あたるくんの食事事情

よしゆき

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18 (今井・佐野)

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 ある日の夕食中のことだった。父親は残業で遅くなるので、真と母は二人で先に食事をしていた。

「そういえば、魅了チャームは使えるようになったの?」

 ふと思い出したように母が尋ねてきた。

「えっと、うん、一応……?」

 自分の意思で使ったことは一度もないけれど。使ってはいるので頷いておく。

「それならいいけど」
「精気もらうときって、魅了チャーム使わないとダメなの?」

 そんなことは言われていなかったので、母の反応に真は首を傾げた。

「そうじゃなくて、魅了チャームを使わないと記憶が残っちゃうでしょ?」
「………………え?」
魅了チャームにかかれば、かかってる間とその前後の記憶が消えるから」
「…………」

 さらりととんでもないことを言われ、真の頭は真っ白になる。

「そ、そ、そう、なの……?」
「なぁに、気づいてなかったの?」

 混乱する真に、母は話を続ける。

「ほら、魅了チャームをかけずにセックスなんてしちゃったら、相手が勘違いしてしつこく言い寄ってくるから大変なのよ。こっちは食事の為にしているだけで、好きでもなんでもないっていうのに」

 昔を思い出しているのか、母はふう……と溜め息を漏らす。
 母ほどの美貌の持ち主ならば、相手にした男に勘違いされるのも無理はない。
 それはさておき、どういうことなのだろう。
 真は今井と佐野と上原に魅了チャームをかけているはずだ。けれど真には、彼らの記憶が抜けているようには思えない。
 毎回いつ魅了チャームをかけてしまったのかはよくわからないが、真は確かに魅了チャームを使っている。それは間違いない。でなければ、あの三人が真とセックスしてくれるはずがないのだ。キスしたり、真に対し可愛いと言ったり、あれは魅了チャームにかかってなければあり得ない。
 しかし、三人の記憶は残っている。今まで、記憶が抜けていたことなんてない。
 それはどうしてだろう。
 ぐるぐると考えて、答えに辿り着きハッとした。
 真は純粋なサキュバスではない。人間とのハーフだ。だから、魅了チャームの力が弱いのだ。母と違いきちんと効力が発揮されず、記憶が消えないのだろう。
 そう結論付け、真は一人納得した。






 翌日の放課後。掃除当番の真は掃除を終わらせた後、麻雀部の部室へ向かっていた。佐野に遊びにおいでと誘われ、お邪魔することにしたのだ。上原は用事があって帰ったが、今井はいるらしい。
 部室に向かう、その途中。どんくさい真はなにもない廊下でべちゃりと転んだ。

「うぅ……痛い……」

 段差もなにもない廊下で転んでしまうなんて、恥ずかしい。
 せめて誰にも見られていませんようにと祈りながら体を起こしたとき。

「大丈夫か!?」

 と誰かが駆け寄ってきた。
 運悪く見られてしまったようだ。恥ずかしかったが、相手は心配してくれているのだ。無視するわけにもいかず、真は顔を上げた。そしてその人物の顔を見て目を見開く。

「おい、どうした? 頭を打ったのか?」

 今も名前は知らないけれど、そう尋ねてくる男性教師とは以前面識があった。
 はじめて今井と佐野から精気をもらったとき。終わった後で、教室に現れた教師だ。真が今井と佐野にいじめられていると勘違いして、助けようとしてくれた。そしてその誤解を解こうとしたら何故か急に様子が変わって、変なことを言い出して、今井に蹴り飛ばされていた。
 あのまま放置して逃げてしまったのだ。もし真があの場にいた生徒だとバレたら怒られてしまうかもしれない。
 焦るけれどよく考えると、生徒が教師に暴力を振るったというのに、その後なんのお咎めもなかったのはおかしい。あの場にいた真達の顔はしっかり見ていたはずのに、この教師は蹴り飛ばされてもそれを学校に報告しなかったということなのか。
 黙りこくる真に、教師は怪訝そうに眉を顰める。

「どこか痛むのか? おい、聞こえてるか?」
「あ、あ、あの……っ」

 気づけば真は教師に尋ねていた。

「僕のこと、覚えてますかっ……?」
「は……?」

 教師は胡乱げな視線を真に向ける。

「先生の受け持ってるクラスの生徒じゃないよな?」
「は、はい……。僕の顔、見覚えありませんか……?」
「うーん……」

 眉間に皺を刻み、まじまじと真を見据える。
 真は平凡で特徴のない顔をしているので、覚えていなくても無理はないのかもしれない。覚えていなくても、おかしくないのかもしれない。
 でも、ただ忘れているわけではなく、記憶がなくなっているのだとしたら。

「結構前のことなんですけど、放課後、僕は教室の中にいて、後から先生が来たんです……」
「放課後……?」
「僕は一人じゃなくて、他に二人の生徒がいて……」
「三人で一緒にいたってことか?」
「は、はい、そうです……。それで、そのとき、僕、下になにも穿いてなくて、下半身裸だったんです……っ」

 顔の印象はなくても、それは忘れられないはずだ。
 それなのに、それを聞いた教師は「はああ?」と思い切り困惑したような声を上げた。

「なんだそれは? どういうことだ?」

 教師は全くピンときていないようだ。まるですっかり記憶が抜け落ちてしまっているかのように。
 その反応に、真は確信する。
 この教師にはあのときの記憶がない。

「す、すみません、なんでもないです、失礼します!」

 そう言って、真は逃げるようにその場から走り去った。どうにか転ばずに麻雀部の部室の近くまでやって来る。
 息を整えながら、混乱する頭で考える。
 どうして、あの教師は記憶をなくしてしまったのか。
 考えられるのは、真が魅了チャームをかけてしまったのではないかということだ。
 あのとき、教師は急に態度がおかしくなった。正気をなくしてしまったかのように。
 そしてそれと似たようなことがもう一度あった。今井と行った夏祭りで、真がかき氷をぶちまけて怒らせてしまったあの男だ。
 彼も急に様子が変わり、真に襲いかかってきたのだ。
 あの二人の変化は、真が魅了チャームをかけてしまったせいなのかもしれない。寧ろそうでなければおかしい。明らかにあの二人は正気ではなかったのだ。
 真が魅了チャームをかけたから、教師はその前後ごと記憶をなくした。
 しかしそうなると、辻褄が合わなくなってしまう。
 今井も佐野も上原も、記憶をなくしてはいない。それに、あの二人のような異常な変化も見られない。正気をなくしたような目で真に襲いかかったりしない。
 ひょっとして、真の魅了チャームの力は不安定なのだろうか。強くかかったり弱くかかったり。教師と夏祭りのあの男はたまたま強く魅了チャームにかかり、そして今井と佐野と上原はたまたま毎回弱く魅了チャームにかかっている。
 そういうことなのかもしれない。
 真は半分しかサキュバスの血が流れていないのだから、そういうこともあるだろう。
 不自然ではあるが、他に理由が思い付かない。
 それとも、真が気づいていないだけで今井と佐野と上原も記憶をなくしているとか。いやいやいや、さすがにそれはあり得ない。
 自分で自分に突っ込みながら、だんだん不安になってくる。本当に三人は記憶をなくしていないのだろうか。真の魅了チャームの力が不安定だとしたら、時間差で効力が発揮されてある日突然三人の記憶が消えてしまったりしないだろうか。真と過ごした記憶が全て抜け落ちて、真のことも忘れてしまったりしないだろうか。
 そんな荒唐無稽な想像が頭を過る。
 不安に押し潰されそうになりながら、真は麻雀部の部室のドアを開けた。
 室内には、ソファに座る今井と佐野がいた。

「あ、真ちゃん、いらっしゃーい」
「遅かったな」

 笑顔を向けてくれる佐野と素っ気なくもきちんと声をかけてくれる今井に、心の底から安堵した。
 自分の妄想に怯えすぎだ。でも、その妄想が絶対にあり得ないとも言い切れない。

「真ちゃーん? こっちおいでよ」
「あっ、う、う、うん……」

 佐野に呼ばれ、真はドアを閉めて二人に近づく。二人に挟まれる形でソファに座らされた。

「お菓子食べる? これ朝買った、コンビニの新商品」
「う、うん、ありがとう、いただくね」

 テーブルに広げられたお菓子を佐野にすすめられ、真はそれに手を伸ばした。
 お菓子を食べながらも、心ここにあらずといった状態だった。
 そんな真の顔を、今井が横から覗き込んでくる。

「おい、なんかあったのか?」
「っえ、な、なにが……?」
「なーんか、思い悩んでるって感じ?」

 反対側から佐野にもじっと顔を見つめられる。
 二人から視線を向けられ、真は顔を伏せた。本当のことは言えない。

「そういうわけじゃないけど、ちょっと、気になって……」
「えー、なにが?」
「ふ、二人に訊きたいんだけど……」
「なんだよ」
「あ、あの、ぼ、ぼ、僕と、し、したの、覚えてるよね……?」
「んん? なにをー?」
「つまりその、あ、あれ……」
「はっきり言えよ」
「せっ、せっ、性行為っ、したの、覚えてるよね!?」

 恥ずかしがるあまり大声を出してしまった。真は顔を真っ赤にして身を縮める。今井と佐野のぽかんとした表情を見て、更に羞恥が募った。

「ご、ごめん、おっきい声、出しちゃって……へ、変なこと、訊いて……」
「なんだ急に、その質問……」
「うぅ……ごめんなさい……」

 今井の呆れたような視線と声に、真はますます縮こまった。
 いきなりこんなこと訊いたら不審に思われるだろう。しかし不安に駆られ、確認せずにはいられなくなってしまったのだ。
 ゆでダコのように全身を赤く染める真の頬を、佐野が撫でた。

「真ちゃん、それってもしかして遠回しなエッチのお誘い?」
「へぇえっ!?」

 佐野の見当違いな解釈に、真はすっとんきょうな声を上げる。
 一体どうしてそんな発想になったのだ。

「あはは、かーわいいなぁ。恥ずかしくてエッチしたいって言えないから、いきなりあんなこと言い出したの?」
「そ、そんっ、ち、違っ……」

 動揺して否定の言葉を吃りまくってしまう。これではまるで佐野に図星をさされて焦っているみたいだ。

「ま、待っ……」
「そういうことなら、俺がお相手するよ」
「ち、違うから……っ」
「まあまあ遠慮しないで」
「ンッ、んんっ」

 止める間もなく佐野にソファに押し倒され、唇を重ねられた。
 柔らかく唇を食まれると、真は無意識に口を開いてしまう。開いた隙間から舌を差し込まれ、舌をねぶられる。上顎を擽るように舌先で擦られれば、ぞくぞくっと快感に肌が粟立った。
 気づかぬ内に、また魅了チャームを発動させてしまったのだろうか。それならば、今度こそ記憶は消えるかもしれない。
 そんなことを考えるけれど、キスの気持ちよさにだんだん頭が働かなくなっていく。

「おいッ、佐野!」

 間近から今井の怒声が響き、佐野はちゅっと音を立てて唇を離した。

「どうどう。真ちゃんの誘いに気づけなかった今井は見てなよ」
「はぁあッ!?」

 怒る今井を佐野は適当にいなし、真の制服を乱していく。

「わっ、あ、待って、佐野く……っ」
「真ちゃんとエッチしたの、もちろん覚えてるよー」
「ひゃっ、ンッ……」
「今井に教室の床に押し倒されてたの。あれが真ちゃんのはじめてだったんだよね?」
「え、あ、う、うん……」

 まさについさっき、あの教師と出会ってあのときのことを思い出していたので、真はこくんと頷いた。

「こうやって、今井に脚抱えられてー、めちゃくちゃ揺さぶられてたよねー?」
「ひゃっあっあぁんっ」

 両脚を抱えられ、股間をくっつけた状態でゆさゆさと腰を揺すられる。お互いズボンは身に付けたまま、あのときの再現をするように。
 布越しに陰部を擦られ、真はもどかしい快感に身を捩る。思わず、はしたなく自分から腰を浮かせてしまう。もっと強い刺激を求め、佐野の股間に自分のそこを擦り付けてしまう。

「あは、真ちゃんてば、腰の動きやーらしー」
「ひっ、うっ、ご、ごめん、なさ……っ」
「いやいや、俺が悪かったよ。真ちゃんは直接がいいんだよねー」

 一度脚を下ろし、佐野は慣れた手付きでズボンと下着を剥ぎ取った。
 緩く勃ち上がった真のぺニスがぷるりと震え露になる。

「おい、佐野! 最初のとき突っ込んでたのは俺で、お前は後から来てちょっかい出してきただけだろ! 俺と代われよ!」
「えー、そもそも今井、覚えてんの?」
「覚えてるに決まってんだろッ」
「じゃあどんな風にしたの?」
「こうやって、こいつの体触って」
「ひゃあぁんっあっあンッ」

 今井が制服を捲り上げ、真の肌を掌で撫でる。

「そしたら、今みたいにすぐチンコびんびんにして」
「ひっあっあうぅっ」
「そんで、真が俺のチンコ触りたいって言ってきたんだよ」

 あのときのことを詳しく思い出し、真は羞恥に身悶えた。なんてはしたないことをしてしまったのだろう。はしたない真似をしてしまうのは最初だけではなく毎回だけれど。少しでも精気を吸い込むと、すぐに快楽を求めてしまうのだ。もっと濃厚な精気を味わいたくて、それだけで頭がいっぱいになってしまう。それがサキュバスの本能なのだろうか。

「そうなの、真ちゃん?」

 佐野に確認され、真はいたたまれない気持ちになる。それが事実なので否定もできず、羞恥をこらえて小さく頷けば佐野に手を取られた。そのまま、彼の下肢へ導かれる。取り出された男根が、真の指に触れた。

「あっ……」
「どんな風に今井のちんぽ弄ったの?」
「ひっうっ、うぅ……っ」

 恥ずかしさに泣きそうになりながら、佐野の肉棒を撫で擦る。正直、あのときは精気にあてられかなり気持ちが昂っていた。どんな風に触れたのか、詳しくは思い出せない。

「あはっ、なんか初々しい触り方。これはこれでクるなー」

 佐野は楽しそうに笑みを浮かべる。
 彼の陰茎は少しずつ固さを増していく。それが嬉しくて、気づけば真は夢中でそれを弄っていた。

「それで、今井はこのときどうしてたの?」
「だから代われよ!」
「ねえ、今井のちんぽ触りながら、今井になにされてたの、真ちゃん?」
「聞けよッ」

 じわじわと辺りに漂いはじめた精気の甘い香りを吸い込み、真の理性もとろとろと溶け出す。
 真は自分から脚を広げ、ぺニスの下の後孔を晒した。

「ここ、指でぐちゅぐちゅしてくれたの……」

 ひくひくと収縮し、蜜を滴らせるそこに佐野の指が触れた。

「ここ?」
「ンあっあっ、そこ、そこっ、指入れて、中、ぐちゅぐちゅって、あっあぁあっ」

 ぬぷぬぷっと指が差し込まれる。蜜をまとった肉壁は、悦ぶように蠢いて彼の指を受け入れた。

「ぐちゅぐちゅって、こう?」
「ひぁあっあっあっあぁっ」
「それともこんな感じ?」
「んひぁっあっんんっ、んぅっ」

 ぐちゅんぐちゅんと佐野の指が内部を掻き回す。綻びはじめると指を増やされ、ぬるぬるの肉壁を強く擦られ、真は快感に喘いだ。佐野の男根に触れる手は、もうただ添えるだけの状態になっている。

「答えろよ、真、俺にどんな風にされたのか」

 真の頭側に座る今井が、真上から見下ろし言ってくる。

「んゃっあっ、そ、そんな、ぁあっあっひんっ」
「覚えてねーのかよ?」
「ひゃぅうッ」

 咎めるように乳首をきゅうっと摘ままれ、鋭い快感に背中が仰け反る。

「んひぁっあうっ、も、きもち、くて、あっンッ、わ、わかんな、あっあっひぅんっ」

 どんどん濃厚になっていく甘い匂いにくらくらして、二人から与えられる快楽に思考はぐずぐずになっていく。

「も、もう、ひあっあっ、ほしぃのっ、中、指じゃなくて、おちんちんでぐちゅぐちゅされたいぃっ」

 はしたなくねだりながら、手に触れる佐野の肉棒を擦る。これを入れてほしいと催促するように。

「あはっ、もちろん、いーっぱいぐちゅぐちゅしてあげる」

 佐野は嬉しそうに目を細め、自分の股間から真の手を離した。

「佐野ッ」
「もー、いいじゃん。今井は俺の代わりにフェラしてもらいなよ」

 今井を適当にあしらいながら佐野は後孔から指を引き抜く。自身の欲望に避妊具を装着し、真の両脚を抱えて亀頭を後孔に押し当てた。

「あっあんっ」
「待ちきれなくて、ちゅっちゅって吸い付いてきてる。かぁわいいね、真ちゃん。今入れてあげるからねー」
「ンぁあっあっあっあああぁっ」

 ぐぷぐぷぐぷ……っと、剛直が中に埋め込まれていく。

「っは、すご、相変わらず吸い込まれるみたい……っ」
「ひはっはっあっあっああっンンッ」
「奥までぬるっぬるだしっ……マジで名器だよね」

 硬い楔が肉壁を擦り上げながら、奥へ奥へと挿入される。
 真のぺニスはぴゅくっぴゅくっと壊れたように精を吐き出していた。
 剛直を咥え込んだ肉筒がぎゅんぎゅんと蠕動し、佐野は耐えるように顔を歪める。

「あっ……はあっ……気持ちいいよ、真ちゃん……っ」
「ひうっぅうんっ、あっ、ぼくも、きもちぃのっ、あっあぁんっ」

 胎内を満たされる快感に陶然となっていると、上から舌打ちが聞こえた。
 視線を向けると、苛立ちを露にした今井の顔がある。情欲の滲む彼の瞳と目が合い、ぞくりと背筋が震えた。
 今井の精気ももっともっと味わいたい。匂いだけじゃ足りない。体の中に直接流し込んでほしい。

「あっあっ、今井く、今井くんも、気持ちよくなって……っ」
「っ……」

 蕩けた瞳で見つめれば、今井から放たれる精気の匂いが一層濃くなる。

「お口に、今井くんのおちんちん、ちょうだい……?」
「ックソ、真のくせにビッチみたいな煽り方しやがって……っ」

 今井は悪態をつきながら頭を擡げた陰茎を取り出す。
 すかさず佐野が茶々を入れた。

「ちんぽ勃たせてるくせに、なんか言ってるしー」
「うるせぇッ」
「ンンッ」

 今井の男根を顔に押し付けられる。鼻先に、頬に擦り付けられ、じゅわっと口内に涎が溢れた。早くこれを味わいたくて、真は自分からも頬を擦り寄せる。

「チンコで顔面擦られて、喜んでんじゃねーよ」

 そう言う今井の息も乱れている。彼の興奮が伝わってきて、真は更に性感を煽られた。

「んぁっ、らって、早く、ほし……」

 唾液で溢れた口腔内を開いて見せる。
 誘うように赤い舌が動き、それを見た今井の双眸がギラギラと獰猛な光を帯びた。

「だったらくれてやるよ……っ」

 頬を今井の両手でがっちりと掴まれる。喉を仰け反らされ、逆さまの状態で口の中に肉棒を突き入れられた。

「んぐうぅうんっ」

 喉の近くまで今井の欲望を埋められる。甘美な味が口内に広がり、とめどなく涎が溢れた。甘露を啜るように肉棒にしゃぶりつく。

「ちょっと今井、俺の代わりにフェラしてもらいなって言ったけど、あのとき俺そんなことしてないし」
「いいんだよ、こいつは悦んでんだから。っは……舌絡めて吸い付いてきやがって……チンコ好きすぎだろ……っ」
「もー、真ちゃんの顔見えないじゃん」
「うるせーな、ケツに突っ込んでるくせに文句言うなよ」

 交わされる二人の会話を聞くともなしに聞きながら、真は濃厚な精気を存分に味わい、与えられる快楽に悶える。

「むふぅっ、ンッ、むっ、んっんんっ」

 ぢゅぷぢゅぷと卑猥な音を鳴らし、口いっぱいに含んだ陰茎を舐めしゃぶる。

「っ……美味そうにチンコ食ってんな、ほんと」
「俺のちんぽもいっぱい味わってね、真ちゃん」
「んんううぅんっ」

 腰を掴んだ佐野が、ぢゅちゅんっと内奥を突き上げる。
 亀頭が更に奥にめり込み、腸壁が快感に戦慄いた。肉筒が陰茎を締め付ければ佐野からも更に強く精気が流れ込んできて、真は陶酔した顔でそれを味わう。

「そういえばあのとき、佐野に乳首弄られてたよな」

 思い出したようにそう言った今井は、真の口で陰茎を扱きながら乳首を刺激する。

「ンううっうっ、んんんっ」
「佐野に弄られて、気持ちよさそうな声上げてたよなァ」
「んぐっ、ふうぅんっ、ンッンッんんんぅっ」

 くりくりと膨らんだ突起を転がされ、甘い快感に腰が揺れる。

「はは、今井に乳首弄られてきもちいの、真ちゃん?」
「ンッ、んんーっ」
「じゃあ俺はちんぽ弄ってあげるね」
「ふぐっ、んっ、くふぅうんっ」

 佐野の手で既に精液で濡れそぼっていたぺニスをぬるぬると扱かれ、真は涙を流して快楽によがる。
 口の粘膜を剛直に擦られるのも乳首を捏ね回されるのもぺニスを擦られるのも胎内の奥深くを突き上げられるのも、なにもかもが気持ちよくて、精気は蕩けるほどに美味しくて、身も心もどろどろに蕩けていくような感覚に襲われた。

「っあー、すっごい締め付け、ちんぽ搾られてる……っ」
「はっ、クソッ、喉奥でチンコ扱かれる……っ」

 佐野と今井の声も、徐々に余裕がなくなっていく。

「口ン中、オナホみたいに使われて悦んでんのか……っ、めちゃくちゃしゃぶりついてきやがってっ」
「ンぐっ、ふっ、うっ、んぅうっ」
「おまんこもすごいね、はあっ……ぎゅうぎゅううねって、ザーメン欲しいって言ってるみたい……っ」
「んっんんっんっうっ、ンンッ」

 じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽっと、口からも後孔からも激しい粘着音が響いた。
 真はもうなにも考えられず、ただ快楽と精気を求める。口を窄め舌を絡め、直腸をきつく締め付けた。
 先に佐野が果てた。胎内で彼の欲望が跳ね、精を吐き出しているのがわかった。
 甘い精気に全身を浸されるような愉悦に、真も射精していた。
 続けて今井も絶頂に達し、びゅくびゅくっと喉に直接精液を注がれる。精液を喉に流し込みながら同時に精気も流れ込んできて、その蕩けるような味わいに、真はまた絶頂を迎える。ぺニスからとろとろと体液を漏らしながら、この上ない悦楽にぶるぶると全身を震わせた。

「んっ、はっ、あっあっ……」

 口と後孔から、ゆっくりと陰茎が引き抜かれていく。
 蕩けた顔を晒し、真は食事の余韻に浸る。
 ぼんやりする真の顔を、上から今井と佐野が覗き込んできた。

「おい、大丈夫か?」
「今井に乱暴にされて辛くない?」
「ッおい。お前人のこと言えないだろっ」
「そんなことないよー」

 上で交わされる会話を聞きながら、真はふにゃっと頬を緩めた。

「ありがとぉ、二人とも」
「はあ?」
「ここでお礼言っちゃうのが真ちゃんだよね」

 美味しい精気をもらったのだからお礼を言うのは真にとって当然のことなのだが、それを知らない二人は怪訝そうにしていた。






 学校を出て、真は今井と佐野と駅に向かって歩いていた。
 もう魅了チャームは解けたはずだが、やはり二人から記憶が抜けている様子はない。
 言い合いしながら真の少し前を歩く二人の姿を見つめる。
 見つめながら、ふと思った。
 二人は真とエッチしたことを覚えている。それなのに、こうして普通に接してくれるのはおかしくないだろうか。
 魅了チャームにかかって真とセックスして、魅了チャームが解けたとき真とセックスした記憶が残っていたら、もっと大騒ぎになるのではないか。好きでもない男と、よりによってなんで平凡な真なんかとセックスしたのかと。気持ち悪いとか、もう二度と真の顔も見たくないとか、そんな風に思うのではないか。
 けれど今井も佐野も上原も、真を嫌い避けたりなどしない。それどころか普通に声をかけ、遊びに誘ったりしてくれる。
 もしかして、三人にとって真とのセックスなんて大したことではないのだろうか。気にする必要がないほど、三人は日常的に色んな人とセックスしているのかもしれない。真が知らないだけで、三人は真以外の人とたくさんセックスしてて、だから真とセックスした記憶が残っていても別に騒ぐようなことではない。三人にとって真は、大勢の中の一人に過ぎないから。
 ツキンと胸に痛みが走る。
 もちろん、三人が誰となにをしようと真にそれをどうこう言う権利はない。
 けれど、三人が自分以外の人と真にしたのと同じようにキスしたり抱き合ったりしているのかと思うと、胸がじくじくと痛んだ。

「おいッ」

 腕を掴まれ、ハッと顔を上げる。
 今井が訝しげにこちらを見ていた。

「どうしたんだよ、やっぱ体辛いのか?」

 どうやら考え事をしていていつの間にか足が止まっていたようだ。

「ううん、全然。体調はすごくいいよ」

 それは本当だ。二人の精気を食べて体はすこぶる調子がいい。

「ほんと? 無理しちゃダメだよ真ちゃん」

 今井の隣の佐野に心配そうに見つめられ、真は笑みを浮かべた。

「大丈夫だよ。ただ、二人が覚えててくれてよかったなって、色々考えてて」
「はああ?」
「もしかして真ちゃん、記憶喪失もののドラマとか観たの? そういうのに影響受けやすそうだもんねー」

 佐野は楽しそうに笑い、今井は呆れたように嘆息する。

「そう簡単に忘れたりするかよ」

 今井に掴まれた腕を引かれ、真は再び歩き出す。
 もやもやする胸の内を隠したまま、佐野にからかわれ今井に怒られ、笑いながら前へ進んだ。




───────────────


 読んで下さってありがとうございます。


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☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

【完結】かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい

日向汐
BL
番外編はTwitter(べったー)に載せていきますので、よかったらぜひ🤲 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ 過保護なかわいい系美形の後輩。 たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡ そんなお話。 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ 【攻め】 雨宮千冬(あめみや・ちふゆ) 大学1年。法学部。 淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。 甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。 【受け】 睦月伊織(むつき・いおり) 大学2年。工学部。 黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。

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