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第二話 無視され続けた俺
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はーっあの生命力にあふれていた日々が恋しいぜ…
ミルクティーとクッキーをつまみながら原稿に向かう。もぐもぐ。ナニコレウマ…
俺は今、絶賛体調不良でずっと活動を休止している。もう以前のように自由に何でもやれる身体ではなく、出来ることは限られている。
というのも、実は俺には表裏一体のもう一人の自分がいる。そいつがこの1年間、言ってみりゃ獄中の日々を過ごしているんだ。
澤田葉仙、真面目で理想主義で、ちょっと哲学者的な性格もあって、結構難ありのやつだ。
これまでの人生で色々経験してきて、本人としては「こうあるべき」という思いが強いんだな。努力家の頑張り屋さんだが、嫌がる本心を引きずりながらやらせていた。つまりそこに喜びはなかった。それでとうとう限界が来て、無理やり頑張らせることが出来なくなった。本心と身体は今長い休養を取っている。
俺はそんな葉仙にコンタクトを取ろうとしている。
生身の人間の中に二人の人格が同時に存在することは不可能だ。片方の人格が活動しているとき、もう片方は眠っている。だから肉体が睡眠状態にある時、葉仙の人格と夢の中で逢うことを試みた。
これまでも幾度となくコンタクトを試み失敗している。しかしここ最近、葉仙の意識の扉に隙間ができ始めている。どうやら絶望的状況に追い込まれたことによって、本心の声に気づき始めたようだ。これなら、そう遠くない内に逢えるだろう。
ミルクティーとクッキーをつまみながら原稿に向かう。もぐもぐ。ナニコレウマ…
俺は今、絶賛体調不良でずっと活動を休止している。もう以前のように自由に何でもやれる身体ではなく、出来ることは限られている。
というのも、実は俺には表裏一体のもう一人の自分がいる。そいつがこの1年間、言ってみりゃ獄中の日々を過ごしているんだ。
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