【完結済】【短編版】借金の対価で嫁いだ相手が宿敵でした

新婚初夜の籠城⑧

とりあえずベッドから出てシルビアさんに
支度を整えてもらい、いざ出陣！！

そこのけそこのけお馬が通るのよ。

食堂に着くとそこには豪華な食事が並んでいた。

お歳を召しているので食事は流動食かなー
流石にスープしか飲んでない旦那様を目の前で
骨付き肉をガツガツ食べていたら山賊の親分になった気がしてしまう。

そんな杞憂はテーブルに並んでいるご馳走を見て吹っ飛んだ

目の前にはフルコースが並んでいた。
それだけではない、周りには色々な種類の料理やデザートまである。

これは夜会でも当たりの夜会の料理に引けを取らないやつだ。

我が家にとって夜会は負担意外の何物でもなかった。
歩いて行く訳にも行かずに馬車をレンタルして
ドレスもレンタルしなければならない

アクセサリーは、代々と言うほど由緒正しい家では無いが
何とか売らずにとってある年代はそこそこ感じさせるアクセサリーを
毎回着けて行けば良い、仮に何か言われても
『我が家に代々伝わる由緒正しい装飾品ですの
これを付けてると良縁に恵まれると言われてますので
今夜は良い縁に巡りあえるかもですわ、オホホホ』
とか言っておけば大抵何とかなる。

いや絶対嘘だろうと思いつつも縁を結ぶと言われた装飾品をバカにして
万が一にも自分の婚期が遅くなったらとそれ以上突っ込まれる事はない

靴はあまり目立たないし、流行り廃りの影響を一見分かりづらいので
男性陣からはあまり注力されない。

だが、おしゃれは足元からと、目ざとい女性陣はその家の娘が
どれ程オシャレに金をかけているのかを判断する指標とする。
だが良いのだ、我が家がそれこそ底辺の子爵家並みの財力なのは皆わかっている。

流石にドレスだけは、流行をモロに反映するので誤魔化せない

馬車とドレスのレンタル代の元くらいは取りたい

事前に食事を抜いておき、会場に着くなり食事を回るルートを見極める必要がある。
単純に良い料理が置いてある席に真っ先に行けば良い物ではない
良い料理が置いているテーブルの近くはやはり良い爵位の近くなのである。

がっついているのをバレる訳に行かない
その令嬢や子息が誰に意中かを見極めてテーブルを離れた隙を付かなければならない
花より団子のレベルでは無いのだ、あれは花と団子を選ぶ事を許される者の言葉である。
あんころ餅くいてーというレベルの持たざる自分が少しでもミスをする訳には行かない。

一番注意しなければならないのが当て馬役にされる事。
いや別に出会いの手助けをしたく無いなどとさもしい理由では無い。

無意に時間を浪費して食べ物が減ってしまうと言う、もっとさもしい理由なのだ。
タイムイズマネー、ロングロングアゴーなの！！

そんな私は今日勝ち組になった、ウィナーになった。
ボンジュール、ワインのおかわりをくださらないの立場になれた。

あ、馬鹿な事を考えてたら旦那様に挨拶に行くのが遅れてしまった・・・