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儀式
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しおりを挟む経営者らしい真柴のセリフが頭の中をグルグルと巡る。到底受け入れることなど出来ない将来像に怖気を感じた時、ふと思った。――そういえば大学はどうなるのだろう。家族は、友達は。突然いなくなった自分に気付けば、独自にでも探してはくれないだろうか――。そんな優輝の心の内を読み取ったかのように、にこりと笑った真柴が言う。
「大学には、午前中に退学届を出しておいたよ。立派な仕事に就いたも同然だからもう勉強なんてする必要はないし、君の面倒はこちらがちゃんと見るからね。君の実家も、遠くてアパートを訪ねてくる心配は当分ないし――。まぁ、訪ねてきても部屋は解約して痕跡も消したから、失踪か家出人として捜索願いが出されるだけだろうけど、どうせそれも無駄に終わるしね。今はそういう人が増えているらしいから、警察の捜索でも発見が難しいと聞けば、早めに諦める家族も結構多いそうだよ」
無情な宣告に優輝の思考が停止する。
「そうそう、スマホもだ。ひと月前に壊れて、僕が紹介したキャリアの機種に買い替えたよね。あの店も、僕の会社の傘下なんだ。契約時からGPS機能は削除しておいたし、暫く留守電と偽メール、電源オフを繰り返してから、解約処理するつもりだよ。今時の子には珍しく、君はネットやデジタルコミュニケーションに疎いからね。家族とも友達とも、あまり頻繁に連絡を取り合うことはしてなかっただろう? だから対応はそれだけでも充分だ。――あれ、ホントにタイミング良く壊れてくれたけど、そもそもそれ自体が僕の仕業だったのさ。君が目を離している隙に、端子部分から特殊なスプレーを噴き込んで壊したんだよ。全部僕の狙い通りに事が運んだってわけだ」
駄目押しのように言われて呆然とする優輝。縋りたかった微かな希望。それを打ち砕かれたショックで息が詰まる。もはや自分を助け出してくれる者はどこにもいないのだ。
「――とにかく、今日からこの建物が君の住まいだ。そしてこれから毎日、何人もの男の肉棒を迎え入れイきまくらせて貰って、濃厚で美味しい子種ミルクをお腹いっぱい飲ませて貰うんだよ。ここには俗世の面倒なルールも人間関係の煩わしさもない。ただひたすら官能の世界が広がっているだけだ。君には、ここで一生快楽漬けになって子供を産み続けて貰う。男子の出産可能年齢は30前後までだって言われるけど、君の体は『性活』を続ける限り衰えるということがないらしい。大量に注ぎ込まれるミルクの成分のお蔭でいつまでも若々しいまま子作りが出来るから、生涯孕んで産み続けることが出来るんだ。今20歳だったよね? 人生100年時代って言われるし、この先何十年も孕みまくって貰うよ。――他の子達は、ある程度の素質と才能があっても妊娠効率が悪くてね。年に100から200人そこそこであっと言う間に限界が来ちゃうから、産めなくなったら地下工場行きか、海外に性奴として売り飛ばすんだけど、君はそんな心配もまったくない。子供と一緒に莫大な利益を生み出してくれる君は、男に犯され続けながらここでずっと僕達と暮らすんだよ」
呪文のように耳孔に響く声。拠り所を失い呆け掛かった優輝の眉が、声の中の性的な単語に反応してぴくりと動いた。前にも増して元気に勃ち上がったペニスの揺れる様を視界の隅に捉え、遠のいていた快感が空っぽになった脳内へと急速に流れ込んでくる。それは瞬く間に理性をも浸し、優輝は己の内側を満たした溢れんばかりの快楽に呑まれた。
「っはぁっっ、んっ、あぅぅっ!」
思い出したように身をくねらせて悦がる優輝。
「そう。そうだよ、優輝くん。ちょっとおもしろくない話もしちゃったけど、恐怖にも絶望にも囚われる必要はないんだ。君はただ、快楽を貪る自分の姿を素直に受け入れればいいだけなんだよ。それが名器としての成熟にも、君自身の幸せにも繋がるんだからね。さぁ、もっと全身で感じてごらん」
早いピッチでヌプヌプと男根を突き入れながら、男が胸の突起を弄ってくる。武骨な指で乳首を捻られ、口でもじゅるると吸い上げられて、感じた強い痺れが電流のように下腹へと走った。ズンッとひと際深く突き挿された最奥の快感と一つになって、瞬時に優輝を官能の頂へと放り上げる。
「あはっ! イクイクっっ、イくぅ~~~っっ!!」
甲高い啼き声と共に撒き散らされる精。イっている最中も突かれ続け、振り飛ばされた粘液が祭壇の下まで飛び散る。腰を浮かし喉を反らして、優輝は再度の極みにガクガクと身体を震わせた。
「その調子だよ、優輝くん。艶かしくてとってもいい感じだ」
嬉しげに笑む真柴が優輝の内腿に触れる。汗ばみ、ピクピクと痙攣する肌を掌で舐めるように撫で回した。
「彼のフランクフルトは長さといい太さといい桁外れだから、普通はすぐお腹いっぱいになっちゃって全部食べきれない子ばかりなんだけど、君の禊の仕上げをするにはぴったりのジャンクフードだったね。特大サイズのソーセージを苦もなく呑み込んでこれほど悦がるんだから、やっぱり君は特別な男の子なんだ。もう10時間近くも犯されて絶えず突っ込まれ続けてるっていうのに、弛むどころかますます可愛く締め付けるようになってきている。イかされるごとに際限なく湧いてくる体力で、まったく疲れも感じていないようだし――。本当に、君は理想の『孕ませライフ』を実現出来る最高の名器男子だよ。下のお口でこんなに美味しそうに頬張って――よっぽど気に入ったんだね。でも、君にはソーセージから迸る新鮮で濃厚なミルクの方が、もっと美味しく感じるかも知れないな」
――と、そこで優輝の顔の方へと近付く真柴。肩で息をする彼の髪を撫でながら、更なる悪夢を突き付ける。
「――さてと、儀式はまだ終わってないよ。これからの『性活』に順応する為に、君の体と心をもっといやらしく作り変える『調教』という儀式が残ってる。よりスムーズな種付けが出来るよう、短時間で何十回でも出さずにイけるようになって貰う必要があるし、普通の生活には二度と戻れないように、犯される悦びを教え込んで雄の肉棒なしではいられない体にしてあげないといけないからね。休んでる暇はないよ。さ、君の体に男の味を覚え込ませる為にも、もうひと頻りフランクフルトで可愛がって貰おうね。あと5、6回はイって、ソーセージの味や形が忘れられなくなってきてからミルクをたっぷり注いで貰ったら、下のお口の一番奥で残さずゴクゴク飲むんだよ。溢さないようにね」
息を呑んだ優輝の喉がゴクリと鳴る。その耳に顔を寄せ、真柴は妖しい声音で囁いた。
「君は雄くん達に犯されたけど、まだ一度も中出しはされてないんだよ。禊の最中は中出し禁止だからね。君はこれから、お尻の孔に初めて雄のミルクを注がれるんだ。禊のトリを飾り調教役もこなしてくれている、彼のミルクをね」
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