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日常
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雄に淫具を着けられ客の怒張を迎え入れながら、流し目気味に周囲を見遣って優輝は思う。普段曜日の感覚はほとんど無いのだが、今朝は随分と見学客が多い。いつも土日に増える傾向にあり、ちょうど六日前と七日前にも同様の多さだったので、今日が土曜日であることはまず間違い無いだろう。世間では大勢の人達が余暇を楽しむ週末。自分は毎日の日課通りに、今日も変わらず犯され孕まされている。啜り啼き始めた優輝の唇から官能の吐息に紛れた微かな溜息が漏れた。
――子作り部屋をぐるりと一周するように作られた、見学室という名の観客席スペース。マジックミラーなどで無く、間の壁面全体がクリアな強化ガラス張りになっている。あらゆる角度から自由に恥態を観賞され、オペラグラスで結合部の湿り具合までじっくりと観察されるのだ。天井近くのガラスには集音・拡声機能付きの通声孔があり、どんなに微かな喘ぎも水音も逃すこと無く、ほぼ生に近い音声で聴かれてしまう。孕ませ購入予定のシニアや現役世代の下見から、今はまだ早いが近い将来の種付けを検討している若年層の息抜きまで、様々な年代のVIP達がこぞってこのギャラリーを訪れていた。
ガラスに顔をくっ付けるようにしてこちらを凝視する幾つもの淫眼。ベッド上の優輝からもその様子ははっきりと見える。見学客の視線にも犯され、衆人環視の中で種付けされている己を常に意識させられるが、その視線で煽られ増した快感が毎回優輝を悦がらせた。頭の片隅で感じる羞恥も惨めさも、快楽の渦に呑み込まれてしまう。身の内を舐め尽くす艶色の炎に熱されて、優輝の身体は淫靡な気流に弄ばれるかのように何度も昇り詰めていった。
『イくっ、ああぁあぁだめぇっ! イくっっ、イクイク~~~っっ!!』
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ
『ただ今受精を確認致しました。3時間12分、種付け完了です。皇様、見事な孕ませおめでとうございます。夕方には産まれますので、お部屋の方で楽しみにお待ち下さい』
「――朱鷺沢様。生の『孕ませライフ』、ご覧になってみていかがでしたか?」
ギャラリーで種付けの様子に見入っていた見学客の一人に声を掛ける真柴。VIP仕様のオペラグラスから目を離した40代後半の男は、ふーっと息をついて彼を振り返った。
「いやー、想像していたより断然良かったよ。あの子も凄く可愛いし、感度も抜群みたいだしねぇ」
「それはもう、当社自慢の名器ですから。肉棒を下のお口いっぱいに頬張ると、美味しい美味しいと啼いて悦がるんです。犯されて孕まされるのが嬉しくて堪らないようで――。出産実績も、子作りを始めてからまだ4ヶ月にもなりませんが、双子を含め今朝までで既に227人産んでいます。母乳の免疫力が高いので体も強く、皆健康に育ってますよ」
既にかなり興奮しているらしい客は、にっこりと営業スマイルを浮かべた真柴の説明を聴いて更に前のめりになる。うんと大きく頷くと、その場で購入を即決した。
「よし、決めた! あんな子を犯しまくって孕ませられるなら、幾ら出したって惜しくはないな。検査もパス出来たんだし、早速予約するよ。ひと月以上先まで埋まってるらしいけど、いつぐらいになりそうかな」
真柴は深々と頭を下げてから質問に淀み無く答える。
「お申込みありがとうございます。順番待ちのお客様が現在90名ほどいらっしゃいますので、ご案内出来るのは2ヶ月程度先になるかと」
「2ヶ月――年明けまで待たないといけないのか。待ち遠しいなぁ。新年早々の愉しみ、ご褒美ってことで我慢するか。でも、出来るだけ早く頼むよ」
「承知致しました。種付け当日は、きっとご満足頂ける一日になりますよ」
話す二人の背後に別の客が近付いてくる。鶯色の高級スーツを着こなしたその男は、老年期を迎えたばかりと思しき上品な紳士だった。
「私もお願いするよ。この前一緒に検査を受けさせた息子3人なんだが、皆結婚する気はまったくないようだから、せめて各々子供を持たせたい。優輝くんを孕ませれば子作りの愉しさにも目覚めるかも知れないしな」
「ありがとうございます。――瀧本様ご自身はよろしいのですか?」
真柴に尋ねられ、残念そうに嘆息する客。
「――目の前であんなに素晴らしい種付けを見せられたんだ。本心を言えば、私も彼を孕ませてもう1人可愛い子供が欲しいよ。でも、体力的に言って、優輝くんを何度もイかせられる自信が無いんだ」
それを聞いて、真柴は我が意を得たりと言うように会心の笑みを見せた。
「瀧本様、心配はご無用です。ご年配のお客様にも行為を愉しみながら確実に孕ませて頂けるよう、精力絶倫の当社社員がお手伝い致します。社員の肉棒と器具による充分な回数の絶頂供与から、瀧本様ご自身での中出し・種付けまで、受精を確認して孕ませが完了するまで丁寧にサポートさせて頂きますので、どうぞご安心下さい。お望みでしたら、オプションとして、絶頂供与時に複数社員による輪姦をお愉しみ頂くことも可能ですよ」
精力・体力に不安があっても孕ませを愉しめるという完璧なサポート体制に、客の面差しが目に見えて明るくなる。次いで発した声は、年齢を感じさせないほど弾んでいた。
「…そうか。私もあの子を可愛がって、孕ませることが出来るのか。それは嬉しいね。じゃ、合わせて4人分申し込むよ。私には是非オプションも付けてくれ。誰の子が一番可愛いか、自分の遺伝子力について息子達と競うのも一興だな」
諦めていただけに、客は抑制を余儀無くされていた願望や妄想を膨らませる。喜ぶ彼にも真柴は深く一礼した。
「4件ものご予約、誠にありがとうございます。日数は余裕をみてお取りしておきますので、順番などご家族で相談なさって、年末までには決めておかれるようお願い致します」
早い者勝ちのように予約を入れた二人に続き、「俺もだ、俺も」と次々に手を上げ始める見学客達。彼等の騒声を一旦制して、真柴がギャラリー内に朗々と案内の声を響かせた。
「それでは、担当の者がご予約の詳細を承ります。本契約の説明もさせて頂きますので、皆様個別商談室の方へどうぞ」
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