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後編

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「こっちももうヌルヌルだな」
「ひゃっ……」

 脚を広げられ、ペニスの下の更に奥まった箇所まで暴かれる。もうずっと疼いて仕方がない後孔は、ひくひくと収縮し蜜を漏らし続けていた。

「やっ、そんなとこ、見ちゃやだぁっ」
「見るに決まってるだろ」
「あっ、やっ、だめぇっ」
「見るし、触るし、ぐちゃぐちゃに犯して溢れるまで精液注いでやる」
「ひぅっ……」

 兄の言葉に体が勝手に反応してしまう。ペニスが再び頭を擡げ、後孔がきゅんきゅんと蠢き蜜を滴らせた。

「犯すって言われて喜んでんのか? 蕩けた顔しやがって」
「ちがっ……」
「違わねーだろ」
「ああぁっ……」

 後孔に、ぬぷんっと指が挿入された。

「ほら、喜んでんだろ。めちゃくちゃ絡み付いてくる」
「ひあっあっあっあっひんっ」
「美味そうにしゃぶって、どんどん中とろとろになってくな」
「くひぃんっんっあっあっ、おにぃちゃ、らめ、ゆび、うごかしちゃぁあっ、きもちよく、なっちゃ、あっあっあんぁあっ」
「気持ちよくしてんだよ」

 楓葵の反応を確かめながら、兄の指が中を探る。指を咥え込んだだけで気持ちいいのに、敏感な膨らみを探し当てられ、そこを重点的に刺激され楓葵は喘ぐことしかできなかった。
 発情し、雄を受け入れるためにすんなりと柔らかくなったそこは、二本、三本と指を飲み込んでいく。
 三本の指で同時にこりゅこりゅと擦り上げられ、強烈な快感に足がびくびくと跳ねた。

「ひはぁあんっあっあっ、らめぇっ、きもちいいぃっ、おに、ちゃぁんっ、しょこ、ぐりぐりしないれっ、へあぁっあっひぃっ、────~~っ」
「感じまくってんな。またイきそうか?」
「んゃああっ、らめっ、それやぁああっ」

 再びペニスが兄の口腔内へ包み込まれる。

「らめ、それぇっ、あひっひうぅぅんっ、すぐいっちゃぁぁっ、あっ、いく、もぉいくうぅっ」

 ペニスを咥えられたまま後孔をぐちゅぐちゅと刺激され、あっという間に絶頂へと追い込まれる。

「いく、いくっ、っあ゛、~~~~っ」

 背中を仰け反らせ、激しく絶頂を迎える。
 放たれた精液は当然のように兄の喉の奥へと飲み込まれた。
 ペニスを解放され、後孔から指を抜かれ、脱力した楓葵はただ荒い呼吸を繰り返す。

「まだへばるなよ、楓葵。交尾はこれからだぞ」
「ひぁっ……」

 両脚を持ち上げられ、楓葵の意識は兄の方へ呼び戻される。
 腰が浮き、晒された後孔に取り出された兄の雄蘂が押し当てられた。
 彼の欲望は完全に勃起していて、大きく反り返ったそれを目にし、楓葵の胎内が更に強く疼きはじめる。
 それが欲しくて堪らなくて、自ら飲み込もうと腰が動いてしまいそうになる。
 楓葵は必死にそれを耐えた。
 避妊具も装着していないのだ。受け入れていいはずがない。
 媚びた目で兄と彼の陰茎を見ながらも、楓葵はかぶりを振る。

「だ、めぇ、入れちゃ……おにいちゃ、やめ……」
「やめるわけねーだろ……っ」
「ひあああぁっ……!」

 ずぶんっと一気に剛直を突き入れられた。強烈な快感が駆け上がり、歓喜の悲鳴を上げる。

「はっ、あーっ、すげ、楓葵ん中、入れただけでうねって、精子搾り取ろうとしてくんな」
「あっあっあっあんっ、やっあっ、ずんずん、ってぇ、しちゃ、らめぇっ、あぁっあっあっ、中、こすっちゃ、ぁあっひっひんっ、きもち、ぃいいっ、あっあっあっ、おに、ちゃぁんっ」
「可愛いなぁ、楓葵。まんこきゅんきゅんさせて、孕ませてっておねだりしてんのか?」
「ぁんっんんんぅっ」

 後孔を犯しながら、兄は深く唇を重ねてくる。口内も後孔と同じように舌でぐちゃぐちゃに犯される。

「はぁっんぁあっんっ、おに、ちゃ、ぁんっ」
「っ、はっ、ああっ、楓葵のまんこ、気持ちよすぎて、腰止まんねー……っ」

 顔を歪め夢中で腰を振る兄の姿に楓葵は堪らなく興奮した。
 きつく内部を締め付け、ごりゅごりゅと前立腺を雁の部分で抉るように擦られ、強すぎる快感に楓葵は絶頂を迎える。

「っ、~~~~~~っ、はっ、あっあっあぅんっ」
「楓葵、メスイキしたのか? あ? はじめてのクセにもう中でイけんのか?」
「あっあっ、ごめ、なひゃぁっ、あぁっ、らって、おにぃちゃ、のっ、おちんぽ、おっきくてきもちぃ、からぁっ、あっあっあっんひぁっ、おまんここしゅられて、いっちゃうっ、あっあっあっあっ、そんないっぱいされたらぁっ、またいくっいくっいっ、あ~~~~っ」
「っは、あーっ、イキまんこの痙攣すげーな……っ」
「ひはぁあっあっ、待って、らめぇっ、いってる、のにぃっ、そんな、おちんぽじゅぽじゅぽしちゃ、ああぁっあっあっ、いくの止まらなくなるぅっ」
「お前がっ、そうやって煽るからだろーが……っ」
「はひぃんんっ、きもちぃっ、おにいちゃぁあっ」
「っ、それに、イッてるまんこ擦られて、めちゃくちゃよがってんじゃねーか……っ」
「ひんっ、んっ、んうぅううう゛~~っ」

 ごりゅんっと亀頭で前立腺を押し潰され、メスイキだけでなくペニスからも精液が噴き出す。

「イきまくって、だらしない顔して、可愛いなぁ、楓葵……」
「やぁあっ、に、ちゃあっ、みないでぇっ、あっんああっ」
「隠すなよ。俺に全部見せろ」
「あっあっひぅんっ」

 顔を隠そうとすれば、それを阻むように腰を突き上げられた。
 ずぶっずぶっと剛直が更に奥へ進む。

「ひあぁっあっ、おくぅ、入ってっ」
「まだだ。この奥に入れるからな」
「んひぅっんっ、そ、なぁっ、むりっ、これいじょ、おく、はいらな、あっあっんんんっ」

 ぐりゅぐりゅと亀頭で行き止まりの壁を擦られると、体が勝手に迎え入れようとする。もっと奥へとせがむように内壁がぎゅうぎゅうと蠕動を繰り返した。
 兄は唇の端を吊り上げ、艶然と笑う。

「ムリとか言って、入れる気まんまんじゃねーか。ほら、どんどん開いてく……っ」
「ひっあっあっあっ、はいっちゃ……っ」

 ぐぷぐぷぐぷ……っと亀頭がめり込んでくる。

「んぉおっ……!」

 ぐぽんっと一気に捩じ込まれ、楓葵は衝撃に目を見開く。

「っ、っ、ひっ、~~っ、お゛っ、~~~~っ」
「っきつ……子宮口貫かれてまたイッてんのか?」

 くぽっくぽっくぽっくぽっと小刻みに最奥を穿たれ、楓葵は何度も何度も絶頂へと押し上げられる。

「くひぃっんっ、ひっあっあっ、おく、おくぅっ、ずぽずぽ、されて、おっ、ひっくぅうんっ」
「奥、ずぽずぽされんのが気持ちいいのか?」
「おぉっ、ひっ、ひううぅっ、きもちっ、おくっ、うっ、~~~~っ、おっ、きもちぃっ」

 気持ちよすぎて恐怖すら感じ、無意識に縋るものを求めた楓葵は兄にしがみつく。

「はあっ……ホント可愛いなぁ、楓葵。っは、すぐ、ここに精液注いでやるからな、ここ、子宮に、精子かけて、孕ませてやるから……っ」

 兄の言葉に、失いかけていた理性を僅かに取り戻す。
 それだけは駄目だ。兄に間違いを犯させてはならない。
 しかしすぐに思い直す。自分が一人で育てればいいのだと。兄に迷惑をかけず、一人で産んで一人で育てればいい。
 欲しかった。けれど望んではいけないと押し殺してきた。
 ずっと望んでいたものを目の前に差し出され、手を伸ばさずにはいられなかった。

「して、してぇっ、あっひっひぅっ、中に出してぇ、俺のおまんこに精液ちょぉだいぃっ、おにぃちゃぁっ、孕ませてぇっ」
「楓葵……っ」

 両腕を伸ばして抱きつき、兄の体を引き寄せる。両足も兄の腰に絡み付かせ、強くホールドする。全身で兄にしがみつき、後孔もきつく締め付ける。直腸が精液を搾り取るように蠢動した。

「っく……」
「あっあっ、でてるぅ……っ」

 びゅるるるっと、腹の奥に精液を注がれる。
 熱い体液が放たれるのを感じ、楓葵は恍惚とした表情を浮かべた。
 剛直にしゃぶりつき、最後の一滴まで飲み干す。
 長い射精が終わり、楓葵は体から力を抜いた。
 顔を上げた兄は少し悔しそうな様子だった。

「くそ、お前にイかされた……」

 拗ねているような兄の顔が可愛くて、楓葵はふにゃりと頬を緩めた。

「うれし……お兄ちゃんので、お腹いっぱい……」
「っはー、くそ……っ」
「あっ、んっんっんーっ」

 兄は陰茎を引き抜き、上半身を起こした。ベッドの上に座り、楓葵を膝に乗せる。楓葵は後ろから抱っこされる体勢になった。

「おに、ちゃ……?」
「まだいっぱいじゃねーだろ。溢れるまで注いでやるっつったよな。こんなんじゃ全然足りねーだろ」

 体を軽く持ち上げられ、臀部に熱い肉棒が触れる。

「っあ、おにぃちゃ……」
「ぐちゃぐちゃになるまで犯してやる……っ」
「ひあああぁ──っ」

 じゅぷんっと自重で剛直が突き刺さり、楓葵は喉を反らせて甲高い悲鳴を上げる。
 勢いよく奥まで貫かれて、一気に押し寄せる快楽に身悶えた。

「はひぃっひっあっあっあっ、に、ちゃぁあっ、あっあっ、きもちいっ、おにいちゃぁっ」
「っ、ああ、可愛い、楓葵。俺のだ。俺だけの、誰にも触らせねー、俺だけのもんだ」
「ひうぅんっ」

 ねっとりとうなじに舌を這わされ、期待と快感にぞくぞくぞくっと背筋に震えが走る。

「おにぃちゃぁっ……」
「楓葵……っ」

 ガリッと、うなじに歯が食い込む。歯形を刻み付けるように強く噛まれた。

「あっ、あああぁ……っ」

 鋭い痛みを感じ、歓喜にぶるぶると体が震えた。
 兄が自分のものにならなくても、自分が兄のものになれた事がただひたすらに嬉しくて、幸せだった。
 この上ない幸福感に包まれた楓葵のペニスから、ちょろちょろと体液が漏れた。

「あっ、あっ、おに、ちゃ……っ」
「なんだ楓葵、漏らすほど嬉しかったのか? ホント可愛いな」
「ど、しよ……止まらな、あっあっあっ、おにぃちゃ、あっ、うごいちゃだめぇっ、汚れちゃ、あっあっひぁあっ」

 ずんずんと下から揺すられ、尿が飛び散る。ベッドや兄の服に漏らした体液がじわじわと吸い込まれていく。

「汚せばいいだろっ、ほら、もっと匂いつけろよ……っ」
「ひおおぉ゛っ……」

 ぎゅぽぉっと最奥を抉られ、尿を吐き出し終えた楓葵のペニスは今度は精液を漏らした。
 ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅっと腰を突き上げられ、断続的に与えられる快感に楓葵は泣き喘ぐ事しかできない。

「お゛っ、ひっひっうううぅっ、んぁあっ、おにぃちゃ、あ゛っ、ああぁっ」
「楓葵、出すぞ、また、奥に出すからな……っ」
「あっあっ、だひて、ひあぁっあっ、おにぃちゃぁあっ、おくにちょうだいぃっ、あっあっあっあーっ」

 低い呻き声と共に、一回目と変わらない量の精液が勢いよく放たれた。びゅーびゅーっと注がれるのを感じ、楓葵は陶酔したように瞳をとろんとさせる。

「はぁああっ、いっぱい、でてる、おにいちゃんの……っ」
「っあー、イッてるとこ搾られんの、すげ、いいっ……」

 息を乱しながら腰を揺すり、兄は吐き出した精液を腸壁になすりつける。

「にぃちゃ、あっ、おにぃちゃ、あんっ、あ゛────~~っ」

 体を繋げたまま体を反転させられ、ぐりゅうっと中が擦れた。強い刺激にまた達してしまう。
 ふうっふうっと息を漏らし、向かい合う形になった兄の体に抱きつく。

「あっはぁあっあっ、すき、すき、にぃちゃぁっ、すきぃ、おにいちゃぁん……っ」

 すっかり箍が外れ、楓葵は兄に甘えた。互いに発情している、熱に浮かされた状態ならば許されると思った。発情期という言い訳ができる今だけならば、素直に思い切り甘えてもいいのではないかと。
 けれど。

「ああ。俺も好きだ、愛してる、楓葵」

 まっすぐに伝えられた兄の言葉に目を見開く。
 放心し硬直する弟に、兄は苦笑を浮かべた。

「驚きすぎだろ」
「…………っえ、あ、だって……」
「驚くことじゃねーだろ」
「で、でも……」
「じゃなきゃ、こんなことしねーよ」

 楓葵を見下ろす兄の双眸は正気のもので、発情し我を忘れている様子はない。

「俺はお前を孕ませたいってずっと思ってたんだよ」
「そん、な……俺達、兄弟なのに……」
「だからなんだよ。っつーか、兄弟だからこそこんなに愛しいって思うんだろ」
「っ……」

 言われて気づく。兄が兄だったからこそ、楓葵はこんなにも彼を深く愛したのだ。兄弟だから結ばれてはいけないと思い込んできたが、そもそも兄弟でなければここまで彼を愛することはなかったのだ。

「なんで俺があんな首輪用意して、肌身離さず鍵を管理してたと思ってんだ。Ω専用の学校に通わせて、どうして家から殆ど出さなかったかわかってんのか?」
「…………」
「お前を誰にも奪われないためだよ、楓葵」
「おに、ちゃ……」
「お前は俺のものだ。俺の番にするって、ずっと前から決めてたんだ。絶対に離さない。逃げても必ず見つけ出して捕まえてやる」

 兄の言葉を聞きながら、楓葵は至福に浸る。
 じくじくと痛むうなじが、これが夢ではなく現実なのだと伝えてくれる。
 とろりと瞳を潤ませ、楓葵は自分から兄にキスをした。 




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