7 / 25
07、偽バイオレット現る!?
しおりを挟む
◇
(結局、逆らえずに来てしまった……)
一週間ぶりだというのに、踵の高いヒールはスッとリコリスの足に馴染んだ。
背中を開けた夜闇のドレスは上品に、色を押さえた唇は艶やかに、きらめくシャンデリアの灯りの下で輝く。スミレの仮面をつけたリコリスの登場に会場がざわめいた。
(ああ、この空気)
たった一週間。けれど、平凡に過ぎていく日々はなんて退屈だったのだろう。
欲望と羨望。フロアで絡み合う艶めいた視線。
甘い香水と酒の匂い。
仮面をつけた、『誰』でもない人たち。
誰でもない誰かに生まれ変われる瞬間を、リコリスの身体は喜んでいる。
(……毒されているわ)
こんな生活。やめなきゃと思っているくせに、楽しんでいる自分もどこかにいるのだ。
大人しくて地味な家庭教師はここにはいない。
ここにいるのは誰も知らないわたし。夜を纏う、麗しの謎の令嬢。
「こんばんは、バイオレット嬢」
「あら、こんばんは」
にこり。リコリスが微笑めば、仮面の紳士は納得がいったように一人うなずいた。
「……やはり、ここ数日のバイオレットはあなたとは別人でしたか。今、あなたを見て確信しましたよ」
「まあ。興味深い話だわ。その、わたしのそっくりさんとやらは今日はいらしているのかしら」
声をかけてきた紳士が壁の側のテーブルを指差した。
「あちらで色男に迫っているところですよ」
「ありがとう。せっかくだからご挨拶してくるわ」
いたずらっぽく微笑みながらも、リコリスは内心どきどきしていた。
バイオレットの真似事なんて、いったい、どこの誰がしているのだろう。
『偽物』は思いがけずすぐに見つかった。正確に言うと、リコリスが気づいたのは銀の仮面をつけたオーランドの姿だ。つまらなさそうに座っているオーランドの背後から、スミレの装飾をつけた仮面の女性が首筋に手を回して抱き着いている。
(お、オーランド様……)
別の男性が偽物に絡みつかれているようなら、『本物』が現れて一言言ってやろうかと思ったが、オーランド相手なら……。
見なかったことにしようかと立ち去ろうとしたリコリスに、
「バイオレット!」
オーランドが声を上げる。
思いもかけず大きな声はホールによく響いた。
会場中の視線がオーランドとバイオレット、そしてオーランドの後を追ってきたもう一人のバイオレットに注がれる。
……確かに、彼女が付けているスミレの花をあしらった仮面は、バイオレットの仮面にそっくりだ。
メイクやドレスの雰囲気は叔母やメイドたちの気分によって変わるため、彼女のように少々派手なときもある。決定的に違うのは仮面に青いスミレが入ってないことくらいだろうか。
リコリスの登場に偽物バイオレットはたじろいだ。
「ま、まあっ、バイオレットはわたしですわ! その女は偽物よ、オーランド様!」
指を刺されたリコリスは苦笑してしまう。
大勢の客の前で茶番劇を披露してしまうことになりそうだ。リコリスは肩をすくめ、悪戯っぽく笑ってみせた。
「……ですって。バイオレット嬢が呼んでいらっしゃるわよ」
「俺が、偽物にひっかかるような馬鹿な男だとでも?」
オーランドがリコリスとの距離を詰める。そのぶん、リコリスは一歩下がった。
「わたしも偽物かもしれないわ」
「俺は貴女を間違えたりしません」
やけに自信たっぷりに言うが、その自信はどこからくるのだろう。
「貴女は俺の名前を知っていたとしてもこの場で不用意に呼んだりしない。仮面をつければ『誰』でもなくなるこの場所で、支配人からも客からも信頼を得ている貴女が、たとえ酒に酔っていたとしてもそんなミスをするはずない」
大きな声でオーランドの名前を呼んでしまった女は慌てていた。
「それに」
くすっと笑ったオーランドが偽物に視線を向ける。
「俺の知っているバイオレット嬢はそんな下品な香水の匂いはしない。髪の艶も、肌の張りも、何もかもが違う」
「ッ! 失礼!」
真っ赤になった偽物バイオレットは亜麻色の髪のカツラをむしり取って出ていった。多分、彼女は二度とエトランジェに来ないだろう。
「……最低」
香水はともかく、肌の張り云々というのは女性の大半を敵に回すような言葉だ。
オーランドの方は悪びれる様子もなく、しれっとした顔をしていた。
「貴女にかけられた疑いを晴らしただけです。心配しなくても彼女と一線を越えたりしてませんよ」
「そんなこと心配していないしどうでもいいです」
見世物が終わって客たちはぱらぱらと散っていく。
そんなに面白くもない展開だったのだろう。オーランドを巡って女同士の戦いになることもなかったし、一度でもリコリスと話したことのある常連客なら、偽物だとすぐに気づけたはずだ。
楽団が音楽を再開した。すぐ側にいるオーランドに手を取られる。
「一曲、付き合ってください」
ここで無視するのも大人げないかと、リコリスはしぶしぶ頷く。
「一曲だけなら」
「この間キスしたことを怒っているんですか?」
「……もう忘れていました」
素っ気ないリコリスにオーランドは笑った。
(普段、女性から追いかけられることに慣れているから、冷たい対応をされるのが新鮮なのかしら)
否応なしに踊る羽目になったが、オーランドのリードは流石に場数を踏んでいるだけあって上手かった。
エトランジェではダンスはおしゃべりの口実でおざなりになりがちだが、オーランドは手を抜かなかった。わざとらしく身体を密着させたり、リードするふりをして過剰に触れてきたりすることもない。
けれど、曲が終わり、ダンスの輪がほどけても、オーランドはリコリスの手を離さなかった。
「貴女に会いたかった。一週間前に出会った貴女のことが忘れられなくて、ずっと探していたんです」
真剣な眼差し。普通の令嬢であれば心ときめくような瞬間だろう。
たとえ一夜でも、身分違いでも。
そういう恋に酔ってみたい男女がこのダンスホールに集うのだから。
リコリスは首を振った。
「一曲だけという約束です。……そうやって口説かれるのは慣れていますから」
「手厳しいな」
「事実です。わたしは誰のものになるつもりはありません」
簡単に手に入らないから欲しくなる。
オーランドも、珍しい女に振られたから執着しているだけだ。
オーランドは不思議そうな顔をした。
「では、なぜ、貴女はここに来ているんですか?」
「それは――」
恋を楽しむつもりがないのに、夜な夜な通っているのも変な話だ。
叔母にそそのかされて、なんて正直に言えるはずもなく。
「探しているんです」
「誰を?」
「本当のわたしを見つけてくれる人を」
仮面やドレスにも、調子のいい社交辞令や美辞麗句にも流されずに、リコリスのことを求めてくれるような人が現れたら……なんて。ロマンチックなことを口にしてしまって、かーっと赤くなった。
(何言っているのかしら。もっと適当な嘘でもつけばよかった)
夢見る少女のようですね、と笑われるかと思ったが、オーランドは束の間顎に手をやり、何かを考えていた。
「……俺が、その『相手』になるにはどうしたら?」
(結局、逆らえずに来てしまった……)
一週間ぶりだというのに、踵の高いヒールはスッとリコリスの足に馴染んだ。
背中を開けた夜闇のドレスは上品に、色を押さえた唇は艶やかに、きらめくシャンデリアの灯りの下で輝く。スミレの仮面をつけたリコリスの登場に会場がざわめいた。
(ああ、この空気)
たった一週間。けれど、平凡に過ぎていく日々はなんて退屈だったのだろう。
欲望と羨望。フロアで絡み合う艶めいた視線。
甘い香水と酒の匂い。
仮面をつけた、『誰』でもない人たち。
誰でもない誰かに生まれ変われる瞬間を、リコリスの身体は喜んでいる。
(……毒されているわ)
こんな生活。やめなきゃと思っているくせに、楽しんでいる自分もどこかにいるのだ。
大人しくて地味な家庭教師はここにはいない。
ここにいるのは誰も知らないわたし。夜を纏う、麗しの謎の令嬢。
「こんばんは、バイオレット嬢」
「あら、こんばんは」
にこり。リコリスが微笑めば、仮面の紳士は納得がいったように一人うなずいた。
「……やはり、ここ数日のバイオレットはあなたとは別人でしたか。今、あなたを見て確信しましたよ」
「まあ。興味深い話だわ。その、わたしのそっくりさんとやらは今日はいらしているのかしら」
声をかけてきた紳士が壁の側のテーブルを指差した。
「あちらで色男に迫っているところですよ」
「ありがとう。せっかくだからご挨拶してくるわ」
いたずらっぽく微笑みながらも、リコリスは内心どきどきしていた。
バイオレットの真似事なんて、いったい、どこの誰がしているのだろう。
『偽物』は思いがけずすぐに見つかった。正確に言うと、リコリスが気づいたのは銀の仮面をつけたオーランドの姿だ。つまらなさそうに座っているオーランドの背後から、スミレの装飾をつけた仮面の女性が首筋に手を回して抱き着いている。
(お、オーランド様……)
別の男性が偽物に絡みつかれているようなら、『本物』が現れて一言言ってやろうかと思ったが、オーランド相手なら……。
見なかったことにしようかと立ち去ろうとしたリコリスに、
「バイオレット!」
オーランドが声を上げる。
思いもかけず大きな声はホールによく響いた。
会場中の視線がオーランドとバイオレット、そしてオーランドの後を追ってきたもう一人のバイオレットに注がれる。
……確かに、彼女が付けているスミレの花をあしらった仮面は、バイオレットの仮面にそっくりだ。
メイクやドレスの雰囲気は叔母やメイドたちの気分によって変わるため、彼女のように少々派手なときもある。決定的に違うのは仮面に青いスミレが入ってないことくらいだろうか。
リコリスの登場に偽物バイオレットはたじろいだ。
「ま、まあっ、バイオレットはわたしですわ! その女は偽物よ、オーランド様!」
指を刺されたリコリスは苦笑してしまう。
大勢の客の前で茶番劇を披露してしまうことになりそうだ。リコリスは肩をすくめ、悪戯っぽく笑ってみせた。
「……ですって。バイオレット嬢が呼んでいらっしゃるわよ」
「俺が、偽物にひっかかるような馬鹿な男だとでも?」
オーランドがリコリスとの距離を詰める。そのぶん、リコリスは一歩下がった。
「わたしも偽物かもしれないわ」
「俺は貴女を間違えたりしません」
やけに自信たっぷりに言うが、その自信はどこからくるのだろう。
「貴女は俺の名前を知っていたとしてもこの場で不用意に呼んだりしない。仮面をつければ『誰』でもなくなるこの場所で、支配人からも客からも信頼を得ている貴女が、たとえ酒に酔っていたとしてもそんなミスをするはずない」
大きな声でオーランドの名前を呼んでしまった女は慌てていた。
「それに」
くすっと笑ったオーランドが偽物に視線を向ける。
「俺の知っているバイオレット嬢はそんな下品な香水の匂いはしない。髪の艶も、肌の張りも、何もかもが違う」
「ッ! 失礼!」
真っ赤になった偽物バイオレットは亜麻色の髪のカツラをむしり取って出ていった。多分、彼女は二度とエトランジェに来ないだろう。
「……最低」
香水はともかく、肌の張り云々というのは女性の大半を敵に回すような言葉だ。
オーランドの方は悪びれる様子もなく、しれっとした顔をしていた。
「貴女にかけられた疑いを晴らしただけです。心配しなくても彼女と一線を越えたりしてませんよ」
「そんなこと心配していないしどうでもいいです」
見世物が終わって客たちはぱらぱらと散っていく。
そんなに面白くもない展開だったのだろう。オーランドを巡って女同士の戦いになることもなかったし、一度でもリコリスと話したことのある常連客なら、偽物だとすぐに気づけたはずだ。
楽団が音楽を再開した。すぐ側にいるオーランドに手を取られる。
「一曲、付き合ってください」
ここで無視するのも大人げないかと、リコリスはしぶしぶ頷く。
「一曲だけなら」
「この間キスしたことを怒っているんですか?」
「……もう忘れていました」
素っ気ないリコリスにオーランドは笑った。
(普段、女性から追いかけられることに慣れているから、冷たい対応をされるのが新鮮なのかしら)
否応なしに踊る羽目になったが、オーランドのリードは流石に場数を踏んでいるだけあって上手かった。
エトランジェではダンスはおしゃべりの口実でおざなりになりがちだが、オーランドは手を抜かなかった。わざとらしく身体を密着させたり、リードするふりをして過剰に触れてきたりすることもない。
けれど、曲が終わり、ダンスの輪がほどけても、オーランドはリコリスの手を離さなかった。
「貴女に会いたかった。一週間前に出会った貴女のことが忘れられなくて、ずっと探していたんです」
真剣な眼差し。普通の令嬢であれば心ときめくような瞬間だろう。
たとえ一夜でも、身分違いでも。
そういう恋に酔ってみたい男女がこのダンスホールに集うのだから。
リコリスは首を振った。
「一曲だけという約束です。……そうやって口説かれるのは慣れていますから」
「手厳しいな」
「事実です。わたしは誰のものになるつもりはありません」
簡単に手に入らないから欲しくなる。
オーランドも、珍しい女に振られたから執着しているだけだ。
オーランドは不思議そうな顔をした。
「では、なぜ、貴女はここに来ているんですか?」
「それは――」
恋を楽しむつもりがないのに、夜な夜な通っているのも変な話だ。
叔母にそそのかされて、なんて正直に言えるはずもなく。
「探しているんです」
「誰を?」
「本当のわたしを見つけてくれる人を」
仮面やドレスにも、調子のいい社交辞令や美辞麗句にも流されずに、リコリスのことを求めてくれるような人が現れたら……なんて。ロマンチックなことを口にしてしまって、かーっと赤くなった。
(何言っているのかしら。もっと適当な嘘でもつけばよかった)
夢見る少女のようですね、と笑われるかと思ったが、オーランドは束の間顎に手をやり、何かを考えていた。
「……俺が、その『相手』になるにはどうしたら?」
0
お気に入りに追加
786
あなたにおすすめの小説
王女キャスリーンの初恋
弥生紗和
恋愛
【王女と下級騎士の身分違いの恋】
王女キャスリーンは十二歳の頃、下級騎士ルディガーの命を救う。ルディガーはキャスリーンに忠誠を誓い、それから十年後。ルディガーは魅力的で女性にモテる男になり、キャスリーンはルディガーの女性に関する噂を聞くたびに心が乱れる毎日。ルディガーはそんなキャスリーンの気持ちを知ってか知らずか、彼女の気持ちを揺さぶっていた。彼を密かに想い、結婚をしようとしないキャスリーンをクラウスという男が狙う。クラウスは女に暴力を振るうという噂があり、キャスリーンは彼を危険視し、ルディガーにクラウスを調べさせる。クラウスはキャスリーンを手に入れる為、占い師を利用し国王に近づく──。
中編になりますのでさくっと読んでいただけると思います。暴力、性的表現が一部ありますのでご注意ください。完結済みです。小説家になろうにも投稿しています。
竜人王の伴侶
朧霧
恋愛
竜の血を継ぐ国王の物語
国王アルフレッドが伴侶に出会い主人公男性目線で話が進みます
作者独自の世界観ですのでご都合主義です
過去に作成したものを誤字などをチェックして投稿いたしますので不定期更新となります(誤字、脱字はできるだけ注意いたしますがご容赦ください)
40話前後で完結予定です
拙い文章ですが、お好みでしたらよろしければご覧ください
4/4にて完結しました
ご覧いただきありがとうございました
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
竜人のつがいへの執着は次元の壁を越える
たま
恋愛
次元を超えつがいに恋焦がれるストーカー竜人リュートさんと、うっかりリュートのいる異世界へ落っこちた女子高生結の絆されストーリー
その後、ふとした喧嘩らか、自分達が壮大な計画の歯車の1つだったことを知る。
そして今、最後の歯車はまずは世界の幸せの為に動く!
迷子の会社員、異世界で契約取ったら騎士さまに溺愛されました!?
ふゆ
恋愛
気づいたら見知らぬ土地にいた。
衣食住を得るため偽の婚約者として契約獲得!
だけど……?
※過去作の改稿・完全版です。
内容が一部大幅に変更されたため、新規投稿しています。保管用。
冷血弁護士と契約結婚したら、極上の溺愛を注がれています
朱音ゆうひ
恋愛
恋人に浮気された果絵は、弁護士・颯斗に契約結婚を持ちかけられる。
颯斗は美男子で超ハイスペックだが、冷血弁護士と呼ばれている。
結婚してみると超一方的な溺愛が始まり……
「俺は君のことを愛すが、愛されなくても構わない」
冷血サイコパス弁護士x健気ワーキング大人女子が契約結婚を元に両片想いになり、最終的に両想いになるストーリーです。
別サイトにも投稿しています(https://www.berrys-cafe.jp/book/n1726839)
転生したら推しに捨てられる婚約者でした、それでも推しの幸せを祈ります
みゅー
恋愛
私このシーンや会話の内容を知っている。でも何故? と、思い出そうとするが目眩がし気分が悪くなってしまった、そして前世で読んだ小説の世界に転生したと気づく主人公のサファイア。ところが最推しの公爵令息には最愛の女性がいて、自分とは結ばれないと知り……
それでも主人公は健気には推しの幸せを願う。そんな切ない話を書きたくて書きました。
ハッピーエンドです。
最悪なお見合いと、執念の再会
当麻月菜
恋愛
伯爵令嬢のリシャーナ・エデュスは学生時代に、隣国の第七王子ガルドシア・フェ・エデュアーレから告白された。
しかし彼は留学期間限定の火遊び相手を求めていただけ。つまり、真剣に悩んだあの頃の自分は黒歴史。抹消したい過去だった。
それから一年後。リシャーナはお見合いをすることになった。
相手はエルディック・アラド。侯爵家の嫡男であり、かつてリシャーナに告白をしたクズ王子のお目付け役で、黒歴史を知るただ一人の人。
最低最悪なお見合い。でも、もう片方は執念の再会ーーの始まり始まり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる