【完結済】【短編版】借金の対価で嫁いだ相手が宿敵でした

忠野雪仁

文字の大きさ
上 下
11 / 12

ヴァンパイア城 食卓での攻防戦②

しおりを挟む
非常に豪華な食事が終わった後、ミルクをたっぷり入れたコーヒーを飲み
お茶受けに約束のチョコレートを出してくれた。

「これが黒いダイヤモンドとまで言われたチョコレートね」
「はい、お約束ですので」

一口チョコレートを食べて私は驚愕した。

「シルビアさん、このチョコレート
ただ上品なカカオ豆に上質な砂糖を加えただけじゃありませんね。
この舌触りは・・・・ミルク、しかもただのミルクじゃない
国内で一番美味しいと言われている牧場の
しかもその中でも厳選された最高の一頭の乳牛を使ってますね」

「・・・流石晩餐会でもこの人ありと言われたセシリア様。
僅か一口でそこまで見抜くとは・・」
「流石にここまでの一品を今だけで終わらせてしまうのは無粋
家に帰ってから家族と味わいたいと思います。
今日の食事は、大変満足のいくものでした。
料理長に御礼を伝えて置いてください。
あと、残った料理も包んで頂けるかしら、出来れば先ほどのハムも一切れ」
「はっ、お褒め頂きありがとうございます。
またのご来店をお待ちしております。」

とても素晴らしいひと時を過ごせた。
満足な時間を過ごせた私は微笑みを浮かべて席を立ち、この場を去ろうとした。

「ちょっと話しを聞いて貰って良いかな?
ひとまず言いたいのは、ここは伯爵家の城であってレストランじゃないって事かな。
次に聞いてもらいたいのが、ヴァンパイアが如何に不老不死とは言っても
流石にそろそろ本題に移りたいんだ」

正直このままの流れでワンちゃん行けるかなと思ってました。
ここは、ヴァンパイア城、我が家の宿敵のヴァンパイア城である
こんな小芝居で簡単に逃げ切れるとは、ちょっとしか思っていませんでした。
ええ、でもちょっとは期待したんですよ?旦那様。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

【完結】殿下、自由にさせていただきます。

なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」  その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。  アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。  髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。  見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。  私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。  初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?  恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。  しかし、正騎士団は女人禁制。  故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。  晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。     身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。    そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。  これは、私の初恋が終わり。  僕として新たな人生を歩みだした話。  

私の知らぬ間に

豆狸
恋愛
私は激しい勢いで学園の壁に叩きつけられた。 背中が痛い。 私は死ぬのかしら。死んだら彼に会えるのかしら。

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方

ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。 注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

愚か者の話をしよう

鈴宮(すずみや)
恋愛
 シェイマスは、婚約者であるエーファを心から愛している。けれど、控えめな性格のエーファは、聖女ミランダがシェイマスにちょっかいを掛けても、穏やかに微笑むばかり。  そんな彼女の反応に物足りなさを感じつつも、シェイマスはエーファとの幸せな未来を夢見ていた。  けれどある日、シェイマスは父親である国王から「エーファとの婚約は破棄する」と告げられて――――?

【完結】「私は善意に殺された」

まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。 誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。 私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。 だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。 どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※他サイトにも投稿中。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!

今日は私の結婚式

豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。 彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。

処理中です...