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魔王様はヤンデレ勇者に捕まりました
しおりを挟む女魔王が勇者に捕まりエロいことをされるだけのお話です。勇者が一方的に魔王に執着・溺愛しています。無理やりですが悲愴感はありません。
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女魔王であるマナウは人間界を征服し、世界全土を魔界とするために魔族に人間の殺戮を命じた。
絶対的な力を持つ魔王に逆らう魔族など存在しない。
強大な魔力を持つ、美しい魔族の王。
魔族はマナウを崇拝し、彼女のためなら命も惜しまず捧げた。
脆弱な人間は魔族に蹂躙され、人間界が魔界と化すのも時間の問題だと思われていた。
だがしかし、いつしか形勢は逆転していたのだ。
たった一人の人間の出現によって。
「魔王様! 勇者です! 勇者が現れました!」
玉座の間に下僕の魔族が血相を変えて転がり込んでくる。
慌てふためく矮小な下僕を玉座から見下ろし、マナウは鼻で笑った。
「ふん。勇者? 所詮はただの人間だろう。魔族の王である私に勝てるはずがない」
「し、しかし、勇者の強さは桁外れでして……」
「私が負けるとでも?」
ギロリと睨めば下僕は「ヒイィ……!!」と竦み上がった。
「めめめ滅相もございません!! 魔王様のお力に敵う者などこの世に存在するはずがありませんとも……!!」
「はっ、わかっているなら下がっていろ、腰抜けが」
「ははあ……!!」
下僕は物凄い勢いで姿を消した。
大多数の魔族が勇者の手によって葬られていることは知っている。けれどマナウが勇者を恐れることなどなかった。
一介の魔族と、魔王であるマナウとでは持っている力には雲泥の差がある。マナウからすれば、全ての魔族が雑魚に過ぎない。だからたとえどれだけ魔族が殺されようと、危機感を抱くことなどない。
マナウは自分の力に絶対的な自信を抱いていた。
動じることなく玉座でふんぞり返る魔王のもとへ、遂に勇者が現れた。
魔王城には魔族が多数配置されている。この玉座の間に辿り着くには、その魔族を全て倒さなければならない。
だが、勇者が身に付けている軽装備には傷一つついていない。
勇者本人も血の一滴も流していない。
そして現れたのは勇者たった一人。
成る程、確かに相当な手練れのようだとマナウは思ったが、それで自信が揺らぐことはなかった。
ゆっくりと玉座から立ち上がり、悠然と勇者を見下す。
「ふんっ、たった一人でここまで来るとは、いい度胸だ。まあ、すぐに後悔することになるだろうがな」
勇者は怯むことなくこちらを見据えている。
顔にかかる黒い髪。目付きの悪い瞳も黒い。魔王を前にしているとは思えない、ふてぶてしい態度だ。
こんな人間、殺すなど簡単だ。
マナウは腕を伸ばし、勇者に掌を向ける。
「あの世で己の愚かさを悔やむがいい」
そう吐き捨て、魔力を凝縮した玉を作り出しそれを勇者に向かって放った。
勇者はニヤリと不敵に笑い、同じように掌を翳す。すると、放たれた魔力の玉は彼の手に吸い込まれていった。
「なっ……」
目を見開き、けれどすぐに気持ちを切り替え次の攻撃をはじめる。
今度は一個ではなく、無数の魔力の玉を作り出す。それを一斉に勇者へ向けて放った。
しかしその全てが、翳された彼の手の中へと吸い込まれていく。
「っく……」
眉を顰め、僅かに生じた焦りを抑えマナウは攻撃を続けた。
だがどんな攻撃も、勇者に傷一つ負わせることなく彼の手の中に消えていく。
マナウの魔力がどんどん減っていく。このままでは魔力が尽きる。
逃げる?
魔族の王である自分が、人間から?
そんなことはマナウのプライドが許さない。
しかし、人間に殺されるなどもっと耐えられない。
一度枯渇した魔力を回復させなければ、もうマナウの勝利はない。ならばここは一旦退くべきではないか。
迷い、攻撃の手が緩む。
その隙を狙い、勇者が攻撃を仕掛けてきた。
どっと、一気に大量の魔力がマナウの中から抜けていく。
力が入らず、思わずその場に膝をついた。
「な、なん……」
一体なにをされたのか。マナウの魔力がほぼ全てなくなってしまった。
「いやー、チート様々だなぁ」
軽い口調でわけのわからないことを言いながら、勇者が近づいてくる。
マナウは勇者を睨めつけた。
「貴様、私になにをした……!?」
「俺の勇者としての能力って、ドレイン? っていうのか? 相手の力を吸い取って、自分の力にできるんだよ」
「吸い取る……?」
「そうそう。自分よりレベルの高い相手でも、それができちゃうんだよね。ここに来るまでそりゃーたっくさんの魔族と遭遇して、そのたっくさんの魔族から残らず根こそぎ力を吸い取って来たわけで、そんなことすりゃ嫌でも強くなるよな。この勇者の能力のお陰でかなり楽してレベルアップできて、あんま時間かけずにラスボスのとこまで来れたんだよ」
マナウの目の前まで来て、そんなことをペラペラと説明してくる。
つまり、魔力をこいつに吸い取られたのだ。殆どの魔力を奪われ、もう攻撃することもできない。逃げる力も残ってはいない。
魔力のない魔王を殺すことなど、この勇者には造作もないだろう。
命乞いなどする気は毛頭ない。こいつを呪いながら死んでやる。深く恨み、そしてその恨みを抱えたまま転生し、今度こそ人間を皆殺しにしてやる。恨みは力となる。恨めば恨むほど転生したときに強い力を持って復活できる。
射殺さんばかりの勢いで睨み付けるマナウを、勇者は余裕の笑みで見つめ返す。
「いやー、ほんとよかった。普通だったらここまで来んのにもっと時間かかってただろうし」
勇者の瞳に、どろりと暗く恍惚とした光が宿る。ねっとりと、勇者の視線が絡み付く。
マナウはぞわりと悪寒を感じた。
「ああ……やっと会えた……」
感嘆の溜め息を零し、勇者が手を伸ばしてくる。
「ひっ……」
今まで味わったことのない恐怖を感じ、マナウは思わず身を引いた。ただの人間に、言い知れぬ恐ろしさを覚える。逃げ出したいのに、体が動かない。
伸ばされた勇者の手が、マナウの頬を撫でる。
恐怖に固まるマナウを、勇者はうっとりと見下ろした。
「魔王様を一目見たときから、ずーっとこの日を待ち侘びてたんだ」
「やっ、な、なに……」
「いきなり俺の意思も関係なくこんな世界に喚び出されて、世界を救ってくれとか言われて、知るかよなんで俺がなんの思い入れもない世界を救わなきゃなんねーんだとっとと元の世界に帰せよふざけんなって思ってたけど、映像で魔王様を一目見た瞬間、めちゃくちゃタイプだったから絶対俺のものにしたいって思って、それでここまで来たんだ」
抑揚のない口調で早口に語りながら勇者の手がマナウの頬を撫で回す。
「レベル上げとかめちゃくちゃめんどかったけど魔王様を手に入れる為だと思えば頑張れたんだ、もう一刻も早く会いたくて睡眠時間も削って街とかも殆ど寄らずに最短距離でここ目指して野宿続きで辛かったけどこうしてやっと魔王様に会えたんだから、ほんと苦労した甲斐があったよ」
どんどん声音が興奮に上擦っていくのが怖い。
「魔王様との出会いを絶対誰にも邪魔されたくなかったから反対を押し切って一人で来たんだ、城の中にいた魔族も全部殺したし、俺と魔王様の二人っきり」
「な、なに……わ、私に、なにをするつもりだ……っ」
マナウはわけもわからず戦慄した。
何故こんなにも自分は怯えているのだろう。殺されることなど怖くはない。殺されるよりも余程酷い目に遭わされると予感しているのだろうか。
「魔王様を、俺だけのものにするんだよ」
勇者は狂気を孕んだ笑みを浮かべる。
そして、マナウの首に触れた。
「っ……」
「ほっそい首だね。簡単に折れちゃいそう」
そのままへし折りそうな雰囲気で、首を撫でさする。
生殺しにされているような感覚に、マナウは声も上げられない。
勇者は魔力を発動する。首を弾き飛ばされてもおかしくない状況だ。
しかし首を絞められることも折られることも弾き飛ばされることもなかった。
代わりに、マナウの首には魔力で作られた首輪がはめられた。
「な、なんだ、これ……」
「隷属の首輪。俺は魔王様を言いなりの人形にしたいわけじゃないから、心を操るようなことはしないけど、俺を害することはできなくなる。他の人間なんてどうでもいいけど、色々と面倒だから人間を傷つけることもできない。自害することも許さない。魔王様が俺のものっていう証」
「な、ぁ……」
マナウは愕然と首輪に触れる。
魔力を奪われ、首輪をつけられ、魔王であるマナウが人間ごときに服従し生き恥を晒さなければならないなんて。
これ以上ない屈辱だ。
怒りのままに殴り飛ばしてやりたい衝動に駆られるが、首輪のせいで殴りかかることもできない。
ぷるぷると肩を震わせるマナウに、勇者はにっこりと微笑みかけてくる。
「じゃあ、面倒だけど報告に帰ろうか。褒賞金もたっぷりもらわなきゃいけないし」
勇者は身に付けていたマントを取って、それをマナウの肩にかける。
「な、なんだ?」
「これで体隠してよ。魔王様、露出が激しすぎるから。嬉しいけど、他のヤツに魔王様の綺麗な肌を見せたくない」
そう言って、しっかりと肌が隠れるようにマントを体に巻き付けてくる。
それから、勇者はマナウの手を握った。
「ふふ。魔王様の手、小さくてすべすべで可愛くて……握ってるだけで気持ちいい……」
とろりと甘ったるく囁かれ、マナウはぞわっと肌が粟立つのを感じた。
手を離したくて堪らなくなったがそれもできず、しっかりと指を絡めて繋がれてしまう。
振り払えないのは首輪のせいなのか、勇者に対する得体の知れないものへの恐怖のせいなのかはわからなかった。
行きはレベル上げの為に地道に進んだが、帰りはもうそんな必要はないからと魔力を使って人間の街へと一気に転移した。そして勇者は魔王を連れて勝手に城に入って国王のところへ行き、挨拶もすっ飛ばして魔王城を陥落したと報告した。
王は顔を引きつらせてそれを聞いていた。
「そ、それは……随分早い帰還で……」
「まあ、全滅させたわけじゃないから魔族の生き残りはまだいるだろうけど」
「いやいや、まあその、勇者殿には、心からの感謝を……」
「お礼なら褒賞金たっぷりもらうからそれでいいです」
「はあ……あっ、その、是非勇者殿には、私の娘と結婚を……」
「あ、結構です」
隣に佇む王女の背を押そうとする王の言葉を遮り勇者はあっさり拒否した。
王も王女もポカンとしている。
「そういうのいいんで。代わりに、魔王の命をもらいます」
「は? え……?」
「魔王は殺さずに俺の監視下に置きます。いいですよね?」
「いや、しかし……」
「まあ、許しをもらえなくても勝手にそうさせてもらうんで」
交わされる会話を、マナウは勇者の隣で聞いていた。反論したいのに、声が出せない。余計な口を挟まないよう、首輪で制限されているのだろう。
勇者はとっとと会話を終わらせ、マナウを連れて豪華な客室へ移動した。とりあえず今日は城に泊まり、明日出ていくのだという。
部屋に入った勇者はマナウをどでかいベッドに押し倒す。
「な、なにをする……っ」
声が出た。二人きりになり、もう制限は解かれたようだ。
「部屋に結界張ったから絶対邪魔は入らないし、悲鳴を上げたとしても声も絶対外に漏れないから安心してね」
勇者の言葉に一つも安心できる要素などなかった。
つまりこれから、悲鳴を上げさせるようなことをするつもりなのか。
身構えるマナウから、涎を垂らさんばかりの顔で勇者がマントを剥ぎ取る。
「だ、だから、なにをするつもりかと……っ」
「あれ? この状況でわかんないの?」
わかるわけがないのにそんな風に言われて、バカにされているようで腹が立つ。
「貴様……っ」
「あ、俺の名前まだ教えてなかったね。勇也だよ。勇也って呼んで」
「だ、れが……貴様の、名前なんか……っ」
「それで、魔王様の名前は?」
「貴様に、など……っ」
「答えて」
「っ、っ、マナウ……」
必死に抗おうとするが、首輪のせいで勇者の言葉に逆らえない。
マナウの名前を聞き、勇也は恍惚と瞳を輝かせる。
「マナウ……マナウ、マナウ、マナウ」
「ひっ、や、やめろ、気色悪い……!」
刻み付けるかのように何度もマナウの名前を口にする勇也に、恐怖を覚えた。名前を呼ばれただけで呪われてしまうのではないかとさえ感じた。
罵声にもうっとりして、勇也は感嘆の溜め息を漏らしながらマナウの頬を撫で回す。
「その可愛い声で、俺の名前も呼んで?」
「呼ぶ、ものか……っ」
「呼べ」
「っ、っ、っ、ゆ……ユーヤ……」
口を閉ざそうとしても、やはり無駄だった。マナウの口は勝手に彼の名前を放ってしまう。
勇也の瞳が愉悦にどろどろと蕩ける。
「っはあ……可愛い……っ」
「やめろっ、私は魔王だぞ! 馬鹿にするのも大概にしろ……! 人間風情がっ、人の魔力を奪っただけに過ぎない脆弱なごみ屑が、調子に乗るなよ……!」
首輪の主人に対する暴言は制限されていないのですらすらと口をついて出た。
それを聞いた勇也は怒りもせず、やはり陶酔したような顔でマナウを見下ろしている。
この男の目に見据えられると、どうしても恐怖を感じてしまう。
強大な魔力を持っているからとか、屈強な肉体を持っているとかそういうことではない。寧ろ人間の平均的な体格をしているのでマナウと差がそんなにあるわけでもない。殺されるとか、命の危機に対する恐怖ではない。
視線だけで見えない鎖に囚われるような。雁字搦めにされているような。ぞわぞわと背筋を這い上がり、全身を絡め取られるような。
言葉では言い表せない、気味の悪いものをぶつけられている感じがする。ぶつけられているというか、ねっとりと纏わりつくというか。
とにかく、今まで恐怖など感じたことなどなかったマナウは、この男に視線を向けられるととても落ち着かなくなる。
顔面を殴り飛ばしてしまいたいが、首輪のせいでそれはできない。
なでなでなでなでとしつこく頬を撫で回されても、おとなしくされるがままでいるしかなかった。
「はあ……ずっと会いたかった魔王様が目の前で話してて俺の名前を呼んでるとか夢みたい。毎日感触を妄想してた肌に直接触って、声聞いて、匂い嗅いで……ああ、ヤバ……涎垂れてくる……」
陶然とした様子の勇也の発言に怖気立つ。
まさか、とマナウは青ざめた。
「これからは触りたい放題なんだ。好きなときに声聞けるし、触れるし、匂いも嗅げるし、舐めたり噛んだり、妄想でしてたこと全部、本人にできるんだ……あー、ズボンきつくなってきた」
マナウを凝視しながらつらつらと紡がれる独り言にゾッとした。
この男がなにをしようとしているのか、漸くそれに思い当たった。
「き、きき、貴様っ……まさかこの私に、貴様のその薄汚い劣情をぶつけるつもりか……!?」
慰み者にするつもりなのか。マナウの体を使って性欲を発散させるというのか。こんな首輪まで嵌めて魔王であるマナウを性奴隷のように扱い、死など比べものにならないほどの屈辱を与えるつもりなのだ。
顔を赤くしたり青くしたりしながらワナワナと肩を震わせるマナウをまじまじと見下ろし、勇也は言った。
「その大袈裟な反応……もしかしてマナウって処女なの?」
「なっ、当たり前だろう!!」
マナウはカッとなって言い返した。
「この私に下心を持って近づく下劣な輩など、残らず消し炭にしてきたのだからな!」
マナウを崇拝する気持ちが強すぎて、勢い余って襲いかかってくる下僕は何匹かいた。そんな不敬極まりないクズは一瞬で塵にしてやった。マナウの肌に触れることなど誰にも許さなかったのだ。
それを聞いた勇也は途端に瞳を輝かせた。
「うっそマジで、こんな女王様みたいな露出高いカッコしてるのに処女とか最高かよ!!」
「なっ、だ、誰が女王様だ!! 私は魔王だぞ! バカにするのも大概にしろ!!」
「バカになんてしてないって! 身持ち固くてほんとありがとう感謝しかない!」
ぐっと勇也が覆い被さってくる。
至近距離で真上から見つめられ、マナウは息を呑んだ。
このどろどろした視線は嫌だ。マナウの全てを支配しようとするような、ねっとりと絡み付く視線に呼吸もままならなくなる。
「ほんと嬉しい。マナウの体が綺麗なままで。この綺麗な体を、俺だけがけがせるなんて……」
うっとりと囁かれ、その言葉だけで体をけがされてしまったような錯覚を覚えた。見つめられているだけで、じわじわとこの男に侵されていく感じがするのだ。
「マナウに触れるのは、俺だけなんだ……」
恍惚とした表情で、熱を帯びた呟きを漏らす。
爛々と瞳を光らせる勇也の顔が近づいてくる。
顔を背けることは許されず、マナウの唇に勇也のそれが重なった。
マナウはビクッと肩を強張らせ、固く唇を引き結ぶ。
「はあっ……マナウの唇……柔らか……」
「んっ、んっ……」
勇也に味わうように唇を食まれ、抵抗できないマナウはそれを受け入れるしかない。
それをいいことに勇也は執拗に、柔らかさを楽しむように唇を啄んでくる。しつこいと文句を言いたいが、マナウは必死に唇を閉ざす。
「んっ、んーっ」
「はあっ、柔らかい、美味しい、マナウ、マナウ……」
「んっんっんんっ」
遂には唇に舌を這わされ、ぬるりとした感触にぶるぶると背筋が震えた。熱い粘膜が唇をぬらぬらと辿る。口元がべちょべちょになるほど舐められた。
「マナウのちっちゃい唇、俺の涎でぬるぬるだね」
気持ち悪いことを言うなと怒鳴り付けてやりたいが、それをこらえてマナウはぐっと唇を噛み締める。
「ね、そろそろ口の中も味見させて。マナウの口の中も俺の涎でどろどろにしたい……」
どろりと甘く囁かれ、マナウは決して口を開けまいと白くなるほど強く唇を噛んだ。
「お口あーんしてよ、マナウ」
「んんっ」
「開けろ」
「っ、んぅっ……」
命令には逆らえない。
マナウは泣きそうになりながら、ぷるぷると震える唇を開いた。
「やっば……泣きそうな顔でお口開けるマナウたん、めちゃくちゃエロ……」
「変なこと言うなこの変態が!!」
頬を赤く染めながら瞬きもせずに凝視してくる勇也を罵るが、やはり全く効果はない。
「褒めたんだよ、あんまり可愛かったから」
「どこがだ!!」
「ごめんごめん、謝るからお口開けて、あーんして」
「ん、ぁ……」
頑張って抵抗しようとするけれど、やはり勝手に口が開いてしまう。
僅かに口を開いたマナウを見つめる勇也の瞳に獰猛な光が宿った。
「んっ、むぅ……っ」
はむりと、むしゃぶりつくように再び唇を重ねられた。
すぐに舌が口内へと侵入してくる。
「ふぅっ、んんっ……」
口の中を我が物顔で動き回る勇也の舌に思い切り噛みついてやりたい。首輪の抑制に頑張って逆らってみるが、彼の舌に優しく歯を立てるだけで精一杯だった。
マナウのその行動は積極的にキスに応えていると勇也に思わせた。マナウに舌を甘噛みされたことで勇也は余計に興奮し、夢中になってマナウの口腔内を貪った。
反抗的な態度が完全に裏目に出て、マナウは呼吸さえも奪われるような激しいキスに見舞われる。
「んっふぁっ、んんぅっ」
息苦しくて、酸素を取り込もうと大きく口を開けば、それを塞ぐように勇也の唇が被さってくる。角度を変えて、何度も何度も。
口の中を、隅々まで舐め回された。歯列を辿り、頬の裏側を擦り、舌の裏側をねぶり、上顎を擽られる。
粘膜が擦れ合う感覚に、ぞくぞくと肌が粟立った。体が火照り、下腹部にじわっと熱が蓄積していく。じっとしていられなくて、マナウは腰をもじもじさせた。
「あっ、は……ふっ、んっ」
口内は二人分の唾液でいっぱいになっている。マナウはそれを飲み込めず、どんどん溜まっていった。
とろりと糸を引きながら、勇也は唇を離した。
解放されても、マナウは口を開けたまま閉じられない。口の中を唾液でたっぷりと満たされたまま、マナウは涙目で勇也を睨み付けた。
マナウの瞳を見つめ返し、勇也はうっそりと微笑む。
「マナウ、ごっくんして」
「ぅっ……んっ……」
彼の言葉に従って、勝手に口が閉じていく。
ごくんっと、溜まっていた唾液が喉へと流し込まれていった。
それを見て、勇也は瞳に狂喜を滲ませる。
「いい子だね、マナウ」
褒めるように頭を撫でられ、マナウは屈辱に涙を滲ませた。
歯噛みするマナウから、勇也曰く女王様みたいな露出の激しい衣服を剥ぎ取られていく。
「くっ……」
下劣で下等な人間の男に裸を晒す羽目になるなんて。
激しい恥辱にぶるぶる震えている内に、完全に全裸にされた。
「はあっ……マナウのおっぱい……」
「や、見るな、ぁあっ」
隠す間もなく胸の大きな膨らみにしゃぶりつかれた。
じゅぱじゅぱとむしゃぶりつき、もう片方は手で揉みしだく。
「んひっ、ひっあっあっあぁんっ」
「マナウのおっぱい、美味しい、甘くて、柔らかい……でもここはコリコリに固くなってるね」
「んやぁっ、あっひぃんっ」
胸の突起を舌先でコロコロと転がされ、甘い快感にマナウの口から嬌声が止まらなくなる。音を立てて吸われ、指で押し潰され、柔らかく歯を立てられ、カリカリと爪の先で引っ掛かれる。
「ひうっ、んっあっあっあっひぁあっ」
「気持ちよさそうな声。こりっこりになった乳首弄られるの好き?」
「すっ、きなわけ、ぇっあっあっああぁっ、きもち、よくなんか、あっあぁんっあんっあっ」
「ずーっと腰もじもじしてるけど、気持ちよくないんだ?」
「な、いぃっ、あっあっやめっ、そんな、ぁあっ、あっひぁんっ」
マナウはひっきりなしに甘い喘ぎ声を上げ、内腿を擦り合わせる。顔は蕩け、言葉には全く説得力がなかった。
「んっひっあっあっ、やぁっあっ、んっんっんっん~~~~~~っ」
舌を絡めながら強く吸い上げられ、指でピンピンッと弾かれて、強烈な刺激にマナウの背中がびくんっと跳ねた。痙攣する脚の間から、じゅわっと体液が漏れるのを感じる。
「あれ、もしかして乳首で甘イキしちゃった?」
「はっ……へぁっ……?」
肩で息をするマナウは、なにを言われたのか、自分の身になにが起きたのかもわかっていなかった。
惚けるマナウを見下ろし、勇也はごくりと喉を鳴らす。
「エッロ……ほんと最高、エロくて可愛いとかほんと最強」
うまく理解できないけれど辱しめられている気がして、マナウは彼を睨め付ける。
「あー、涙ぐんだ目で睨まれるとすげー興奮する」
「ひっ……」
頬を染めうっとりする勇也からマナウは瞬時に目を逸らす。
顔を背けた隙に、下腹部に掌を当てられた。魔力の発動を感じマナウは慌てて身を捩ろうとするが、動けない。首輪で動けなくされたのだ。
勇也の触れる下腹が熱い。腹の中までも熱に侵食されていく。
「ちょっとじっとしててね」
「や、めっ、やめろっ、なにを……っ」
制止の声は無視され、やがて下腹部にじわりと紋様が浮き上がる。
陶器のように白く滑らかな肌にピンク色が映え、酷く卑猥に見えた。
「なに、なんだ、これ……!?」
「所謂淫紋ってやつ?」
「なんだそれ、んっひぃっ……!?」
下腹を撫でられただけで、びくんっと体が跳ねた。ほんの少し撫でられただけなのに、過敏に反応してしまう。
勇也の指は、下腹部からするりと下へ移動する。
つう……っと指が這う感触に、ぞくっぞくっと肌が粟立った。
「あっ、やぁっ、さわ、るなぁっ、あんっ」
腹の奥がきゅんきゅんして、脚の間からとろとろと蜜が溢れてくる。マナウは必死に内腿を擦り合わせるけれど、勇也にあっさりと脚を開かれた。
「やっ、やめっ、ひっああぁっ」
「すげ、びしょびしょ……」
ぬるっと、指が花弁を滑る。一撫でされただけで、また蜜が漏れてくる。
「入り口閉じてんのに、ひくひくして、どんどん溢れてくる……」
「やぁあっ、見るな、あっ、やめっ、さわる、なっあっあぁっあんっ」
勇也はぬちゃぬちゃと、蜜を塗り広げるように花弁を撫で回す。
マナウは脚を閉じることも許されず、秘所を晒し、弄られ、身悶えた。
こんなこと屈辱でしかないのに、体は確かに快楽を得て、とめどなく蜜を漏らし続ける。卑猥な水音が自分の下肢から絶えず聞こえてきて、マナウは強い羞恥に襲われた。
「あはっ、顔真っ赤。恥ずかしがってんの、可愛い」
「なっ、ばっ、ぁっ、ばかにっ、するなと、んっひああっ」
「してねーって。めっちゃ可愛くて興奮する」
「んゃぁあっ、みみ、なめるなぁっあっひぃんっ」
熱い吐息を吹き込みながら、勇也の舌がねっとりと耳を舐め上げた。
「ちっちゃい耳も真っ赤でかわいー」
「やっ、やらぁっ、だ、めぇっ、んっあっあぁんっ」
「はっ、んっ……耳もおいし」
ちゅっちゅばっと濡れた音を立てて舐めしゃぶられる。耳の中にまで舌を伸ばされ、ぞくぞくが止まらない。
秘所を撫でていた指が、ぬりゅんっと滑るように割れ目の奥へ挿入された。
「ひっ……あっあっ……」
「あー、中もぬるっぬる……熱くて、きっつ……」
蜜にまみれた膣内は、なんの抵抗もなく勇也の指を受け入れた。
体の中を他人の指で犯され、マナウははじめての経験に目を見開く。
ゆっくりと、探るように指が動いた。
「マナウの中、すごい、にゅるにゅる……指、溶けそうなくらい熱くて狭くて、めちゃくちゃ気持ちいいよ」
「やっ、んっ、も、うるさっぁあっ、やあぁっ、みみ……っながら、しゃべるにゃっ、あっあっあっ、指、うごかすなぁっ、あっやだっ、中、へんっ、んっんぁあっ」
中を指で弄られ、耳をねぶりながらいやらしいことを囁かれ、マナウはじっとしていられずびくびくと背中を仰け反らせる。
なによりも、こんなにも感じてしまう自分の体が厭わしかった。
感じなければこんな恥辱に苦しめられることもないというのに、マナウの体はあまりに快楽に弱く、嬌声も溢れる蜜も止まらない。
指の腹で内部の上側を擦られ、そこから快感が駆け抜けた。
「ひぁっ!? あっやっ、ああぁっ」
気持ちよくて、マナウはそれから逃げるように身をくねらせる。
けれど勇也の指は執拗にそこを擦り、マナウを身悶えさせた。
「んっひっ、やっ、そこ、やあぁっ」
「嫌? そんなに気持ちよさそうな顔してるのに?」
「してなっ、あっあっあっ、きもち、よく、なんてぇっ、んっあっあぁっ」
「ウソばっかり。ほら、気持ちよくて腰浮いちゃってんじゃん。やらしー」
「んひぁああっ」
ぴちゃぴちゃと耳朶に舌を這わされ、中の敏感な箇所をくちゅくちゅくちゅくちゅと断続的に擦られる。絶頂感が込み上げ、勝手に腰が浮いてしまう。
こんな男の手で。低俗な人間にいいようにされるなんて死んでも嫌なのに、迫り来る絶頂を我慢などできなかった。
「やっ、あっあぁっあっ、やらぁっ、あっあっ」
「イきそう? いいよ、ほら」
中で折り曲げられた指が、ぐりゅうっと感じる部分を強く擦る。
「んっううぅっ、んっん~~~~~~っ」
マナウは唇を噛み締め、呆気なく絶頂に達した。
強烈な快感に、目の前がチカチカする。
「目も口もぎゅうって閉じちゃって……かぁわいいイキ顔……」
間近から見下ろしながら、勇也はうっとりと囁く。
いかされたことも、そのときの情けない顔を見られたことも、今のこの状況のなにもかもがマナウを辱しめ、身も心もぐちゃぐちゃにされていく。けれどまだ、魔王としての矜持は残っていた。魔王である自分が人間風情に陥落などさせられるものかと、マナウは気を確かに持つ。
しかし、そんなマナウを勇也は容赦なく追い詰めていくのだ。
ベッドの上を移動し、マナウの下半身へと顔を寄せる彼の姿を信じられない気持ちで見据える。
「なっ、なに、を……っ」
「ああ、美味しそうなおまんこだね。ピンク色で、奥の方は真っ赤で、ぬるぬるに濡れてやらしい……」
「やっ、み、見るなっ、ひっ、顔を近づけるな、やめ……!」
「クリもちっちゃくてかぁわいい。毎日弄りまくって大きく育てたいなぁ」
「んひっ」
陰核にちょんと指が触れ、それだけでマナウは大袈裟に反応する。
「ああ、ほんと、食べちゃいたい……」
蕩けるような囁きを漏らし、勇也はそこへ唇を寄せた。
ちゅっと陰核に口づけられ、マナウはびくんっと体を震わせる。
「んゃっ、や、やめ、んっ、あああぁんっ」
ぬるーっと根元から先端へと舌を這わされ、強い快感に襲われる。
唾液を塗りつけるようにぬちゅぬちゅとねぶり、勇也は感嘆の溜め息を零した。
「はあ……おいし……マナウのクリ、ずーっと舐めてたいなぁ……」
ゾッとするような呟きを漏らし、再び花芽をしゃぶりはじめる。
「ひっあっあ~~っ、や、めっ、んぁああっ」
ちゅくちゅくと卑猥な音を立てて舐めて吸い上げられ、強烈な刺激にガクガクと腰が浮き上がる。
「やっ、あぁっ、いっ、っ、──~~~~っ」
耐える余裕すら与えられず快感で責め立てられ、マナウは呆気なく達してしまう。
膣穴をきゅんきゅん収縮させながら、とろとろと愛液を溢れさせる。
「あは、クリ刺激されるとすぐイッちゃうんだ。マナウの弱々クリかーわいい」
「んひぃい~~っ、すぅ、なぁっ、あっあっ、やめっ、あ~~っ」
「またイッちゃったね。今度は中も一緒に弄ってあげる。もっともっと気持ちよくなろうね」
「ひっ、やめっ、やめろっ、あっひぃっ、んぅううっ、くっ、ひ、あっあっあっ、~~~~っ、やっめぇっ、んあっあああぁっ」
陰核を舐めしゃぶりながら膣内も指でぐちゅぐちゅと擦られ、マナウは繰り返し絶頂へと上り詰める。はしたない嬌声が止められない。耐え難い快楽に襲われ続け、屈辱でしかないこの行為に、それでも体はぐずぐずに蕩けていく。
いってもいっても終わらず、いけばいくほど胎内に熱が蓄積する。腹の奥がじんじんと疼く。やがて我慢できないほどに疼きは強くなっていった。じっとしていられず、マナウは身悶える。
「あひっ、ぃいっ、やっ、あっあっ、へんっ、体が、へんだっ」
「ははっ、気づいた?」
勇也は口を歪め微笑んだ。
その含みのある笑い方にマナウは嫌な予感を覚える
「それね、この淫紋のせいだよ」
下腹部に刻まれた淫紋は淡く輝いている。
「ど、いう……っ」
「快感を得れば得るほど……イけばイくほど、体が発情して疼くんだよ」
「っ……」
マナウを苦しめる為に、この男はわざと何度も絶頂へと導いたのだと気づいた。
「子宮がじんじんして、辛いでしょ?」
「っく……」
「それね、精液で治まるよ。マナウのここに、精液を注げば……」
淫紋の浮かぶマナウの下腹を撫でながら、うっそりと勇者とは思えない暗く淀んだ笑みを浮かべる。
「もちろん、淫紋を刻んだ俺の精液じゃないとダメだけどね」
「っ、っ……」
「辛いよね、マナウ。ここ、もう疼いて我慢できないでしょ」
同情するようなことを言いながら楽しげに唇を歪める勇也を、マナウは精一杯睨み付ける。マナウにできるのはそれだけだ。
そんなマナウを見下ろしながら、勇也は自身の性器を取り出す。彼のそれは既に勃起し反り返っていた。
そそり立つ長大なそれを目にし、マナウの意思とは反対に秘所がきゅんきゅんと反応する。それが欲しいと訴えるように。
「く、ぅっ……」
マナウは胎内の疼きに耐えようと唇を噛み締める。
「可愛い、マナウ。もう、おまんこにコレが欲しくて仕方ないんだ?」
「そん、なわけ、ないだろ……っ」
ほくそ笑む勇也に、吐き捨てるように言い返す。下等な人間の思い通りになどなりたくない。
懸命に強がるけれど、体の奥はじくじくと疼きマナウを苦しめる。
「我慢しなくていいんだよ? マナウが『入れて』って言ってくれたら、すぐにでも入れてあげるよ」
隷属の首輪を使えば無理やり言わせることもできるだろうに、この男はマナウの意志で言わせようとしている。
「だ、れが……っ」
「いらないの? 精液注がないと、ずーっと発情したままだよ?」
「き、貴様の方こそ入れたくて堪らないくせに……っ。我慢汁だらだら垂らして、私よりもお前の方が苦しいんじゃないのか……!?」
悔しくてそう指摘する。現に彼の陰茎は先走りでぬるぬるに濡れていた。
「もちろん入れたいけど。俺は別に自分で扱いて出せばそれで治まるし」
「ぐっ……」
確かにそうだ。勇也は自慰をすればいいだけだ。
だがマナウは違う。彼に精液を注いでもらわなければ、ずっとこの疼きに苦しめられる。
正直、もう耐えられないほどに辛い。散々快感を与えられた膣内は、物欲しげにヒクヒクと蠢いている。
「っう……くぅ……っ」
「ああ……嬉しいなぁ……。今まで触れたくて触れたくて仕方なかった魔王様が、今目の前にいて、こうして俺のことだけを見てくれるなんて……」
ギッと睨み付けるマナウを瞳に映し、勇也は恍惚とした表情を浮かべる。息を乱し、マナウの下腹に陰茎を押し付けた。
「ひっ……」
「興奮して、それだけで射精できそう……。生マナウをオカズにオナニーとか最高かよ」
「や、やめっ……」
「あー、マナウのお腹柔らかくて気持ちい……っ」
ぬめる亀頭を下腹でずりずりと擦られる。
淫紋が先走りでいやらしく濡れていく。
マナウの腹の奥が、激しく疼いた。求めるものがすぐそこにあり、欲しくて欲しくて堪らないと訴えている。
膣穴からはひっきりなしに蜜が溢れ、中が収縮を繰り返す。
マナウの口からはふうっふうっと荒い息が漏れ続けている。
我慢したところで、ただ苦しむだけ。永遠に耐え続けることなど不可能だ。逃げることも、目の前の男を殺すことも、自分で自分の命を絶つこともできない。
マナウには、この人間に従う道しか残されていない。
その事実に、肉体だけでなく精神的にも追い詰められていく。
人の魔力を奪っただけの卑怯者の最低な人間の言いなりになるなんて。
プライドが許さないとしても、もうそうするしかないのだ。
「…………れろっ」
「え?」
「ぃ、入れろ……っ」
ギリギリと噛み締めた歯の隙間から、吐き捨てるようにマナウは言う。
勇也は待ってましたとばかりににんまりと唇に弧を描いた。
「入れる? どこに、何を?」
「貴様の……っ……ユーヤの、それを……私の、中に、入れろっ」
請うのではなく命令だったが、それでも勇也は満足したようだ。
「仰せのままに、魔王様」
「ひっ、あっ、あ~~~~~~っ」
ずぷん……っと陰茎が蜜口に挿入された。太く硬い楔がぬかるんだ隘路をずりずりと擦りながら貫いていく。
もたらされたのは痛みではなく強烈な快感で、マナウははくはくと口を開閉し絶頂を迎えた。
「はっ、ひっ、~~~~っ、くひっ、──~~~~~~っ」
「っ、はあっ……入れただけでイッたの? てか、っ、イきっぱなしになってる? あっ、すご、中、きゅんきゅんして……やば……っ」
「ひうっ、うっ、うううぅ~~っ、やっ、もうやあぁっ、いきたく、なっ、あっあっあっあっあああぁっ」
いけばいくほど子宮が激しく疼く。もういきたくないのに、いけば膣内が陰茎を締め付け、内壁が擦れ、その快感に達してしまう。絶頂は終わらず、マナウは目も眩むような快楽の波に飲み込まれ溺れた。
ぎゅうぎゅうと絡み付く肉襞を掻き分け、陰茎は中を擦り上げながら奥へと進む。
「っ、~~~~っ、ひっあっ、んひぃっ、やっ、も、うごくな、ぁああっ、なか、こするのやめぇえっ、~~っ、あっあ~~~~っ」
「動くな、とか、ムリだからっ……こんな、搾り取るみたいにちんこ扱かれたら、腰止まんなくなるって……っ」
「ひはぁあああっ」
勇也はマナウの両脚を広げ、ばちゅっばちゅっと腰を打ち付ける。
硬い陰茎に最奥を突き上げられ、その刺激にマナウはまた達した。目の前にチカチカと星が散る。
「やっあっあっあっあ~~~~っ、やめっ、もぉっ、おかしく、なるぅっ、んうっうっ、~~~~っ」
「ははっ、別に、おかしくなっても、いいよ……俺がずぅぅぅっと、飼ってあげる、から……っ」
狂気に満ちた瞳に見下ろされ、マナウは声にならない悲鳴を上げる。
優しく愛でるように頬を撫でられても、恐怖しか感じなかった。正気を失えば、一生この頭のおかしな人間の飼い殺しにされる。
「ぃ、やっ、あぁっ、も、早く、いけっ、んぁっあっあっ、はやくぅっ」
「あはぁっ、かわい、早く俺のザーメン欲しいんだ……っ?」
ぺろぺろとマナウの頬を舐めながら、勇也は興奮した様子で腰を振る。
「ひぅんっ、んっひぃっ、~~っ、あっ、はやく、しろっ、はやくぅっ、せいえき、んあっああぁっ」
「あっは……そんなに欲しい? ここ? ここに欲しいの?」
「んひぁっ、あああ~~っ」
ごりゅごりゅと子宮口を亀頭で抉られ、強烈な快感に背中が仰け反る。マナウは目を見開き首を振り立てた。
「やめぇっ、そこっ、~~っ、んひっ、ぐりぐり、やあぁっ、ほんとに、おかしくなっ、あっあっ、──~~っ」
「はっ……やめていいの? ここに、精液注がなくていいんだ……っ?」
「んああぁっ」
わざとらしくゆっくりと、勇也は腰を引く。
陰茎が抜けていく感覚に、ぞくぞくぞくっと体が反応する。
「ひはぁっ、はひっ、らめっ、ぬいちゃ、あっあっん~~っ、なかっ、なかにっ」
抜けていく陰茎を追いかけ、はしたなく腰が浮く。
「っは~~、腰へこへこしちゃって……マジエロくて可愛いっ……。おまんこでぎゅーってしがみついて……中出ししてほしいんだ?」
「くっひぃっ……って、ほしいっ、から、あぁっあっ、はやくっ、なかにぃっ」
マナウは殆ど理性を失くしかけていた。ただ早くこの快楽の責め苦から解放されたくて、男の精液を求めて縋る。
「可愛いっ、マナウ、マナウ、俺のマナウっ、俺だけのっ、泣いて嫌がってももう絶対逃がさねーから……っ」
「ひあぁ……っ」
ぎゅうぅっと抱き締められ、再び陰茎が奥まで捩じ込まれる。
「ひっあっあっ、~~~~っ、あっあ~~っ」
どちゅっどちゅっと小刻みに最奥を穿たれ、マナウは無意識に勇也の腕にしがみついた。爪を立て、彼の肌に傷をつける。それにうっとりと愉悦の笑みを浮かべていた勇也には気づかず、マナウは快楽に喘ぐ。
「ひぐっ、うぅっ、んっあっあっ、やっやあぁっ、もっ、んぅ~~~~っ」
「出る、出すよ……っ」
「はやくぅっ、なかぁっ、なかにっ」
「あっ、すげ、うねって……よすぎて、やべ……ああ、出る……っ」
膣内が射精を促すように陰茎に強く絡み付く。
それから、熱い体液を胎内に吐き出されるのを感じた。
求めていたものを与えられ、悦ぶように膣内が蠢動し一滴残らず搾り取ろうとする。
じわじわと腹の奥に精液が浸透していくような感じがした。そして、激しい疼きが治まっていく。
漸くこの腸が煮え繰り返るような屈辱的な行為から解放される。
マナウがそう思ったとき。
ぐちゅんっ。
「んひっ……!?」
挿入されたままの陰茎に、ずんっと胎内を突き上げられた。
「ひっ、あっ、な、なにっ、なんで……っ」
なぜ抜くのではなく奥に押し込めるように動かすのだ。
「なんでって……俺、一回で終わるなんて言ってないよ?」
「なっ……」
「もっとちゃんと、マナウのおまんこに俺のちんこ馴染ませたいし」
「ひあっ、や、めっ、うごかすなっ、あっやっ、また、いっ~~~~っ」
愛液と精液でぬめった膣内を、既に固く張り詰めている陰茎でぬちゅぬちゅと掻き回される。敏感な内壁を擦られて、マナウは呆気なく絶頂を迎える。
達してしまえば、また苦しめられることになるというのに。
「何回でもイッていいよ。何回でも、いーっぱい、中に出してあげるから」
そう言って微笑む勇也を、魔族よりも魔族らしいのではないかと思った。
こんな男が勇者だなんて。人間どもはわかっているのだろうか。人間界を救った英雄と崇める存在の本質を。
ごちゅんっ。
「ひぐぅっ……」
最奥を強く突き上げられ、マナウは悲鳴を上げる。
「余裕だなぁ。考え事とか許さないから。俺のことしか考えられなくなるまで、徹底的に犯し尽くすから」
「ひっ……」
暗く澱んだ双眸が、瞬きもせずにマナウをとらえる。
魔王である自分が恐怖に身を竦めるなんて。しかしプライドを傷つけられたと感じる余裕もなく、ただひたすらに目の前の男が怖かった。
彼の、自分に対する執着がひしひしと伝わってくるのだ。知りたくもないのに。
男は勇者とは思えない笑みを浮かべ、マナウの体を押さえつけて亀頭で子宮口をぐりゅぐりゅと捏ね回す。
「んひぁっ、やっ、おくっ、ううぅっ、いくっ、~~~~っ、ひっあっ、またっ、~~っ、やめっ、ひっ、あ~~~~っ」
「あはっ、奥、気持ちいい? おまんこスゴいよ……いっぱいコネコネしてあげるから、ゆっくり俺のちんこ覚えようね……っ」
「やっ、やあっ、も、やらああぁっ」
マナウの悲痛にしては甘すぎる叫びが部屋に響き渡る。厳重に結界が張られた防音の完璧なこの部屋に助けなど来るはずもないが、人間でも誰でもいいから助けてくれ、とマナウは心の底から思った。
目が覚めて真っ先にこの世で一番憎い相手の顔が視界に入り、マナウの目覚めは最悪のものとなった。
ゆっくりと体を起こす。
無駄に大きなベッドの上に、マナウは勇也と全裸で寝ていた。
朝方まで凌辱は続き、最後の方は記憶もあやふやだ。
マナウは最悪の気分だというのに、元凶のこの人間はスヤスヤと気持ち良さそうに眠っている。見ていると無性に腹が立った。
顔面を殴ってやりたいが、やはりできない。当然だが、眠っていても首輪の効果はあるようだ。だから、逃げたくても逃げられない。
視線だけで殺せないものかと憎しみに満ちた視線を向けていて、ふと気づく。勇也の腕や背中に引っ掻き傷が残っているではないか。
よく覚えてはいないが、マナウがつけたものに違いない。恐らく、無意識だから傷つけられたのだろう。傷つけるつもりでつけた傷ではないから。
つまり、意識せず、殺意を一切抱かなければ殺せるのではないだろうか。
例えば、ナイフなどの凶器を持った状態でうっかり足を滑らせて刺す、とか。うっかり足を滑らせて崖から突き落とす、とか。
限りなく可能性は低いが、ゼロではない。
それはほんの僅かだが、見えた希望の光だった。
「んふふふふ……そんなに見られると照れちゃうよ……」
恋する乙女のように頬を染めながら勇也が瞼を開けた。
マナウはそれを冷めた目で見下ろす。
「目が覚めてたのならさっさと起きろ」
「えー、だってー、マナウがちゅーしてくれるかなって思ってー」
「するわけないだろう」
「もー、冷たいなー。あんなに愛し合ったのに」
もじもじと恥じらう勇也に殺意しかわかない。
感情をコントロールできれば、意識することなくこの男を殺せるのだろうか。しかし次から次へと溢れ出る殺意を抑えるなど至難の業だ。
だが、それができればこの男から解放される。
マナウは沸き上がる怒りを懸命に抑えた。
ベッドを下りて互いに着替えを済ませる。
「マナウ、体は平気? 回復魔法かけたけど、辛くない?」
勇也に訊かれて納得した。どうりで疲労が少しも残っていないはずだ。
「別に問題ない」
「ならよかったー。じゃ、行こっか」
「どこに行くんだ?」
「んー。まずはマナウの服を買いに行こう」
言いながら、勇也は再びマナウの体を自分のマントでくるむ。
「この女王様みたいな格好も好きなんだけど、他の人には見せたくないし。もっと布面積の多い服に着替えようね」
「…………その後は?」
「俺とマナウが住む家を探そう。できれば町から離れた場所にある家がいいよね。新婚生活邪魔されたくないし」
「貴様と結婚した覚えはない」
「うんうん。まずはちゃんと指輪用意しなきゃね。式も挙げようね、二人っきりで。マナウのウェディングドレスとか……うわ、めっちゃ楽しみ!」
妄想を膨らませてはしゃぐ勇也にゾッとする。
マナウとしては死んでもお断りだが、この首輪がある限り拒否権はない。
「これからずーっとマナウと一緒とか……マジ嬉しすぎ。あー、ホント、この世界に来れてよかったー!」
マナウはこの男を勇者として召喚した人間を心の底から恨んだ。今までも本気だったが、人間界を滅ぼしてやりたいと心底から思った。
恨み辛みで胸がいっぱいのマナウとは反対に、勇也は喜色満面で手を握ってくる。
振り払うことも握り潰すこともできない。仲睦まじい恋人同士のように手を繋いで移動するなど屈辱でしかないが、どうしたって拒絶できない。
けれど、諦めてはいなかった。
いつかこの人間を殺してやる。
絶対に首輪を外してみせる。
そう心に誓い、元魔王は勇者に手を引かれ部屋を出た。
────────────────
読んで下さってありがとうございます。
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