あたるくんの食事事情

よしゆき

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25 佐野誕

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 ドアが開き、中から笑顔の佐野が姿を見せる。

「真ちゃん、いらっしゃい」
「佐野くん、誕生日おめでとう」

 第一声でそれを伝えれば、佐野は更に笑みを深めた。
 真は誕生日を祝う為に、彼の家にやって来た。

「ありがとう、真ちゃん。わざわざ来てくれて」
「こちらこそ、祝わせてくれてありがとう」
「あは、なにそれ」
「だって、お祝いできるの嬉しいから」

 誕生日は特別な日だ。それをこうして二人きりでお祝いさせてもらえるなんて、真にとってはとても嬉しい事だ。
 素直に気持ちを伝えれば、佐野は照れたように目を細める。

「もー、真ちゃんってば……そういうとこがさー……」
「え……? なんか、変な事言っちゃった……?」
「違うよー。俺もすごーく嬉しいって事。さ、入って入って」

 佐野に促され家に上がり、彼の部屋へ移動した。
 彼への誕生日プレゼントは真の手作りケーキだ。何がいいか尋ねたら、佐野がそれをリクエストしたのだ。
 本当にそれでいいのだろうかと真は不安に思ったが、本人がそう言っているのだから違う物を用意するわけにもいかない。せめて喜んでもらえるような美味しいケーキを作ろうと、練習を重ねてきた。
 箱に入れて持ってきたケーキを、二人で食べる。
 スポンジの中にたっぷり苺を挟み、生クリームでデコレーションしたシンプルなケーキだ。

「んんっ……すごい、美味しい! スポンジふわふわだね。生クリームも甘過ぎなくてすごく食べやすいよ」

 一口食べた佐野にそんな感想をもらい、ホッと胸を撫で下ろす。彼は本当に美味しそうに食べてくれている。
 喜んでもらえたのなら、真も嬉しかった。
 彼と一緒にケーキを食べ、まったりとした時間を過ごす。

「ありがとう、真ちゃん。ケーキ、すごく美味しかったよ」
「喜んでもらえたなら、良かった。こちらこそ、食べてくれてありがとう」

 互いに笑顔で礼を言い合う。和やかな空気が流れる。

「それで、真ちゃん」

 その言葉を合図に、今までののんびりした雰囲気がガラリと変わる。色気を孕んだ佐野の流し目に見据えられ、真は硬直した。

「もう一つのプレゼントも、もちろん持ってきてくれたんだよね?」

 にっこり微笑む佐野から、そっと視線を外す。

「真ちゃん?」

 圧を帯びた低い声で名前を呼ばれ、ビクッと肩を竦める。

「あ、あの……」
「まさか、持ってきてないとか言わないよね?」
「そ、そうじゃなくて……ちゃんと用意、した、けど……」

 真はモゴモゴと口ごもる。
 佐野からのプレゼントのリクエストは一つではなかった。

「よかった。じゃあ、プレゼント、俺にちょーだい」

 ニコニコと楽しげに笑う佐野に手を引かれ、ベッドの上に移動する。
 ベッドに座り込んだ真は、うろうろと視線をさ迷わせた。

「えっと……このプレゼント、ホントにほしいのかなって……」
「当たり前でしょ。ほしいからリクエストしたんじゃん」
「そうなんだけど、でも、実際見たらいらないんじゃないかなー……なんて」
「そんなわけないよ。俺、ずーっと楽しみにしてたんだからね」
「そ、そのぅ……決して、楽しみにするようなものではないかと……」

 なかなか決心のつかない真に、佐野は悲しそうに瞳を伏せる。

「真ちゃんがそんなに嫌なら、無理にとは言わないけどさ……」
「ち、違うよ! 嫌なんて思ってないから……っ」
「いいんだよ。手作りケーキ食べられただけで充分嬉しいし。誕生日だからって、ワガママ言って困らせちゃってごめんね……」

 寂しさの浮かぶ佐野の笑顔に、真の胸は痛んだ。
 折角こうして家に招いてもらい、誕生日のお祝いをさせてもらっているというのに。真のせいで台無しにしてしまうなんて、あってはならない。

「僕の方こそごめん! 佐野くんのリクエストだけど、こんなの喜んでもらえるわけないって思っちゃって……。見せてもいないのに、怖じ気付いて……ホントにごめんなさい! 決して期待に添えるようなものじゃないけど、どうぞ……!!」

 顔を真っ赤にしながら衣服を脱ぎ捨て、下着姿になる。真が身につけているのは、セクシーランジェリーだ。黒色のスケスケベビードールに、同じく黒のレースのショーツ。
 誕生日に何が欲しいかと尋ねた真に、佐野はこのランジェリーを手渡し着てほしいと言ってきた。
 最初は冗談だと思った。真をからかっているのだと。
 けれど佐野は本気だった。
 彼が望むのなら、それに応えたい。その一心で着てみたが、当然自分には似合わない。セクシーランジェリーを身につける自分の姿を鏡に映して見てみたが、滑稽としか思えなかった。
 きっと佐野は似合うと思ってこの下着を渡してきたのだ。けれど実際は全然似合っていなくて、きっとガッカリさせてしまう。
 一応着てきたが、彼の期待には到底応えられないとわかっていたのですんなりと見せる事ができなかった。

「ごご、ごめんね、僕には全然似合わなくて……」

 可愛らしい美少年だったら似合っただろうが、平凡な真が着てもギャグにしかならないだろう。わかってはいても、どうする事もできなかったのだ。
 そっと佐野を窺うと、彼は瞬きもせずにこちらを凝視していた。
 あまりにも酷い姿にビックリしてしまったのかもしれない。

「えっと……もう服着るね……」

 早く隠した方がいいと思い脱いだ服に手を伸ばす。すると佐野は真の手首をガッチリと掴んだ。

「……佐野くん?」
「何で服着るの?」
「な、何でって……」
「俺へのプレゼントでしょ? もっとちゃんとしっかり堪能させてくれなきゃ」
「う、うん……」

 ぐいぐい迫ってくる佐野の勢いに押され、真は思わず頷いた。

「はあー……嬉しいよ。俺の為にありがとう、真ちゃん……」

 佐野はうっとりした顔で熱の籠った息を吐く。彼の瞳は甘く蕩けている。片時も真から視線を外さない。
 そんなにじっくり見られると、今更ながら恥ずかしくなってくる。

「佐野くん……その、あんまり見ないでもらえると……」
「だーめ。折角着てくれたんだから、もっとちゃんと見せて。ていうか、俺に見せる為に着てくれたんでしょ」
「そ、そうなんだけど……」

 そんなにガッツリ見られるなんて想定していなかったのだ。恥ずかしくて堪らなくなってくる。

「あはっ、耳まで真っ赤。かーわいい」
「か、からかわないでよ。僕、本気で恥ずかしいんだから……っ」
「からかってないよ」

 佐野の手が火照った頬に触れる。彼の手も熱があるみたいに熱かった。
 至近距離で見つめられ、心臓がドキドキと早鐘を打つ。

「ね、美味しそうな真ちゃんも食べさせて?」
「っ……」

 とろりと香る甘い匂いに陶然となる。じんじんと腹の奥で熱が蓄積していく。ただ佐野と見つめ合い頬に触れられているだけなのに息が上がる。

「……は……ぁ……っ、食べて……佐野く……んんっ」

 噛みつくようにキスをされた。唇を割って入ってきた舌が、口腔内を掻き回す。

「んっ……ふぁっ……ンンッ」

 真も舌を動かし、くちゅくちゅと舌を擦り合う。快感に、ぞくぞくっと背筋が震えた。
 舌を絡ませ合いながら、佐野の手が胸元に伸ばされる。

「ぁンッ、んっ……ぅんっ」

 布の上から乳首を弄られる。指先でくるくると転がされ、甘い快楽に襲われた。布地が擦れ、刺激に両方の乳首がツンと勃ち上がる。

「ふぁっ……んんっ、はっ……んんんっ」

 ちゅうちゅうと舌を吸われ、乳首をつままれ、気持ちよくてビクビクと腰が揺れる。ショーツの中のぺニスは頭を擡げ、先走りを漏らしていた。

「ふぅっんんっ、んっ、んんぁ……っ」

 佐野の舌先が上顎を擦る。唇の端から滴る唾液を拭う余裕もなく、快感に耽溺する。
 乳頭を布越しにカリカリと引っ掛かれ、強い刺激にガクガクと腰が跳ねた。先走りがとめどなく溢れショーツを濡らしていく。

「ンッ、くぅ、んんっ、んっ、んーっ」

 佐野は真の舌にぢゅうっと吸い付き、乳首を弾く。

「っ、──~~~~~~~~っ」

 ビクンッビクンッと大きく体を震わせ、真は射精した。小さなレースのショーツが吐き出した体液でぐっしょりと濡れる。

「んはぁっ……は、あぁ……っ」

 唇を解放され、真は荒い呼吸を繰り返す。射精の余韻にヒクヒクと全身が痙攣する。
 口から零れた唾液を、佐野の指が拭う。

「真ちゃん、イッちゃった?」
「ぁ、んっ……ごめ……汚しちゃった……」
「謝んなくていーよ。汚すために用意した物だから」

 ニンマリと唇の端を吊り上げ、佐野は言う。

「顔トロトロになっちゃって……可愛いね」
「んぁ……っ」

 目尻に滲む涙を舐められ、それだけで敏感になった体は大袈裟に震えた。
 佐野の手に支えられ、彼を跨ぐように膝立ちになる。

「あは……すごいぐちょぐちょ」
「あっ……」

 ショーツをずらされ、精液にまみれたぺニスが露出する。佐野は下着を脱がせるつもりはないようで、そのまま臀部へと手を伸ばした。

「ああ、こっちももうぬるぬるになってるね」
「ンンッ」

 後孔も既に蜜で潤っていた。すりすりと指の腹で表面を撫でられ、そこは媚びるように収縮を繰り返す。

「あっ、んっ」
「パクパク口開けて、早く中も弄ってって言ってるみたい」
「っ……うん……。弄って、ほしい……」

 羞恥に苛まれながらもねだれば、佐野は嬉しそうに目を細める。

「ひぁ……っ」
「はっ……すご……一気に根本まで飲み込んじゃった」

 肉筒が蠕動し、埋め込まれた指を奥まで受け入れる。

「あぁっ、佐野くんの、指っ……きもちぃっ、あんっ」
「真ちゃんのおまんこ、とろっとろ……。熱くて、柔らかいのにぎゅうぎゅう吸い付いてきて……そんなに締め付けたら動かせないよ」

 佐野は楽しそうに笑い、真の首筋をねぶる。

「んゃっ、やだ、あっ、動かして……中ぁ、ぐちゅぐちゅって、してぇ……っ」

 胎内は刺激を求めきゅんきゅんと疼いている。
 はしたなく腰を揺すり懇願すれば、佐野は笑みを深めた。

「真ちゃんのおねだりホントかーわいい。いーっぱい、ぐちゅぐちゅしてあげるよ」
「ひあぁんっ」

 指が曲げられ、敏感な箇所を的確に刺激される。求めていた快感を与えられ、真は歓喜の悲鳴を上げた。
 そのまま指でそこを擦られると、気持ちよすぎて体がビクビクと跳ねた。

「アッ、ああぁっ、ひっ、んっ、きもち、いいぃっ、あっあっ、んんっ」
「ここ、ぐりぐりされるの大好きだもんねー、真ちゃん」
「ひぅっんっ、すき、すきっ、あぁっ、佐野くんの、指で、ぐりぐりされるのぉっ、すきぃっ」
「俺の事は?」
「すきっ、だいすき、佐野くぅん……っ」
「あはっ、即答すんのかわいーなぁ。俺も大好きだよ、真ちゃん」
「っ、~~~~~~っ」

 真は声もなく絶頂を迎えた。肉筒が激しく痙攣し、きつく指を締め付ける。

「俺に大好きって言われてイッちゃったの? ホント、かわいーい」

 うっとりと微笑み、佐野は後孔に二本目の指を挿入する。

「んあぁっ」

 彼の指が、敏感な膨らみを擦りながら出し入れされる。

「ひぁっ、ンンッ、きもち、いっ、あっあっああっ」

 快楽に歪む真の顔を見つめながら、彼は絶えず刺激を与え続ける。
 熱を帯びた視線を注がれ、ぞくぞくっと興奮に肌が粟立つ。

「佐野、くぅん……っ」
「んっ……」

 真は殆ど無意識に彼に口付けていた。佐野の唇を食み、ぺろぺろと舐める。
 それに煽られたように、佐野は真の後頭部を手で押さえ深く唇を合わせる。

「んんんっ……ん、はぁっ……佐野、く……んんっ」

 互いに舌を絡め合い、混ざり合う唾液を飲み下す。濃厚なキスに、指を咥え込んだ後孔がきゅうきゅうと蠢く。指では届かない奥がじくじくと疼き、真は腰をくねらせる。

「ンッ、ふぅ……んっ、ぁ、んっ、さのく、んっ、んっ、んんぅっ」
「……はっ……真ちゃんのおまんこ、もう指じゃ足りないって言ってるみたい」
「ぅんっ、うん、指じゃ、足りないの……もっと奥まで、ほしい……っ」

 佐野は顔を綻ばせた。

「そうやって、真ちゃんが素直にほしがってくれるの、すごく嬉しいよ」

 ゆっくりと後孔の指が抜けていく。

「俺も真ちゃんがほしい。真ちゃんの中、俺でいっぱいにしたい」

 熱っぽく囁き、佐野は服を脱ぎ捨てた。上半身裸になり、既に反り返った陰茎を取り出す。
 彼の欲望を目にし、真は息を乱した。昂る気持ちのまま、彼に縋りつく。

「いっぱいに、して……佐野くんっ」

 ひくつく後孔に亀頭が押し当てられる。腰を下ろせば、自重で奥深くまで剛直が埋め込まれた。

「ああぁ……っ」

 顎を仰け反らせ、甲高い嬌声を上げる。強烈な快感に目の前がチカチカした。

「ひっあぁっ、あっ、あ……っ」
「っは……キツ……。真ちゃん、大丈夫?」

 ぎゅうぅ……っと肉壁が締まり、佐野は息を詰める。耐えるように眉を寄せ、艶を帯びた吐息を漏らす。

「らいじょ、ぶ……きもちぃっ、さのく、で、いっぱいで、きもちいぃっ」

 真はだらしなく頬を緩め、彼の熱が埋め込まれた下腹部を撫でた。

「んへ……うれし、あっあっ、佐野くんの、僕の中に、入って……嬉しい……っ」
「っ……もー、そういう事言われると、めちゃくちゃにしたくなっちゃうからさー……っ」
「んぁああ……っ」

 ずんっと下から強く突き上げられ、亀頭が更に奥へとめり込む。

「ひあっあっ、あっ、さのく、ぅんんっ、んっ、さのくんっ、あぁっ、あっひぁっ」
「俺も嬉しいよ……真ちゃんの心も体も、俺でいっぱいになってるの……すごく嬉しい……っ」

 きつく抱き締められ、激しく内奥を穿たれる。
 彼の腕と匂いに包まれ、真はこの上ない多幸感に満たされる。
 真も腕を彼の背に回し、ぎゅうっとしがみついた。

「あっあっ、ひうっ、んあぁっ、さのくぅっんっ、あっあっ」
「んっ……真ちゃん……っ」
「ンンッ、は……んっ、んっ」

 どちらからともなく唇を合わせ、深く口づけながら互いに快楽を貪る。
 ひたすらに佐野を求め、彼の事で思考は埋め尽くされていた。
 そして同じように彼に求められる悦びに体は顕著に反応を示す。肉筒は彼の陰茎にねっとりと絡み付き、ぺニスからはだらだらと蜜が溢れていた。

「んひっ……ぃ、く、んんっ、いっちゃ……ぅんっ」
「っ……ん……俺も、出そ……」

 自然と抱き締め合う腕に力が籠り、胎内を穿つ剛直の動きが激しくなる。

「んっ、んっ、ンッ……ん~~~~っ」
「っ……は」

 真は身を震わせ絶頂を迎える。
 胎内に佐野の体液が放たれるのを感じ、愉悦に脳髄が痺れた。内壁が味わうように陰茎に吸い付く。

「ふぁっ……おいひ……」

 瞳をトロトロにして悦楽に浸る真を、佐野は体を繋げたまま押し倒した。

「ひっ、あっ……佐野く……」
「がっついちゃってごめんね。今度はじっくりゆっくり、真ちゃんを可愛がらせてね」
「ひゃんっ」

 ぐりっと腰を回され、蕩けた肉筒が快感に震える。真の漏らした蜜と佐野の精液でぬかるむ直腸を、既に固く張り詰めた肉棒でぐちゅぐちゅと捏ねられる。

「ひあぁっ、あっ、きもち、いいぃっ」
「いっぱい気持ちよくなってね、真ちゃん」

 艶然と微笑みながら、佐野は緩い抽挿を繰り返す。
 剛直はゆっくりと引き抜かれ、内壁を擦りながらゆっくりとまた奥へと押し込まれる。腸壁を硬い楔にずりゅずりゅと擦り上げられ、甘い快楽に全身が震える。

「んぁっあぁっ、ゆっくり、しちゃ、あひっんっ」
「んん? 真ちゃん、ゆっくり擦られるの嫌?」
「いや、じゃ、ない……きもちぃっ、なかぁっ、佐野くんのでいっぱい擦れるの、きもちいいぃっ」
「あはっ……かわいー。こっちも可愛がろうね」
「ひぅんっ」

 固く尖ったままの乳首を布越しに撫でられ、背中がビクンッと仰け反る。

「ここもね」
「ひあぁっ」

 ぬるぬるに濡れたぺニスを握り込まれる。ちゅくちゅくと扱かれ、鋭い快感が駆け抜けた。

「んぁっ、そんな、ああっ、たくさん、きもちよくしちゃ、あっあっ、んぅううっ」
「気持ちよすぎていっぱいいっぱいになっちゃってるの、かわいーなぁ」

 乳首をこしゅこしゅと指で押し潰すように擦られる。掌に包み込まれたぺニスをぐちゅぐちゅと上下に刺激される。前立腺を亀頭でぐりゅぐりゅと捏ね回される。それらを同時に行われ、真の思考は快楽で塗り潰された。

「んひっ、あっあっ、いくっ、んんっ、いく、いくぅっ、~~~~~~っ」

 はしたなく広げた太股を痙攣させ、真は射精した。吐き出した精液が、黒いベビードールに飛び散る。
 白濁とした体液で汚れるその様を見下ろし、佐野は頬を紅潮させ唇に弧を描く。

「ああ……すげーエロいよ、真ちゃん」
「ひうぅっ」

 剛直を強く打ち込まれ、真は目を見開き身悶える。

「佐野く、ンッ、あっひっ、ひあぁっ」
「はあっ……真ちゃんが相手だと、すぐに余裕なくしちゃうな……っ」

 ごちゅっごちゅっと奥を穿たれ、敏感になった体は何度も絶頂へと追い上げられる。
 何も考えられなくなって、ただ与えられる快楽に溺れ続けた。

「ひっあっ、さのく、さのくぅんっ、すきっ、すきぃっ、さのくんっ、さのくんっ」
「あー、もー、可愛すぎ……っ」
「んひぁああっ」

 両脚を抱えられ、更に奥深く貫かれた。最奥をぐぽぐぽと抉られ、強すぎる快感に首を振り立てる。

「くひっひあぁっ、あっあっ、さのくぅ、さのくんんっ」
「真ちゃん……真……っ」

 思いの丈をぶつけるかのように、内奥を激しく突き上げられる。

「好きだ、ホントに好きだよ、真ちゃん、真ちゃん……っ」

 額に汗を浮かべ、余裕を失くした表情を浮かべる佐野にきゅんきゅんと胸が締め付けられた。
 彼の事が堪らなく大好きで、同じように彼も自分を想ってくれている。その事実に、身も心も歓喜に包まれた。

「さのく、ぅんんっ、しゅき、しゅき、らいしゅきぃっ」
「真ちゃん……っ」

 身をくねらせ、真は大きな絶頂の波に揉まれる。そして佐野もまた、真の中で果てた。
 どぷどぷどぷ……っと熱い体液を注がれ、悦びに全身に痺れが走る。頭のてっぺんから爪先まで、彼の熱で満たされていくような感覚に陶然となる。

「きもちい……僕の中、しゃのくんで、いっぱいぃ……っ」
「っ……」

 佐野は頬を染め息を呑む。それから深く深く息を吐き出した。

「…………あー、なんか、真ちゃんには一生敵わない気がするなー」
「んぁ……佐野くん……?」
「何でもないよー、真ちゃん」

 佐野はへらりと笑い、覆い被さってくる。
 精を吐き出したばかりの彼の陰茎は、真の中で再び熱を取り戻していた。

「ンッ……佐野くんの……また、おっきく、なって……」
「だって、真ちゃんが用意してくれた誕生日プレゼント、まだまだ味わい足りないからね」
「あぅ……」
「俺が満足するまで楽しませてくれるよね、真ちゃん?」

 にっこり微笑む佐野の笑顔があまりにカッコよくて、そんな状況でもないのにきゅんと胸をときめかせてしまう。
 断る理由など何一つなく、真は好きにしてと伝えるように彼に抱きついた。




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