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本編

29.サバイバル生活 一週間程 ルシエル

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「・・・・なあルイード」
「何ですか?」
「何で無人島で男女が遭難して王太子と騎士団長候補の親密度が上がっていくんだ?」
「何故と私に言われても
あ、今ダンが王太子に褒められて嬉しそうに頬染めましたよ」

「・・・もう、定期的に見に来なくても良いんじゃないか?
と言うより、見たくない。」
「そういう訳にもいきませんよ、私達が王太子を見失って
偶然にもルシエルさんが王太子に見つかったらどうなるかわかりますよね?
昔は異常にルシエルさんに執着していた王太子が昔以上に綺麗になってるルシエルさんをみたら
王族の子孫を残すんだとか言い出す未来しか見えませんね」

「・・・もういっそ殺してしまおうか。」
「・・・少し様子みですね、王国に帰った後を考えると
三人皆殺しにする必要があるんですが、王太子、婚約者の聖女、
団長候補が揃って死んでたら、断罪直後のルシエルさんと
その兄のデュークさんに間違いなく疑いがかかります。
まあ疑いではなくて、その時は実際にやっちゃってるんですけどね」

「本当に煩わしいな。
煩わしいといえば、ルシエルを抱いて移動すると言ったら、
お前が割り込んで来たから、ルシエルが遠慮しただろ、
兄妹特権の邪魔をしないで貰えるか?」
「その特権って小さな頃兄が妹をおんぶする的な事を言ってますよね?
流石に適用年齢範囲外ですね」
「だがこのままでは、ルシエルのか弱い足に傷が着くかもしれん。
妥協案として二人でルシエルを抱えるか・・・」
「それはもはや負けかけの騎馬戦の騎馬みたいな状況ですよね・・・」
・・・
・・


ーーー

無人島で攻略キャラ二人と騎馬を組む悪役令嬢ってなによ。

お義兄様に容姿を褒められてた時は、身内贔屓かと思っていたが
ルイードさんも加わって来て案外自分もいけるんじゃないかと思って来た。

無人島効果で、見慣れて来たらコイツも味があって行けるんじゃないかみたいな感じだとは思うけど。

だけどそう考えると色々恥ずかしい、今まで自分は攻略キャラのターゲットの
対象外だと思ってたから生き延び事だけを考えられた。
最近は朝一であの聖女の持って来たドレスを選ぶのが辛い・・・

そもそも今の状況が理解出来ない。

リリーナが私の事を悪役令嬢と言ってたらしいので
乙女ゲームなのは間違いないだろうが
私に割り当てられた悪役令嬢の役回りって何だろう。

あのヒロインのドレスを破くの?
無理、破くところがもはやないじゃない。
ヒロインというか、ゾンビゲームの雑魚キャラのゾンビ役で紛れているのが自然な格好だ。
色々設定が斬新すぎる、同人サークルの作ったゲームかしら
だとしても、島のお誕生日席にも行けないサークルだと思う。

一応そこそこ売れた某ゲームメーカーが作った乙女ゲームではあるが
転生ヒロインが違法薬物とか使いだしたのでシステムが破綻して
サバイバルゲームになっただけである。







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