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第三章
迷宮お料理探検クラブ 〜おあがりよ
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「せっかく皆さんと仲良くなれたので同じクラブに入りませんか」
ミルクティーの様な色の長い髪で、大人しく控えめな顔立ち。
お嫁さん候補選ぶならこの娘に決めたコンテストがあったら、
毎年上位ランク入りしそうなマリー令嬢がそう切り出した。
良いわ雰囲気と違って、
さっきから要所要所で話をふってくれるから、
コミュ力が無い私は本当に助かる。
かつてボケ大魔王と呼ばれた私だけど、
基本的に内弁慶なの相方だよりなの。
「そうね良いわね、
男性陣もいるし迷宮探索クラブなんてどう?
学園内に学園生にしか開放していない迷宮があるらしいの」
アイリスさん、心までドリルに染まっては駄目よ。
その道は修羅の道よ、イベント盛りだくさんなのよ、きっと。
恋愛イベントで聖女の湖に攻撃魔法撃ち込ませるような世界なの。
「うーん、迷宮人数制限で、護衛は付けられないと思うから、
マリーさんが危険だと思うわ」
私は修羅の道を回避する為、体良く断る理由を話した。
とはいえ事実で、一部の特殊な迷宮を除き、
迷宮に入る際は大概はひとチーム五人上限で迷宮内に転移される。
複数チームで入った場合は、
同じ迷宮の違うポイントにランダムで転移させられる。
迷宮内で合流出来る可能性もあるけど、出会えるかは未定。
私達五人で迷宮に入った場合は、
護衛は別のポイントに転移させられてしまうので、
護衛の意味をなさない。
「リーナ様、私闇精霊魔法が得意なんで平気ですよ」
「闇精霊魔法ですか…」
大人しめのキャラで闇精霊魔法使い、嫌な予感しかしないわ。
「ちなみにヘーゲルさん、過去に周囲で不審な事故とかありませんでしたか?」
「いえありませんよ、演劇でも無いですし、
普通は早々、不審な事故なんて貴族は体験出来ませんよ」
「そうですよね、変な事をお聞きしてごめんなさい」
「いえいえ、でも過去に私と仲が良かったご令嬢が、
二人ほど家に引きこもりになってしまって、
私がお見舞に行くと何故か誰かに謝りだす事はありましたね。
二度と近づかないから許して欲しいとか、
心あたりが全く無いんで気のせいでしょうが」
心あたりは、貴方の隣に座っているミルクティー色の髪の娘よ!
一番安牌だと思って娘が、一番地雷だったのよ!!
大丈夫、私にはジーク様がいるわ、敵認定はされないはず。
「ちなみに僕も精霊魔法使えるんで平気ですよ」
「バランス的にも良いんじゃない、ジークが盾で私が攻撃役、
ヘーゲルさんが精霊魔法攻撃で、マリーさんが闇で支援、リーナ嬢が回復完璧ね」
マリーさんとヘーゲルさんの同意で決定事項と言わんばかりに、
アイリスさんがそう言った。
「あ、それでしたら迷宮のモンスターからしか、
ドロップしない高級食材もあるのでお料理クラブも同時にやりませんか」
「良いわね、今日のリーナ嬢のお弁当も美味しかったし、
是非教えて欲しいわ」
「それは、私も嬉しいですけど、普通は貴族のご令嬢は料理とかしませんが、
お二人とも平気です?」
「私は単純に切る焼くしかした事無いけど、リーナ嬢に教えて貰えれば、
覚えられると思いますわ」
「私はクッキーとか焼くのが好きなのですが、ヘーゲルにとめられてて、
でも折角の機会ですから覚えたいと思います」
「待ってマリー、君は意外にドジな所もあるから、火傷でもしたら大変だ。
僕が作る料理を食べて欲しい」
「もうヘーゲルったら心配症なんだから」
「ヘーゲルさん、もしかしてですが、デスク…」
私の言葉をヘーゲルさんは止めた。
神から授けられるギフトは、万人にとって良いものとは限らない。
デスクッキングの特性をもつ人は、何をどう料理しようと、必ず毒っぽい料理になる。
毒っぽいだけなので、聖女のサーチポイズンでも反応しない。
サーチに反応しないのに毒以上の効果を出す、普通であれば非常に危険だ。
だけどどんなに誤魔かそうと、デスクッキングの料理は見た目で分かる。
それさえクリアーすれば最高の暗殺術になったろう。
濃すぎる、悪役令嬢役であろう私が、
さっきから心の中で突っ込みしか入れていない。
結局、迷宮探検お料理クラブ、学園時代を過ごす部活名が決まった。
クラブ新設届けとかは、アイリスさんがやってくれるらしい、
王太子妃候補で辺境伯令嬢のアイリスさんの要望を、
学園側が無下にできる訳もないのでほぼ確定。
最終的に文化レベル上げるのが目的よね?
なんかバトル美食漫画みたいなクラブになっちゃたんだけど。
味への好奇心が恐怖を凌駕しないといけない流れなのだけど。
しかも背景が乙女小説ぽいし、脇役キャラのほうが濃いし。
着地地点が全く見えない。
ショートケーキにカレーをかけられた気分よ。
おあがりよって食えるかーーー
もう私の精神ポイントはゼロよ。
ミルクティーの様な色の長い髪で、大人しく控えめな顔立ち。
お嫁さん候補選ぶならこの娘に決めたコンテストがあったら、
毎年上位ランク入りしそうなマリー令嬢がそう切り出した。
良いわ雰囲気と違って、
さっきから要所要所で話をふってくれるから、
コミュ力が無い私は本当に助かる。
かつてボケ大魔王と呼ばれた私だけど、
基本的に内弁慶なの相方だよりなの。
「そうね良いわね、
男性陣もいるし迷宮探索クラブなんてどう?
学園内に学園生にしか開放していない迷宮があるらしいの」
アイリスさん、心までドリルに染まっては駄目よ。
その道は修羅の道よ、イベント盛りだくさんなのよ、きっと。
恋愛イベントで聖女の湖に攻撃魔法撃ち込ませるような世界なの。
「うーん、迷宮人数制限で、護衛は付けられないと思うから、
マリーさんが危険だと思うわ」
私は修羅の道を回避する為、体良く断る理由を話した。
とはいえ事実で、一部の特殊な迷宮を除き、
迷宮に入る際は大概はひとチーム五人上限で迷宮内に転移される。
複数チームで入った場合は、
同じ迷宮の違うポイントにランダムで転移させられる。
迷宮内で合流出来る可能性もあるけど、出会えるかは未定。
私達五人で迷宮に入った場合は、
護衛は別のポイントに転移させられてしまうので、
護衛の意味をなさない。
「リーナ様、私闇精霊魔法が得意なんで平気ですよ」
「闇精霊魔法ですか…」
大人しめのキャラで闇精霊魔法使い、嫌な予感しかしないわ。
「ちなみにヘーゲルさん、過去に周囲で不審な事故とかありませんでしたか?」
「いえありませんよ、演劇でも無いですし、
普通は早々、不審な事故なんて貴族は体験出来ませんよ」
「そうですよね、変な事をお聞きしてごめんなさい」
「いえいえ、でも過去に私と仲が良かったご令嬢が、
二人ほど家に引きこもりになってしまって、
私がお見舞に行くと何故か誰かに謝りだす事はありましたね。
二度と近づかないから許して欲しいとか、
心あたりが全く無いんで気のせいでしょうが」
心あたりは、貴方の隣に座っているミルクティー色の髪の娘よ!
一番安牌だと思って娘が、一番地雷だったのよ!!
大丈夫、私にはジーク様がいるわ、敵認定はされないはず。
「ちなみに僕も精霊魔法使えるんで平気ですよ」
「バランス的にも良いんじゃない、ジークが盾で私が攻撃役、
ヘーゲルさんが精霊魔法攻撃で、マリーさんが闇で支援、リーナ嬢が回復完璧ね」
マリーさんとヘーゲルさんの同意で決定事項と言わんばかりに、
アイリスさんがそう言った。
「あ、それでしたら迷宮のモンスターからしか、
ドロップしない高級食材もあるのでお料理クラブも同時にやりませんか」
「良いわね、今日のリーナ嬢のお弁当も美味しかったし、
是非教えて欲しいわ」
「それは、私も嬉しいですけど、普通は貴族のご令嬢は料理とかしませんが、
お二人とも平気です?」
「私は単純に切る焼くしかした事無いけど、リーナ嬢に教えて貰えれば、
覚えられると思いますわ」
「私はクッキーとか焼くのが好きなのですが、ヘーゲルにとめられてて、
でも折角の機会ですから覚えたいと思います」
「待ってマリー、君は意外にドジな所もあるから、火傷でもしたら大変だ。
僕が作る料理を食べて欲しい」
「もうヘーゲルったら心配症なんだから」
「ヘーゲルさん、もしかしてですが、デスク…」
私の言葉をヘーゲルさんは止めた。
神から授けられるギフトは、万人にとって良いものとは限らない。
デスクッキングの特性をもつ人は、何をどう料理しようと、必ず毒っぽい料理になる。
毒っぽいだけなので、聖女のサーチポイズンでも反応しない。
サーチに反応しないのに毒以上の効果を出す、普通であれば非常に危険だ。
だけどどんなに誤魔かそうと、デスクッキングの料理は見た目で分かる。
それさえクリアーすれば最高の暗殺術になったろう。
濃すぎる、悪役令嬢役であろう私が、
さっきから心の中で突っ込みしか入れていない。
結局、迷宮探検お料理クラブ、学園時代を過ごす部活名が決まった。
クラブ新設届けとかは、アイリスさんがやってくれるらしい、
王太子妃候補で辺境伯令嬢のアイリスさんの要望を、
学園側が無下にできる訳もないのでほぼ確定。
最終的に文化レベル上げるのが目的よね?
なんかバトル美食漫画みたいなクラブになっちゃたんだけど。
味への好奇心が恐怖を凌駕しないといけない流れなのだけど。
しかも背景が乙女小説ぽいし、脇役キャラのほうが濃いし。
着地地点が全く見えない。
ショートケーキにカレーをかけられた気分よ。
おあがりよって食えるかーーー
もう私の精神ポイントはゼロよ。
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