゅにちゅと卑猥な水音が響く。
「少し撫でただけだというのに……もう私の指は、ユータの蜜でぬるぬるだぞ」
「ひあぁっ」
熱い吐息を吐きながら耳元で囁かれ、ぞくぞくっと背筋に震えが走った。また蜜が零れる。
ペニスも、魔王の指も、下着も、既にどろどろだ。
レースの下着が張り付いて気持ち悪い。それに窮屈だ。
脱ぎたい。横の紐を引っ張るだけで、解放される。けれど今の悠太は、それすら許されていない。
「んんっ、ん……っ」
「どうした? 脚を閉じるな、ユータの可愛いここがしっかり見えなくなるだろう」
太股を擦り合わせようとすると咎められ、触手に更に大きく脚を開かれてしまった。
「や、パンツ、脱ぎたい……っ」
「私に脱がせてほしいか?」
「っ……脱がせて、ほしい」
「可愛いおねだりだ。腰をくねらせて、脱がせてほしいだなんて……」
目を細め、魔王は恍惚とした表情で悠太を見つめる。
「だが駄目だ」
「な、なんで、脱ぎたいのに……っ」
「せっかく私のために着飾ってきたのだろう? 脱がせるのはもったいない。このまま可愛がってやる」
違う。断じて違う。声を大にして言いたい。
けれど指の腹で鈴口を擦られ、悲鳴を上げることしかできなかった。
「ひうぅっ、やだ、あっ、だめっ」
敏感な先端をぐちゅぐちゅと撫で摩られ、悠太は首を振り立ててよがった。
大きな掌が全体を包み込み、扱き上げる。
自慰は自分の手でしか行ったことのない悠太には、刺激が強すぎて涙が零れた。
流れた涙に、魔王がちゅっと吸い付く。
「泣くほど気持ちがいいか? 可愛い奴だ。こんなに腰を震わせて」
「ああっ、いく、もう出るっ、離してっ」
「このまま、私の手で果てるのだ。私の手で上り詰める顔を見せろ」
「やだ、あっ、だめ、だめだめっ、そんなに速くしちゃ、あっ」
「ほら、イけ」
「ひあっ、いく、いく、あっ、あああぁっ」
悠太はガクガクと腰を揺らしながら射精した。ドロリとした体液が飛散する様を、呆然と見つめる。
脱力し、足に力が入らない。触手に支えられていなければ倒れていただろう。
だらしなく開いた唇から垂れた唾液を、魔王が舐めた。
「ユータ……なんて愛らしい……。私を惑わせる、貴様こそが魔性の生き物だな」
「ふぁ……はっ……はあ……」
「貴様の全てが愛おしく、狂おしいほどに、私の心は掻き乱される。貴様の全てを私のものにしたい……本当に、食べてしまいたい……」
狂気の滲む言葉を吐き、魔王はその場に膝をついた。そして精に濡れたペニスに、躊躇いなく舌を伸ばす。
「ひあぁっ」
吐き出された精液を舐めとるように、舌が絡みつく。掌の感触とは全く違う強烈な刺激に、悠太の欲望は再び硬く張り詰める。
「やだやだっ、離せっ、やあぁっ、だめ、舐めないで、汚い、汚いから、離してぇっ」
かぶりを振って声を上げるが、魔王の口は離れない。それどころか、口の中にペニスを咥え込んでしまう。
ぬるぬるの粘膜に包まれ、悠太は快楽に身悶えた。
長い舌が裏筋をねぶり、濡れた音を立てて吸い上げられる。
ペニスを唇で愛撫しながら、指で優しく陰嚢を揉み込む。
「いやっ、もう出る、出ちゃうから、口、離して、あぁっ」
すぐにまた射精感に襲われ、悠太は必死に訴えた。このままでは口に出してしまう。
腰を引こうとするけれど、がっしりと触手に押さえ込まれて動かせない。
射精を促すように、幹を手で扱きじゅるりと先端を吸い上げる。
そんなことをされれば、悠太はもう耐えることなどできなかった。
「あっ、あ──っ!」
びゅくびゅくと、魔王の口内で精液を放出する。
魔王は喉を鳴らしながら、最後の一滴まで残さず嚥下した。
最後にちゅうっと鈴口を吸い残滓まで吐き出させてから、漸く口を離した。
口の中に射精してしまい、しかも出したものを飲まれてしまったショックで、悠太は放心していた。
「はあ……なんて美味いんだ。貴様の体はどこもかしこも甘い。これだけでは足りん。私を狂わせる、禁断の果実のようだ。もっともっと味わいたい。味わい尽くしてやろう」
わけのわからないことをうっとりとした表情で囁いて、再びペニスに舌を這わせてくる。
我に返った悠太は、がむしゃらに暴れた。けれど触手はびくともしない。力では決して敵わない。
悠太は恥もプライドも捨て、懇願した。
「や……もうやだ、頼むから、もう離して」
「だめだ。貴様はもう、私のものだ。離すものか」
触手が身体中を這い回る。レースの下着の横から入り込んだ触手が、臀部を痴漢のように揉みしだく。その細めの触手が、狭間にある蕾に触れた。
「ひっ!?」
悠太はビクッと肩を竦ませる。
とんでもない部分を触られて、血の気が引いていくのを感じた。
魔王がなにをしようとしているのか、これから自分の身になにが起こるのか。少ない知識でそれを察して、悠太は慌てふためいた。
「ま、ま、ちょ、待っ、だめ、むり、待って、無理だから!」
「大丈夫だ。貴様の体は、私が隅々まで味わってやる」
なにが大丈夫なのだろう。全く話が噛み合わない。
しかし悠太も混乱していて、自分がなにを言っているのかわからなくなっていた。
「無理だって! 死ぬって! 裂ける! 真っ二つに裂けて死ぬ!」
「死なせるわけがないだろう。ユータは死ぬまで私の傍にいるのだから」
「いやだから、今死ぬんだって!」
「案ずるな。ユータは私が守る」
「お前が殺すんだろ! 俺はじめてなんだぞ! それなのに触手プレイとか! 怖すぎるだろ!」
悠太の言葉に、魔王ははっと目を瞠る。
「はじめて……。そうか、ユータは、はじめてを私に捧げようと……そのために、私の前に現れたのだな」
魔王は感極まったように瞳を輝かせた。
「大丈夫だ。私のものを受け入れてもユータが痛みを感じぬよう、時間をかけて慣らしてやる」
「ひぃっ」
アナルに触れていた触手がぬるりと滑った。先端からなにかを分泌させているのか、濡れた感触がする。丹念に粘液を塗り込むように、触手が繊細な動きで蕾を撫で回す。
「ひぁんっ、や、やだって、言ってるのに……怖いって……っ」
「怯えるな。ユータには傷一つつけない。私を信じろ」
「信じ、られっ……ひ、あっ、やあぁっ」
ぷちゅっと音を立てて、触手が挿入された。ほんの少しだけ埋め込んだ状態で、粘液を注入する。少量だったけれど、その感覚に悠太は体を震わせた。
「あうぅ、やっ、ぬるぬる、する……っ」
「狭い……。本当にはじめてなのだな。この温かく、絡みつくような締め付けを味わうことができるのは、私だけだということか……」
意味不明な感動をしている魔王の言葉に、疑問を感じる。
「なんで、せ、狭いとか、温かいとか、わかるんだよ……?」
「入っているのだから、わかるだろう?」
「入ってるって、触手がだろ?」
「これらは私の体の一部だ。ちゃんと感覚はある」
「えっ……」
「でなければ、使わない。貴様に触れていいのは、私だけだからな」
「か、勝手な、こと、言うな……あっ」
熱っぽい眼差しを注ぎながら言われると、相手が魔王だとわかっていても雰囲気に飲まれてときめきそうになってしまう。
「この、私を受け入れるための小さな穴も」
「ひゃうっ」
触手がアナルを広げるようにぐにぐにと蠢く。
「ここも、ここも」
触手が陰嚢とペニスに優しく絡みつく。
「ここも」
触手が二つの乳首を絞るように捻り上げる。
「ここも」
触手が喘ぎ声を漏らす唇に侵入してくる。
「ユータの全ては私のものだ」
そう言って、魔王は触手の絡みつくペニスに舌を這わせる。
「んあぁっ、ふ、んんぅっ」
悠太が苦しげに眉を寄せれば、触手は口の中から引き出される。けれど唇から離れない。
「やだっ、色んなとこ、一気に、触っちゃ……ひんんっ」
やめてほしいと哀願するが、聞いてはもらえない。それどころか更に触手を増やされ、耳や背中まで愛撫してくる。
再び口の中に触手が入ってきた。ぐちゅぐちゅと激しく出し入れされ、口腔内を犯されているような感覚になる。
噛みついてやろうかと考えたが、緑色の血が吹き出す光景を想像してしまい躊躇った。実際の血の色が何色なのかは知らないけれど。
結局なにもできず、好き勝手に口の中を蹂躙された。
その間にも乳首やペニスへの刺激はつづけられ、快楽に頭がおかしくなりそうだった。
アナルに挿入された触手は、徐々に奥へと進んでいく。進むたびに粘液を注入してくる。傷一つつけないという言葉通り、ゆっくりと慎重に拡張されていた。
こんな時間が長々とつづくくらいなら、いっそ一思いにやってほしかった。このままでは本当に自分が自分でいられなくなりそうだ。
「やらぁっ、もういい、もうやめてっ、おかひくなるよぉ……っ」
「大丈夫だ、ユータ。私に全て任せろ。その身を委ねるのだ」
「いやだあぁ……っ」
相手は話の通じない変質者……魔王だ。なにをしてもなにを言っても、もう逃げられる気がしなかった。
後ろに入れられた触手はゆっくりとだが確実に深く捩じ込まれていく。
じりじりと肉襞を這う触手が、膨らみを擦った。
「あぁんっ」
びりびりと痺れるような快感が走り抜け、悠太は身悶えた。
「ここが気持ちいいのか?」
「ひゃっ、やめっ、あっ、そこ、やだぁっ」
目を見開き、首を振り立てる。
触手は重点的にそこを嬲りはじめた。
甲高い悲鳴を上げながら、そこが前立腺なのだろうと頭の隅で考える。知識としては知っていたが、与えられる快楽は想像以上だった。なす術もなく、悠太は翻弄された。
身体中の至るところを刺激され、悠太の思考はぐずぐずに溶かされていく。怖いのに気持ちよくて、逃げたいのかこのまま凌辱されたいのかわからなくなる。もし次の瞬間にも魔王の気が変わってあっさりと突き放されたら、悠太は自分から快楽を求め縋りついてしまうかもしれない。
そんな自分の考えに恐怖し、けれどその恐怖もどんどん薄れていく。淫楽に頭が支配される。
涙を流しながら、悠太は淫らに腰をくねらせた。
「ふあぁっ、あっ、らめ、奥、そんな奥まで、入っちゃだめっ、あんっ」
「そんなに気持ちいいか? 可愛い声で鳴く。ここも、蜜でどろどろだ」
魔王は先走りを漏らす鈴口にちゅっと吸い付く。
既にペニスは限界まで張り詰めている。けれど細い触手が根本に絡みつき射精を阻んでいた。
「やらぁっ、もういきたい、出したい、出させてぇ……っ」
「まだだめだ。後でたっぷり出させてやる」
粘液でぐちゅぐちゅにされた後孔は、もうかなり深くまで触手を受け入れていた。悠太は気づいていなかったが、触手は徐々に太さを増している。固く閉ざされていた後ろの穴は、もうすっかり解されていた。
それでも触手は、更に奥へ進もうとする。
「やだ、もうむり、もう怖い、奥怖い、お腹変になるぅっ」
「怖がるな。ユータの好きなところを擦ってやるから」
そう言って、触手で広げられたアナルに指が差し込まれた。触手と指を同時に受け入れても痛みなど感じなかった。
侵入してきた指が、敏感な膨らみをこりこりと擦る。
「ひっ、あぁっ、やだ、だめ、そこだめぇ……っ」
射精を阻まれた状態では、強すぎる快楽は苦痛でしかない。
悠太はぽろぽろと涙を零した。
「もうだめ、やらっ、お願い、もう許して、お願いっ」
「いやらしく腰をくねらせて、ユータはねだるのが上手いな。触手ではなく、そんなに私のものが欲しいのか?」
悠太は深く考えずにこくこくと頷いた。とにかく今の状況から解放されたかった。
「ほしいっ、ほしいから、もうお願い……っ」
「本当に貴様は可愛い。なんでも言うことを聞いてやりたくなるな」
魔王は指を引き抜いた。それからゆっくりと、ぬるぬるになった肉筒を擦りながら触手も引き出されていく。その感覚にぞくぞくと体が震え、ペニスの先端から新たな先走りが零れた。やがて、ちゅぽんと卑猥な音を立てて触手が胎内から出てきた。
ペニスは戒められたままで、体は解放を求めて疼いている。早くこの熱を吐き出したい。その強い欲求が悠太の頭を占めていた。
魔王は立ち上がり、愛しげに悠太を見つめる。悠太の顔は涙と汗と鼻水と涎でぐちゃぐちゃなのに、愛おしそうに微笑んで、頬に触れた。汚れた悠太の顔に、キスをする。
触手が悠太の体を持ち上げた。脚を大きく広げられ、股間を差し出すような体勢にされる。それでも悠太はされるがままだった。
「ユータ、私のものだ……」
レースの下着を横にずらされ、ぐりっと、熱い塊がアナルに押し付けられた。
視線を向けると、それは魔王の陰茎だった。
悠太のものよりも遥かに太くて長い。血管が浮き出て、黒ずんだ見た目はまさに凶器のようだった。膨らんだ亀頭が、アナルにめり込んでいる。
「あ……っ」
悠太の瞳が恐怖に揺れる。けれどそれは一瞬のことだった。
本格的に怯える前に、肉棒が捩じ込まれる。その衝撃で、恐怖は掻き消えた。
「ひあっ、あっ、あっ」
大した抵抗もなく、解された後孔は太い陰茎を飲み込んでいく。感じるのは内臓を押し上げられるような圧迫感と、硬い楔で内壁を擦り上げられる快感。
ゆっくりと腰を進めながら悠太を抱き締め、魔王は熱い息を吐く。
「はあっ、ユータ、私のユータ……美味そうに私のものを締め付けて……堪らない……もっと、奥まで受け入れるんだ」
「やあぁっ、もう、いっぱいだから……入んないよぉっ、んあっ、あぁっ」
まだ先端しか入っていないのに、胎内はぱんぱんに広げられているような感覚だった。
「怖がる必要はない……ただ、気持ちいいだけだ」
「だって、おっきぃ、から……っ」
ひんひん泣く悠太の頬に、魔王の唇が触れる。
「はあ……可愛い、ユータ……。怖くない。ユータは大きいのが好きだろう?」
「好きじゃ、ない……怖い、んっ」
「では、これはどうだ……?」
ずるっと肉棒が更に奥へ入り込んでくる。そして硬いエラで前立腺をごりごりと擦られた。
「ひぁっ、あぁっ、らめ、そこ、らめぇっ」
「ほら、気持ちいいだろう? 中が嬉しそうに蠢いているぞ」
「ああぁっ、そこ、そこ、ぐりぐり、されたら……ひっ、あっ」
「気持ちいいか? こっちも気持ちよさそうに蜜を零しているな」
「あぁんっ」
触手にペニスを扱かれ、悠太は快感に鳴いた。射精を塞き止めるために根本に絡みついていた触手の締め付けが緩んだ。射精を促すように、激しく上下に擦られる。
「イッていいぞ、ユータ。好きなだけ出すといい」
「ひぅっ、いく、いくいくっ、あ……っ〰️〰️〰️〰️!」
勢いよく精液が吹き出した。
悠太は陶然とした表情を浮かべ、愉悦に体を震わせた。埋め込まれた雄蕊をきゅうきゅうと締め付け、それによって肉壁が擦られ、更に快感が生まれる。
漸く射精を許された解放感に、悠太は体から力を抜いた。
けれど、射精が終わっても触手は離れなかった。萎えたペニスを扱きつづける。
「ひっ、やら、もういったっ、出したから、離して、ひぁっ」
必死に制止の声を上げるが、触手は離れない。精液で濡れたペニスを、ぐちゅぐちゅと激しく擦る。
爪先まで痺れるような強すぎる感覚に悠太は怯えた。触手を引き剥がしたいのに、悠太には声を上げることと首を振ることしか許されていない。
「やあっ、はなひて、お願いっ、やらぁっ、もう、ちんちん触んないでぇっ」
悠太が本気で懇願しているというのに、やはり聞いてもらえない。
顔をぐしゃぐしゃにして泣く悠太を、魔王はギラギラとした双眸で凝視している。興奮した様子で荒い息を吐き、猛った男根を深く捩じ込む。
「ひゃああぁっ、やめ、お腹、押さないでっ」
「ユータ、ユータ、ああ、なんて可愛いんだ……っ」
「やっ、お願い、もう許してっ、ちんちん離して、漏れる、漏れちゃうからぁっ」
「漏らせばいい。ユータの全てを私に見せろ」
竿を扱きながら先端も擦られ、射精とは違う感覚が込み上げてくる。
どうにか堪えようとするけれど、刺激を与えられつづけ、我慢などできなかった。
「んやああぁっ、あっ、ああぁっ」
ぷしゃあっ、と尿道から勢いよく体液が噴出した。ガクガクと内腿を痙攣させながら、悠太ははじめて味わう快楽によがった。その姿を魔王が目に焼き付けていることには気づかなかった。
吹き出した体液が、悠太と魔王の体を汚す。それを目に写し、強烈な羞恥と罪悪感に襲われた。
「あっ、あぁ……ごめんなひゃいぃ……っ」
「くくっ……たくさん漏らしたな」
「ふうっ……ごめんなさっ、あっ……うう……」
「はっ……本当に、可愛い奴だ。何度でも漏らせばいい」
触手はびしょびしょになりながらも、まだペニスを擦っている。
「やらっ、もうやらっ、あぁっ、ちんちんもう弄らないで、もう出ないっ」
「嘘をつけ。まだまだ出せるだろう?」
「ひうぅっ」
「はあっ、すごいな、ペニスを擦るたびに、後ろがきつく締まって……っ」
「あぁっ、あっ、やあぁっ」
ずんっと腰を突き上げられ、一気に奥まで貫かれた。内奥に突き入れられた状態で、小刻みに腰を揺すられる。肉筒を陰茎の大きさに馴染ませるように、同じ場所にとどまりつづけた。
「ひあっ、あっ、あっ、やっ」
「気持ちいいか? ペニスがまた蜜を漏らしはじめたぞ。我慢せずに出していいからな」
悠太は与えられる快楽の濃さに酔いそうだった。
前と後ろを同時に刺激されるだけでも頭がおかしくなりそうなのに、乳首を弄る触手はまだ動いていて、身体中のあちこちを嬲られ、もうわけがわからなくなる。
凌辱されているのに気持ちよくて、悠太を見つめる魔王の眼差しは蕩けるほどに甘くて、体だけでなく心まで陥落させられそうで怖かった。
「ユータ、ユータ……」
熱っぽく名前を呼ばれ、優しくキスをされると、どうしようもなく心がぐらついてしまう。
気づけば悠太は、自分から魔王の舌に舌を絡めていた。差し込まれた長い舌に、ちゅくちゅくと吸い付く。
深い口づけを交わしながら、これ以上ないと思っていた更に奥へと陰茎を突き立てられた。
「んんんぅっ……!」
衝撃に悠太は目を見開き、思わず魔王の舌に歯を立ててしまった。
胎内の奥の奥まで犯され、悠太はひくひくと喉を震わせる。
魔王は口を離し、糸を引きながら舌を引き抜いた。悠太が噛んだせいで、赤い血が滲んでいる。
「よく頑張った、ユータ。ちゃんと私を受け入れられたな」
「ふぁっ、あっ……ん、は……っ」
魔王の掌が、労るように悠太の頭を撫でる。
みっちりと剛直を埋め込まれ、お腹の中がパンパンに満たされているような感覚だった。
「あぅっ、お尻、いっぱいになってる……うぅっ」
「ああ。ユータの中が、私でいっぱいになっているな」
嬉しそうに言って、魔王は軽く腰を揺する。
「はうっ、ふ、あっ、動いちゃ、やぁっ……」
「ユータは中を擦られるのが好きだろう? 馴染むまで、ゆっくり擦ってやろう」
「ひはっ、あっ、あぁっ」
ずるずると陰茎を引き抜かれ、そしてまたゆっくりと押し込まれる。それを何度も何度も繰り返された。粘液でぬるぬるになった肉壁を、固くて太いもので擦り上げられる。目も眩むような快感に、悠太はまた射精していた。
「あっ、あんっ……んん……っ」
「気持ちいいか、ユータ?」
「い……気持ち、いいっ、あ、いいよぉっ」
「可愛いな、ユータ。私も、もう限界だ」
魔王の両手が、悠太の腰を強く掴んだ。そして、激しく腰を打ち付ける。
「ひああっ、あっ、ああっ」
容赦なく内奥を穿たれ、悲鳴が迸る。
体が揺さぶられるほどの抽挿を繰り返されても、既に快感しか感じなかった。
ごりごりと抉るように擦り上げられ、貫かれる。粘液で柔らかく解された肉襞は、出し入れされる陰茎に纏わりつく。
「ああ、ユータ、すごいな、こんなに必死に私のものに絡みついて……子種を搾り取ろうとうねっている」
「ひんっ、あっ、んああっ」
ぐりぐりと感触を楽しむように前立腺を亀頭でしつこく擦り、それからまた奥を突き上げる。
断続的に与えられる快楽に、悠太は何度も精を吐き出した。ぺニスとそれに絡みつく触手は悠太の精液でどろどろだ。
引き抜かれた陰茎が押し込まれ再び精が溢れるが、もうすっかり薄くなっている。
「ああんっ、ひ、あぁ……っ」
「はあっ、ユータ、たくさん精液を漏らしたな……そろそろ、私も……」
律動が速くなる。悠太はただ喘ぐことしかできない。
「奥に、種付けしてやる……しっかり孕めよ」
「あっ、あああぁっ……」
ごちゅっと強く押し込まれた先端から、熱い体液が放たれる。
「あぁっ、熱い、お腹に、熱いの、いっぱい……っ」
びゅるびゅると、大量の精液が注がれる。悠太は尿を漏らしながらそれを受け入れた。精液で濡れそぼったぺニスから、しょろしょろと温かい体液が流れ出る。
「あっ、ごめ、なひゃ……おしっこ、漏れ……っ」
羞恥と情けなさにぽろぽろと涙が零れる。
溢れる涙を、魔王が舌で舐めた。
「ユータ、なんて可愛い奴だ……顔を真っ赤にして恥じらうユータは、本当に愛らしい」
「あんっ、やだ、お尻、ずんってしないで……っ」
興奮した魔王の荒い息が肌に当たる。
精を放ったはずなのに、胎内に埋め込まれている陰茎は全く萎えていない。しっかりと根本まで挿入されたまま、また腰を揺すられる。
「やあっ、もう体痛い、触手取ってぇっ」
「そうだな。ずっと同じ体勢では辛いか」
魔王は体を繋げたまま床に腰を下ろす。
悠太は彼の体に跨がる体勢になった。絡みついていた触手が、しゅるしゅると引っ込んでいく。けれど陰茎は抜いてもらえない。
下から、緩く腰を突き上げられた。
「ひあっ、やら、もう、しないで、あんっ、やだぁっ」
精液でぐじゅぐじゅになった肉筒を掻き混ぜられ、悠太は掠れた悲鳴を上げる。
自由になった両手で、魔王の腕にしがみつく。そうしなければ自分の体を支えられない。
「あぁんっ、やめ、もぉ、お尻おかしくなる……やっ、も、抜いて……っ」
「まだだ。ユータのここに、しっかりと私の形を覚えさせてやらなければならないからな」
「あっ、そんなの、やだぁっ……」
「嫌ではないだろう? ユータは中を私のもので擦られるのが好きなのだから」
「ひゃああぁっ」
「こうして、強く突かれるのも好きだろう?」
「んあっ、あっ、あああぁっ」
悠太は射精せずに絶頂を迎えた。同時に、肉棒を咥え込んだ後孔がぎゅぅっと締まる。
「はっ……ユータのここは、感じるとよく締まる」
「やらっ、いってる、から、ずんずん、しないでぇ……っ」
絶え間なく直腸を擦られ、何度も絶頂へと導かれる。終わらない快楽に悠太は怯え、無意識に魔王に縋りつく。
「ユータは可愛いな。このままでは、歯止めがきかなくなりそうだ……」
うっとりと微笑んで、魔王が悠太の唇を舐める。
悠太は反射的にその舌を迎え入れるように口を開いていた。嬉しそうに魔王の舌が差し込まれる。ちゅくちゅくと舌を吸い上げると、微かに血の味がした。
「んんぅっ、は、んっ、んあっ」
濃厚なキスをしながら、突き上げが激しくなる。
息苦しいけれどキスが気持ちよくて、口を離せなかった。キスの合間に息継ぎをしながら、胎内を穿たれる快感に耽溺する。
じゅるるっと舌を吸われ、強く抱き締められた。同時に、内部の熱が弾けるのを感じた。びくびくと跳ねる雄蕊から、再び大量の精液が注ぎ込まれる。
悠太は送り込まれる唾液を必死に飲み下しながら、それを受け入れた。
「んはぁっ……あっ……」
離れていく唇を、悠太は蕩けた顔で名残惜しげに見つめていた。
愛おしそうに目を細め、魔王は悠太の首筋を舐め上げる。
「ふあぁっ」
「本当に、貴様は可愛すぎる……可愛すぎて、止められない……」
触手を使って支えられ、繋がったまま体を反転させられた。内部が擦られ嬌声を上げる悠太を、魔王は押し倒す。うつ伏せにされ、上半身が力なくぺたりと床につく。魔王の両手に掴まれた腰だけを高く突き出すような体勢になった。
魔王の陰茎はまだ硬度を保ったままで、どくどくと脈打っている。
「ひにゃっ、あぁっ、あっ、あ──っ!」
反り返った肉塊で、激しく肛壁を抉られる。腰を打ち付けられるたび、揺れるぺニスからぽたぽたと体液が滴り落ちた。もう精液は出し尽くしてしまった。
「はひっ、ひ、ひうぅ……っ」
ぱんぱんと肉のぶつかる音と、ぐちゅぐちゅと粘液が掻き混ぜられる卑猥な音が響く。
ぐちゅんっと強く奥を貫かれ、悠太は身をくねらせた。そのとき、動いた手に、なにかが当たった。それは悠太が落とした魔法のステッキだった。
「ユータ、可愛い、ユータ、貴様は私のものだ……っ」
「やっ、あっ、奥、そんなに、しちゃ、やあぁっ」
「奥を、突かれるのが好きか? すごいな……搾り取られそうだ……っ」
「ひうっ、らめ、らめ、あっ、あんっ」
「また、奥に種付けするぞ」
「ひっ、あっ、あああっ」
一際強く内奥を穿たれる。低い呻き声と共に、どぷどぷと精液を叩きつけられた。
粘膜に大量の熱い飛沫をかけられ、悠太はぷるぷると腰を震わせた。
「んにゃ……あぁっ」
「ユータ、私のユータ……っ」
全てを出し切り、魔王がゆっくりと腰を引いた。ゆっくり時間をかけ、ぬぽんっと肉棒が引き抜かれた。
長時間太い楔を打ち込まれていたアナルは開いたままで、とろとろと泡立つ体液が滴り太股を伝う。
荒い息を吐きながら、悠太は手元にあるそれに触れた。力の入らない指で、どうにか握り締める。
魔王の手が、悠太の背中を優しく撫でた。
「ユータ、このまま、私と一緒に……」
「セクシーストロベリーフラッシュ!」
振り向きざま、悠太は握ったステッキを魔王に向けて呪文を唱えた。
「ぐわぁ……っ」
至近距離で魔法が発動し、さすがの魔王もよろけて後ろに下がった。
その隙に、悠太は力を振り絞って駆け出した。倉庫を出て、体力のつづく限り遠くへ逃げた。下半身はガクガクで、全くスピードは出なかった。
ふらふらの足で辿り着いた、人気のない建物の陰で呼吸を整える。後ろを振り返るが、魔王が追いかけてくる気配はなかった。
悠太はステッキを頭上に掲げる。
「ふ、普通の男の子に戻れー」
魔法少女に変身したときと同じように、キラキラと輝く光の粉が降り注ぐ。すると、精液やら潮やら尿やら色んな汁でぐちょぐちょに汚れていた魔法少女のコスチュームが、元々着ていた学ランへと変わる。
汚れきった衣装から解放されたことにはほっとしたが、肌についた汚れは落ちていない。悠太の尻の穴には、たっぷりと注がれた精液が残っている。量が多すぎて、じっとしていても溢れてきてしまう。
「ううっ……」
惨めさに嗚咽が漏れる。
悠太の活躍で、街の平和は守られた。けれどなんの喜びも感じなかった。達成感も充足感もない。街の平和と引き替えに、悠太は大事なものを失った。
今日起きたことは、全て忘れよう。
もう二度と、魔法少女になんてならない。
心に誓って、悠太は泣きながら帰路に就いた。
────────────────
読んでくださってありがとうございます。
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