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国外追放された悪役令嬢は
しおりを挟むなにもしていないのに悪役令嬢にされて断罪されて国外追放されることになったヒロインが、隣国の王子に嫁ぐ話。
異世界転生 乙女ゲーム 悪役令嬢 残酷な描写あり
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クリスティーナは前世の記憶を思い出し、自分が乙女ゲームに登場する悪役令嬢であることに気づいた。
ゲームで悪役令嬢は断罪され、国外追放される。
しかし前世を思い出した以上、自分が悪役令嬢になることはあり得ない。国外追放される未来は回避できる。クリスティーナは胸を撫で下ろした。
王立学園に入学し、ヒロインのフローラと出会っても、もちろんいじめようなどとは思わなかった。断罪イベントだけは避けたい。
だがしかし、だ。気づけばクリスティーナは悪役令嬢になっていた。
なぜか行く先々でフローラと遭遇し、なぜかクリスティーナが彼女をいじめていることになっている。
クリスティーナがフローラと校舎裏でばったりと会ったそのとき、運悪く校舎の窓からバケツの水が捨てられ、二人は思い切りその水を頭から被った。
びしょ濡れになったそのとき、クリスティーナの婚約者である王太子のレイモンドが通りかかり。濡れ鼠の二人を見て「どうしたんだ!」と慌てて駆け寄ってきて。するとフローラがうるうると瞳を潤ませてレイモンドにすり寄り。
「クリスティーナ様が、いきなり私に水をかけてきたんです!」
と、宣った。
クリスティーナだってびっちょり濡れていて、手ぶらで水をかけられるような物はなにも持っていないのに、レイモンドはあっさりそれを信じた。
「なんてことをするんだ、クリスティーナ!」
頭ごなしにクリスティーナを責めて、くしゃみをしたフローラを温めるように肩を抱き、彼女を連れ去っていった。
残されたのは、全身びしょ濡れのクリスティーナだけだ。
そしてまたある日。廊下で躓いたクリスティーナは、よろけて近くにいたフローラを突き飛ばしてしまった。
クリスティーナは顔面からその場に倒れ、フローラはたまたま通りかかったレイモンドにしっかりと抱き止められていた。
顔面をぶつけて鼻血を出すクリスティーナを指差し、無傷のフローラは「クリスティーナ様に突き飛ばされました!」と叫んでいる。
レイモンドはクリスティーナを言葉で責め立て、蔑むような視線を向けた。フローラに「大丈夫かい?」と優しい言葉をかけながら、彼女と共に立ち去っていく。
二人の姿が見えなくなり、クリスティーナは漸く立ち上がった。
鼻血は止まらず、情けなくて、惨めで、涙が零れそうになる。
そのとき、後ろから遠慮がちな声をかけられた。
「大丈夫ですか、クリスティーナ様」
振り返ると、レイモンドの従者だか護衛だか、いつの頃からか気づけば彼の後ろに控えていたトラヴィスという男が立っていた。
彼はいつも気配を消していて、空気のような存在だった。黒く長い前髪に隠れ、顔はよくわからない。何度も見かけているはずなのに、印象に残らない。
彼もゲームに登場していただろうか。クリスティーナは思い出せない。登場していたとしても、恐らくモブだろう。攻略対象者ではない。
「宜しければ、お使いください」
そっと、白いハンカチを差し出される。
こんな風に、クリスティーナを気遣うように接してくれる人物は珍しい。
しかしクリスティーナはそれを受け取らなかった。
誰に見られているかわからない。もし受け取れば、無理やりハンカチを奪ったと、また真実をねじ曲げられて噂が広まってしまう恐れがある。
「ありがとう、大丈夫よ。自分のハンカチがあるから」
やんわりと断って、スカートのポケットを探る。
ハンカチはなかった。忘れたのか落としたのか、とにかくハンカチはなかった。
ハンカチにすら見放されたようで、無性に悲しくなった。
ぽろりと涙が零れ、唇を噛み締める。
クリスティーナはトラヴィスに背を向け、鼻血を流したままその場を足早に立ち去った。
そんなことが何度も起きた。
フローラも恐らく転生者なのだろう。逆ハーエンドを狙っているのか、攻略対象者全員の好感度を上げまくっている。
クリスティーナのいるところにフローラが現れ、フローラのいるところに攻略対象者もやって来る。
その度にクリスティーナは悪者にされた。
教科書を破ったのも、制服を汚したのも、食事に異物を混ぜたのも、全部なにもしていないクリスティーナのせいになった。
無実を訴えても、誰もクリスティーナの言葉を信じない。
それなのに、フローラの言葉は多少矛盾があろうとすんなり信じるのだ。
これがヒロインと悪役令嬢の差なのか。ゲームの強制力というやつなのか。
フローラが攻略対象者の好感度を上げれば上げるほど、クリスティーナの好感度は下がりに下がり、修復不可能なところまで落ちてしまった。
誰もクリスティーナのことを信じてくれない。話も聞かずクリスティーナを責め、フローラを庇う。
そんな状態が続き、クリスティーナは精神的にもうぼろぼろだった。
断罪イベントはまだ先だが、父に頼んで学園を辞めさせてもらおうと考えた。断罪イベントが発生しなくても、この調子ならばいずれ王太子との婚約は破棄されるだろう。イベント発生前に辞めてしまえば、国外追放は避けられるはずだ。
そう思っていたのに。
「私は君との婚約を破棄する!」
ゲームよりもずっと早く、そのときは訪れてしまった。
まだかなり猶予はあったはずなのに、どうして、と疑問を抱く暇も与えてもらえず。
頭が真っ白になっている間に断罪イベントは終了し、クリスティーナは国外追放されることになった。
本当に、身一つで国の外へと放り出される。
しかしそれだけでは終わらず、クリスティーナが馬車から降りると、御者がナイフを突きつけてきたのだ。
青ざめるクリスティーナに、御者はニヤリと唇を歪めた。
「悪く思うなよ。未来の王太子妃様に頼まれたんだ、断れなかったんだよ。俺だって、本当はこんなことしたくないんだけどなぁ」
と、めちゃくちゃ楽しそうに言ってくる。
つまり、フローラがクリスティーナを殺せと頼んだのだろう。国外追放だけじゃ足りないというのか。
クリスティーナはただ、平和に、平穏に生きていければそれでよかったのに。
まあ、無一文でなんの伝もないクリスティーナが一人で生きていくのは難しく、その辺で野垂れ死ぬ可能性は高い。それならば、いっそここで……。
クリスティーナは諦めて、体の力を抜いた。既に抵抗する気力もない。
そっと目を閉じた、そのとき。
「ぎぃあああぁ……!!」
男の悲鳴に閉じた瞼を開く。
すると、血塗れで御者が倒れていた。
そしてその傍らには、べっとりと血のついた剣を持つ男が一人、立っていた。
「ひぃ……っ」
クリスティーナは蒼白になり、後ろによろめいた。
「おっと……」
剣を持つ男が、素早く近づいてクリスティーナを支える。
クリスティーナは恐怖し、体を震わせた。
「大丈夫ですか?」
優しく声をかけるその男は、トラヴィスだった。
クリスティーナは目を見開く。
御者はぴくりとも動かない。流れる血の量から、恐らくもう生きてはいない。
しかし、どうして彼が。
クリスティーナを助けたのか、それとも別の目的があるのだろうか。
「どうして、あなたが、ここに……」
掠れた声で問いかければ、彼はにこりと微笑んだ。
「クリスティーナ様を迎えに来たのですよ」
意味がわからず困惑していると、馬車の走る音が聞こえてきた。どんどん近づいてくる。
クリスティーナが来たのとは反対の道から、こちらに向かって走ってくる豪華な馬車が見えた。
クリスティーナとトラヴィスの近くで、馬車はピタリと止まった。
御者の男が馬車を降り、トラヴィスの前で跪く。そして彼に向かって言った。
「お迎えに上がりました、トラヴィス殿下」
ぽかんとするクリスティーナの横で、トラヴィスは応える。
「ああ。ご苦労」
彼の声は威厳に満ちていた。敬われることに慣れた、上の立場の人間のものだ。
長い前髪をかき上げれば、美しい相貌が露になる。
その顔をまともに目にして、クリスティーナは気づいた。彼は今まで、わざと印象に残らないよう自分を殺していたのだと。
彼の美貌は一度見たら忘れられない。
人を惹き付ける彼の瞳が、クリスティーナをとらえる。
「では、行こうか、クリスティーナ」
「…………どこ、へ……?」
呆然とするクリスティーナに、トラヴィスは凶悪なほどに魅力的な笑みを浮かべる。
「もちろん、国を追放されたお前が捨てられた、隣国にだよ」
なにがなにやらわからぬ内に、クリスティーナは隣国の王宮に連れていかれた。そしてあれよあれよという間に豪奢な寝室の、大きく立派なベッドの上に押し倒されていた。
トラヴィスにドレスを剥ぎ取られそうな段階になって、漸く抵抗らしい抵抗ができた。
「ま、ま、待ってくださいっ、一体、どういうことなんですか……!?」
周囲のトラヴィスに対する態度から、彼が隣国の王子なのだということはわかった。しかし、クリスティーナには自分の置かれた状況がさっぱりわからない。
トラヴィス面倒臭そうな顔をしながらも説明をはじめた。
「お前は国を追放されただろう?」
「は、は、はい……」
「だから俺が、拾って自分の妻に迎えても、なんら問題はない」
「は、え……?」
話しながら、トラヴィスはクリスティーナのドレスに手をかける。脱がせようとする彼の手を止めたいけれど、話を遮って制止の声を上げることもできない。身を捩るような僅かな抵抗では、彼の手は止まらなかった。
「そもそも俺は、スパイとして隣国に潜り込んだ。身分を隠して、向こうの国の王子の護衛になった。こちらの有利になるような弱みを握るために」
「…………」
「あ、スパイになったのは、俺が自ら志願したからだ。俺は王政よりも自分の体を使って事を為す方が性に合ってるんでな。俺は三男で、上の二人よりは自由にさせてもらってるんだ」
「…………」
ドレスは脱がされベッドの下に放られる。トラヴィスは続いて下着に手を伸ばす。
クリスティーナは顔を真っ赤に染め、体をもじもじと揺らした。
相手が相手だけに、めちゃくちゃに暴れて逃げ出すこともできない。
せめて話している間は手を止めてほしい。話に集中している間に脱がされてしまうし、脱がされるのを阻止しようとすれば話に集中できなくなる。
驚きと羞恥で頭は混乱し、理解が追い付かなくなってしまう。
「まあ、それはどうでもいい。つまりスパイをしてる過程でお前を見つけて、気に入ったから手に入れようと決めた」
「…………え?」
「お前のあの、泣きそうな顔を見てるとゾクゾクした。何度押し倒してやろうと思ったか」
「…………は?」
トラヴィスの悪辣な笑みに、ぞくりと悪寒が走った。裸に剥かれながら、とんでもないことを言われている。
「お前はレイモンドの婚約者だったが、さらってでも自分のものにしようと考えてた。でも、うまい具合に婚約破棄の流れになってたからな。しかも、フローラとかいう女を貶めた罪とかで、国外追放ときた。このチャンスを逃す理由はないよなぁ」
「っあ……」
下着が、一枚一枚剥ぎ取られていく。
「必要な情報は手に入れたから、あの国にいる理由はなくなった。俺がこっちに戻るタイミングでお前が国外追放されるよう多少手は回したが、それにしてもこうも簡単に手に入るとは」
断罪イベントが早まったのは、彼が仕組んだからだったのだ。
「あの、フローラとかいう女に感謝だな。あいつのお陰で、余計な手間をかけずに済んだ」
「ぁ……ひ……っ」
トラヴィスの手によって、クリスティーナは遂に生まれたままの姿にされてしまう。
恐怖に震えるクリスティーナを見て、トラヴィスの瞳は獲物を狙う肉食獣のような獰猛な輝きを帯びる。
「どうする、クリスティーナ?」
「…………え?」
「俺から逃げるか? 逃がしてほしいか?」
「そ、それは……」
尋ねながらも、彼はクリスティーナの答えをわかっているのだろう。
クリスティーナにはもう、帰る場所などない。彼から逃げたところで、行く宛もない。
そして彼は、クリスティーナを逃がすつもりなどない。身分もなにもかも奪われてしまったクリスティーナには、彼から逃げる術もない。
「逃げたいか、クリスティーナ?」
残酷に微笑むトラヴィスに、クリスティーナはくしゃりと顔を歪めた。
泣きそうなその表情を見て、トラヴィスはうっとりと目を細める。
「その顔だ、クリスティーナ。お前のその顔に、堪らなくそそられるんだ」
まるで愛の告白のように熱っぽい声音で囁かれる。しかし全く嬉しくはなかった。
「俺の手で泣かせてやりたいと何度思ったか。快楽に落として、ぐっちゃぐちゃに泣かせてやろうと心に決めてたんだ」
見惚れるほど綺麗な笑顔で、ぞっとするほど下卑たことを言われる。
どうしてこんなことになったのだろう。
フローラをいじめてもいないのに悪役令嬢に仕立て上げられ、断罪されて、国外追放されて、そして今、こんなことになっている。
「クリスティーナ、たっぷり泣かせてやるからな」
どうすればこの未来を避けられたのか、今更考えたところでどうにもならない。
もう逃げられないのだということだけは、はっきりとわかった。
「ひあっ、あっ、あっ、あんっ」
甘ったるい嬌声が室内に響き続けていた。
とめどなく溢れる涙は、痛みでも悲しみでもなく快楽によって流れるものだ。
体に触れるトラヴィスの手はひたすらに甘く優しく、味わったことのない快感をクリスティーナにもたらした。
「んぁっ、いく、またいっちゃ、あっ、ああぁっ」
びくびくっと太股を痙攣させ、クリスティーナは絶頂を迎える。
もう何度目の絶頂なのかわからない。数え切れないほど何度も何度も高められた。
手で、口で、全身くまなく愛撫され、潮まで噴いて、蜜口はもうぐちょぐちょに濡れそぼっている。
指で散々掻き回されたそこは、しかし未だトラヴィスの欲望を埋め込まれることはなく純潔のままだ。
クリスティーナだけが、繰り返し絶頂へと導かれる。目も眩むような快楽に翻弄され、もう限界だった。断続的に与えられる強烈な快感に、頭がおかしくなりそうだ。
「んひっ、ひうぅっ、も、もぉ、お願い、しますぅっ、入れて、ひんっ、入れてくださいぃっ」
そうしなければ、この甘い攻め苦は終わらない。
クリスティーナは泣きながらトラヴィスに縋った。
その言葉を待っていたかのように、目の前の男はにんまりと笑う。
「いいのか? そうしたら、俺は確実にお前が孕むまで子種を注ぎ続けるぞ? いや、孕んでも、か」
「ひぁっ、あっ、あぁんっ」
ぐちゅぐちゅと指で膣穴を弄りながら、トラヴィスはクリスティーナの腹部を撫でる。
溢れるほどに精子を胎内に注がれるのを想像し、クリスティーナはぞくぞくと震えた。
「そうなったら、もう俺から逃げられないぞ? 俺の妻になってもいいのか?」
「あ、ぅ……」
クリスティーナは焦点の合わない目でトラヴィスを見つめた。
深い執着と強い情欲の滲む瞳に絡めとられる。
どうせもう、彼からは逃げられない。
とにかく今は、一刻も早くこの地獄のような快楽の波から抜け出したかった。
「なります、つまに、つまにしてくださぃ……っ」
「俺のものになるのか?」
「なります、トラヴィスさまの、ものに、なりますっ」
「いい子だ、クリスティーナ」
優しい笑顔を向けられ、クリスティーナの心はとろりと蕩けた。
次いで、両脚を抱えられ秘所に固く熱い肉塊が押し当てられる。
「ひあ……っ」
処女膜を突き抜け、陰茎が一気に押し込まれた。
「ああああぁっ」
膣穴を太い楔に貫かれ、裂かれるような痛みに目を見開く。
快楽に浸けられ溺れそうになっていたクリスティーナは、与えられた痛みにほっとする。
根本まで埋め込み、トラヴィスはクリスティーナを抱き締め口付けた。
「これで、俺のものだ。なにがあろうと、絶対に手放さない」
狂喜を孕んだ瞳で、唇を歪めて微笑む。
そして彼はゆっくりと律動をはじめた。
「んあぁっ、あっ、あっ」
「はっ……さすがに、きついな……」
トラヴィスは額に汗を滲ませながら、自分の形を馴染ませるように抜き差しを繰り返す。
指で何度も弄られた敏感な肉壁を、今度は男根で擦られた。
そうすると、また、痛みなど霞むほどの快感がそこから全身へと走り抜ける。
「はひぃっ、んゃ、ああっ、やあぁっ」
「うん? 気持ちいいか、クリスティーナ?」
問い掛けに答える余裕もなく、彼にしがみつく。
「ひあぁっ、あっ、やっ、あんっ」
「まだこっちの方が感じるか?」
「んひああぁっ」
トラヴィスは腰を揺すりながら、陰核に手を伸ばす。
そこは指で擦られ押し潰され、舌でねぶられ吸い上げられ、散々弄くり回されて赤く腫れたようにぷっくりと肥大し、軽く撫でられただけで痺れるような快感に襲われる。
「らめ、あぁっ、しょこ、もうらめれすぅっ、あっ、あっ、あんっ、なでなでしないれっ、ゆるひてくだひゃいぃっ」
「ん? 中だけで気持ちよくなりたいか?」
「ひゃああぁっ」
肉粒から手は離してくれたが、今度は膣内の感じる箇所を陰茎で執拗に擦られる。
「んやあぁっ、らめ、そこ、んんっ、こするの、らめぇっ」
「はあっ……なにが駄目なんだ? 気持ちいいんだろう? 中がとろとろに蕩けて、嬉しそうにうねってるぞ……っ?」
「らめ、らめ、きもちぃの、もうらめぇっ」
いやいやと首を振るクリスティーナを甘やかすように、トラヴィスは乳首を指で転がす。その刺激に、クリスティーナの背中が仰け反る。
「駄目じゃないだろ? 気持ちよくなって、可愛く泣いてる顔を、もっと俺に見せろ」
「やぁっ、こわい、あっ、きもちいいの、こわいぃっ、ひぁんっ、こんなの、おかひくなっちゃう、からぁっ、あっ、あっ」
ぽろぽろと涙を流すクリスティーナの頬を撫で、トラヴィスは優しい声音で宥める。
「おかしくなればいいだろう? 怖がる必要なんてない。おかしくなってもいいんだ」
「おかしく、なって、いい……?」
ぼんやりと見上げるクリスティーナを、トラヴィスがまっすぐに見つめる。
向けられる視線は、クリスティーナを許し、受け入れ、包み込むようだった。
今までずっと、突き放されてきた。なにを言っても信じてもらえず、責められ、蔑まれ、そして最後には捨てられた。
でも、トラヴィスは違う。彼は、彼だけは、クリスティーナを求めてくれる。
もう、クリスティーナには彼しかいない。
「トラヴィス、さまぁ……っ」
とろんと蕩けた瞳を向ければ、彼は嬉しそうに微笑んでくれた。
「どうした、クリスティーナ?」
「わたし、もっと、きもちよくなりたいです……トラヴィスさまに、もっともっと、いっぱい、おかしくしてほしいです……っ」
「可愛いな、クリスティーナ」
胎内で、彼の熱が更に体積を増す。
「お前の望むまま、めいいっぱい、可愛がってやろうな」
「ひ、ああああぁっ」
ごちゅんっと、激しく奥を突き上げられた。
びくびく震えるクリスティーナの体を、トラヴィスは容赦なく揺さぶり、快楽の中へ突き落とす。
蜜にまみれた肉壺を、ぎちぎちに埋め込まれた剛直に擦り上げられる快感に身悶えた。
「んぁっ、あっ、あんっ、トラヴィスしゃまぁっ」
「はっ、快楽に歪むお前の顔は本当に可愛いな、クリスティーナ……っ」
「あっ、はあぁんっ、きもちい、れす、トラヴィスさま、あんっ、あっ、いく、いくっ、ひううぅぅんっ」
「ああ……っ、俺も、気持ちいい……一度出すぞ、中に出すからな……っ」
「ひぁっ、あっ、らして、くだひゃい、はひっ、んんっ、わたしの、なかに、あっ、あっ、あっ」
「はあっ、く、イく……っ」
ぱちゅんぱちゅんと強く腰を打ち付けられ、子宮口に大量の精液を注がれる。
クリスティーナは胴震いしながらそれを受け入れた。
「んあぁっ、あちゅいの、トラヴィスしゃまの、子種、たくさん……」
「っく……はは、中が全部吸い出そうと締め付けてくる……お利口だな、クリスティーナ」
褒められて、クリスティーナはうっとりと笑う。
一度陰茎を引き抜かれ、体をうつ伏せにされ、今度は後ろから貫かれた。
ぬぷぬぷっと一気に奥まで押し込まれても痛みはなく、感じるのは快感だけだった。
「んひぁっ、あっ、あっ、トラヴィスしゃまの、いっぱい、きもちいれすぅっ」
「はっ、どこがイイ? 入り口の近くを擦られるのが好きか?」
「はひっ、しょこも、しゅき、れすぅっ……でも、おく、んはあぁっ、おく、とんとんされたい、んっ、んあっ、あっ、あっ、あっ、あっ」
「こう、か……? 奥を、こうして、突かれるのが、イイのか……っ?」
「いいっ、きもちいい、ですぅっ、ひあっ、あっ」
「もう奥が感じるのか……はあっ、クリスティーナは、本当に、俺好みの、いい子だな……」
「あっ、うれひ、んっ、んあっ、いく、また、あっ、あっ、いっ~~~~!」
膣内を痙攣させながら、クリスティーナは何度目かもわからない絶頂を迎える。
きつい締め付けに、トラヴィスは息を詰めた。
「ああ……っ、すごいな、クリスティーナの中は……。もっと感じさせてやろう。気持ちいいところを、たくさん弄ってやろうな」
そう言って背後から回された手が、クリスティーナの乳首と陰核に触れる。
「んひぃっ、あっ、あっ、しょんな、たくさん、んあぁっ、きもちいいのされたら、また、いっ、いって、あっ、あっ、あ──っ」
快楽に呑まれ、翻弄され、もうなにも考えられない。
ただ与えられる甘い快感と優しい温もりに耽溺する。
どうしてこんなことになったのか、これまでの経緯も、現状も、いつしかどうでもよくなっていた。
こうして身を任せていればいい。
もう、それだけでいいのだ。
愛を囁くトラヴィスの声を聞いて、クリスティーナは確かに幸せを感じていたのだから。
─────────────────
読んでくださってありがとうございます。
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