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第三章
ボタ雪 心まで白く 染められたなら
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噴水の中で恨めしい目でこちらを見ているピンクちゃん。
さっきの私は通り魔と爆弾テロに板挟みされた一般人的なポジのはずなのに何故だ。
本音言えば物凄くスルーしたかったけど雰囲気的にムリっぽそう。
猛獣を怒らせないように優しく声をかけながら近づいていった。
「よーし、よしよし良い子だねー」
「グルルーフゥー」
「ほら、恐くない怖くない」
ジリジリと近づいては離れている私を見かねてジーク様が助けを出してくれた。
「大丈夫ですか?」
「私何もしていないのこの方に噴水に突き飛ばされたんです」
「一部始終みていたんですが、リーナは指一本貴方に触れてませんよ」
「酷い、ジーク様その女の味方何ですか。
え?今リーナとおっしゃいました?」
「ええ、そう言いましたが」
「......リーナってあのボタ雪大福のリーナよね、小説と違うわね」
一応小声で言っているつもりらしいけど、丸聞こえなのよね。
ボタ雪大福とか小説とか言ってるからあれね、転生者パターンね。
『リアルちゃん知ってる?』
『知らない、私は莉奈の転生の時に生まれたから、
それ以前の転生者って面識ないのよね。
大した能力無いみたいだから、女神ポイント使い果たしてからの娘だと思うけど』
『転生者なのに大した能力無いの?』
『一応莉奈と同じ高次元の世界線から来たみたいだから、
エネルギーは結構持ってるけど使い道があんまり無いわ。
昔のリーナのお腹に付いていた脂肪みたいな感じね』
相変わらず、エグって来るわね。
「アンドレ頼む」
何時まで噴水の中にいると風邪をひいてしまうので
ジーク様は、従者のアンドレさんにピンクちゃんを抱きあげるように指示を出した。
巨漢のアンドレさんはやすやすとピンクちゃんを抱きあげて噴水から出したので、
私はアンドレさんごとピンクちゃんに乾燥魔法をかけて乾かしてあげた。
ジーク様お姫抱っこからの濡れちゃったんです保健室パターンが全部潰れたので、
不服そうな顔をしながらも一応こちらにお礼をしてピンクちゃんは去って行った。
小説か、たちが悪いわね。
基本的に転生ピンク頭ものの背景が乙女ゲームだった場合には、
攻略対象者を逸らすというのが対策の基本。
だけど背景が小説だった場合には、ルート分岐が出来ない為に、
殺るか殺られるの殺伐とした展開が待っている。
ジーク様に迷わず向かって来たって事は、
『王子にふられた私に冷徹な公爵様が溺愛して来るの』パターンね。
正直私も大好物よ、ご飯二杯は行けるわ、白豚に逆戻りね。
でも王子様にいきなりふられるピンク頭ちゃんはいないわね。
「王子様に恋する私に イケメン貴族たちが溺愛して来て困っちゃう」パターンか。
となると各イケメン達に婚約者がいるはずだから、悪役令嬢連合を組めそうね。
ピンク頭ちゃん、私をただのモブキャラと侮った事を後悔させてあげるわ。
リアル恋愛の知識はゼロだけど、恋愛小説ものはおてのものよ。
知識チートをみせてあげる、震えて眠ると良いわ。
「ジーク様、あの方とお知り合いって事は無いですよね」
「知り合いでは無いけど、
何処かの男爵家が家が孤児院から養女にした女の子が、
聖魔法を使えるようになったって話は聞いた事があるよ。
聞いていた話と随分性格は違うみたいだけどね」
「さっきあの娘を見て、ドキッとかしました?」
「うーん、絶対に関わりたくない的なドキはあったかも」
一般市民からの男爵家からの王太子妃のサクセスストーリーの鉄板の流れだけど、
今のところ強制力は働いてないみたいね。
私は、言葉通り全くピンクちゃんに興味が無いジーク様を見てホッとした。
さっきの私は通り魔と爆弾テロに板挟みされた一般人的なポジのはずなのに何故だ。
本音言えば物凄くスルーしたかったけど雰囲気的にムリっぽそう。
猛獣を怒らせないように優しく声をかけながら近づいていった。
「よーし、よしよし良い子だねー」
「グルルーフゥー」
「ほら、恐くない怖くない」
ジリジリと近づいては離れている私を見かねてジーク様が助けを出してくれた。
「大丈夫ですか?」
「私何もしていないのこの方に噴水に突き飛ばされたんです」
「一部始終みていたんですが、リーナは指一本貴方に触れてませんよ」
「酷い、ジーク様その女の味方何ですか。
え?今リーナとおっしゃいました?」
「ええ、そう言いましたが」
「......リーナってあのボタ雪大福のリーナよね、小説と違うわね」
一応小声で言っているつもりらしいけど、丸聞こえなのよね。
ボタ雪大福とか小説とか言ってるからあれね、転生者パターンね。
『リアルちゃん知ってる?』
『知らない、私は莉奈の転生の時に生まれたから、
それ以前の転生者って面識ないのよね。
大した能力無いみたいだから、女神ポイント使い果たしてからの娘だと思うけど』
『転生者なのに大した能力無いの?』
『一応莉奈と同じ高次元の世界線から来たみたいだから、
エネルギーは結構持ってるけど使い道があんまり無いわ。
昔のリーナのお腹に付いていた脂肪みたいな感じね』
相変わらず、エグって来るわね。
「アンドレ頼む」
何時まで噴水の中にいると風邪をひいてしまうので
ジーク様は、従者のアンドレさんにピンクちゃんを抱きあげるように指示を出した。
巨漢のアンドレさんはやすやすとピンクちゃんを抱きあげて噴水から出したので、
私はアンドレさんごとピンクちゃんに乾燥魔法をかけて乾かしてあげた。
ジーク様お姫抱っこからの濡れちゃったんです保健室パターンが全部潰れたので、
不服そうな顔をしながらも一応こちらにお礼をしてピンクちゃんは去って行った。
小説か、たちが悪いわね。
基本的に転生ピンク頭ものの背景が乙女ゲームだった場合には、
攻略対象者を逸らすというのが対策の基本。
だけど背景が小説だった場合には、ルート分岐が出来ない為に、
殺るか殺られるの殺伐とした展開が待っている。
ジーク様に迷わず向かって来たって事は、
『王子にふられた私に冷徹な公爵様が溺愛して来るの』パターンね。
正直私も大好物よ、ご飯二杯は行けるわ、白豚に逆戻りね。
でも王子様にいきなりふられるピンク頭ちゃんはいないわね。
「王子様に恋する私に イケメン貴族たちが溺愛して来て困っちゃう」パターンか。
となると各イケメン達に婚約者がいるはずだから、悪役令嬢連合を組めそうね。
ピンク頭ちゃん、私をただのモブキャラと侮った事を後悔させてあげるわ。
リアル恋愛の知識はゼロだけど、恋愛小説ものはおてのものよ。
知識チートをみせてあげる、震えて眠ると良いわ。
「ジーク様、あの方とお知り合いって事は無いですよね」
「知り合いでは無いけど、
何処かの男爵家が家が孤児院から養女にした女の子が、
聖魔法を使えるようになったって話は聞いた事があるよ。
聞いていた話と随分性格は違うみたいだけどね」
「さっきあの娘を見て、ドキッとかしました?」
「うーん、絶対に関わりたくない的なドキはあったかも」
一般市民からの男爵家からの王太子妃のサクセスストーリーの鉄板の流れだけど、
今のところ強制力は働いてないみたいね。
私は、言葉通り全くピンクちゃんに興味が無いジーク様を見てホッとした。
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